素朴な疑問   Biology

        

時差ぼけはなぜ起こるの?
ラッコの道具はどこにある? サケはなぜ生まれた川に戻れるの?
胸がドキドキするわけは? 魚の年齢はどうやったらわかるの?
ヘビはなぜ舌を出すの? 血液の色は何種類?
シマウマも“ヒヒーン”と鳴くの? 毛虫にも歯があるの?
お風呂で指先がしわしわになるのは? 静脈と動脈の違いって?
シマウマの毛をそったらどんな模様? アリの巣は雨で水浸しにならないの?
人間の骨は何本あるの? 破骨細胞はなぜあるの?
骨を壊す細胞があるって本当? 頭蓋骨はなぜギザギザなつぎめなの?


時差ぼけのメカニズム?

 地球上に時差があるのは周知の事実。これは地球の形状と自転によっていますが,経度が15°違うと一般には1時間の時差が生まれます。(360°÷24時間=15°)
 飛行機で旅行すると,ヨーロッパやアメリカまで8時間から10時間程度で着きますが,実は,この速さが時差ぼけの大きな要因になっています。昔のように船などでのんびりとした旅をすれば,身体もゆっくりと順応できるのでしょうが,飛行機の速さでは,日本は真夜中のはずなのに,到着地では真っ昼間というような現象が起こりやすくなります。
 実は私たちの身体にはきちんとしたリズムを刻んでいる“体内時計”があるのですが,上のような状況ではこれが混乱してしまいます。その結果,寝不足になったり,とんでもない時間に目が覚めたり眠くなったりしてしまうのです。このような現象を総称して「時差ぼけ」と呼んでいます。

ラッコが使っている石はどこから持ってくるの?

 海面にプカプカ浮かびながら,小石で好物の貝を割って食べる動物「ラッコ」。誰に教わるわけでもなく,自然に道具を使うことを覚えたようです。では,ラッコが使っている小石はどこから持ってくるのでしょうか。
 ごく普通に考えれば,貝を拾ってくるときに一緒に拾うような気もしますが,実はラッコは好みの石をいつも毛皮のポケットに入れて持ち歩いているのだそうです。ラッコの毛皮はからだの割には大きくだぶだぶしています。寒い海でも大丈夫なように工夫されていますが,この毛皮を上手に利用して,ラッコは好きな石や貝殻を収納しています。中には,ポケットの中に5,6個の貝をしまいこんでいるラッコもいるそうです。

サケはなぜ迷わずに生まれた川に戻れるの?

 サケやマスは一般に秋に産卵します。この卵は2ヶ月ほどで孵化し,4月から5月になると雪解け水に乗って海に出て行きます。このとき,いきなり海に出て行くのではなく,しばらくは沿岸部にとどまり,水温が15℃くらいになると回遊を始めることが知られています。そして,4年後には長旅を終え自分の生まれた川に戻ってくるのですが,なぜ広い海とたくさんの川の中から生まれた場所に戻ってくることができるのでしょうか。
 これにはいろいろな説があって,体内時計で太陽や月の位置から方向を決定している説,海流や水温を頼りにしている説,体内に磁石がある説などがあるのですが,一概にどれが正しいということはまだわかっていません。でも,生まれた川の近くまで来ると,稚魚の時の川のにおいを思い出すのだそうです。ちなみにサケに目隠しをしても,自分のまれ育った川に間違えることなく戻るという実験結果があるそうです。

胸がドキドキする秘密?

 徒競走(かけっこ)のスタート前や,多くの人の前でお話しをするとき・・・。緊張してドキドキした経験はありませんか。運動したあとも胸がドキドキすることがありますが,これは血液を体内に送り出している心臓が,酸素を早く全身に送り出そうとして忙しく動くためなのです。これによって,心臓からたくさんの血液が体内に流れるため,その勢いも合わさってドキドキするのですね。

魚の年齢の調べ方?

 木の年齢を調べるために,年輪を数えるのはよく知られていますね。では,魚の場合はどうでしょうか。
 魚の年齢を知るためには,うろこにある縞模様を数えるとよいのです。魚のうろこをルーペ(虫眼鏡)で見ると,非常に細かい縞模様があることがわかります。この模様が年輪と同じ役目をしているのです。
 ちなみに,金魚の中には20年以上生きたものがいるそうです。また,ウナギはもっと長生きで50年も生きたものがいるそうですよ。

ヘビが口から舌をペロペロ出すのはなぜ?

