『日本百名山』深田久弥著より
一口に美しいといっても、端正でもなく、雄大でもなく、峻烈でもない。そうした有り合わせの形容の見つからない非通俗的な美しさである。粋という 言葉が適当であろうか。粋であるから決して軽薄ではない。いったんその良さがわかるともう切なさでたよりなくなる。そういう魅力をもった美しい山である。
選考理由
後立山連峰の盟主。その清冽にして端正な山容はアルプスの貴公子という表現がピッタリ。 白馬岳からの縦走の折、五竜岳頂上の手前で不意に現れた鹿島槍の姿に思わず、ウットリと見とれてしまった。まるで絶世の美女を見るように… 夕方漸く辿り着いた山小屋から振り返った彼、いや彼女?の姿に二度ビックリ、登りの時の表情と今見る顔がまるで瓜二つ。正面から見る姿と、通りすぎてから見る姿が同じだなんて!!その妖しい美しさに時間の経つのも忘れ、立ちつくしていました。