槍ヶ岳


槍沢から見た山頂部(2002/6/30)

  





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槍ヶ岳
(1日目)
21:00 自宅発
24:00 道の駅「ななもり清見」着、仮眠

(2日目)
 3:30 道の駅発
 4:45 平湯温泉 アカンダナ駐車場着
 5:00 上高地へのバス乗車
 5:30 上高地着
 6:00 河童橋発
10:15 槍沢ロッジ着、昼食
11:00 槍沢ロッジ発
14:15 殺生ヒュッテ着

(3日目)
 5:30 殺生ヒュッテ発
 6:10 槍ヶ岳山荘着
 6:30 槍ヶ岳山荘発
 7:10 槍ヶ岳山頂着
 7:40 槍ヶ岳山荘着
 8:10 下山開始
12:30 徳沢園着、昼食
13:15 徳沢発
14:30 上高地着


 今年の夏山のメインをどこにするか?という話題でおそらく1ヶ月以上夫婦の会話を占めていたのではないだろうか。最初の予定では、火打・妙高で1泊2日だったのだが、鳳凰三山、薬師岳、常念岳などさんざん登山計画を立てた挙句、槍ヶ岳2泊3日に決まってしまった。夫と違って登山経験が浅い=岩登りに自身が無いため、そういう登山道がある山は極力避けていたのだが、親戚の伯父夫婦が去年槍ヶ岳に行かれたこと、某雑誌で登山経験が浅くても剣山のようなところへ登れてしまう内容が掲載されていたため、つい欲が出てしまった。私が槍もいいなとつぶやいた瞬間、即決定、登山計画も翌日には出来上がってしまった。夫はよほど行きたかったのだろう・・・。
 さて、行き先が無事に決まったはいいものの果たして私に登頂を果たすだけの体力があるのだろうか・・・?不安と初めての北アルプスへの期待を抱えながらその当日がやってきた。 自宅を夜21:00に出て、高山市手前の道の駅ななもり清見で仮眠するが、あまり寝付けない。そのうち夫に起こされて車が動き出す。あっという間に平湯に入り、不思議なネーミングのアカンダナ駐車場へ。上高地へのバスに始発で乗るが、乗客は私たち夫婦2人を含めて3人と、金曜なのに意外と空いている。道中、もやの向こうに写真や噂で聞いた穂高連峰がくっきりと浮かび上がり呆然としみとれる。上高地に人が集まるのも素直にうなずけた。
 登山届けを出し、最初からすばらしい景色の中を出発。横尾までは平地であるため、上高地を散策しながらの出だしとなる。足取りも軽く、疲れは全く感じない、むしろ自然にエネルギーをもらっているぐらい元気になってくる。途中、横尾で休憩し、登山者の様子を伺うが、圧倒的に涸沢へ向かう人の方が多い。「行列を成して登ろう槍ヶ岳」というほど人であふれるイメージがあっただけに拍子抜けするが、人気の山で人が少ないのはラッキーだと思った。
 横尾を過ぎるとようやく登山道らしくなる。急ではないが、少し勾配が出てきた。途中、槍の穂先を発見!!うれしくなる。ペースはどんどん速くなり、槍沢に到着。さすがにここでは登りと下りの登山者が合流し、休憩のためのベンチはいっぱいである。ビールを飲み、定番のレトルトカレーを食べる。先は長いので、早々に出発。ここからは徐々に勾配が増しているような感じがする。今までが楽すぎたのか、ビールの酔いが回ったのか少し息がみだれ苦しくなるが、前後2、3組の登山者たちと抜きつ抜かれつしているうちに、楽になりいつものペースになる。
 木々の高さがだんだん低くなり、槍から穂高への縦走路が青空に浮かび上がる。勾配はさらに増すが、歩きづらくはなく雪渓や周りの山々を見上げているうちに突然横に槍の全貌が露になる。ここからは非常にドラマチックで、お花畑と雪渓、青空、流れる白い雲が槍に近づくごとに次々と様相が変わるような錯覚に陥る。あまりのすばらしさに休憩ではなく、見惚れてしまってなかなか先に進めない。途中、今晩宿泊予定の殺生ヒュッテの従業員に出会う。話しでは今年は槍より穂高の方が人気らしくお客が少ないとのこと。今日もゆっくりできますよと言われた。
