研究評ニュース NO.132
2000年6月30日発行
発行:試験研究評議会事務局
電話011−747−2211(内線774)


一般職の任期付き研究員制度の導入について

法律第51号「地方公共団体の一般職の任期付研究員の採用等に関する法律」(「任期付研究員法」)が本年4月26日に交付されました。この法の施行は、「公布の日から起算してから3月を超えない範囲において制令で定める日」とされており、遅くとも7月末には施行されることになります。

この法は、公設試験研究機関の研究活動の活性化にとって、「専門的な知識経験等を有する人材の受け入れ」と「研究者の相互交流」が重要として、「公設試験研究機関の研究業務に従事する職員について、任期を定めた採用」と「職員の裁量による勤務に関する事項」を条例等で定めることとしています。

任期付研究員には @研究課題のリーダーとしての招へい研究員と A将来、研究者として先導的役割を担うように育成する若手研究員 2つの形態が規定されています。

任期は「招へい型」が原則5年、特に必要な場合は7年とし、特定研究課題によっては10年とされ、原則として再任は認めない。「若手」は3年とし、特に必要な場合は5年を超えないこととし、再任は認めない。また、「若手研究員」の採用では「従事させるべき研究業務」と「選考手続き」を人事委員会と協議して定めることとしています。

これをうけて道では、5月9日付で、総企部科学技術振興課から要望調査が行われていることは、5月13日付けのメールで各支部にお知らせしています。

この調査について確認したところ、「当面1〜2名の人件費の処置を行いたいので、意見を聞いている」ということで、これまで科技庁などで実施されている、各研究機関の定数枠外で配置してきた「ポスドク制度」に似たものをイメージしているようで、定数内にまで踏み込んだ話にはなっていないとしています。確かに、研修生や臨時職員の形態で実質的な研究員を無給あるいは低賃金で研究補助として使っている実態もあり、定数枠外に限定されるのであれば、これらの処遇改善に役立つ制度ではあります。しかし、本法律は1997年6月に制定された国家公務員制度に準じたものとされています。

国研では、法施行により、定数内職員の新規採用を任期付と非任期付の2形態で行っています。ただし、任期付研究員の採用は各機関の裁量とされており、一部で任期付研究員の採用を極力しないようにがんばっている機関もあるようですが、多くの機関は新規採用の一定割合、機関によっては、ある年の採用が全員任期制というと場合もあるようで、各省庁からの強い働きかけもあるように思われます。

国の機関では、任期制研究員として既に2年間が経過した研究員もいます。その結果、心配されたいくつかの問題点も見えつつあるようです。

@ 3年任期の研究員で2年経過したが、次の職のめどが立たず、今の雇用情勢を考えるとあと1年は就職活動におわれ、研究どころではない。

A 若手研究員の再任は認められないことから、短期間(2年間?)に具体的な業績をあげることが求められる(次の就職との関連で)。このため、任期付研究員が配属された研究室では任期付研究員の研究業績を短期間でいかにあげるかに苦慮している。そのためには、グループ全体で後押しする必要も生じ、他の研究員の業績評価に影響することが懸念されている。

B 研究評価の導入により、研究者相互の過度の競争意識から、内部における研究の協力体制がとれない研究室では、任期切れが近づくに伴い、焦りから任期付研究員の精神障害、任期付と非任期付研究員の確執、時には対立も一部で生じ、研究室運営が難しくなった。

それでは任期制研究員が導入されるにあたって、どのような前提条件が必要でしょうか。

まず、任期が切れた後の処遇の問題があります。今の日本に任期切れの研究者がスムーズに次の職を得る雇用システムがあるかどうかという問題があります。

前記したように、次の職がなかなか見つからないと言うのが現状です。研究施設、研究費等、研究体制が比較的整っている国立機関でさえ、任期切れ後の就職に不安を抱く研究者が多く聞かれる中で、研究体制として劣る公設試においては、さらに深刻な問題が生じるものと考えられます。実際、優れた研究・教育業績を持つ研究者が何年もの間、私立大学等の非常勤講師の職しか得られず、いくつものアルバイトを掛け持ちして何とか生活している実態が数多くみられ、研究員の雇用の問題は深刻です。

