槍から西穂縦走          浅野 龍雄     <'04/7/26掲載>


槍や奥穂には単発で登ったことはあるものの、穂高の稜線には若いときから、  あまり縁がなく、槍から西穂まで、いちど通しで歩いて見たいものだと、時折  思っていた。  7月20日、天候がずっと安定しそうな予報を見て、翌日出かけることとした。  ガイドブックによると、奥穂から西穂の間はどっちから歩いても5時間前後  を要し、前後の小屋(西穂山荘と穂高岳山荘)間まで含めると8〜9時間  必要かと思われたので、成り行きしだいで、小屋のない所で寝ることも考慮して、  シート+シュラフカバーを用意し、食料は自炊とした。  <メンバー> 浅野 単独  <記  録>   7/21(水) 晴れ 1400 猛暑 富士出発。中央高速の諏訪を過ぎる    ころから、雨模様。1730沢渡 雨。新島々からの最終バスで上高地に    入る。雨はまとも。シートとシュラフカバーは、早速役立つこととなった。    バス待合室の隣の建物の張り出し屋根の下で寝る。      7/22(木) 上高地バス停→槍が岳    天候がどのようになるのか確信が持てないため、先に槍に登り、    西穂に戻ることとした。500発、濃い朝霧か。河童橋まで来ると、急速に    ガスが消え始めた。岳沢の奥、穂高の南面は、黒々とし、残雪がほんの少し    残っている。 540明神、すっかり晴れた。 625徳沢 715横尾    800一の俣 1030天狗原分岐 殺生小屋、槍の穂が見えるようになって    にわかにスピードが落ちてきた。槍が岳山荘が近づいたと思うと、逃げてゆく。    1320 槍が岳山荘。槍頂上を小一時間で往復。昼前からガスが湧き、展望は    恵まれず。先に足を延ばそうが伸ばすまいが、明日の晩は奥穂手前の穂高岳山荘    となるので、この山荘に素泊まり(5,500円)することとした。   7/23(金) 槍が岳→穂高岳山荘    おにぎりともちの雑炊を食べ、500ちょうど山荘を出る。快晴。700南岳。    何年か前、天狗池からここに上がり、テントを張って、雨に叩かれてひどい目に    あった。10分ほどで、大キレット下り口。キレットの南岳側も北穂側も、鎖に    鉄の梯子に、なかなかのものであった。北穂への登りからの、滝谷の第一やクラ    ック尾根には圧倒された。私の山岳部時代は、剣岳が主体で、穂高には縁がなく    、滝谷の岩を一つでも二つでも攀じていれば、と残念であった。1000ちょうど    北穂小屋。北穂の頂上直下、よくこんなところに、戦後早くに山小屋を作った    ものだと感心する。先を急ぐ必要もないので、ガスの湧き出した前穂北尾根や、    槍方面を眺めながらカンビールでのんびり。涸沢岳頂上でまたゆっくり休んで    1400穂高岳山荘着。素泊まり(6,000円)予約。外で小牧から来ていた    単独登山の人と話していたら、山荘のスタッフが、今夜は予想以上に混みそうだ    と言ってきた。窮屈に寝るのはかなわないので、素泊まりはキャンセルし、    天場で、シート+シュラフカバーで寝ることとした。天場代600円。    天場は岐阜大医学部診療所前。石垣を利用して、シートを片流れに張り、その下    にエアマットを敷いて、寝る体制を作った。夜900ごろ、シートをめくると、    無数の星。銀河がくっきりと河状に南から北へ、銀河の中天に白鳥。前穂北尾根    はシルエット。   7/24(土) 穂高岳山荘→奥穂→西穂→上高地    意識は一睡もしないまま、まあだけど適当に眠っているのだろう、3〜4回時計    を確認して、3時に起床。片付けて、山荘内玄関ロビーの自炊場で、餅入りおじゃ    をつくり、朝食。昨日から同じコースとなった小牧の人と、お互い勝手と了解し    あって、一緒に歩くこととした。    400ヘッドランプを点け、奥穂へ。20分も歩くとランプは不要となった。    435奥穂頂上。日の出を待つ。雲海。早朝の眺めはすばらしい。    455西穂へ。すぐに岩稜のやせ尾根の馬の背、ロバの耳からジャンダルムへ。    強風、雨だったらしごかれるだろうが、無風、快晴であり、ペンキ印をていねいに    追ってゆけば、さしたる難しさはない。だけど、キレットから西穂への岩を主体と    した長い縦走路は、剣岳にもないものであり、日本では唯一のルートであろう。    630天狗のコル。間ノ岳と西穂の間のピークに810頃。下を見ると、15,6人    のパーティが、チェン状に登ってくる。女性が大半。テント山行か荷が大きい。    最初に登ってきた女性に聞くと、初級登山教室の卒業山行だと言っていた。    荷物の大きさと、よたよた登りを見ていると、これからどれだけ時間がかかるやら。    全員が登りきるのを待ってと、休んでいたが、我慢しきれず、ルートを少し外れて    降りることにした。すれ違うときになんとなく非難がましい目でみる。    お前さんたちこそ、5,6人で3パーティぐらいに分かれ、時間差で登ってきたら    どうかといいたい。非常識な。    850西穂。ここまでで、「難しいところ?」は完了。奥穂、西穂間は無駄時間を    除くと4時間ぐらいだった。    950独標 1035西穂山荘 1230上高地 1300のバスで沢渡へ        

   



  7/22
  槍沢 天狗原への分岐





  槍の頂上から
  穂高主稜線と前穂北尾根





 7/23
  南岳小屋と北穂、奥穂方面





  キレット 北穂への登り





  穂高岳山荘 天場 シート、シュラフカバー
  で寝る





 7/24
  奥穂頂上から槍方面





  奥穂頂上からジャンダルム





  西穂頂上にて