早月尾根から剣岳・龍王岳

日  時  平成13年7月26日〜29日
場  所  北アルプス北部
参加者  木村正人・木村貴子
コースタイム  26日 伊豆高原―道の駅「林林」
            13:00    21:30
       27日 道の駅―馬場島・P〜1200m〜 1920m峰〜小屋跡平坦地〜早月小屋
           5:40    7:20-00   9:20-30  11:10-40   12:00       12:50
       28日 小屋〜2614m峰〜2800m尾根〜剣岳〜 2614m峰〜小屋〜  馬場島― 立山駅・P
           5:30   6:30-40   7:10     8:00-30  9:20-30  10:20-00  13:40-00  17:00
       29日 立山駅===室堂〜浄土山〜龍王岳〜一の越〜室堂====立山駅・P―伊豆高原
           6:20     7:30  8:30    9:00-20  9:40   10:20-40  11:50-00  21:00
                                                            報告 木村貴子
 冬の富士山と穂高岳を登り終え、今年の年末は、剣岳登頂を計画している為、早月尾根から剣岳の下見山行を実施。
   26日(曇り)
 伊豆高原を昼に立ち、松本を経て高山方面に向かう。神通峡近くの道の駅「林林」で車中泊。

   27日(曇り)
 上市町に入り伊折集落から馬場島への林道になると、冬にこの道は 除雪されるのだろうかと心配になった。
馬場島は広々としたキャンプ地で、無料の駐車場も広い。トイレ、水道の設備もあるが、冬は期待できないだろう。
今日は平日のせいか人が少ない。早速、登山準備にかかり出発。今日は早月小屋まで6時間位と思っていたら、登山口の立て札に4〜5時間と記されていた。登山口を朝早に出れば、その日のうちに剣岳に登り、早月小屋にテントを張る事も可能のようだ。

 登り始めから急登が続き苦しいが、樹林帯なので、暑さはしのげ助かる。杉の木が多く、屋久島の杉に負けない位の立派な立山杉が現れる。雪に押しつぶされるのだろう。上に伸びず、横に伸びる幹の太いこと。

                   

 一端、緩傾斜になり、1300mを過ぎた頃より、また急登が続いた。蒸し暑く、顔からの汗が拭い切れない。
1920mの三角点の所で、ゆっくり昼食を取る。此処からは傾斜も緩くなり、高山植物が目立ってきた。イワイチョウ、ピンクのイワカガミ、初めて見る木苺の花は濃紫でとても綺麗。2000m位の所に小屋跡らしき平らな所があった。テントが10張位張れそう。更に進むと地塘が現れ、雪が残っていた。初めてロープが現れ、岩を登りきると、平らな所に出て、すぐ下に小屋が見えた。この辺りはまだ春が訪れたばかりかのように草の新芽が顔を出している。

 小屋でテントの手続きをし、冬の道路状況について尋ねる。「雪の状態でラッセルになると、馬場島まで3日かかる事もあるし、伊折集落まで除雪されていれば、1日ですむ事もある」と教えていただく。夫もいろいろ調べていたが、道路の事は見落としていた。
 小屋の左側にテント場とトイレがある。山はガスで何も見えないが、テント場の周りはお花畑になっていてキヌガサソウが綺麗に咲いている。「水場の無い事は、電話で聞き解っていたが、残雪の事まで聞かなかった。ビールが冷やせたのに、残念・・・」と夫は悔しがっていた。(後で700円のビールを2本買う)

                 

 13時前にテントに落ち着く等前代未聞。ストレッチを充分にし、寝る迄酒盛り?ガスは一向に晴れず、小雨も降ってきた。明日の天気を気にしながら、横になったが眠れず、寝不足気味で朝を迎える。

   28日(晴れ)  
 雨は上がり、回復の傾向にありそうだ。出発の頃には剣岳からの鋸の歯のような稜線が現れた。必要な物だけにし出発。急登にあえぎ尾根に出ると、鋭い岩稜となり、急な斜面にはフィクスロープが垂れ下がり、クサリも出て来た。「冬道は解らないけど、尾根上をずっと登るのかな?」と夫に問い掛ける。 2600mの所は平らでテントが張れそうだが、冬は2614m峰を越えたコルに張るそうだ。そこはとても張れそうに思えない場所だった。雪が積もると張れるのだろうか? 。シシ頭の巻き道に入り、岩峰直下の岩棚をトラバースする。足元は谷に向けて急に落ち込んでいる。冬道はまさかこんな所通らないな?絶対無理だと思った。 続くカニのハサミは大岩が積み重なったような岩峰でクサリが続く。20m、10m、40mのクサリが冬場は雪の中に埋まっているのでは?と疑問に思う。

 危険地帯を過ぎ尾根に出ると、別山尾根と合流し、ほんのひと登りで頂上に着いた。山頂は既に多くの人で埋め尽くされていた。雷鳥平から登ってくる人が、圧倒的に多く10対1、いや、20対1だろうか?5年前と同様天気に恵まれ、八ツ峰の切り立った岩峰群、源次郎尾根、剣沢のカール地形が素晴らしい。

                       

                                                                       山の天気は変わりやすく、下山する頃にはガスが湧き展望がなくなる。足元に気をつけながら下山。夫はどんな所を通過したのか解かるようメモをしていた。コースタイムより1時間半早く小屋に着く。
 
 小屋の主人に下山後のお風呂の事を聞きながら、冬場のルートやクサリ場の事を尋ねた。「冬は夏道と違い、岩稜の尾根を登ります。クサリはもちろん雪の中です」と言われ、又一つ得る物があった。小屋は雪に埋もれ、屋根だけ出ていると聞き、雪の多さに驚く。夫は「まだまだ調べが足りませんでした。勉強してきます」と言い、二人でお礼をのべた。
 下山しながら、テント場になりそうな所をチェックした。降雪量も心配になる。トレースは付いているだろうか?
馬場島に着くとカンカン照りで暑い。

 蓑輪温泉で汗を流し、立山駅に向かう。 駅駐車場(無料)は広く、道路と線路に挟まれているので、静かそうな所を選び、今夜の宿にした。外で乾杯し早目に寝たが、外灯が明るいせいか寝付けない。

   29日(快晴)          
 雲一つない朝を迎え、始発のケーブル、バスを乗り継ぎ室堂に着くと、多くの観光客や登山者で溢れていた。
浄土山を経て龍王岳に登るコースをとる。途中雪渓を渡り岩場の急登が続いた。高く見えた浄土山だが1時間で登る。龍王岳も目の前に堂々とそびえている。道はあるのだろうかと案じたが、踏み跡がしっかりあり、30分で着いた。展望は今までになく見事で、薬師岳、穂高連邦、笠ガ岳が青々として美しい。   

                          

 いつ迄もいたいけれど下山する事にし、一の越に向かう。見上げると雄山に向かって登山者がアリの行列のようだ。室堂から一の越への道もごった返していた。 立山駅に戻り、帰路に着く。

 天気に恵まれ、早月尾根より剣岳に登り、小屋のご主人にいろいろ教えていただき、とてもためになった。
夏山とはまるで違う山容であろう冬の剣岳。豪雪地帯で有名な山域でドカ雪も降るという。天候の事などよく考慮して挑まなければいけないと心に強く思いました。