研究評ニュース NO.144
2002年5月20日発行
発行:試験研究評議会事務局
電話011−747−2211(内線774)


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ニュース項目
○研究評野球大会およびテニス大会のお知らせ
○自治労研究職全国集会の北海道提出レポート(任期付研究員制度関連)
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研究評野球大会およびテニス大会のお知らせ

今年で37回目になる野球大会および6回目となるテニス大会を、研究評主催により開催します。詳細は次のとおりです。よさこい祭りやサッカーワールドカップと日程が重なっておりますが、多数の機関の参加よろしくお願いします。

○野球大会
日時:6月22日(土)、23日(日)
場所:道共済グランド(札幌市北区19条西12丁目、研究団地敷地内)
札幌市内グランド(未定)
参加費:1チームにつき1万円
懇親会会場:衛生研究所食堂
懇親会参加費:1名につき2千円
備考:大会参加に関して、他機関合同のチームでもかまいません。また、選手は研究機関の職員としますが、選手の収集が困難な場合、アルバイトや元職員等、その機関に関わりのあるものに対し、事務局の判断で参加を認めます。

野球大会の参加希望チームは、電話またはメールで下記の連絡先に6月6日(木)までに、お知らせ下さい。また、出場選手の氏名、年齢、所属先、監督および主将の氏名をエクセルのファイルで作成し(形は自由でかまいません)、メールで送付して下さい。

○テニス大会
日時:6月29日(土)
場所:野幌運動公園テニスグランド
参加費:1チームにつき1万円
備考:大会参加に関して、他機関合同のチームでも可。1チーム6名以上とします。ゲームのルールは朝日杯テニス大会のルールに準じます。

テニス大会の参加希望チームは、電話またはメールで下記の連絡先に6月13日(木)までに、お知らせ下さい。また、出場選手の氏名、年齢、所属部、責任者の氏名をエクセルのファイルで作成し(形は自由でかまいません)、メールで送付して下さい。

野球大会、テニス大会の参加申込およびメンバー表の送付先
電話番号:011-747-2734 北海道立衛生研究所 高野まで
メールアドレス:takakei@iph.pref.hokkaido.jp

自治労研究職全国集会の北海道提出レポート

前号でお知らせしたとおり、第7回自治労研究職全国集会および 第8回総会が鹿児島県で 開催されます。北海道の研究機関からは3名出席で、評議会議長の沼辺および畜産試支部の松井書記長がレポートの発表を行う予定です。そのレポート内容の一部について紹介します。

任期付研究員制度の導入とその取り組み
                          全道庁・試験研究評議会
                            議長   沼辺 明博

公務員の任期付任用制度は,1995年9月に大学審議会の中で「教員人事の活性化を図る上で有効」として大学教員の制度導入が表明され,次いで1996年6月の科学技術会議「科学技術基本計画」答申に,「国立試験研究機関に任期付任用制を導入すること」が盛り込まれた。この答申の任期付研究員制度導入の理由は(1)優秀な研究者を円滑に結集,(2)若手研究者の創造的能力かん養と登竜門(答申の概要)の2点があげられている。この法制化の際には,法案の国会上程前から,筑波にある国立研究所の組合の集まりである学研労協や大学職組,日本科学者会議等が法制化反対を表明し,マスコミ等でも取り上げられていた。しかし,「一般職の任期付研究員の採用,給与及び勤務時間の特例に関する法律」が1997年5月に,「大学教員等の任期に関する法律」が同6月に国会を通過し,通信総合研究所に慶応大学・村井教授が第1号(1年間の招へい型)として1997年11月1日付けで任用され,1998年以降,国研に多くの任期付研究員が採用されている。

一方,「地方公共団体の一般職の任期付研究員の採用等に関する法律」は,事前情報がないまま2000年4月26日公布,7月1日施行となり,北海道はいち早く条例化に動き、12月8日可決,12月20日発効し,2001年4月に招へい型1名が採用された。以下に北海道における任期制研究員導入の経過と,全道庁・研究評の取り組みについて紹介する。

T 経過

(1) 2000年5月:「任期付研究員の採用に関する意向調査」を実施。
自治省が各都道府県に対し「法」の趣旨を示し条例制定を要請した。これを受け,道当局は試験研究機関に対し任期付任用の意向調査を行なった。

(2) 10月21日:「一般職の任期付研究員の採用、給与及び勤務時間に関する条例制定」について全道庁本部に事前の情報提供。
「高度な専門性を有した研究者の確保や期間が限定される専門的な研究開発への効率的な対応などの面で,任期付研究員制度は有効であると考えることから,既に制度化されている国に準じた制度を導入するため、第4回道議会定例会に提案し条例を制定したい」,「法律の趣旨に鑑み,制度を導入する必要があり,4定議会に提案することについて,理解を得たい」。

