ニセイカウシュッペ山 南稜 At

2002年3月20日(水)〜24日(日)


【地図】ニセイカウシュッペ山、層雲峡 1/2.5万
【人員】K崎(HUSV W)

【予定の行動】
3/20:札幌(バス)→旭川(バス)→高山バス停⇒ニセイノシキオマップ川c670林道終点C1
3/21:C1 ⇒・861二股 ⇒ ニセカウ南稜・1241コル ⇒ c1400C2
3/22:C2=3 ⇔ 小槍 ⇔ 大槍 ⇔ ニセイカウシュッペ山
3/24:C3 ⇒ ・1241コル ⇒ ・861二股 ⇒ 高山バス停 下山
3/25〜27:停滞日

【実際の行動】
3/20:札幌(バス)→旭川(バス)→高山バス停⇒ニセイノシキオマップ川c670林道終点C1
3/21:C1 ⇒・861二股 ⇒ ニセカウ南稜・1241コル ⇒ c1400C2
3/22:停滞日
3/23:C2=3 ⇔ 小槍 ⇔ 大槍 ⇔ ニセイカウシュッペ山
3/24:C3 ⇒ ・1241コル ⇒ ・861二股 ⇒ 高山バス停 下山

【概念図】

【3/20(水) 旅行日】
 7:00 札幌駅発(旭川行) 9:12 旭川中央バスターミナル着 10:45 旭川駅発(層雲峡行) 12:45 層雲峡着 13:40 層雲峡発(上川行)13:45 高山バス停着 13:55 高山バス停発

 今日の予報は晴れ。週間予報を前々からチェックしていたが、18〜20日がすごくいい天気で21日が相当悪い天気で、その後22〜24日が曇り時々雪の50%くらいなのはわかっていた。だから短期決戦で18〜20で勝負を決めてしまうか、21の悪天をやり過ごしてその後に狙うかの賭けだった。前者の場合、悪天が早まった時に完遂不可能となるので、今回は後者を選んだ。25日に好天が来ることがわかっていたのもあったので。

 JR駅バスターミナル発旭川行7:00のJRバスに乗ろうとするも見当たらず、仕方がなく中央バスに乗る(往復¥3750)。これが失敗。JRバスは9:00に旭川に着くので9:15の層雲峡行に間に合うが、中央バスは9:15旭川着なので乗継が出来ない。このせいで10:45発の層雲峡行のバスに乗ることになり、1時間半のロスとなる(片道¥1900)。また、上川が層雲峡の南側にあると思い違いをしていたため、降車場所の高山をスルーして層雲峡に着いてしまい、13:40発の上川行のバスを待つことになる(高山のバス停を呼ばずにスルーされた気もするが)。ここでも1時間のロス。この程度のチェックは入山前にしておくべき。層雲峡から高山まで¥180。

 ニセイノシキオマップ川出合には2.5万図には家マークがあるが、家は無い。発電所はある。人がいるかどうかは不明(これも調べておくべきだった)。橋のある出合から崖マークの尾根の方に歩くと林道にのる。時間が無いが林道終点くらいまでは行きたいのでどんどん歩く。左岸の斜面の上部は崖マークがあったり非常に急だったりするので、林道上には数箇所デブリがあって気味悪い。地図上のc640橋は無い。左岸はc650のあたりが急で沢に向かってガケているので行けず、右岸に渡渉するしかない。だが、暖冬・寡雪のため沢はパックリ口を開けていて、スノーブリッジ(SB)は無い。c640堰堤のところの沢中に雪があるので、飛び雪で渡る。スキーは投げる。ゴクイ渡渉となる。c670二股左股はどこも渡れない。左岸に渡れそうなところを探すも、SBは無い。間隔が狭いところを探してゾンデストックを伸ばして補助にしてシールで強引に渡る。シビア。右股c685の堰堤を偵察するも地図上では左岸が広そうだが、急になっていてデブリもありシールでは行けないと判断する。EPに替えようとするが、2つの渡渉で時間を食いここで時間切れとなる。c675左岸C1。目の前はけっこうな急斜だが、すでに雪崩れているので張れないことはない。が、気分のいいものではない。