次に、短期間に「若手研究者」の資質を高め研究業績をあげさせる体制の問題です。短期間で一定の研究業績を上げさせるためには、試験研究機関としての基盤整備が必要です。研究備品整備、経常研究費(学会等への旅費も含む)の保証、学位取得への支援、研究発表の機会拡大等が不可分であると考えます。

近年、即効性・効率化が優先され、応用研究の基盤となる基礎研究や長期的な展望にたった研究が後回し、あるいは無視される傾向が強くなっています。そのような中での任期制導入はその傾向をますます助長し、公設試の研究基盤をますますぜい弱なものにする危険も考えられます。

最近の国研や大学の状況をみると、任期制導入に続いての独立行政法人化、さらには民営化をも視野に入れて進んでいます。今日の科学を無視した国の技術政策の動向、道における研究費・旅費の減額(いわゆる知事プレの廃止)と企業化・効率化優先の研究費の配分等を考慮すると、公設試の根本を大きく変えようとしている(東京都では数年前にいくつかの研究機関が財団化されました)ものとしてみる必要があると思います。

法律はほとんど公に知らされないまま成立してしまいましたが、現状では問題点が多すぎると思います。実質的に「任期付採用」を定数内に拡大させないように取り組む必要があると思います。各試験場・研究所で何か動きがありましたなら、研究評事務局までお知らせください。必要であれば、場・所長や科学技術振興課など、関係部局との話し合いを持ちたいと考えています。

研究課題評価について

現在、試験研究機関において、独自に研究課題評価の実施要領が作成され、来年度予算から試行実施されることになっています。内容は「事前評価」・「中間評価」・「事後評価」・「追跡評価」からなり、基本的に事前評価・事後評価を行い、研究期間や必要性に応じて中間評価や追跡評価が行われます。なお、具体的な評価内容については、ほとんどの機関ですでに決定されていると思います。

今年度は試行期間の位置付けとなっており、その結果に基づいて問題点を把握し、早ければ来年から本格実施するというフローが想定されています。

そもそも研究課題の評価は、数年来実施されている政策評価との関連があります。つまり、政策評価では試験研究機関に対する研究課題の本質的な評価が極めて難しいとの判断から、専門的な知見を加えて新たに導入されるものです。したがって、本質的には政策評価と同様の側面を有していると考えられます。

この制度の導入にあたって、「研究課題評価と予算は基本的にリンクしない」(政策評価課)といっていますが、科学技術振興課による“予算要求の一元化”がすでに決定されていることから、リンクすると考える方が妥当だと思います。

研究評では、今後の状況を注意深く見守る必要があると考えていますが、皆様のご意見等をお知らせください。

給与に関するアンケートにご協力お願いします。

研究職給料表の3、4級昇格基準の緩和に向けて、研究職員の置かれている給与実態を当局に示す必要があります。従いまして、これから研究職員の棒級に対する年齢組成を調査していきたいと思います。同封のアンケート用紙に必要事項を記入し、研究評事務局まで送付して下さい。よろしくお願いします。

送り先:〒060‐0819 札幌市北区北19条西12丁目
北海道立衛生研究所内 試験研究評議会事務局

野球大会、テニス大会について

野球大会については、以下のように予定しております。
日時:10月14日(土)、15日(日)
場所:14日、新川下水処理場内グランド(札幌市西区八軒9条西7丁目、新川通り沿い)
地共済グランド(札幌市北区北19条西12丁目、研究団地内)
15日、地共済グランド
参加費:一チームにつき1万円
懇親会:10月14日試合終了後、衛生研究所食堂または講堂、懇親会費は一人につき2千円
参加申し込みは8月以降の予定です。

テニス大会は未定でありますが、8〜10月の期間中に開催したいと思っております。詳細が決定次第、各支部に連絡します。

お願いです!!

研究評ニュースは、コピーをとって組合員のみなさんに渡すなどして、必ず組合員全員が目を通すよう支部で努力してください。

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アドレスは http://i.am/heyjoe です。インターネットが整備してある機関ではご利用下さい。