準備段階
初期においては、宿が直ぐには取れなかったこともあり、3泊ともキャンプする予定であった。しかし、インターネット上で予約情報をマメにチェックしていると、結構空き部屋が出てくるものであり、結局公園内の3泊ともロッジを取ることができた。航空券・レンタカー・最終日のソルトレークシティの宿等はwww.travelocity.comにて予約した。便利になったものである。キャンプが嫌いな天野さんは大喜びであった。
朝のUAでソルトレークシティに出発。到着は昼過ぎである。ソルトレークシティに到着後、そのまま、ハーツに直行する。そこで今回旅程をともにするマツダ626をやはり日本車が安心ということで少し追加料金を払ってレンタルする。なお、普段乗っている車と同等の車をレンタルする場合には、AAAの保険でカバーされるため、高いレンタカー保険には入る必要はないとのことである。このマツダ626だが、2リッターということで 若干アンダーパワーの上、ハンドルが軽すぎ、プラスチックの質が悪い等々でいまいち不評であった。
さて、空港を出て直ぐにインターステート15号に入る。75マイル制限片側3車線以上の快適な道である。1時間くらいはグレートソルトレイクを右に見ながら進むことになる。何と大きな湖!
アイダホを抜け、モンタナに入る頃には4時間位は経っていたと思う。US20号に入り、ウェストイエローストーンへ向かう。途中左側に日本の雑誌なんかでフライフィッシングの聖地として騒がれているHenry’s Fork Snake Riverが見えた時には大分血圧が上昇したが、釣りを始めたらとても宿に着きそうもないのでやむなくそのまま走る。
ウェスタンなムードがプンプンのウェストイエローストーンを抜けると、ナショナルパークのゲートまでは直ぐである。左側に悠々と流れるマジソンリバーを見ながら走る。ジャンクションを右折し、ローワーループに入ると、間欠泉がそこかしこにある盆地を走ることになる。

少し途中で間欠泉を見ながら、宿泊地であるオールドフェイスフル・インに到着。なかなか趣のある立派な宿である。部屋にはテレビも何にもないが、清潔な感じであった。夕方には大きなテラスから、宿泊客がオールドフェイスフルの名の由来となった規則正しい間欠泉を眺めており、優雅である。

チェックインの時に我々の持つ釣竿を目ざとくみつけたスタッフが声をかけてきてくれ、秘密の釣り情報を教えてくれた。彼によれば、ここらの本流のファイアーホールリバー(Firehole River)は間欠泉の熱湯が流れ込むため水温が上がりやすく、ここ数日の熱波で釣りはピークを過ぎてしまっており、水が冷たい支流に魚が逃げ込んでいるとのこと。明日は教えてもらったスポットで釣りをすることにする。ライセンスは各ビレッジにあるグローサリーで売っており、1週間10ドルである。
7月15日

朝一でビスケットベイジンから昨日教えてもらったLittle Firehole Riverへアクセスすることとする。ビスケットベイジンにはサファイアプールという美しい温泉があり、しばし見入る。Little Firehole Riverでの釣りは、最初はサファイアプールからそう遠くない所で釣るも木が多く魚は見えるが釣りにくかったので、Mist Fallへ向かうトレイル沿いへ移動する。一旦滝まで行ってから、滝の直下の渓流を狙ったところ、一発でレインボーが出てきた。そう大きいわけではないが、なかなか美しい魚体である。天野さんもそこで竿を振るい、魚をフックすることはできたが、途中でばらしてしまった。
さて、昼前頃に切り上げて、北へ向かう。マンモスホットスプリングまでのドライブは山がちな地形であり、所々に間欠泉がある。マンモステラスという奇岩を見るとすぐにマンモスホットスプリングに到着する。ホテルの前では一団の鹿が草を食んでおり、まるで牧場のようである。ひょっとしたら本当に飼育しているのかもしれない。
チェックイン後、ボイリングリバーへ向かう。川の中の温泉に浸かるという日本人だったら泣いて喜ぶ場所である。本流であるGardener Riverに、湯量の豊富な温泉の川が流れ落ちるポイントにワサワサ人が入っている。ところが入ってみると冷たい水とお湯が混じって丁度いい湯温になる場所は合流点付近の狭いスポットであり、それ以外の場所は冷たすぎるか、熱すぎるかである。インド人の家族が最も良い場所を占領していたため、なかなか良い湯加減のところにつかるのは難しかった。湯に入っていると、すぐそこを鹿の親子が川を渡り始めた。入浴後、駐車場の前の本流で釣りをした。相当粘って一匹だけ釣り上げることができた。

