愛山渓・沼の平

2002年10月6日(日)曇り
天気が良くなるという予報に期待して旭川から当麻の林道を抜けて愛山渓温泉に着いたのは午前9時半。空は曇っていて太陽は見えない。目指す山はかすかに見えていた。先日の雪で山は白く見える。温泉付近の紅葉も終わっていた。それでも登山者は結構いるようだ。最後尾異常なしで名簿に記入する。
永山岳コースを1時間歩くと目の前に立ちはだかるように大きな滝が現れる。この滝の右岸を巻いて登山道はあり、滝の上に出ると何時も休憩する。途中で見た永山岳は雪で上半分が覆われていたので、コースを変更して沼の平らに出ることにした。この上の分岐から直進して川を渡り、笹藪の道を上り詰める。
滝付近から山の上に目を転じると葉を落としたダケカンバの白い幹と枝がキャンバスに絵を描いているように自在に踊っていた。私もこんなふうに絵を描けたらいいなあと感嘆して眺めていた。
沼の平に出る稜線に上がると雲に隠れていた山並みが次第に顔を見せはじめた。左側に永山岳に続く登山道もはっきりと見えてきた。沼の平への分岐から左へと曲がり、泥だらけの道を行く。ここは長靴が一番似合っている所だ。
途中から木道の上を歩けるようになっており、やっと一番目の沼である半月湖に到着。9月に来ていれば紅葉が真っ盛りだろうが今は晩秋の雰囲気。空も山も真っ白、おまけに谷からガスまであがってきた。雨だけは降らないでくれと祈りながら更に奥の沼を目指す。
何番目かの沼のほとりにたつと安足間岳から当麻岳への稜線が又雲の中に吸いこまれて行き、ぽつぽつと恐れていた雨が降り始めた。食事も取らず休憩も惜しんで今日の目的地と決めていた当麻乗越の手前の岩まで急いだ。そこからは旭岳が見えるからだ。
登りの途中で下を振り返ると沼の平のほぼ全景が見渡され、遠くの下界には秋の雲がのんびりと散歩をしているようだった。しかしゆっくりとはしていられない。雨がだんだん大粒になり、気温も下がってきたのだ。
やっと目的地に到着。時間は12時ちょうど。待望の旭岳が冠雪している姿を目の前にして、シャッターを切った。すると急に風雨が強くなり、とうとう霙になってしまった。お腹はすいているが食べている時間はない。冬山の準備はしていないのでとにかく降りるしかない。
少し降りてしまうと雪は雨に変わり気温も高く感じられた。少し余裕が出たので途中の岩に登って松仙園方向を見下ろすと太陽が当たって暖かい秋の風景が広がっていた。
同じく大沼方向は遠くにボンヤリと山並みが見えるほど穏やかな天気で眠気を誘うような秋の昼下がりであった。
最後の下りからの沼の平の全景。この方面は遠くの山も下界も見えないほど天気が悪くなっている。
最初の半月湖に戻ってやっと遅い昼食にする。腹ぺこでおにぎりが直ぐなくなってしまったが雪の恐れからは解放されたので、ゆっくりと食後の満足感を味わう。雨はまだ降り続いているが後は温泉に向かって降りていくだけなので気持ちはのんびりしている。今年の大雪山の登山は今日で終わりだ。後は日高と低い山を巡って冬じまいとなる。