平成15年2月15日
富山大学 神川康子教授の講演記録「子供の生活リズム」
記録 長岡小 伊藤
眠りの研究を約30年間行ってきましたが、最近は大人も子供も睡眠不足で、眠りの研究がブームになっている。大学では、睡眠だけで90分×15回の講義をしている。
1 最近の子供の健康状況
@県内の養護教諭からアンケート(回収率80%)
・不定愁訴が多い(何処がわるいのか、どうして欲しいのか言えない) ・親子共に夜型方生活
・不登校傾向 ・毎日腹痛や頭痛 ・朝食はジュースのみ ・お稽古事の疲れ
・土日の疲れ ・神経質で失敗を恐れる ・失敗する経験が少ない
A ベネッセ(福武書店)の全国調査
・幼稚化 ・表情が乏しく溌剌としていない ・指示待ち ・幼児(特に女子)から容姿を気をする ・社会性が乏しい(他人に謝らない 友人と喧嘩しても謝らない)→大人が鏡か?
・精神的に不安定で、相手によって態度が変わる。
・躾が不足(食べる、眠るなどの生理的な躾)
・アレルギー的な体調不良 転倒 肥満 肩こり頭痛(子供が親に肩をもんでもらっている)
・スキンシップなど親子関係の弱さと信頼関係が弱い
B 夜更かしの悪循環
夜更かし→自立起床ができない→朝食がいい加減→排便不規則→日中も低体温で活動レベル低下
(学校で朝から疲れていて、欠伸・居眠り・イライラ、人の話を静かに聞けない)→夜に体温が低下しないので、寝つきが悪い→夜更かし
2 以上の問題の一部は眠りで解消できるものが多い
◎ 規則正しい睡眠は、体と心を成長させ、ストレスを癒し、記憶力も高める。
@ 睡眠6時間以下をショートスリーパー 9時間以上をロングスリーパー
全国平均は7:23 県は7:00
A 寝る子は ○○
・落第(4当5落) 育つ 心が安定 記憶力が良い 肥満にならない
B 寝ると育つ理由
12時頃の深い眠りの時に、成長ホルモンがたくさんでる。
成長ホルモンは、骨、筋肉細胞を分裂成長させ、脳細胞を充実させる。筋肉が多いと基礎代謝量が多いので、寝ていても脂肪を燃焼させる。 幼少期の不眠が、数年後の肥満につながる。
深
成長ホルモンの分泌量
さ 眠りの深さ レム睡眠 午前4時頃から午前8時ころまでに多い
記憶を良くする(痴呆はレム睡眠のない人に)
ノンレム睡眠 午後10〜午前2時頃に多い
朝(起床)
90~120分
C 小学生の肥満 全国では2.6% 富山県は5.8%で2倍以上
視力1.0以下は、 全国の小学生の25%、高校生の71%
D 記憶力 学習後によく眠らせた子供はよく覚えている。計算ミスもすくない。
3 豊かなこころが育つには、睡眠と体験が大事
@ 心を豊かにする体験:自然や人との関わる体験や家の手伝いなどの体験
A
元気な心とは、回復力のある心のことである。
いつもはじけて、騒いでいるのは、たんにおめでたいだけ。喧嘩や失敗で、怒られて落ち込んでも、元に戻れる弾力性が大事。眠らないと伸びきったゴムのようになり、ちょっとしたことで傷つく。眠れば、ストレスが解消する。
4 早ね早起きで、体内時計をきちんと
◎アクティブメーター(アクティトラック)で、活動量と体温測定を行う学生の修士論文から
最善 就寝時刻と起床時刻を一定にする → 昼の体温が上がり、夕方から就寝まで体温が下がっていく。成長ホルモンも沢山でる。
次善 就寝時刻のみ一定にする → 寝る前に体温が下がり、眠りが比較的安定しやすい。
参善 起床時刻一定 四善 睡眠時間を一定
最悪 時刻も時間もバラバラ(イライラ 頭痛)
◎ 大人も、就寝の約1時間前に、入浴やジョギングなどで体温を上げておき、徐々に体温を下げることにより、早く深く眠れる。
◎ 光と体内時計
・体内時計は、左右の視神経が、脳内で交叉している所の上の視交叉上核(しこうさじょうかく)にある。
・夜遅くまで、強い光(室内照明、TV、パソコンやゲーム)を受けると、体内時計が狂う。早朝の強い光で体内時計がリセットされるので自分でカーテンを開けるとよい。
5 自己実現の欲求
・ 生理的(体)な欲求 ・安全(命)の欲求 ・愛と所属(居場所がある)の欲求
・ 承認と尊敬(周囲から認められる)の欲求
以上の欲求が満たされると、自己を向上させようとする意欲が生れやすい。
自己実現欲求
・ 自己充実 ・楽しみ ・正義 ・完成 ・個性 ・真善美
6 親も一緒に成長する子育て
三つの間を大切に(・時間的ゆとり ・温かい人間関係 ・ほっとする空間)
・出会えて良かったと思える子育て
成長と共に、
・聞き上手な子育て 手をかけずに、目をかける
・楽しむ子育て
・夫婦で分かち合う子育て