穂高岳

『日本百名山』深田久弥著より

徳本峠に立ってその不意に現れる穂高の気高い山峰群は、日本の山岳景観の最高のものとされていた。その不意打ちに驚かされた幸田露伴も書いている・・・『目の前に開けた深い傾斜(中略)何という男らしい神々しさを有った嬉しい姿であろう。思わず知らず、涙ぐましい様な心持になって、危うく手をさしのべたい気がした。吾が魂に於いて彼を看たのか、彼に於いて吾が魂を看たのか弁えがたい瞬間であった』と。

槍をバックに北穂高岳を望む


選考理由

奥穂、北穂、涸沢、前穂、西穂、ジャンダルムetcいくつもの鋭い岩稜から成る岩峰群の総称。そのスケールの大きさはアルプス中で最大、まさに日本アルプスの横綱と呼ぶのがふさわしい。
上高地の河童橋から望む前穂から奥穂にかけての吊尾根は、最もポピュラーな山岳景観ですが、その左に続く奥穂高〜ジャンダルム〜西穂高の縦走路は一般ルートとしては最も難易度の高いものとされています。踏破タイムは約6〜7時間か、その間は緊張の連続で、所要時間以上に、疲労を覚えたものでした。またその前夜は、机上のシュミレーション山行を充分積んではいましたが、不安と興奮の為、なかなか寝つかれなかったことを今でも忘れられません。

霧に隠れるジャンダルム

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