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初日の日記
毎年恒例の島キャンプに行ってきた。といっても今年で3回目。しかも間があいていて実は2年連続にすぎないのであるが、何だか盛り上がってきそうな雰囲気なのだ。
今年の行先は徳島県の最南部、高知県との県境の宍喰町にある竹ヶ島である。こ の島の南側の海が県境ですぐそこに見えている葛島は高知県になる。竹ヶ島は島とはいっても四国本土と橋でつながっていて、車で入って行ける。昨年あぜりあ丸で苦しめられた我々には嬉しいところである。まあその分若干島情緒に欠けるのは仕方ないところではあるのだが。
今回の参加者は、昨年のメンバーから御手洗氏がぬけ、代わりに長谷川さんと小鉢が新メンバーとして加わった。後に記すがこのことが我々の食生活に大きな変革をもたらすことになるとは誰も想像していなかったに違いない。 昨年はフォリシター(*フォレスター スバル製のRV車 隊長のもち車)の乗車MAXの5人で無理矢理いってしまったが、今年は6人なので車2台。荷物の多い我々には好都合である。隊長の保険の年齢制限の関係で、若者車と30代車に分かれた。一緒にいくとはぐれたりして面倒なので、はじめて行くところにもかかわらず現地集合。出発時間がだいたい一緒なので、まあ同じ時間くらいにつくだろうと思っていたが、若者車がついたのはフォリシターがついた時間よりも何故か3時間ほど後だった。ちなみに若者車とは森川君のカリブである。ひろしのジムニーではないことは言うまでもないだろう。
けっこう早く島についてしまったフォリシターチームだが、キャンプ場がどこだかわからない。勝手に駐車場があるキャンプ場を想像していたが、どこにもそんなものはない。というよりも道がない。考えても見れば今時無料のキャンプ場で駐車場つきというのは虫のよすぎる話である。目指すキャンプ場は島の漁港の駐車場に車をとめて、細い路地を50mほど行ったところにあった。 たいした距離ではないのだが、車横付けを企んでいた我々にはちょっと鬱陶しい距離で、すぐに荷物を運ばず、海岸をうろうろした後にようやく行動を開始するとカリブがやってきた。なかなかよいタイミング。結局6人全員でテントを張りはじめた。
キャンプ場はハンドボールコートくらいの大きさで、我々の他に先客の大型テントが3張りあった。それでも十分すぎるほどの空きがあったので、インディアンのテント村をイメージして真ん中に円形の空き地をつくり、その周りに放射線状にテントを張った。ひろしともりくんのテントの出入口が長方形の長いほう(いわゆる横)にあるのできれいに並んではいなかったが、けっこういい感じになったと思う。
テントを設営し終えるともう夕方だったので、夕食の買い出しに出かけることにした。6人全員で行っても意味がないので、安居ともりくん、小鉢が買い出しチーム。宮一さんと長谷川さんとひろしは釣り餌を買いに行くことにした。
宍喰のメインストリートと思われる道沿いにダイコクドーというスーパーがあり、色々そろいそうだったのでここを目指した。メインストリートといっても1車線くらいの幅員しかないのだが、商店がけっこうありしかもバス通りなのだ。路上駐車が多いためバスが通ると大変なのである。ちょっと心配していたが、ちゃんと駐車場があった。
昨年は気合いを入れてサツマイモを主食にしたが、あまりに不評だった。今年は時期的にも寒い季節(11月後半)だったのであまり粗末な食事ではみじめすぎる危険性がある。そのため今年は主食はやはり米にしようということになった。実際に買い出しをする際に多少抵抗がないわけではなかったが、もりくんの無言のプレッシャーに負け(嘘)米を買ってしまった。その他にはおかずとしてジャガイモ、竹輪(徳島名物)ウインナソーセージ、玉子(必需品)を買った。島に帰ると釣りチームは見当たらない。どうやら港の堤防にいるようだ。あとで見に行くことにして、とりあえずゆで玉子をつくる。小鉢にはジャガイモ洗いをやってもらった。ジャガイモは全部で10個あり、自分としては夕食はひとり1個と思っていたが、小鉢は全部洗ってきた。そういう性格らしい。