(3) 10月30日:4定議会への条例提案を正式提示。
運用面については引き続き話し合っていく。

(4) 12月7日:道議会で条例案可決(12月20日公布)。

(5) 2001年2月16日:「一般職の任期付研究員の採用等に関する規則」公布。

(6) 1月25日:任期付研究員の採用に関する「要望調査」の実施(科学技術振興課)。

(7) 4月1日:環境科学研究センターに配置定数枠外(政策定数枠で配置)で招へい型研究員1名採用(中国科学院助教授)。

U 全道庁本部・研究評の取り組み

(1) 5月の「意向調査」に対し,全道庁本部をとおしてその意図について確認し,メール及びFAXにより各支部に対する情報提供と意見集約を実施。
各支部では反対の声が多いものの,新たな事業や研究課題の展開,性急な成果主義,その一方で機構見直しに伴う予算や定数の削減が強行され,新規課題を行う上で有利な制度とする声も少なからず聞かれた。

(2) 既に制度が導入されている国研の状況について情報収集。

(3) 条例化の意向の提示を受け,任意付研究員採用の必要性がないことを申し入れ,任期付研究員制度に関する7項目の要求書を提出し交渉を実施。

<7項目の要求>
1) 制度に関する条例化と運用については、十分な労使協議と合意に基づくこと。
2) 制度の具体的運用の前提として,当該研究機関の研究予算の増額等,必要な処置を行うこと。
3) 任期付研究員の定数については,研究員の係る現行の定数の枠外で処置すること。
4) 任期付研究員の採用基準等については,客観的基準を明確に制定すること。
5) 任期付研究員を恒常的に採用しないこと。また,執行体制については、事前に労使協議を行うこと。
6) 任期付研究員の給与,勤務条件等の設定,運用等については,常勤研究員との公平性を図る観点から,常勤研究員に係る制度との整合性を確保するとともに,労使協議に基づき行うこと。特に任期付研究員業績手当については,支給基準を明確にすること。
7) 招へい研究員型任期付研究員における裁量勤務制については,研究機関全体に与える影響を考慮し,労使協議を前提に制度化,運用を行うこと。

(4) 全道庁本部と研究評の共催で,任期付研究員制度の全道学習会を開催(12月8日)

@自治労中央本部からの全国情勢,A国立研究機関(北海道農試)研究員による国立研究機関における任期制研究員の採用実態と問題点,B全道庁の取り組み状況,について報告を受け質疑。
条例制定が必至の状況となり,任期付研究員制度の理解,そのメリット・デメリットの把握,取るべき態度,条例制定後の取り組み,導入にあたっての条件など,共通認識を持つことを目的とした。

(5) 条例が制定され2001年4月から任期付研究員制度が導入されるという、新たな段階に入ったことから、各研究機関における動向を把握する必要があると考え、各支部に対し下記のアンケートを実施した

各機関に対する要望調査では,任期付研究員の採用を要望する機関はなかった。

任期付研究員制度に関するアンケート

任期付研究員制度が条例化され、道は2001年4月から運用したいとの発言をしております。研究評では、試験研究機関の特殊性を考慮し、その導入に際し本部等に意見や要望を反映したいと考えています。つきましては、意見や要望等を集約するため、以下のアンケートにお答えください。

〇任期付研究員の導入について、場・所ではどのような意見がありますか。
 若手型:
 招へい型:
〇場・所で採用しようという動きは見られますか。(その分野は何ですか。)
 若手型:
招へい型:
〇導入された場合、どのような問題が考えられますか。
 若手型:
招へい型:

(6) この間,研究評は本部の協力のもと、条例制定後の実務を行う科学技術振興課と独自に話し合いの場を持ち、問題点などについて協議を行った。

V 任期付任用制度の問題点

若手育成型  
@ 任期終了後の保証は? ・・・・・使い捨ての不安定雇用の拡大になる
A 現体制で指導育成できる状況にあるのか?・・・・・成果が出なかったときの責任は誰がとるのか
B ルーチン業務なども手伝わせることになり成果を上げさせることができないのではないか

招へい型
@ 道立試の現状(予算・体制・施設)で,有効に機能させることができるのか?・・・・・誰が下で働くのか
A 必要に応じて国研や大学との共同研究,客員研究員制度など,現行制度の充実,或いは必要に応じて指導を受けることで解決できる。

共通して
@ 施設・研究備品等,研究体制が不十分な現状で,求める人材が得られるのか
A 大学・国研等の流動化の中で余剰人員(不適格者?)の単なる受け皿とならないか
B 特定課題に対し定数内で処置されることから,対象外の業務(検査等のルーチン・指導相談・突発事故への対応等:実際にはこれが大半である)は,既存の研究員で対応せざるをえず負担のみが増える可能性がある。・・・・・任期付きとその他の研究員の研究条件に格差が生じ,軋轢が生まれる。
C 流動研究員の増加で,技術の継承が損なわれ,技術指導・支援に支障をきたす
D 長期的な視点に立った人材育成,研究計画に支障が生じる
E 制度運用が優先され,所・場の意向と無関係に,政策課題と一緒に任期付き研究員の採用が強制されないか
F 任期付き職員の適正な業績評価は可能か? また,誰が行うのか

