私は本州日本海側の、鳥海山が見えるところに住んでいます。ルアーフィッシングが好きなので、春から初夏にかけて本流や大渓流に出かけます。主なフィールドは、東北地方の脊梁山脈から日本海に注ぐ河川です。下流にダムはありません。
本流でトラウトルアーフィッシングを楽しんでいると、トップページでお見せしたようなトラウトが釣れます。初めて釣ったのは平成8年でした(体長30.5cm。右写真、クリックすると大きくなります)。私はとても不思議でした。パーマークがまったくないのでヤマメではありません。しかも、身は赤身でサクラマスと同じです。その後も同様な「小さなサクラマス」がポツポツ釣れました。釣り雑誌を見ると「戻りヤマメ」「戻りマス」として時折報告されています。しかし、まとまった数の報告を見かけませんので、私の経験をここでまとめてみました。なお、私の釣った戻りヤマメに釣果の写真とデータ、使用ルアーを紹介しています。
ところで、このトラウトの正体はなんでしょう。このような魚体を「戻りヤマメ」と記載した本があります(細山長司氏の写真集「本流釣りの世界」の魚野川の頁参照)。しかし、このトラウトは、やはりヤマメではなくサクラマスなのです。 この件に関しては戻りヤマメは、小さなサクラマスであらためて取り上げます。
次に、具体例を写真で示します。
戻りヤマメは、通常のヤマメやサクラマス、銀毛ヤマメと異なることを理解していただくために、私の釣ったヤマメ、偽銀毛(本流ヤマメ)、サクラマス、戻りヤマメの写真を示しました。他のページで詳しく解説しますので、ここでは簡単に述べるだけにしておきます。
![]() 写真1 通常のヤマメ |
![]() 写真2 偽銀毛 |
![]() 写真3 サクラマス |
![]() 写真4 戻りヤマメ |
通常のヤマメと戻りヤマメの比較
写真1は、8月上旬に某大渓流で大イワナを狙った際に釣れた、27cmのヤマメ(オス)です。拡大するとよくわかりますが、魚体側面に拇印のようなパーマーク(幼魚斑)があります。パーマークはサケ科の幼魚に特徴的な斑紋ですが、ご存知のようにヤマメは成魚になってもこれが残っています。
写真4は、6月中旬、某本流のトラウトフィッシングで釣った、30.5cmの戻りヤマメ(オス)です。戻りヤマメには、このパーマークが全くありません。
本流ヤマメと戻りヤマメの比較
写真2は、6月下旬、某本流のトラウトフィッシングで釣った、28cmの偽銀毛(本流ヤマメ)(メス)です。体側に極めて薄いパーマークがあります。このパーマークは、先程の通常のヤマメ(写真1)と異なり、写真を拡大してもはっきりしませんが、それくらい薄いとご理解下さい。
偽銀毛(本流ヤマメ)は、薄いなりにもパーマークがあり、写真4の戻りヤマメと異なります。なお、紛らわしいですが、地方によりこの偽銀毛を戻りヤマメと呼ぶことがあります。
通常のサクラマスと戻りヤマメの比較
写真3は、5月上旬に釣った通常のサクラマス(メス 57cm)です。このサクラマスと写真4の戻りヤマメは、メタリックなボディ、パーマークがないこと、精悍な顔貌とそっくりですが、大きさが全然違います。
ダム湖のサクラマスそっくりですが、私のフィールドはすべて下流にダム湖がない川です。
皆様からの情報で紹介しますが、戻りヤマメは日本各地で釣れます。 この、戻りヤマメとか戻りマスと呼ばれることがある魚は、身近な本流域に生息し、山奥に行かなくてもヒットさせることができる、貴重なゲームフィッシュです。 本流や大渓流のルアーフィッシングはまだまだ未開拓です。皆様も戻りヤマメを狙ってみてはいかがでしょう。