あとは全員そろってからということで港に3人で向かった。 港に行くとどうもあまり芳しくない様子。宮一さん唯ひとりカワハギを釣ってキープしていた。暇なので竿を借りて釣りをしてみると、キタマクラ(フグの一種、強い皮膚毒があり当然食べられない)が沢山よってくる。まずいと思っていると、なにやら釣れた感触がある。あげてみるとキタマクラだった。それも腹にかかっている。最悪だ。とっとと放そうとしたが、みんなに見つかってしまった。ひろしが妙に嬉しそうである。どうもよくないので場所を変えようと歩いていると、「外道マン」とひろしに言われてしまった。まずい、まずすぎる。何とかまともなものを釣らねばと気は焦るが、何も釣れない。宮一さん唯ひとりカワハギを釣るが、ちょっと小さいのでリリース。暗くなってきたので、後は夜釣りにすることにしてキャンプ場に戻ることにした。

さて夕食だが、今回の最大の問題は米がうまく炊けるかどうかということ。普通のコッフェルしかないのでこれで炊くのだ。東南アジアのように米を煮た後に湯を切って蒸らすという方法もあるが、米好きのひろしあたりが文句を言うに違いない。ここは昔大鍋で米を炊いた要領でやるしかないと考えた。まあ基本的には火にかけている最中に蓋が開かなければよいのだ。海岸に蓋の上に置く石を拾いにいったが、非常におあつらえ向きの平たい石がごろごろしている。あっさりと2個石を拾って蓋にのせた。なんでこんな石がごろごろしているのかは島の海岸線をみればすぐわかる。説明すると長くなるので割愛するが、一度見ても損はないなかなかの地形だ。
米を炊いている間に他のおかずの調理を進める。ゆで玉子をすでに作ってあったのでとりあえず酒を注ぎ、なんとなく食事が始まった。酒はその島のものがあればベストなのだが、竹ヶ島のようなところでそんなものはあるはずもない。徳島の酒ならばまあいいだろうということで、日本酒の阿波美人とすだ酎というすだち入りの焼酎を買ってきた。四国の地酒といえば日本酒なのだろうが、自分と宮一さんはあまり得意ではないので、なにやら怪しげではあったのだがすだ酎を買ったわけである。ところがこのすだ酎はそのまんま焼酎のレモン割りのような味で、とてもいける。ゆで玉子を食べ、竹輪を焼いて食べているうちにほとんどなくなってしまった。御手洗氏がいないのでそんなに酒は必要ないのではないかと思っていたが、甘かったようだ。何しろ式根島ではほとんど焼酎を飲まなかったひろしまでうまいといっているくらいなので、まあ仕方ないとしよう。普通の人たちのキャンプといえばたいていバーベキューをするようだが、我々はしない。理由はただ単に後片付けが面倒くさいからなのであるが、その結果として我々のキャンプでは食べ残しがでない。洗剤も使わなくてすむ。少々食事がさびしくなるが、とても気持ちよく帰ることができて自分としてはとても気に入っている。昨年は絶対に島のイモと自力でとった魚を食うという恐ろしい課題を課していたために、本来楽しいはずのキャンプの食事がただのエネルギー補充になり、2日目にして泣きが入るという悲しい結果になった。今年はとりあえず食品は用意しておいて、魚は釣れたらオプションとして食べるということにした。昨年、イモと魚と島酒といって盛り上がっていたのは実は自分と御手洗氏だけだった。今年は御手洗氏がいないので自分が宗旨替えをしてしまえば全く食事の内容が変わるということだ。
何が変わったといっても主食がサツマイモから米になり、ジャガイモがおかずで竹輪とウインナと玉子があるだけで、他の人に話したら涙をさそうほど貧しい内容にすぎない。でも我々は満足だった。サツマイモは何と言っても食べにくい。それに比べれば米はいくらでも食べられる。雲泥の差なのだ。
米を炊くのに思いのほか時間がかかり、炊き上がった時にはおかずはほとんどなかったが、あっという間になくなった。おかずは出したそばから消えていった。しかも酒もすでになくなってしまっていた。外での食事はけっこう冷える。夜釣りにいくかとっとと寝るかと思っていたが、小鉢がお菓子とコーヒーセットを取り出した。なんと今年は食後のコーヒータイムが存在したのだ。小鉢が一度やってみたかったという焼きマシュマロを食べ、暖かいコーヒーを飲みながら自分と宮一さん、ドルとひろしの4人は、御手洗氏が小鉢に変わるだけでこんなにも変わるものかという感慨に浸っていた。
