イスラエル人バックパッカー

南米には驚くほどイスラエル人バックパッカーが多い。
パレスチナとの争いの渦中で国が大変な時なのにのん気に旅行をしている場合かなと他人事ながら少し心配になるのだが、彼らにはそんなことは関係ないらしい。まあ、どこの国にもノンポリは居るので驚くことはないのかもしれないが。

イスラエル人の多さは半端じゃない。ベネズエラやブラジルを旅しているときはそうは感じなかったのだが、アルゼンチンに入国した瞬間から周りはイスラエル人だらけとなった。その理由は僕には分からない。
プエルト・ナタレスの町中にはヘブライ語の看板(当然意味は全く分からないが多分ホテルの案内じゃないかと思う)が掲げられており、サンチャゴで泊まったヌエボ・ホテルにはヘブライ語の情報ノートがあった。

イスラエル人バックパッカーのほぼ全員が20代の若者(男女含めて)。イスラエル人と他の白人旅行者の見分け方は簡単で、イスラエル人バックパッカーは黒いナイロン製のズタ袋にバックパックを丸ごと入れて背負っている。これは盗難防止のためだろう。非常に効果的な方法だと思うので、僕もイスラエルに行った暁には一個買い求めたいと思っている。

チリのプエルト・ナタレスで同じ民宿に泊まり合わせたイスラエル人に「どうしてこんなにイスラエル人がたくさん旅行しているのか」聞いてみた。
彼の答えは「これはイスラエルの伝統」らしい。イスラエルには男性3年、女性が2年の徴兵義務があり、この徴兵の任期を無事に満了すると、その憂さを晴らすためかどうかは分からないが若者達は世界中へ旅立つのだそうだ 。
イスラエル人はイスラム国家を旅を出来ない(というか入国できない)ので、彼らの目的地は中南米かアジア(インドネシアとマレーシアを除く)が主流。南米で会ったある日本人は中国なんてイスラエル人旅行者の溜まり場ですよと言っていた。

ちなみに、南米では強盗たちもイスラエル人には手を出さないらしい。徴兵で鍛えられたイスラエル人に手を出すと逆に自分たちが危ういと思っているからだそうだ。

こんなイスラエル人バックパッカーの評判は芳しくない。イスラエル人バックパッカーが集団になると手に負えないのである(これは僕たち日本人バックパッカーにも共通したところがあるのかもしれないが)。
一番困るのはうるさいことである。夜中の2時、3時まで大きな声で騒ぐ傍若無人な振る舞いははっきり言って僕はイスラエル人旅行者の専売特許だと思う(日本人旅行者もここまで酷くない)。
僕は又聞きなので真偽のほどは分からないが、イスラエル人が集団で宿代を踏み倒したので「イスラエル人お断り」の宿も南米には存在するらしい。
それに、すごくケチ。イスラエル人が泊まっている宿に同じ値段で泊まれたら(イスラエル人特別プライスなるものも存在するらしい)、その町では一番安い部類に入る宿に泊まっていると考えてよいとある日本人旅行者は言っていた。

これは僕だけの感想ではなく、他の旅行者(日本人だけではなく欧米人)も同じことを言っていた(たまにイスラエル人に如何に迷惑したかの体験談で盛り上がることがある)。

僕もこの旅行で何度かイスラエル人バックパッカーと話す機会があったが、ある人は日本の味噌ラーメンがこ世の中で一番好きな食べ物だと嬉しそうに言っていた。個々人はみんな本当に楽しい人ばかりだったことを付け加えておく。

 

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