金やプラチナのような高価な金属は塩酸のような酸に対しても溶けません。ところが薬品に対して溶けることのない金も,温度を上げることによって,他の金属同様溶けてしまいます。
金の融点は1063℃です。金は純粋なものが作りやすいので,高温での温度計の目盛りを正しく合わせるために使われることもあります。
今ちまたではいろいろなダイエット食品が売られていますよね。その中で,コンニャクを使ってダイエットにチャレンジしている人もいるそうです。でも,コンニャクの中にはやせる薬などは入っていないのです。
実はコンニャクは炭水化物からできているのですが,この炭水化物はマンナンと言われ,米に入っているデンプンとは違う種類のものです。デンプンが体内でブドウ糖になり消化吸収されるのに対して,このマンナンは大腸までは素通り,そこで水分だけが吸収されます。つまり,栄養的にいえば全くの無価値なのです。
そのため,満腹感を味わいながらも栄養分を吸収しないということで重宝がられています。しかし,エネルギーが吸収できないのですから,結局は無理なダイエットが危険であることは否めません。
フグの毒は,テトロドトキシンといわれ,卵巣や肝臓,さらには腸や皮膚などに多く含まれています。反対に,筋肉や精巣,血液にはあまり含まれていません。
このテトロドトキシンは神経を侵す毒で,知覚麻痺や運動麻痺を引き起こします。さらに,大量に口にすると呼吸困難を引き起こし死んでしまいます。しかも,やっかいなことに,このテトロドトキシンは煮ても分解されないという特徴があります。くれぐれも,自分で調理などしないように!
みなさんは「あぶり出し」って知っていますか。紙に果実のしぼり汁や,お酢を使って字や絵を書き,火であぶると書いた文字や絵が浮かび上がる不思議な現象ですが,実は原理は簡単です。
紙には基本的に多量の水分が含まれています。ところが,酸性の物質と反応すると紙の主成分(セルロース)の水分保持力が極端に減少します。そのため,火に近づけると水分が少ないので,速く温度が上がりこげやすいのです。その性質を利用したのがあぶり出しというわけです。
紅茶やコーヒーのいい香りにつられてつい喫茶店へ・・・,という話をよく聞きますが,紅茶の不思議を知っていますか。紅茶が紅褐色をしているのは,葉の中に含まれているタンニンという物質のためです。紅茶の葉の中に含まれているタンニンが酸化して独特の色素を作り出すのです。実は,この色素は酸性の物質に触れると色がなくなる性質を持っています。つまり,レモンのような酸性のものを加えると,色が薄くなると言うわけです。
ちなみに,アルカリ性では色が濃くなりますので,重曹を加えると色が濃くなるはずです。味の保証はできませんが・・・。
チョコレート色という言葉もありますが,最近では本当にたくさんの種類(色)のチョコレートを見かけるようになりました。これらの違いは何か知っていますか?
実は,原料自体に違いはありません。一般にチョコレートの原料はカカオマスと言って,カカオ豆を発酵させたものをペースト状にしたものですが,これにココアバター,砂糖,ミルクを加えて練り混ぜると,チョコレート色をした普通のチョコができあがります。これに対し,カカオマスを使わずに,別の植物油を使って同じようにするとホワイトチョコレートができるのです。チョコレートの色は,カカオマスを使うかどうかで決まるんですね。
NHKの連続テレビ小説では「こころ」を放送していましたが,この中にも花火を作っているシーンが登場しましたよね。
花火は『星』と呼ばれる火薬を丸めて和紙でくるんだ小さな球を,球形の殻の中にきれいに配列して作ります。この『星』の中に詰める火薬に様々な塩類(えんるい)混じっています。元々,元素の中には高温になったときに特有の色を出す(炎色反応といいます)ものがあり,これを利用しているのが花火の色なのです。
理科の実験で酸性・中性・アルカリ性(これらをまとめて液性といいます)を調べるためのリトマス紙はいったい何から作られているのでしょうか。
実は,溶液の液性を確かめるために大変に便利なリトマス紙は,『リトマスゴケ』という地中海の海岸に生えている植物から作っているんですよ。このコケに含まれる色素が,酸性では赤色に,アルカリ性では青色に変化するんだそうです。実に大発見だと思いませんか。
何気なく使っているリトマス紙も,地中海から長旅をしていろいろな国にやってくるんですね。