食後、長谷川さん、宮一さん、ひろしはイカを釣りにでかけた。残りの3人も寝るには早いのでついていった。何人か釣りをしている人はいるのだが、あまりよくない様子だ。結局イカの姿を見ることはなく、眠くなったので寝ることにした。
前夜早く寝たので目覚めるのも早い。寒い中のろのろと海水を汲みに行く。ジャガイモを茹でているとポツリポツリと釣り人が現れる。我々の釣り隊ももちろん朝から釣っている。もりくんは島の遊歩道を歩きに行ってしまった。ちょうどもりくんが帰ってきたころにイモが茹で上がり、食事にすることにした。
朝はシンプルに茹でたイモと炒り玉子。油はないと思っていたので、マヨネーズで作ろうとしていたら、宮一さんが油ありますよと言う。今更言われてもと思ったが、マヨがこげているのでありがたく頂戴することにした。結果マヨネーズ味のおいしい炒り玉子ができた。
ところで釣り隊だが、実は宮一さんが朝一でカワハギを釣りあげていた。でもなんとなく朝から食べる気にはなれなかったので干物にすることにした。宮一さんが皮を剥ぎ内臓をとってきた。こいつをテグスでくくってキャンプ場にある旗の掲揚台につるすことにした。風が吹いてカワハギがくるくる回る。こいつが何故だか自分達の象徴にふさわしいと思って、名称がなかったこのキャンプチームをかわはぎ団と呼ぶことにした。みんなそんなに嬉しくなさそうだが、いいのだ。
今日はそれぞれが勝手なことをする日である。自分は甲浦に潜りに行くことにしていた。インターネットの掲示板で知り合った人が常連になっているらしいサービスである。詳しくはこちらをどうぞ。オランクダイバーズ
自分をおろしたフォリシターはもちろん釣りに。もりくんと小鉢は山登りに行った模様。昼過ぎにダイビングの準備をしているともりくんのカリブがすぅーと現れた。小鉢がこっちに気づいて手を振るがそのままどこかに行ってしまった。後で聞いたら昼を食べるところを探していたようだ。
3時半ころに迎えに来てもらうように宮一さんに言っておいたが、そのとおりにお迎えが来た。ちょっと後片付けが終わっていなかったので1時間ほどまたせてしまった。その間宮一さんは当然のように釣りをしていたが、釣果はなし。5時前にキャンプ場に帰り着いた。帰るともりくん達はたき火をしていた。待たせて悪いと少しだけ思ったが、その日のダイビングに大変満足していた自分の心はあまり痛まなかった。
遅れて帰ってきたにもかかわらず、さあ温泉にいこうなどといってみんなを動かした。ついでに今夜の食材も買いにいくことになった。昨日と同じスーパーに買い出しにいった。昨夜はウインナーを煮て食べるなどという邪道なことをしてしまったので、今夜は豆腐とこんにゃくを海水で茹でることにした。他に定番の玉子とジャガイモを仕入れ、明日の朝用にベーコンを買った。
酒はもりくんにまかせたが、すだ酎を2本買ってきていた。なかなかよろしい。買い出しをすませ、道の駅にある温泉に入ろうとしたが、満員と札がかかっていて入れない。水床荘の風呂に変更することにした。水床荘は山の上に建っていて、景色がよく、竹ヶ島もよく見える。2日目の夜ともなると自分たちの寝ている場所に妙に愛着がわいてくる。みんな嬉しそうに(?)竹ヶ島を見下ろしていた。温泉はちょっとぬるっとした感じでとても気持ちよい。体が冷えていたのでとても熱く感じたが、慣れるとそれほどでもなかった。
全員気持ちよくロビーに降りて行くと、売店に何やらの深層海水を使ったスポーツドリンクが売られていた。怪しい飲み物を好む私とひろしとしては、飲まなくてはならないところであるが、何故か買ったのはもりくんだったちょっと飲ませてもらったら、若干塩味がするくらいでとても普通の味でした。
温泉からキャンプ場に戻って、夕食の準備にかかる。米を炊き、ジャガイモを煮ている 間に、七輪に火をおこして竹輪を焼いて食べた。今日の竹輪は竹付きでいい感じ。 すだ酎があけられ、なし崩し的に夕食が始まった。結構なピッチで飲んでいるのだが、 寒いためにあまり酔う感じはしない。例によってつまみはすぐなくなり、静かに宴は 続いて行く。竹輪を食べた後は海水で煮た豆腐とこんにゃくがつまみになった。後で 考えてみるととても質素な材料だが、この時は海水で煮て暖かいものというとこれくらいしか 思いつかなかったのだ。でも海水で煮たこれらの食材に醤油をたらすとかなりのうまさで、 だれも文句は言わなかった。
