(C)TOSS-TWO-WAY/小学校/国語/詩/6年/キーワード/キーワード

最後の国語授業「卒業式」


山梨県櫛形町立小笠原小学校湯泉恵美子

 

最後の授業は谷川俊太郎の「卒業式」で指導。法則化シリーズ・大村 礼子氏の論文である。

 


卒業前,国語の最後の授業を谷川俊太郎の「卒業式」でおこなった。
 始めに,何も言わずに板書した。



板書1 ひろげたままじゃ持ちにくいから
     きみはそれをまるめてしまう  
      まるめただけじやつまらないから
     きみはそれをのぞいてみる   

何のことだろうという顔をして,子どもたちは板書を見ている。

発問1 これは,何のことでしょう。
指示1 考えたことをノートに書きなさい。

3分後,全員に発表させる。次のような意見が出された。
 ○卒業証書 20人
 ○紙     9人
 ○賞状    3人
 ○ふろしき  1人
 「ひろげた」や「まるめて」という言葉から,紙だと考えた子が多かった。
 そして,卒業式目前ということで,ただの紙ではなく,卒業証書だと考えたようだ。
 友だちの「卒業証書」という考えを聞いて,「ああっ,そうか」と声をあげる子もいた。
 何のことなのか,子どもたちにもわかってきたようである。
 しかし,ここでは子どもの考えを出させるだけで,何のことであるかは言わない。

板書2 小さな丸い穴のむこう

発問2「小さな丸い穴のむこう」には,どんなものが見えるでしょうか。

子どもたちに,自由に言わせていった。「空」「太陽」「雲」「木」「校舎」「運動場」「友達」などが出た。

板書3 笑っているいじめっ子
     知らんかおの女の子
     光っている先生のはげあたま
      まわっている春の太陽
                   

「光っている先生のはげあたま」まで書いたとき,子どもたちから笑いがおきた。ほうふつとさせる先生がいたらしい(?)。

板書4 そしてそれらのもっとむこう
     きみは見る
     星雲のようにこんとんとして
     しかもまぶしいもの
       

「こんとん」というのは,まだはっきりしないようすであることを説明する。

板書5 教科書には決してのっていず 
     照らしても
     窓の雪ですかしてみても
     正体をあらわさない
     そのくせきみをどこまでも
     いざなうもの
  

板書が長いが,子どもたちは一生懸命目で追っている。「『蛍の光』の歌だね」とつぶやく子もいた。

板書6 卒業証書の望遠鏡でのぞく
                   ┌─────┐
               きみの│        │
                   └─────┘

「卒業証書」のところを書くと,「やっぱり!」という声があがった。

発問3 □には,どんな言葉が入るでしょう。
指示2 考えた言葉をノートに書きなさい。

 ○未来来 26人
 ○別れ   3人
 ○太陽   2人
 ○中学生  2人
 ○希望   1人
 ○勇気   1人
 ○道のり  1人
 ○思い出  1人
 全員が発表したあと,黙って板書する。

板書7 未来

子どもたちの中から,歓声があがった。 最後に,この詩は谷川俊太郎の「卒業式」という詩であることを告げる。
 3日後の卒業式当日。
式が終わって教室にもどってきたとき,子どもたちは卒業証書をまるめてのぞいていた。
いったい,何が見えたのだろうか。
 ※出典「谷川俊太郎少年詩集 どきん」(理論社)p80

前のページにもどる