 晩飯はおでん炊き込み。天気図をとっていたら焦がしてしまう。この天場はラジオの入りが極めて悪い。明日は前々からの予報通りゴッツイ低気圧が来るようだ。早めに稜線に上げて安心天場を探さなければいけないだろう。3:30起床・6:00発とする。なお、沢の結氷状態が極めて悪く、これ以上悪くなると沢に落ちる等のトラブルも考えられるので、最終日下山はリスクが高いと判断し、25日を最終下山日、26日を下山予備日とする。

 初めてのソロ山行、明日の超悪天、ニセカウ南稜のプレッシャーが今更になって圧し掛かってきて、なかなか寝付けない。沢の音が不気味に響いていた。


【3/21(木) 南稜取り付き】
 【概況】午後に気圧の谷通過
 【上川】20%→50%、南西の風強い、強風・波浪・雪崩注意報
 3:30 起床 6:00 ルート工作発 6:30 c685堰堤上発 7:30 ・861二股 7:45 c920二股着 8:05 発 9:40 ニセカウ南稜c1260着 10:05 発 10:45 c1400着 11:45 天場決定 13:40 偵察発 14:05 c1460引き返し 14:20 天場着

 梅茶づけ雑炊、コーヒー。
 c675堰堤は全装シートラEPで通過する。その後はシールを使える。林道の残骸というか、ブル道というか、そういう感じの道が左岸にc740二股まで続く。c690左岸からの沢は出合に堰堤もあり、確認容易。c740二股からは適当に沢床を渡渉しながら行くが、この辺も結氷状態が良くなくて非常に苦労する。・861左股からは南稜にジャンクションしている・1356の岩塔が見える。迫力がある。あれは越えられないな、と思う。c900二股、c920二股もわかる。c920二股からはようやく沢が埋まっているところが多くなり、探せばSBが見つかるようになる。c1000右岸からの沢も水がチョロチョロ流れている(例年はこんなことはないだろうが)。c1050くらいから適当に右岸の小尾根に取り付き、・1241コル目指して登る。寡雪のため雪は一様に締まっていてここまでほとんどラッセルは無いのは非常に助かったが、ムーンウォークしてしまうのが辛い。送電線はいい目印になる。地図上の『:』マークのところに鉄塔がある。コル直下は締まり雪+ウインドクラストでシールが全く利かないのでツボにする。なんと全装でも全く埋まらないほど。コルのやや上に取り付き、シートラEPに替える。コル付近は東向きに段差〜50cmの雪庇。でかくない。風は荒井川側からの吹き上げ風が若干。「気にならない風」未満。まだ悪天は来ていない。

 荒井川をはさむ対岸の北大雪はバッチリ見える。表大雪の方も黒岳、凌雲北尾根、その向こうの尾根まで見える。南稜c1420まではけっこう急。c1390の屈曲にザックを置いて、空身で今日午後の悪天に耐え得るような安心天場を探す。結局、c1390から東側にc20〜30下ろしたがっしりしたタンネとカンバに守られた小尾根上に張る。テントを設営し、潰して、その上にエッセンブロックを乗せて偵察に出る。

 ・1356とのジャンクションのすぐ手前に岩塔がある(ひ孫槍、c1450)。上を行こうとするが、八剣山より細いので無理。おとなしく東側基部をまく。なんも。そしてc1460に出ると、荒井川からの吹き上げ風が「振られない風」〜「振られる風」になったので、引き返す。一部雪庇が漸近しているところ以外は稜線上を行ける。雪庇の向きは東向き、大きさはコルと同じくらい。

 晩飯はおでん雑炊。この天場はAMはまあまあ良く入る。J-phoneはもちろん圏外。今夜の予報では強風・波浪・雪崩注意報が出ている。風が非常に強いらしく、18〜25m/sだとか。傘よりカッパの方がいいでしょうだって・・・。ブロックを積んでないけど大丈夫だろうかと不安になる。日が落ちると風が強くなってきた。多少バサバサいうが、春山の宍倉PのC5=6=7に比べればさほどのものでもない。明日の予報では、明け方まで暴風・横殴りの雨が続き、低気圧がオホーツク海に抜けた後に別の低気圧が進んできて、依然として等圧線が込んだ状態が続くようだ。道内全域に強風・波浪・雪崩注意報が出ている。望みは少ないが午後に偵察くらいは出来るかもしれない。4時起床とする。