 ヘビの絵を描くと,よく舌を出している絵を描きますよね。実際に多くのヘビはペロペロと舌を出しているのですが,これは犬のように体温調節をしているわけではないんですね。
 実はマムシ以外のヘビの舌は鼻の役目をしています。舌でにおいを嗅ぎ,えさのありかを捜しているのです。また,ヘビの舌は敏感で,空気の動きや温度の違いも同時に感じることができるそうですよ。

血液の色は何種類あるのかな?

 私たち人間の血液の色は「赤」ですよね。ほかの動物の血液も「赤」なのでしょうか?
 一般に動物の血液の色は3種類あることが知られています。血液が赤い動物がほとんどですが,エビやカニなどのなかまは「青」,昆虫のなかまは「黄」の血を持っています。これは血液に含まれる色素の違いによるもので,赤い血はヘモグロビン(鉄分を含んでいる),青い血はヘモシアニン(銅を含んでいる)の色によります。

シマウマもウマのように“ヒヒーン”と鳴くのか?

 身体の縞模様がとてもきれいな「シマウマ」。以前に地肌の色についてお話ししましたが,模様が違っていてもウマ科の動物であることに変わりはありません。ということは,ウマと同じように「ヒヒーン」と鳴くのでしょうか。
 答えは『No』です。実は,シマウマの鳴き声はウマとは全く違います。強いて言うならば,シマウマの鳴き声はイヌのような『ワンワン』に近い鳴き方なのです。

毛虫にも歯があるの?

 きれい好きのおかあさん達には,虫に食われた野菜は好まれません。でも,実は虫食いのあとがある野菜は農薬が使われていないことを証明しているのです。もっとも,最近では有機農薬と言って,身体に害の少ない農薬もあるのですが・・・。
 さて,野菜を食い荒らす代表選手の毛虫。あれだけきれいに葉に穴を開けるのだから,きっと立派な歯があるに違いない・・・。でも,ちょっと待って。実はそんなことはなく,毛虫は左右に開く大きくて丈夫なあごだけしか持っていなのです。すなわち歯などは存在しません。この強力なあごは,さなぎになる過程でなくなり,成虫(蝶や蛾)になったときには,ストロー状の管に変化してしまうのです。 

お風呂に入ったとき,指先がしわしわになるのはなぜ?

 お風呂に長く入っていると,指先がふやけてしわしわになりますよね。普段は,皮膚は水を通しませんが,お風呂につかるとちょっとだけ柔らかくなって,いくらか水を通すようになります。ところが,水が皮膚を通して体内に入るということは人間にとって良いことではないんですね。そのため,皮膚の表面の細胞が大きくふくらんで水が通ることを防ぐのです。このときに,細胞はいろいろな形にふくらむので(丸になるとは限らない),結果的に指先にしわができるのです。

静脈と動脈ってよく聞くけど,違いは何?

 簡単に言うと,からだのいろいろな器官から心臓へ血液を運んでくる血管が「静脈」,反対に,心臓から送り出される血液を運んでいる血管が「動脈」です。ちなみに,心臓の拍動にともなう圧力の変化(脈拍)をとらえられるのは「動脈」の方です。

シマウマの毛をそったらどんな模様?

 ウマのなかまなのに体が縞模様の毛で被われているシマウマ。とてもきれいなストライプですよね。
 ところでシマウマの毛をそったら,皮膚はどうなっているのでしょうか。実は,シマウマは毛の白い部分は皮膚も白っぽく,毛の黒い部分は黒っぽい皮膚をしているのです。ということは・・・。
 そうです,シマウマは毛をそってもシマウマに変わりはないということ。もっとも,色の鮮やかさはなく,ぼんやりとしたものにはなりますが,それでも『縞馬』であることに変わりはないのですね。
 ちなみに,サバンナであんな模様をしていて目立たないのかと心配していた人もいましたが,草原では草むらや低木のように見えるため,保護色になって敵に見つけられる可能性は低いのです。

アリの巣は雨で水浸しにならないの?