その後、インディアンクリークという名前の草原の中を流れる小川で釣りを続けた。ここは、10センチ〜20センチほどの食い気満々の小さなブルックトラウトがうじゃうじゃおり、フライを投げると底から一直線にフライにアタックしてくる。口が小さいため、フライを食えないようなのまで果敢に食いついてくる。天野さんはここでついにブルックを3匹ほど釣り上げた。おめでとうございます。この場所はその後天野さんにより釣堀と名付けられた。

7月16日
さて、今日はイェローストーンレークへの移動をしつつ釣り・観光である。道は殆ど大高原と山の連続である。
マンモスを出てしばらく行くとLamar Valleyへのジャンクションである。実は昨日の内にLamar Valleyを見るWild life excursionなるプログラムを予約して、また夜に行くことが決まっていたが、つい少し見たくなって、わき道にそれる。なるほど起伏に富んだ大草原が連続した野生動物のいそうなところである。さてはということで、Slough CreekやLamar Riverで釣りをしたが釣れなかった。
アッパーフォールやアーティストポイントといった景観ポイントを押さえながら南下する。アッパーフォールでは滝壷までのトレイルをウェーダーをはいたまま降りたので、発汗が激しく、死にそうになった(その代わり滝見茶屋で飲んだビールが美味かったけど)。アーティストポイントではイェローストーンの名前の由来となったといわれるイェローストーンリバーの黄色い岩の峡谷を眺めることが出来る。なかなか豪快な眺望である。道の両脇に群生する野花も美しく、天野さんはその可憐な美しさにしきりに感動している。

さて、イェローストーンレークの手前で、ついに道はイェローストーンリバーと合流する。ここが真のフライフィッシングの聖地である。丁度昨日から釣りがオープンしたということで、川には釣り人が立ち並んでいる。ただレギュレーションによる釣り可能区域の区分が結構複雑なので注意されたい。サルファーカルドロンマッドボルケーノという泥地獄みたいなところより上流は釣り可能である。
イェローストーンリバーで釣りを始める。真昼間ということもあり、周りの釣り人も苦戦しているようである。天野さんは岸からすぐのところに大きなレインボートラウトが定位しているのを見つけて粘るが、フライに関心は示すものの食いつくまでには至らない。私も加わって攻めているうちに、あっという間に時間は経ち、Wild life excursionに間に合うかどうかという時間になってしまった。天野さんの非難を浴びつつ、レークホテルに向かう。
結局ぎりぎり間に合ったが、荷物をコテージに運び込む暇も無く、バスに飛び乗った。さて、このプログラムだが、はっきり言ってかなり退屈であった。今まで走ってきた道をノロノロ戻るだけでなく、最終的にはグレイウルフが運がよければ見られるというスポットまでバスで行き、ちょっとぶらぶらするだけである。遠くにバイソンの群れを見ることができたが、これとて、道の脇を歩いていたりするのでもうさほど珍しくない。夜の公園内を歩いたりするのかと思っていたが全く想像を裏切るものであった。4時半から10時半までの貴重な夕方をつぶしてしまい、聖地でのフライフィッシングが出来なかったことで身悶えするのであった。
7月17日
さて、朝から曇り時々雨というあいにくの天候である。聖地での釣りがあきらめきれず、イェローストーンリバーで釣りを始めては見たものの、雨がひどくなってきて早々に切り上げ、グランドティトンへ向かう。途中、道を悠然と歩くバイソン(これはやはり♂か?)を見かけたり、ブラックベアが林の中で騒いでいるのを見かけた。