W 到達点

以上のように,任期付研究員制度は条例が制定され,2001年4月1日付けで招へい型1名が任用された。これは,知事が第2回定例議会で導入を表明し,4定議会で「環境・リサイクル,情報通信などの分野において,例えば,先端技術を活用した環境の把握や産業への応用などのテーマを対象として,優れた研究実績や高い資質を有する海外の研究者も視野に入れて検討を進め,新年度からの採用を目指して参りたいと考えている」 と答弁し,強い意思表示をしたことによる。

全道庁本部と研究評は,条例公布後も任期付任用に関する人事委員会規則や具体的運用に関して,人事当局と交渉を重ねるとともに,担当窓口の科学技術振興課と任期付任用の問題点(特に若手型)を指摘して話し合いを行ってきた。

その結果,最終的に下記の5項目について確認された。

1) 任期付研究員の採用については,常勤研究員の研究環境に影響を及ぼすことから,当該職場と事前に話し合い,その意見を尊重し,制度の安易な運用は行わないこと。

   任期付研究員については,あらかじめこの制度の趣旨をふまえ,関係試験研究機関等と話し合うなどして研究テーマの選定を行い,このテーマに沿って研究業務に従事する場合に採用して参りたい

2) 任期付研究員は基本的に枠外で措置すべきである。

   基本的に,任期付研究員は定数内職員であるが,招へい型研究員は,試験研究機関の研究テーマとの関わり等を考慮し,個々詮議により取り扱って参りたい。なお,若手研究員の場合は基本的に既存ポストで扱い,新たなポストを用意することは考えていない。

3) 任期付研究員の研究諸条件を十分確保するとともに,任期終了後の対応についての本人の希望や意向に十分配慮すること。

   研究テーマに沿って,必要な予算を措置するとともに,任期終了に際しては適切に対処して参りたい。

4) 任期付研究員と常勤研究員との,組織・機構上の位置づけ,職務権限,服務,休暇及び福利厚生等の違いを明確にすること。

   職名は基本的にスタッフ職として参りたい。条例にあるとおり場長,副場長等から除外しており,所属の管理運営には従事しないが,研究に関しては所属職員に対し指導・助言を行うこととして参りたい。また,服務,休暇,福利厚生等については条例,規則など別に定めるものを除いて同様に取り扱って参りたい。

5) 任期付研究員制度の運用に関して,新たな問題が生じた際には,事前に協議すること。
   誠意を持って話し合って参りたい。

以上のように,当局との最終確認では,@任期付研究員の採用は,原則として各試験研究機関の研究テーマの選定の中で決定されること。A若手については既存の定数内で取り扱われるが,招へい型は「個々詮議」とされており,配置数の外数として取り扱うことが可能と考えられ,「特別研究員」として別のポストが用意された。B任期終了後については「適切に対処する」としており,特に若手では任期終了後の処遇に関して,本採用も視野に入れ本人の意向が反映されるように対応することが必要である。

研究評は,これまでも本部の協力を得,研究課題評価の導入,研究予算一元化等の問題で科学技術振興課(条例制定後の運用の窓口)と意見交換を行ってきた。任期付任用に関しても同課との話し合いを重視し,任期付任用の問題点,特に若手に対する指導性や任期終了後の処遇問題等,問題点を指摘し,人事当局も含めて若手型については今のところ採用する条件は整っていないという認識が得られたものと考えている。

その結果,今回の任期付研究員の採用は,
@政策枠として配置定数枠外で措置され,ポストも部付の特別研究員という別の職を設け,既存のポストを用いていない。
A採用された研究員が中国人で,数年前から客員研究員として交流のあった研究者であり,現職員との軋轢は少ないと考えられる。
B任期終了して帰国後の身分が保障されている。
など,我々が主張してきた条件がほぼ満たされると判断した。

X 今後の課題

これまでの交渉・話し合いにより,我々の主張が担当部局に一定程度,理解されたものと考えられる。しかし,本条例は研究員の流動化をめざす国の政策に添って制定されており,知事は議会で積極的運用を表明していることから,今後,欠員や機構改革等にからめて任期付研究員の採用を押し付けてくる可能性も否定できない。本制度の根本は,不安定な研究員の増大に手を貸し,研究職員の処遇改善に逆行する制度である。したがって,

(1)職場内の合意なしに任期付研究員の一方的な採用は行わないこと。
(2)採用に当たっては試験研究機関の主体的判断で行うこと。
(3)特に,不安定雇用の拡大につながる若手型の任用には安易に同意しないこと。
(4)任期終了後の処遇について十分配慮すること
(5)招へい型に関しては配置定数枠外の要求をつらぬくこと。

任期制導入後の国研の動向を見ると、公設試のエイジェンシー化、さらには民営化(財団法人化)による公設試の切り捨てつながる危険性が見え隠れする。

研究評は全道庁本部のバックアップにより,試験研究機関の制度等に関する実質的窓口である科学技術振興課と,意見交換の場の確保に努めている。他府県のホームページに若手研究員を中心とした任期付研究員の公募が数多く行われていることを見ると,担当部局との意見交換が有効であったものと考えている。