奥多摩の名湯と東京の最高峰をめざして

三条の湯から雲取山へ

奥多摩の山で、もっとも人気のある山の筆頭は、なんと言っても百名山にも選ばれている雲取山であろう。春の新緑から秋の紅葉まで、いつも登山者でにぎわっている。今回は二月の一番雪の多い時期をねらっての山行で、しかも温泉付だ。季節を変えて何度も行きたくなる山である。


2001/2/24〜25 朝から雨がシトシト落ちていたが天気予報では午後から明日にかけて良くなるそうだ。午後三時に田中さんが来てくれて二人で出発した。今夜は鍋で一杯と言う事で途中のスーパーで酒と鍋物セットなるものを買った。この鍋物セットがすばらしく、キノコや野菜がたんまり入って580円、二人で食べるには十分だ。 車は順調に奥多摩を目指した。やがて奥多摩湖を過ぎ、しばらくすると「お祭り」のバス停である。その先を右に分かれる道があり、ここが後山川林道の入り口だ。思ったより雪が少なくなんとか終点まで車で入れそうだ。三年前この時期に田中さんと来た時は、すごい雪で「お祭り」のバス停に車を置き、三条の湯まで四時間ちかく歩いて、そのうえ小屋を出た所で雪が腰までありそのまま引き返した、と言う苦い思い出がある。今回はその時のリベンジで、なんとしても山頂を踏まなくてはならない。 車は無事に終点に着いた。ほかに四、五台止まっていた。すでに時刻は午後六時を回っている「いそがねば」道は青岩橋を渡ると三条谷を左に見下ろす谷間の道だ。だんだん暗くなる道を行くと「山梨森林百選」なる看板があった。ヘッドライトを点け先をいそぐ、30分ほど歩いただろうか、やがて小屋の明かりが見えてほっとする。受付を済ませると小屋番の人が「今、お風呂誰も入っていないから、どうぞ」と言われ部屋に荷物を置き早速入る。ここの風呂に入るのは三回目だが、小屋に風呂があるのは最高だ。冷えた体をあたため部屋に戻る。部屋は「かえでの間」と言う名前ですごーく広い、20人ぐらい寝られそう、今夜はここを二人で貸切で ある。夕飯の準備をしビールで「カンパーイ」そのあとは日本酒ブランデーで盛り上がる。風呂が八時半まで入れるので、再び入る「サイコー」と言いながらまた飲む。なんだかんだいいながら十時頃に寝てしまった。朝方寒さで何度も目が覚めてしまった。六時に朝食を取る寒いので布団に入ったら寝てしまい、気がつくと七時四十五分だった。支度をし八時半に小屋を後にした。小屋を出て、すぐに三条沢かかる橋を渡ると水無尾根への急登になる。なぜか体調が悪く脚が重い。だましだまし登って行くとほどなく分岐に着く、右が青岩鍾乳洞へ、左が三条ダルミへ向かう道だ。このあたりはブナやミズナラの原生林で秋に来ればキノコが期待できそうだ。休みながら登って行くと痩せ尾根に出た。暖かい日なら休憩するのによさそうな場所だ。風が強いのでどんどん行く、まだ先は長い。このあたりから体調も良くなる。やがて桟橋が二ヶ所あり水場にでた。ここは「三文字水場」と呼ばれる所だ、コップも ある。一息ついて出発する。コースタイムでは、小屋から三条ダルミまで二時間十分とあるが走らないとそのタイムでは着きそうも無い。さらに道を登って行くと、石尾根が右手に見えてくる。カラマツ林を抜け、木々が針葉樹に変わり、少し開けた場所に出た、三条ダルミだ。晴れていれば富士山や丹沢の山々が見える所だが、今日の天気ではムリのようだ。休んでいると二人組の中年男性が来た。今夜は雲取山荘に泊まるそうだ。十分程休憩し、いよいよ最後の登りだ。かなりの急登なのでアイゼンをつける事にする。三条ダルミから山頂までは標高250mを一気に登るのでかなりしんどい、このコースで一番つらい所だ。やがて避難小屋が見え山頂に着いた。とりあえずザックをおろし「ヤッター」なんていいながら喜びあう。ここからの石尾根の眺めは素晴らしくまさに冬の雲取
山のダイゴミを味わった感じがした。帰りはあれほどつらかった道が嘘のようで軽快に下る事が出来た。三条ダルミまでは、あっと言う間に下ったがそこから先が意外と長く「よんこんなに登ってきたねー」と田中さんが言っていた。やがて三条の湯に着き、一休みしてから車の置いてある林道終点までのんびり下った。お昼を食べていなかったので、奥多摩駅前の食堂でビールとラーメンで乾杯し帰路についた。


                                                              写真、文  入江
                                                              宿     三条の湯


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