【3/22(金) 停滞日】
 4:05 起床 6:00 除雪・ブロック積み 9:10 天気図 10:30 稜線偵察
 【上川】昼前まで南西の風強く、曇一次雨か雪、その後晴、40%→30%

 起きると少し吹き溜まっていたが、ブロックを積まないでこの程度とはすごい。優秀な天場である。朝飯は梅茶漬け。予報では午前は天気が悪く回復傾向なのとヨミが無いので9:10の天気図をとることにし、それまで時間があるので除雪とブロック積みをする。その後オーバー手の補修をする。その際針で手を刺してしまう。
 天気図を見ると、低気圧間の気圧の尾根・低気圧の前面により回復してくるようだ。昨日の降雪を考慮して弱テをしてみると、新雪層の肩を除けば締まっていて全く弱層無し。稜線に偵察に行くと、風は若干強い(「気になる風」〜「振られない風」)ものの視界は2〜3kmあり、対岸の山・朝陽山が見えるくらい。回復傾向も考慮に入れて偵察に行くことにし、天場に個装を取りに行く。昼飯を食って外に出ると雪。転機待ちとする。13時の予報では「この後雨または雪、のち晴れ」と悪くなっている。強風・波浪注意報は無くなり、雪崩注意報だけになっている。2時過ぎまで待つも、結局偵察に行ける感じの天気にならなかった。
 晩飯は鮭茶漬け。晩飯後に外を見ると視界は高曇り−αになっていて、軍艦山まで見える。遅いって・・・。天気図を見ると明日は低気圧の直撃だし予報もパッとしないので明日は無理だと考え、4時起床とする。


【3/23(土) 大槍At日】
 4:00 起床 6:55 天場発 7:15 稜線発 8:45 小槍まき途中着 9:15 発 10:45 大槍壁手前着 12:05 大槍UP・DOWN終了 12:15 大槍壁手前発 12:45 小槍まき手前 13:15 小槍まき終わり 13:30 孫槍まき終わり着 14:00 発 14:55 天場着
 【概況】低気圧が北海道の南岸を通過、南西部では雨または雪、北部も昼過ぎから雨または雪、最高気温は昨日より2〜5℃低い
 【上川】曇、昼過ぎから一次雪、30%→?(50%以下)

 予報も悪かったのでゆっくり準備をする。飯をこぼしてしまい、Timeロス。増量米でリカバリーする。外を見てみると、黄砂の影響か太陽がかすんで見えるが、高曇り−αのいい天気。軍艦、槍も見える。しまった、と思いあわててパッキングする。天場脇の若干白く抜けたところで弱テをするが、相変わらず非常に締まっていて弱層無し。稜線まではシールとツボで登り、稜線からは個装EP。稜線に出ると表大雪の黒岳、凌雲岳も見える。だが2日目と比べると若干視界が無い感じ。ヨミが無いため、11:30を引き返しリミットと決め、また、凌雲岳のP?が見えなくなっても引き返しとする。ガスガスの時の方針として一応スキーを稜線にデポし、降り口にデポ布をまく。

 稜線上には誰かのトレースがうっすらと残っている。日高のプレとして来た山岳部のトレースだろうか。歩き始めてすぐ軍艦・大槍のあたりにガスがかかるが、一時的。雪の状態は朝方で、かつ例年に無い寡雪ということで締まっていて、部分的にウインドクラストもしていて快適にアイゼンがきまる。数歩に一度ズボッっといく程度。おそらくこんな楽なラッセルは20年に一度有るか無いかであろう。

