期 間  :  平成14年1月3日〜平成14年1月5日

場 所  :  八ヶ岳、赤岳周辺

メンバー :  田中、入江、小野寺

文       :   小野寺

 2002年初のあしぐろ山渓会活動は赤岳主稜からの冬季登頂に挑戦である。事前の計画ではこの他に阿弥陀岳南稜も候補にあがっていたが南稜の場合には冬季テント泊が強いられ、装備品の充実が出来ていないことや荷物が増え重くなり体力面で一抹の不安もあり、幹部会議の結果、過去に実績がある赤岳方面に至った経緯である。このルートは一年前にも挑んだが、強風という悪天候に阻まれ、やむなく撤退したルートである。田中、入江さんは5回目、小野寺部員は2回目の雪山登山である。

≪平成14年1月3日(木)≫

お正月気分のなか、入江邸に午前5時30分に集合し、田中さんが待つ八王子駅に向け出発。入江さんは年末から風邪が治らず、喉の痛みがある様子でゼッ不調そうである。午前6時、八王子駅石井スポーツ前で寒さに耐えながら待つ田中さんと合流する。すっかり雪山仕様のいでたちであり、自宅から朝2番電車を乗り継いで八王子まで来てもらった。寒さのなか、頭の下がる思いである。3人揃って出発…でも、入江さんの体調が気になる。以前、冬山で発熱し山小屋で寝込んだ経験がある田中さんも、山は逃げないから、体調を考え、日程変更しよう。との提案も、入江さんの大丈夫!との山にかける情熱に押され、「無理はしない」との条件付きで出発する。八王子ICから高速に乗る前にコンビニで食料を調達する。(夏遠征での教訓を生かし現地でコンビニがあるとは限らないのである!)午前6時30分に八王子ICから中央高速に乗り、入江タイル号は快適(登坂車線専門に…)に諏訪南ICを目指した。午前8時前に休憩と朝食を兼ねて恒例の八ヶ岳SAに立ち寄る。体調のすぐれない入江さんは後部座席で仮眠をしていたが、朝食を取らなければ治るものも治らない!ので、起きていただき、食欲が無いのに無理やりうどんを食べてもらった。田中さんと小野寺部員はこれもまた恒例のキノコそばを食べるのであった。SAからは目指す八ヶ岳方面の山並は雪雲に覆われその姿は拝めなかった。今年は例年になく雪が多そうだなと話ながら諏訪南ICへ走らせた。午前9時前に高速を降り、インターそばのコンビニに寄り、今回挑む赤岳周辺のバリエーションルートガイドをコピーと最後の買い出し、栄養ドリンクで乾杯して美濃戸口へ向かった。コンビニから2〜3分も進んだところから真っ白な道となった。薄っすらと凍っているとタイヤずっぺって怖いが大雪のせいで雪が踏みしみられて以外とスムーズに進むことができた。しかし、美濃戸口に近づくにつれ、道路の雪も多くなり、わだちができて時折ハンドルを取られることもしばしばである。坂道では止まると再発進が難しくなるので止まらないようにゆっくりと進んでいった。午前9時30分頃に美濃戸口に到着し、八ヶ岳山荘の1日500円の駐車場に車を止めて3日分払いの料金の支払いを済ませ、いよいよ出発である。今回は大雪のため、八ヶ岳山荘前からフル装備である(入江さんはアイゼンは必要ないよう〜と云っていたが、軟弱隊員?は滑って転ぶと痛い!ので迷わず装着する)午前10時頃に白く雪化粧をした森林の中を美濃戸小屋目指してゆっくりと進む。緩い登坂ではあるが久しぶりの山業で大型ザックを担いで歩くのは、結構キツイのである。汗っかきの田中さんと小野寺部員は上着やシャツを1枚また1枚と脱いで温度調整をするが、風邪気味の入江さんは寒い!寒い!といって固まっていた。暫く進むと「やまのこ村」という小屋があり、店先には岩魚の泳ぐ水槽が置いてあり、旨そうな