 雨が降ると地面にも水たまりができますよね。そのせいで雨降りの日に外を歩くと,車が跳ね上げた泥水がかかって悲惨な姿に・・・などということもあります。私たち人間でさえびしょぬれになってしまうのですが,地面にぽっかりと口をあけた巣を持っているアリたちは,さぞかし大変ではないでしょうか?
 実は,アリたちは巣が水浸しにならないように巣を作る場所を吟味します。よく観察するとわかるのですが,土が盛り上がっていたり,のき下だったり,大きな石の下だったり簡単には雨が流れてこないような場所にアリは巣をつくっているのです。
 私たち人間にとってはたいしたことがなくても,アリにとって雨は生死にかかわる大問題。だからこそ『立地条件』にはこだわっているのかもしれませんね。

人間の骨は何本あるの?

 私たち人間が立ったり,座ったり,歩いたりすることができるのはからだを支えている骨のおかげでもあります。もちろん,関節についている『骨格筋』という筋肉も大きな役目を果たしているのですが・・・。
 ところで,人間はいったい何本の骨を持っているのでしょうか。時々ちょっと多めに骨を持っている欲張りな人もいるといいますが,普通は206本の骨があります。意外に多くありませんか?
 ちなみに,骨の総重量は体重の5%程度しかありません。つまり,体重が60sの人の場合,骨は3sしかありません。でも,驚くことなかれ。強度は鉄筋コンクリートの4倍もあるのです。人間のからだって実に不思議ですね。

破骨細胞はなぜあるの?

 破骨細胞があるために,歳をとると骨がもろくなってしまうというお話をこの前しましたが,なぜ,人間はこんな厄介な細胞を持っているのでしょう?
 実は,そのヒントは人間の進化の過程にありました。
 遠い昔,生物は海の中にしかいませんでした。海の中にはカルシウムが豊富に含まれていて,生物は運動のエネルギーや体調の維持に使っていたのです。ところが,陸上へ生活の場を移すと,今まで海水から取り入れていたカルシウムが取れなくなったのです。そこで,体の中にカルシウムを蓄える手段として『骨』を作り出したというわけ。つまり骨は“カルシウム貯蔵庫”というわけです。
 人間の場合は,体内のカルシウムの99%を骨に蓄え,不足すると骨を溶かして使っているのです。一見無駄に思える『破骨細胞』も,実はなくてはならない細胞なのですね。

骨を壊す細胞があるって本当?

 人間は日々成長しています。特に,中学生から高校生にかけてはものすごい成長をします。もちろん,このとき骨も成長しなければなりません。
 骨が成長するなんて聞きなれませんが,実は人間は生きている限り骨を新しいものに作り変えています。骨の中には新しく骨を作り出す『骨芽細胞』と,古くなった骨を分解する『破骨細胞』と呼ばれるものがあります。中学生から高校生にかけては,骨芽細胞が活発なので,骨もどんどん大きく成長し,それに伴って背も大きくなります。ちなみに,この時期は2〜3年で全身の骨がすべて新しく入れ替わるそうです。これが歳をとるにつれ,破骨細胞のほうが多くなるため骨がもろくなってきます。骨折したとき治りが遅くなるのはそのためです。

頭蓋骨の継ぎ目はなぜギザギザ?

 皆さんの脳を守っている頭の骨は,継ぎ目がギザギザになっているのを見たことはありませんか。別にギザギザでなくてもいいような気もしますが,なぜなのでしょう。
 頭蓋骨(正式にはトウガイコツといいます)は,手や足などのような大きな骨ではなく,15種類23枚もの骨が合わさってできています。この中に空洞を作り,脳や顔の組織を入れて保護しているのですが,このとき骨がしっかりとくっついていなければいけません。そのため,ギザギザを作ってお互いがうまくかみ合うようになっています。
 ちなみに,生まれたばかりの赤ちゃんは骨と骨が完全についていないので,隙間がありペコペコしています。脳の成長とともに,頭蓋骨も大きくなり丈夫なヘルメットになるのです。もっとも,はじめから頭蓋骨がかたくくっついていたら,脳の発達にも影響があるし,子供を生む母親は大変なことになってしまうのですが・・・。