九州では、大分県にアマゴが分布しますが、その他の地方にはヤマメが生息しています。特に、阿蘇山白川水系の大ヤマメは有名です。しかし、まさかサクラマスまでいるとは、今まで想像すらしませんでした。
ここに1冊の本があります。「イワナとヤマメ」今西錦司著(平凡社1996年)です。本そのものは比較的新しいのですが、掲載されている論稿や随筆は約50年前のものばかりです。ここに興味深い地図が載っていました。なんと九州の有明海にサクラマスが分布していたのです。
「イワナとヤマメ」の論稿「イワナとヤマメ」の31頁に、参考資料として「日本列島におけるサクラマス群分布概念図」が載っています。この地図には、日本列島に住むヤマメや降海型サクラマスの分布域、湖沼型サクラマスの生息地、アマゴやサツキマス(ここでは小朱点をもつ降海型サクラマスと記載されている)の生息範囲などが詳細に記載されています。著作権の問題でここにコピーできないのが残念です。
九州に目をやって、私は驚きました。なんと有明海と八代海にサクラマスの分布を示す網掛け模様が付いていたのです。但し書きには「降海したヤマメ?」「周辺の河川から降海して冬期間だけを海ですごすと思われる、小朱点をもたないサクラマス群(ヤマメ)の見られる海域。」とありました。
ムツゴロウで有名な有明海にサクラマスがいたらしいです。今でもいるのかどうかわかりませんが、九州の皆様、いかがでししょう。
この記載によると、ここのサクラマスは冬期間だけ降海するタイプのようです。したがって、このサイトのテーマである短期降海型のサクラマスなのでしょう。たぶん、60cm近くまで大型化するタイプのサクラマスではないと思いますが、本当に驚愕しました。でも、温暖な地方(瀬戸内海や四国吉野川水系、土佐地方)にも以前はサツキマスがいたので、九州に短期降海型のサクラマスがいても不思議ではないかもしれません。