岩魚を横目に小休止である。ここまで来ると美濃戸小屋まではもうじきである。午前11時頃に美濃戸小屋前の北沢と南沢の分岐を行者小屋目指して南沢を進む。チョット歩いた所に砂防ダムがあり、左岸側から越えるとグッ〜と!登山道らしくなってくるのであった。今年は雪が多いので足元は真っ白、小さな段差や石は積もった雪で埋まり以外と歩き易いのであった。歩き易いとはいっても、登山靴にアイゼンをつけてドでかいザックではやっぱり疲れます… 歩けど歩けど行者小屋はなかなか見えて来ない。昼近くになると八ヶ岳SAでそばを食べてから何も食べていないのでさすがに腹が減り、登山道の脇に荷を下ろし行動食(カロリーメイトなど)を食べ空腹を満たす?止まっているとすぐに寒くなるので歩きだすが5分も歩くと先程食べたカロリーメイトは消化されたようで、また、腹が減る! 黙々と歩く田中さんと入江さんに申し訳ないと思ったが、ポケットに忍ばせた森永キャラメルをほうばりながらあるいた。以前、1粒で300メートル美味しいというコマーシャルがあったような気がしたが、今日は1粒で500メートルは歩けるような気がした。≪森永さんあんたはエライよ!\(^。^)/ ≫ 後から来るパーティーには率先して道を譲り久しぶりの雪山登山を堪能!?しながら高度を上げていくのであった。計画では4時間ぐらいで行者小屋に到着するはずだったが、4時間歩いてもても着かない!息が上がり、歩幅は段々狭まっていくのである。空からは雪が舞い、冷え込んでいるのがよ〜くわかった。横着者の小野寺部員は防寒用グローブをザックの奥にしまい込んでしまったので、まぁ、山小屋までの歩きだから大丈夫だろうと火事場用の消防手袋を代用していた。この考えが、まだまだ素人の域から脱しない訳であろうか…耐熱用に作られた布製であるので熱には強いが、寒さには耐えられない代物であるのだ!最初のうちはちょっと寒いがナントかなる! 進むうちに手が痛くなってきたな〜と思い、最後には



手が動かない!なんと手袋が凍ってしまったのである!そんなこんなでバテバテな状態で歩いていると、先頭を行く田中さんから「小屋が見えた! 」と声があがった。予定時間より1時間多い5時間かけ午後3時頃に行者小屋に到着した。とにかく、背中にしょった「子泣きじじい」のようなザックを降ろしたいので、小屋の受付で宿泊手続きを済ませ天国のような室内で暖をとった。小屋の外は厳冬の世界!しか〜し、そんな中テントで泊まる強者も居るのである!これには感服するばかりである・・・我々あしぐろ隊は小屋の2階Dスペースを与えられ、荷物を置き暖かいコタツで暖をとり、柿ピーを頬張りながら明日の予定を話した。疲れた体に暖かい部屋、少しの酒と食料で何時の間にか3人とも眠りについていた。6時半頃になると夕食の時間である、名前を呼ばれ食堂に向かう、山での食事は重要である!風邪をひいて体調不良の入江さんはエネルギー補充をしてもらうためガッチリ食べていただく。この後にトンデモないことが起きたのである!田中さんが濡れたグローブを乾かし食事に行く時にコタツの上に置いて食堂に向かった。夕食を終え一息ついて戻ると、ナイ!コタツの上に置いたグローブが・・・ 疑いたくはないが、不届きな者が持ち去ったのだろう。しかも同じ小屋に泊まるのに・・・ 悔しいというか情けない、そんなヤツは山にくるな〜!幸い田中さんは予備のグローブをもってきていたので明日からの行動は可能である。まさに、備えあれば憂いなし!床に着く前に、歯を磨こうと外に出ると「寒い!」吹き付ける雪が痛いのである。速攻で歯を磨いてダッシュで山小屋へ戻るのである。降り続く雪と明日の天候に不安を残し、3人並んで床に着く。

≪平成14年1月4日(金)≫

早朝6時に朝食を済ませて、赤岳主稜へアタックである。7時過ぎに小屋をでて文三郎尾根を山頂目指して進むが天候は微妙である。雪が多く小屋前でもかなり積もっている。1時間も登ったところで、ここら辺が取り付きポイントでは?と思うところに着たが、雪のせいもありルートが判らない!別の5人組みパーティーもいたが取り付きが判らない様子であった。2度目の挑戦なので今年こそ!との意気込みもあり必死にトラバースポイントを探すがどこも違うようだ。40〜50分も探したが見つからない、天候は悪くなり、風が吹き始めてきた、視界も悪い!体調をおしてきた入江さんは、とにかくアタックだ!と身体から気を発している。ここと思わしきルートを何ヶ所も進むがどこも確信がもてない。ちょっとラッセルで進むと急にルートが消え断崖になったり、突然、胸までの深さになったりと四苦八苦である!始めてのルートで天候も悪い。でも折角来たのだから行きたい!昨年の夏の経験もある・・・ 状況は極めて悪い、1時間程探してもトラバースポイントが見つからない。時間も過ぎるこれ以上経つと明るい内に登頂ができなくなる。安全性を最優先させ、入江さんに納得してもらい、赤岳山頂を目指し文三郎尾根を進むことにした。午前10時30分に再出発である、雪で覆われた登山道を進むが、風がスゴイ!雪混じりの強風である!雪が顔にあたり痛くて進めないのである。山頂まじかの岩場のは吹き付ける雪が岩を白く綺麗に化粧していた。視界も悪いのでゆっくりと山頂を目指した。午前11時30分頃に山頂に到着し恒例の記念撮影をした。雪と風と寒さでまつげに





