鋸岳・栗沢山・アサヨ峰

日  時   平成12年10月27日(金)〜29日(日)
場  所   南アルプス北部
参加者   木村正人・木村貴子
コースタイム   27日 
 伊豆高原―戸台河原駐車場
 18:00     23:00
        28日
 戸台P〜角兵衛沢入口〜大岩下ノ岩小屋〜コル〜鋸岳〜〜〜沢入口〜〜丹渓山荘
 6:00    8:00        9:30-40      10:50  11:10-50  14:00-10  14:40
         29日
 丹渓山荘〜北沢峠〜栗沢山〜アサヨ峰〜〜栗沢山〜北沢峠― 仙流荘駐車場
 5:30-40   7:15-25 9:05    9 :55-10:10 10:47   12:00-10  13:00-14:00
                                                         報告 木村貴子
 
 難ルートとされている鋸岳。コースタイムも11時間50分と長い。夫が2年前、単独で登った時は、 コースへの不安があり、テント泊するつもりであった事等、 大変な覚悟で望んだそうだが、 私は連れて行ってもらうので、何の不安もなく登れ、心構えが大違いである。
 
 枝折峠から戸台に向かう。河原駐車場には、 私達の車1台だけと寂しいが、夜空には、こぼれそうな満天の星が輝いていた。
  
    28日(快晴)
 車で10分位河原を進む。天気は良く、紅葉を楽しみながら角兵衛沢入り口に着く。
 心配していた川の水量も少なく、一箇所、徒渉する所にも丸太が掛けてあり、楽に渡る事が出来た。(夫は前回2度の徒渉にかなり苦労したらしい)コースタイムを縮めたいので、ザックをデポし、必要な物だけ持ち、身軽で登り始める。
 私が先に歩くように言われ、 赤テープを探す。樹林帯を過ぎ、明るいガレ場に出て、 初めて鋸岳の難ルートの意味がわかった。広いガレ場が一直線状にズーッと山の上まで続いている。岩雪崩のようだ。

          

     足元は危ないが、ダケカンバの黄葉はすばらしい。

どこを歩いて行くのだろうか?と思う。ケルンを頼りに踏み跡を踏みしめるように歩かないと、砕石ごと滑ってしまう。正面右手には角兵衛の大岩が大迫力で迫ってきた。此処からはさらに急登になり、足元の岩石は下部より細かくなるが、 かえって不安定で歩きずらい。ズルズルと下がって前に進めない。コルまで長いガレ場が続き、 着きそうで着かない。コル近くになると、 風が谷間から吹き上げ寒くなってきた。(コルにストックを置いた方が良いと夫に助言される) 垂直に近いハイマツ混じりの岩稜を登りきると鋸岳最高峰の第1高点に着いた。

               

                       後ろは甲斐駒ヶ岳
 
 甲斐駒が初めて、目の前に現われ、 私達を迎えてくれた。仙丈、 北岳も迫力がある。展望が良く、 中央アルプス、 北アルプスの槍〜穂高連邦まで見える。

 風が吹き上げ少し寒いが、 昼食を取りゆっくりする。▼ 寒くなってきたので下山開始。
 下り斜面は滑るように降りられ楽だが、落石させないよう気をつけなければいけない。スイスイと下りられ、コースタイムを縮めることができ14時に沢入り口に着いた。

 雨がポツポツ降り始めてきたので、今は使われていない丹渓山荘を覗いた。鍵は開いていて、中も綺麗になっていた。雨も降り出してきたので、泊まらせていただく。外の紅葉を眺めながら、ビールで乾杯。野菜鍋をつっつき大満足。 
 夜中、屋根を叩く雨音で目が覚めた。夫は車回収の為、戸台河原駐車場に戻るので、明日は、私一人で北沢峠まで登り、栗沢山、アサヨ峰と登る予定。1人歩きの経験のない私は心細くなってきた。雨の中を歩くのかしら?熊に会うような事がなければいいが・・・そんな事を考えると心配で眠れなくなる。

     29日(雨)
  小雨が降っている。5時30分でもまだ暗い。ライトをつけ、夫に見送られ山荘を出る。ガスが掛かっているので周囲が見えない。心配した夫が、その場にいるよう私に叫んだ。少しの間立ち止まる。夫の案内で沢を歩き出し、登り口の所まで一緒に行ってもらう。ここで夫と別れ、北沢峠を目指す。
 
 ライトをつけ、鈴を鳴らしながら歩き出す。2月に歩いた事があるが、暗い中歩くのはあまり気持ちの良いものではない。サッサ、サッサと歩き、北沢峠に7時頃着く。長衛小屋のテント場を過ぎ、栗沢山登山口に入る。緩やかな樹林帯を登る。誰にも会う事なく栗沢山に着く。

                        

 山頂だけが巨岩になっていたので以外な気がした。風と雨で寒く、カメラを出すのに手袋をはめたり、はずしたりしている間に、手が凍るように冷たくなってしまった。休憩する暇を惜しみ、アサヨ峰に向かう。岩稜帯が続き、方向は見えるが、最初踏み跡が解りにくかった。夫に危ない所など無く、心配ないと言われていたが、雨の中では見透視もきかず、ガスが掛かっていると心細い。指がいつまでも冷たいので、袖の中に入れ指を動しながら歩く。ハイマツ混じりの岩稜帯を歩いていると、うっすら雪があった。
 アサヨ峰に着き、写真を撮り、岩陰で少し休憩する。展望は全然なく、誰もいない。寒いので急ぎ来た道を戻る。

                      

 雨もみぞれ混じりなってきた。栗沢山を過ぎ、樹林帯に入ると嘘のように風が無く、暖かいのでホットした。
 
 北沢峠に12時に着き、運良く10分発の臨時便に乗ることが出来た。 仙流荘の駐車場で夫と合流し、新しくなった仙流荘のお風呂で暖まる。
 
 鋸岳のガレ場は凄みがありとても印象的でした。天気の良い日を選び登ったのも、適切でした。又、1人で暗い中歩いた事も、私にとって良い経験であり、得る物の多い山行になりました。