アメリカで驚いたこと

僕は昨年の4月24日に富士山滑落事故を起こし右足大腿骨骨折という重傷を負った。
6月末に退院することができたのだが、その後も1ヶ月は松葉杖、2ヶ月間はステッキを手放すことができない生活を送った。
そして、日本はなんと体の不自由な人々に冷たい社会なのだと身に染みて実感することができた。

この不自由さにはハードとソフトの両方がある。

ハードとは日本の街づくりが体の不自由な人々に対する配慮が全く足りないのである。
駅の階段、今ではエスカレーターを取り付ける駅が増えたとはいえまだまだ階段だけの駅が多い。
松葉杖をついて階段を上り下りするのがいかに大変かは体験した人しか分からないだろう。

歩道に無造作に停車されている自転車。
どんなに歩行の妨げになっていることか。

健康な時には全く気にすることもなかった歩道の段差。
杖をついて歩くときは何度も転びそうになった。

そしてソフトとは人々の意識の差だ。
松葉杖をついて混雑している電車に乗った時。
席を譲って頂いた事は何度かあったが、ほとんどは松葉杖をついた僕が前に立つと一瞬チラッと僕の方を見た後で眠ったふりをする人が多かった。
そして怪我をする前の自分を思い出して非常に恥ずかしくなった。

町を歩いていても自分の身は自分で守らなければならないので気が休まる間がない。
僕のことなど眼中にないかのように突進してくる人々。
スピードを落とすこともなく通り過ぎる車。
何回かひやっとすることがあった。

このような日本の状況が体の不自由な方々が町中に出るのを躊躇わせる原因なのだろう。
実際に僕自身、車椅子に乗った方々が町中を歩いていらっしゃる姿を見たことは数えるほどしかない。

アメリカで一番驚いたのは車椅子の方々、松葉杖をついた方々が当たり前にように町に繰り出している。
一方、とくに特別扱いはしないが、でもさりげない配慮をする健康な人々。
僕が訪れたのはロスアンジェルスとサンディエゴだけだったのでアメリカ中のどこの町でも一緒なのか分からない。

でも、この両町を見る限りは、アメリカの優しさに心の底から驚き、日本と比べてアメリカは進んでいるなーと感心してしまった。

 

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