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テーマ設定の理由 私たち社会科研究協議会は、これまで長年にわたり、「地域の素材の教材化」に重点をおきながら、地域の素材を活かした実践を数多く積み重ね、子どもたちが主体的に追求する単元構想と指導方法について研究を行ってきた。その取り組みのなかで、多くの優れた実践が生まれ、身近な地域の社会的事象を学習することの価値や意義が確かめられてきた。 しかし、その一方で、地域の素材を教材化することの難しさが今までにもたびたび問題として挙げられてきた。地域を見渡し、子どもたちにとって価値ある教材にするため、どのような素材を取り上げ、どこに焦点化していけばよいかを考え、子どもの意識に沿った単元を構想することは本当に容易なことではない。特に高学年では、地域の素材を窓口としながら、社会全体の様子を理解し、問題を正しくとらえることが難しく、とりわけ歴史学習においてその傾向は顕著であったといえる。加えて、昨今、見学活動が容易に行えなくなってきていることも問題であった。そして、さらに今年度からは、社会科の授業時間数が削減されたことにより、地域に何度も出かけ調べるという時間を確保しにくい状況となった。 このようなことから、今年度は、従来のように「どの学年、どの単元においても常に地域の素材と直結させた展開を」という傾向を脱し、より広汎ななかから的確な社会的事象を教材化し実践を行っていくこととした。このことは、もちろん従来の「地域の素材の教材化」への努力を否定したり、軽視したりするものではない。むしろ、私たちは身近な社会事象を抜きにして、社会を正しくとらえ、問題に正対する眼と力は育たないと確信している。ただ、先に述べたように、安易に「地域からはじめればよい」という傾向を見直し、社会科学習における「地域」のとらえなおしをしっかりとしたいとする願いに基づいてのことである。 以上のことから、今年度は『社会の様子や問題を正しくとらえる力をどう育てるか』を研究テーマとして設定し、研究活動を行っていきたいと考えている。 |