イェローストーンを出るとすぐにグランドティトンナショナルパークに入る。早速ジャクソンレークのほとりのビレッジで1日限りのライセンスを6ドルで買って、細田さんから教えてもらったポイントに向かい、引き続き南下する。ジャンクションを左に折れ、すぐに右にはいっていくと、Snake Riverに突き当たる。本流らしく大きな川だが、静かな流れである。壊れた橋が掛かっている下流で早速釣りを始めるが釣れない。ただ、しばらくすると、岸から4mくらいのところに小さなライズがあるのが見えた。一気に血圧を上げた私は、姿勢を低くして近づいて、20番前後の小さなメイフライを投げることにした。3回目くらいに魚が出たが、びっくりするほど引きが強く、ファイトが楽しい。ランディングしてみると、それは夢にまで見たカットスロートトラウト(クリックしてくれ〜!)であった。えらの下に赤い筋が入っており、切り傷のように見えるためにその名がついたといわれ、イェローストーン名物である。ぴったり30センチ程度であり、恐らく大きな魚とはいえないのだろうが、これまで米国で釣ってきた鱒類に比べ格段に美味しそうに見えるのが不思議である。

壊れた橋の付近は大きなプールになっており、橋の上流側に移動すると、実は浅瀬に何匹も30センチ級の魚が定位しているのが見える。しかし、見えるところに居る魚はフライに全く関心を示さない。天野さんが既にいるが、私もそちらへ移動し、ウェーダーを着ている強みで浅瀬に入っていき、深みとの境目の散発的なライズを狙う。おおっ、また来た!!ということで最終的にはほぼ同程度の大きさと引きのカットスロートを3匹釣り上げることができた。中州にボートでやってきた子供がルアーで釣り上げているのも見えたので、結構そういうものを食べているのかも知れない。

さて、3時頃にその場所を離れ、シェーンの山として知られるグランドティトンを右に見ながらひた走る。止まって写真をとりたいのだが天野さんに牽制され1度で我慢する。ジャクソンの町に着いた頃にはまた天気が悪くなってきた。ジャクソンの町も西部風の田舎町である。ジャクソンを出ると天候が急激に悪化し、雹混じりの大雨・大風である。高速道路も特に水はけが悪い訳でもないのに2センチくらい水がたまったような感じになり、恐ろしいことこの上ない。この悪天候と追いかけっこのようになり、必死で1時間あまり走るうちに何とか振り切れた。
ワイオミング〜ユタと走るUS89号の景観はドラマチックである。アメリカンカントリーを感じさせる大平原と丘陵が連続する地帯を抜け、ベアレークという湖の側を通り、ユタに入ると緑の谷間である。ソルトレークシティの周りのユタとは随分印象が異なる。なんやかんやでソルトレークシティのウィンダムにチェックインしたのは夜の9時30頃であった。
7月18日
ソルトレークシティを観光するため、少し早めに起床する。まず、ホテルの側のテンプルスクエアに向かう。Church of Jesus Christ of Latter-Days Saints、すなわちモルモン教(日本語では末日聖徒イエス・キリスト教会というらしい)の総本山である。朝から、モルモンな人々が礼拝のために吸い込まれていく。出勤前にご苦労様です。入り口のところの愛想の良いおじいさんに一通りの話を聞いた後、中を見て回る。殆どの施設が9時30分オープンであり各施設の中を見る時間は無かった。

その後、キャピトルヒルへ向かう。ユタのステートキャピトルもどこかで見たようなデザインではあるが、立派である。
空港では、ミッションに向かうスーツを来た若者の一団を見かけた。どの青年も一家総出で見送りに来ており、中には日本語のバッジを着けている青年も多数おり、そんな中で我々もサンフランシスコへ向かうUA便に搭乗したのである。
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