冬になると大変に便利な使い捨てカイロ。なぜ温かくなるのでしょうね。
実は,使い捨てカイロが温かくなるのは,『酸化』と関係があります。(3年生で習います)使い捨てカイロは袋の中に鉄粉と,酸化促進用の塩をしみこませた活性炭が入っています。これが空気中に出されることで,一気に酸化が進むのです。もちろん酸化には発熱がつきものですので,温かくなるというわけ。お菓子の袋に入っている『脱酸素剤』も同じ原理なので,触れてみると熱を持っていることがわかります。
酸化が原因だからといっても,袋の中に鉄釘を入れても表面積が小さすぎて温かくはなりませんのであしからず。
みなさんはどんな果物が好きですか。私はリンゴが大好きなのですが,さて,このリンゴ。皮をむいて放置しておくと茶色に変わってしまいますよね。あれは,リンゴの細胞が死んでしまうために,酸素の攻撃をまともに受けるからです。つまり,細胞が自分自身のコントロールを失った結果,酸化作用を受けるということなのです。
皮をむいたリンゴを塩水に浸すのは,空気中の酸素と触れさせないようにするためなんですね。また,塩水には細胞の中にある“酸化酵素”を溶かしてしまうはたらきもあります。これによって,酸化を遅くしているんですね。
渋柿の皮をむいて干しておくと,不思議なことにあま〜い干し柿に変わりますよね。
柿が甘いのは,“ブドウ糖”と“果糖”が含まれるためですが,柿を干すとこの2つは表面にしみ出してくるのです。しみ出してきた果糖は,空気中の水分を吸ってべたべたになりますが,ブドウ糖は乾いて表面にへばりつくのです。そのため,表面がブドウ糖の粉で白くなるのです。
今では珍しくなってしまいましたが,以前はお祭りに出かけるとカルメ焼きの屋台が繁盛していました。見ていると実に簡単そうなのですが,実際はなかなか温度管理が難しいんですよね。資料を見ると120℃〜125℃付近という言葉がよく出てきますが,実はこの温度帯ではカルメ焼きのもと(砂糖水)が水飴状になっているために,一気に温度が上がってしまいます。
また,カルメ焼きがふくらむのは,あとから混ぜる重曹(炭酸水素ナトリウム)が大きな鍵を握っています。かき混ぜる直前のカルメ焼きのもとは130℃近くなっているため,炭酸水素ナトリウムは熱で分解してしまいます。そのときに発生した二酸化炭素が,内側からふくらませているのです。
上手にできたカルメ焼きに穴がたくさん開いているのは,二酸化炭素の仕業だったんですね。
ダイコンは様々な用途に使われています。ダイコンおろしや,刺身のつけあわせに使われるつまなどが代表的ですが,煮物やつまでは辛くはないのに,ダイコンおろしにすると辛くなるのはなぜでしょうか。
それは,ダイコンをおろすことで組織が破壊され,辛味成分である“ダイコン油”が出てくるからです。このダイコン油は,時間がたつと蒸発してしまうため,おろしてから1時間ほどすると,辛味がほとんどなくなります。すりおろしてからの時間と,辛味との関係を調べてみると意外な発見ができるかもしれませんね。
ちなみに,ダイコンには消化を助ける酵素(ジアスターゼ)が大量に含まれていますが,この酵素は熱に弱いため,生で食べるほうが効率よく体に取り入れることができますよ。
同じ株に咲いていてもいろいろな色を見せてくれるアジサイの花。去年赤い色になったからといって今年も同じ色になるとは限らない花ですよね。そのせいか,ついた花言葉は『移り気』だそうですが・・・。
アジサイの花の色は,土壌の性質で決まっているようです。アジサイには“アントシアン”という色素が含まれているのですが,この色素はアルカリ性では青または緑,酸性では赤になる性質があります。そのため,吸収した水分の性質によって花の色も変わるんですね。
実際は,土壌から溶け出した金属の割合や,それ以外の色素との関係で,より複雑に色を変化させます。
薬を飲むときに『お茶で飲んではいけない』と言われることがありますが,実際のところはどうなのでしょうか。実はお茶で飲んでも体に害はありません。でも,お茶に含まれるタンニンが鉄と化合しやすく,薬の中に鉄分が入っていると効き目を落とすのだといいます。そのため,『お茶で薬を飲んではいけない』といわれるようになったのでしょうね。
ちなみに,多めの体温に近いぬるま湯で飲んだほうが体によく吸収され,薬の効き目が大きくなります。