 景色を眺めてからヒュッテに到着。やはり一番乗りで、登山者はまだいなかった。ここからの槍はさらに大きく、雲が出て隠れて見えなくなるまで眺めた。夕食まで山小屋で休憩する。やはり今夜の宿泊者は少なく、多分15人もいない。当然すし詰め状態のはずはなく、2人でカーテン付三畳分のスペースを自由に使えた。そして、豆電球の元で夕食。ロールキャベツ、ポテトサラダ、紅白なます等のおかずにごはん、味噌汁付で大変おいしい。正面に座られた60歳後半の方々と山談義をし、いろいろ教わり、勉強になった。しかし、私たちが仕事を退職してからまたこの山に来るだけの気力、体力は残っているだろうか?この方たちを目の前にして、今のようなイベントとしての登山ではなく、トレーニングとしての登山が中高年になってからは必要だと感じた。
 緊張のためか、眠ったか眠らなかったか分からないうちにまたパートナーに起こされ、出発の準備をする。朝食は卵料理に焼き魚とボリュームがあっておいしく、緊張していてもたくさん頂けた。体が温まってきたころに、お礼を言って出発する。 外はガスっていて何も見えない。とりあえず槍ヶ岳山荘を目指し出発する。ガイドブックには殺生ヒュッテから槍ヶ岳山荘までは急登で大変つらいとあるが、あっという間に到着。横には大きく槍が・・・のはずが、やはり何も見えない。山荘の中に入り、山バッチでも買いながらガスと霧雨が去るのを待つ。しかし、外の天気は一向に回復せず、他の人もほとんど行動する様子がない。仕方なく外に出ると、山荘の前で記念写真を撮って登頂せずに下山するパーティが何組かあった。これじゃあ素人の私が穂先まで行くのは無理だろうということになり、南岳までの縦走も取り止め、下山を決めた。
 ところが、昨晩夕食をご一緒した福島県の方々に遭遇、こんな天候なので下山しますと告げると、せっかくここまで来たのですから、一緒に穂先を踏みましょうと言われた。この3人組の方は大変なベテランで、私たちもそれならということで、すぐに出発した。さすがに誰も登っている様子はなく、下山者を待つこともなく登山に集中できた。途中何ヶ所か足元がおぼつかない所もあったが、足や手をかけるタイミングなどを教わりいつの間にか頂上に到着。ガスが濃く眺望は全くきかないが、なんとも言えない達成感に満たされて登山を始めて本当によかったと素直に思った。強風にあおられながらもなんとか記念撮影し、早々に下山。余裕が出てきたのか岩の間に咲いていた花を見ながら、これもあっという間に山荘に到着。パートナーと今回頂上まで導いてくださった方々5人で喜びを分かち合った。下界にいる時はめったに出来ない、いい表情、いい笑顔になれたのではないかと思う。
 山荘で温かいお茶を飲んでから、福島県からの3人にお礼を言って、早々に下山を開始。天気は一向に良くならず、霧雨から普通の雨に変わる。昨日から疲れているにもかかわらず、足取りは軽くあっという間に槍沢に到着。南岳まで足を伸ばしていれば、宿泊する予定だった槍沢ヒュッテを横目に、先を急いだ。平坦な道になるとさらに歩調は早くなり、横尾を過ぎ、徳沢で昼食を取る。洋梨のシャーベットがとてもおいしく感じられた。ここでなんとなくほっとしてしまったせいか、急に疲れが足に出て、明神館までが遠かった。そこからさらに河童橋へ・・・よくこんな距離を昨日、今日で歩いたものだと感心しながら到着。
 その日は平湯温泉に泊まり、思いがけず登頂できたことを再び祝いながら余韻にひたった。また、この山行で一緒に頂上に立った60歳代のグループ、私たちより健脚の小学生、無事登頂出来たことを祝ってくれた方々に出会えたことも今回の忘れられない思い出になりそうだ。








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