
5月にH専門調査員の送別キャンプにSequoia and Kings
Canyon National Parkへ行き、重他1名とMitchell Peakという山に4時間ばかりのハイキングをした時に遠くに見えた高山(Great
Western Divideという岩稜群やマウント・ホイットニー等) が余りに魅力的だったので、山心が騒ぎ、登ってみたくなった。そこで、セコイアNPのMineral Kingから2泊3日の山行を計画したわけである。Mineral
King(ミネラルキング)へサンフランシスコから到達するには580号から5号に入り、適当なところで東に分け入り、198号からミネラルキングロードを通ることになる。最後のミネラルキングロードは25マイルほどだがアメリカでは珍しい本当の山道であり、ここを通るだけで1時間以上かかるので注意が必要である。
えっちらおっちら山道を車で進むと、ナショナルパークのゲートを通過し、何とかミネラルキングに到着する。ここであらかじめ申し込んであった入山許可書をピックアップする。駐車場には数台の車が駐車していたが、中にはマーモット除けに車の下部に侵入されてホースなんかをかじられないように金網を張っている車も見かける。ちょっと心配になったが、何も持っていないので仕方がない。
12時過ぎから登りはじめる。トレイルヘッドの駐車場からすぐにかなりの急登である。ポケットサイズのガイドブックには道の維持管理が行き届いていないため、Sawtooth Passを通るのであれば逆に戻ってくることが進められているが、今回はそこまで登山に時間を割くことができないため、仕方がない。
1マイルほど急なスイッチバックを繰り返して登る。かなりきついが急登は達成感もまた大きいものがあるので我慢して登る。一旦緩やかになった登りも再び急になり、またまたきついスイッチバックである。登っているうちにこれまでに感じたことがない疲労感と激しい発汗を感じた。睡眠不足の上、車でいきなり高所へ来て登山を始めたための一種の高山病だろうか。かなり疲れ果てたころにクリスタルレークへのジャンクションにつく。ここから本日の目的地Monarch Lakesまではまだまだ遠く、泣きそうな気分である。
登り自体は少しゆるくなったが、足は石のように重い。もう気絶寸前になりながら何とか4時頃にMonarch
Lakes(10367ft.)に到着する。さすがに尖がったSawtooth Peak(12343ft.)が目の前にそびえ、絶景である。
しかし、ちょっと頭痛がする上息切れがひどい。のろのろとテントを張り、飯を食う。幸いなことに熊対策のフードストレイジがあり、トイレまであるため、安心して?キャンプできる。飯を食い終わってから、フライフィッシングを始める。まだ1回しかやったことがないのだが、湖にはいくつものライズがあり、これなら何とかなるに違いない。のろのろと準備し、何を食っているか判らないが、とりあえず蚊がいっぱいいるため、ミッジを付けて投げる。おおっ、何と、驚くほど簡単に釣れる。魚のサイズは20センチ未満のものが殆どだが、フライで釣ったのは初めてであるため、ひたすら嬉しい。魚は全てブルックトラウトである。この日はひたすらのろのろと釣りに興じて、暗くなるころにテントに戻った。夜中に風でテントのフライがなる度に熊のような気がしてなかなか寝つけなかった。
昨日の体調不良を引きずって朝からすこし頭痛がある。また、すこし動くとすぐ息切れがするのも治らない。
そこで、今日は本来はSawtooth
Passを越えてColumbine Lakeでキャンプするつもりだったが、しんどいのでのんびり釣りをしながらぶらぶらすることにした。釣りを始めると時間が経つのが異常に早く、あっという間に昼前である。そして朝のライズが収まると釣りも一段落である。テントサイトがあるLower
LakeからUpper Lakeへ遠征(といっても15分ほどだが)したが、釣れなかった。夕方になると再び魚がつれ始める。せっかくなので小さいが一匹キーブして晩飯に食べることにする。とはいえ、何だかさばき方もよくわからないのでそのままフライパンで焼いて食べたが決して美味しいものではなかった。今度は料理を勉強しよう。昨日は誰もいなかったこの場所も今日は単独行のイラン人が来たため2人である。イラン人に記念写真を撮ってもらった。
今日はSawtooth Passまで空身で往復してから帰ることにする。頭痛も無く、息切れも収まった。体が高所に順応したらしい。てくてく登ると1時間弱でパスにつく。パスを超えるとそこは非日常的な岩界であり、本来の最終目的地であるColumbine Lake等が見える。パスの左側にはまさに鋸の歯を1枚拡大したような形のSawtooth Peakが圧し掛かるようにそびえており、反対側にもほぼ同じ高さのピークがある。登りやすそうに見えたのでトライすることにする。眺めの良いところまで行ったら降りようと思っていたら、結局小1時間位で頂上に着いてしまった。天気は快晴であり、ここからも素晴らしい眺めである。頂上で記念写真を撮る。今日は帰るのではなく、Cedar Groveで野崎さんと合流してキャンプをする予定なので名残は惜しいが下ることにする。
テント場に戻ってみると、テントのフライの下に一時的に置いた釣り竿のグリップ部分のコルクに大きなえぐれがいくつかついているのを発見した。クマの爪あとのようでもあり、すわ、クマか??ということでぞっとして慌てて周りを見回したが、何もいる気配はない。そこで、はたと思いついたのはマーモットである。初日からテント場の周りをうろうろしているマーモットが数匹いたが、よくよく考えると、グリップのえぐれはこいつらの歯型のようである。ちゃんと片付けておけば良かった〜と後悔したが後の祭りである。
さて、テントを撤収し、下山を始める。やはり下りは楽である。元来4マイルくらいしかない登山道であり、往路に苦労したのが嘘のようにあっという間に下りきった。車はマーモットなどによる被害もなく、無事である。車をピックアップし、3時間ばかりのCedar Groveへの道のりを急いだ。


24日・25日はCedar Groveで野崎氏、野崎氏の友人氏と3名でキャンプである。車でセダー・グローブまでは3時間程もかかり、ナショナルパークの広さを実感する。
予め決めておいた無線によって野崎氏一行と合流する。すっかり文明的なキャンプ地で、野崎シェフのバーベキュー、焼き魚をたらふく食いながら、フライフィッシングを存分に楽しむことができた。
キングスキャニオンナショナルパークをキングスリバー沿いに入っていった山奥にあるセダー・グローブは、あたかもヨセミテバレーのような奇岩峰と森林のコントラストが非常に美しい景観の場所であるが、いつも大混雑のヨセミテよりはずっと人は少ない。いいところである。さて、この
キングスリバーも魚はそう大きくは無いが、レインボーとブラウンがよく釣れる。実際、ど素人である我々でも魚がいっぱい釣れたのには驚きである。ここでも使う毛鉤はエルクヘアーカディスであり、またそれで十分である。男ばっかりのむさ苦しいテント場やキングスリバーでの魚釣りの写真を紹介しておきたい。
by Keisuke T.
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