雪が積もり凍っているのである。20〜30秒目を閉じると凍り付いて目が開かなくなる。山頂小屋でラーメンを食べ一息つく。ここは明日までで正月営業が終わるせいかもの静かである。ここで、お土産のバンダナを購入!お土産マスターの田中さんもしっかり買い込んでいた!12時30分に山頂を出発し、地蔵尾根経由で行者小屋を目指した。やはり風が強く、時折吹く強風にはピッケルを突き刺し飛ばされぬよう踏ん張った。順調に下ることができ午後2時には行者小屋に到着した。小屋で休むには少し早い、天候は良くないが、多少の行動は出来そうである。明日の天候と今後の参考のために近くにある石尊稜ルートの取り付きを確認しに行くことにした。ここからは赤岳鉱泉方面に進む途中にあるらしい。このとき、熱くて上着を脱いだのがいけないのか、突然頭痛と気だるさを感じた。歩きやすい道なのになかなか進まない!やっとの思いで2人についていくが石尊稜近くでペースダウンしてしまった。取り付き確認は2人に任せて後方をトボトボと進んでいくのである。(あぁ〜 情けない!)しばらくすると見当がついたのか撤収となった。来た道を休み休み戻り午後4時に行者小屋へ到着した。
荷を下ろし、着替えて、横たえて休んでしまう。本日は自分が体力回復しなければと夕食にかけた!夕食前に2人組みが隣にやってきて話を聞くと、阿弥陀岳南稜をやってきたとのことである。当初の計画にあったルートであり興味深く話しを聞いた。夕食後に明日の打ち合わせを行う、天候が回復すれば、石尊稜か阿弥陀岳北稜をアタックしようと決めるが、予報は思わしくなく、コンコンと雪は降り積もるのであった。天候が悪い場合には無理せず下山することにした。

 

≪平成14年1月4日(金)≫

5時30分頃に目覚めるとヒソヒソ声が周りから聞こえる「天気悪いね〜」「雪が結構降ってるよ」6時に朝食を済ませ外に出ると、雪・雪・雪!降り積もる雪である昨日よりさらに積もっている・・・下山決定の瞬間であった。早々に荷仕度を済ませ8時に小屋をでた。小屋の周りも40〜50センチは雪が積もっていた。一面の銀世界を美濃戸小屋目指して歩く。登りは5時間もかかったが、下りは3時間弱で美濃戸小屋へ到着した。少し下ったやまのこ小屋で美味そうな手作り野沢菜が売っていたのでお土産用に購入する。ここから車を止め美濃戸口までが長く感じるのである。時折、車が通り過ぎていく、お願いして乗せてもらいたい気分である。何度も休憩し、10時40分に無事到着した。ザックを降ろし、ウェアーと登山靴を脱ぎ開放された。丁度昼時ではあったが帰り支度をして出発である。雪道をゆっくり進み、中央道に入り途中の双葉SAで食事を済ませ帰路につく。車中は今回の山行の話題を中心に話がはずんだ、目標であった赤岳主陵チャレンジが達成出来なかったことや雪山の天候等山話である。結局、山はイイ!ってことみたいだ。山は逃げないので次の機会に再チャレンジしよう!ということになった。午後3時に八王子駅で田中さんを降ろして、午後4時頃あきる野に無事到着し解散した。

今回はバリエーションルートを登ることは出来なかったが、雪山の怖さを知ることができ、今後の冬期登山(テント泊?)にこの経験を活かして、さらに楽しい活動をしていきたいと思った。結果だけが全てではない山行でありました。

八ヶ岳 赤岳周辺
   稜線で冷凍人間になった
  雪に埋もれる行者小屋
上  赤岳山頂、天候が悪く人がいない

左  赤岳頂上小屋
美濃戸山荘 ゴールは、もうすぐ
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