そうこうしているうちに米が炊き上がった。今日は火力の調節をしたので昨晩よりも
できがよい。あまりに飯のできがいいので、玉子かけご飯もいいよと言うと、自分と
宮一さん以外は全員その提案にのってきた。宮一さんは悩んでいたが、オムレツ作って
マヨネーズかけて食べましょう、と言うとあっさり決断。二人で暖かいオムレツを食べた。
最後はジャガイモの海水ゆで。塩を少々ふりかけて食べるとこれまたうまい。今回は
塩にも気を使って沖縄の島マースを使っていたのだ。これが大好評。これからの定番に
しよう。
食後はやはり小鉢にお任せ。コーヒーを飲んで落ち着いたところで、今日こそはイカを
釣るぞと港に行く。自分ともりくんは釣りはあきらめて橋の上で対決。もりくんはドル
なので意外と体が固く、タックルの他は技がない。充分暖まってふと落ち着くと小鉢が
いない。あとで聞くと暗闇に寝転がって星を眺めていたとのこと。流星を6個ほど見た
らしい。
さて肝心の釣りの方はひろしが小さなボラを釣っただけで今日も空振り。自分ともりくん
は早々にあきらめて寄り道しながらキャンプ場にもどった。他の4人も適当に戻った様子。
この道中に妙な音が連続して聞こえて、正体を探そうと少し努力したが、さっぱりわから
なかった。きゅんきゅうんと高い音で、虫が鳴いているようだったが、我々が歩くと常に
5mほど先から聞こえてくる。何も動いている様子もなくさっぱり分からなかった。あれ
は一体なんだったのだろうか?未だに謎である。
心当たりの方は連絡下さい。
灯台を廻り、はるか下に海を見ながら林の中を歩く。キャンプ場にもどるとさすがに全員
起きていた。早速イモを煮て朝飯の準備をする。茹でたジャガイモにベーコンエッグを
のせて食べた。見た目も悪くないし味もよい。今回の食事はOKですよとひろしが言う。
みんなもう思っているようだった。よかったよかった。
食事が終わってしばらくするとキャンプ場に日が射し始めた。いよいよ片付けの時だ。 時間はたっぷりあるので、とりあえず小物をしまってからテントや寝袋を干した。その間 釣りチームはとりあえず投げていた。海岸に座ってのんびりと見ていると長谷川さんが 何かを釣りあげた。小鉢がよろこんで写真を撮りに行くが、長谷川さんは嫌そうな顔を して逃げようとする。どうやらフグを釣っていたらしい。そんな釣り師の心情など全く わからない小鉢は、粘りに粘って結局写真を撮っていた。
全員荷物を撤収して車に積んだ時が11時くらい。まだしばらく遊べそうだったので、 桟橋に釣りに行く。ふと思うと釣りしかしていないような気もするが、それで充分楽しい のが島のいいところだろう。餌も何もない我々は結局何も釣れない。ひろしはみかんの 皮を針につけたりしていたが釣れるわけもない。長谷川さんなどは普通の魚はあきらめて 熱帯魚釣りに精をだしはじめる始末。ぽかぽかとした小春日和で阿呆な釣りを見ているのは けっこう楽しくて、何だか幸せな時間でした。
最後は島にあるマグロ料理屋でマグロ丼を食べた。その後は来た時と同じく別々に出発。 途中、大渋滞にまきこまれるなど色々あり、イタチやタヌキのでる峠を通って帰らなくては ならなくなったのは誤算だったが、とにかく無事に家に着くことができた。
今回はやはり自分は米食民族だということを再確認することになった。でも暖かい白飯だけで 幸せになれるのも悪くないものです。
追記:もりくんのカリブはやはり渋滞に巻き込まれ我々よりも1時間遅れで名古屋についた ようだ。彼等は草津PAで、すだ酎の空き瓶がトイレに捨てられているのを発見し、フォリシター チームの犯行に違いないと思ったらしい。しかし確かにわれわれは空き瓶をもっていたが、 それは大垣で処分し、途中で捨てていないことは断言できる。それにしても何故そんな所に そんなものがあったのかは全くの謎である。 終わり