 ひ孫槍は一昨日通りまく。・1558南のc1540ポコと・1558はなんも。上を行く。次のc1540ポコは寡雪のせいか岩々しているので、西まきするが失敗。ズボズボの急斜で若干ゴクイ。孫槍とのコルまでは地図上で細そうだが、なんも。孫槍はトラバースが真っ白い斜面でやらしそうだったので乗っ越すが、失敗。小槍側の下りが2mくらいのブッシュ壁となっていて、数本出ているカンバとピッケルをホールドにしての非常に厳しいBSを強いられた。全装シートラなら無理。ここは素直にまくのが正解だろう(弱層が無ければ)。小槍南面は記録通り非常にぶっ立っていて、少なくとも僕らに登れるシロモノじゃない。素直にセオリー通り基部より手前から小尾根の岩々ところの下を目指してまく。例年は胸ラッセルとか首ラッセル(!)とか言われているこのトラバースも部分的に腰くらいまで埋まるところもあるものの、大体はすねとかそれ以下。寡雪様々、である。地図上の小尾根まではカンバがそれなりに生えていてプレッシャーはそれほど無いが、その次の小沢のあたりが白く抜けているので、一応弱テを兼ねて休憩一本。ここも非常に締まっていて弱層無し。強いて言えば表層5cmが腰強。なんも。小沢をトラバり、次のカンバホールでズボズボの小尾根を越え、トラバリ斜上ぎみに小槍‐大槍コルに出る。

 まだけっこうコンタはあるがリミットまで時間はギリギリなので、とにかく急ぐ。日が昇り気温が上がるにつれてダンゴ雪になってきて、非常にうざったい。2〜3歩に一度雪を落とす。まずはc1650肩を目指してハイマツが頭を出している急登をガシガシ登る。c1650肩に出るとc1720からの急登が見えるようになる。記録ではc1650〜c1700をリッジと書いているが、まさにその通り。c1660〜70は西側が崖、東側が真っ白い急斜で八剣山の7pitch−α。c1700〜10は八剣山以上のリッジ(に思えた)。八剣は際までブッシュが生えているが、ここは西側が絶壁、東側が真っ白い大急斜面である。幅は靴1.5足ぶんくらいか。しかもダンゴ雪。一歩ごとに雪を落としながら慎重に歩く。ヨミが無く悪雪だったが、無風という好条件に恵まれたため突破できた。全装や、気になる以上の風なら通過したくないところである。c1720からのハイマツ急登をまたガシガシ登りきると、そこは記録にある二つの岩塔の一つ目であった。ここまで来て初めて大槍壁の全貌が見える。正しくはこの急登のc10程下を二つ目の岩塔と一緒にまく。二つ目の岩塔はローソク岩チック。記録にある20度開いた小尾根もわかる。

 大槍壁と二つ目の岩塔のコルにザックを置く。ここが考えどころであった。時間的に、大槍壁を登ると大槍手前引き返しリミットの11:30は過ぎてしまう。表大雪の凌雲北尾根のP?もぼやけて見えづらくなっていた。手堅くいくなら、賢い人なら、迷わず引き返すべきところである。迷った末、登ることにした。ヨミのことを考えない場合、大槍手前リミットは12:45で、それをまわることはないこと。明日・明後日の方が天気が良さそうなので、最悪一日二日粘れば天場に帰ることは出来るため、死ぬことはあるまい、というヨミ。昼飯も1.5食分持ってきていた。25日が下山日になった以上、ここを登るチャンスは今日しか無いかもしれない。そう思うと、諦める理由はなかった。ザイルを出し、ハーネスをつけ、ランニング、ハンマー、ハーケンを持つ。この時のために、こんな登攀をするために、自分のこの一年はあったのだと思った。精神集中をする。「今回は遭対組織の後ろ盾が無いから、ここで落ちたらきっと見つけられることもなく、寂しく死んでいくことになる。」「五体満足でUpDownできたとしても、天候が悪化したら帰れないかもしれない。」自分に言い聞かせた。それでも、もう迷いは無かった。

 スコップのデットマンでアンカーをとる。ソロなので確保というものはあり得ないが、最悪奈落の底まで落ちていかないように一応ザイルを結んだ。リッジの隣の雪壁を登ることにする。まず頭を出していたブッシュを掘り出して頼りないがランニング@とする。寡雪のため、雪を踏み込むと岩にあたる。これは気持ち悪いし、この斜度でこの雪の量だと支持力が心配なので、意外と登れそうなリッジを攻めてみることにする。リッジに移りハーケンでランニングをとろうとするが、なんと、全然ハーケンがきまらない。岩が非常に脆い。ハンマーで叩くとすぐにはがれ、ハーケンを打つとぼろぼろと壊れる。どこを叩いてもハーケンがきまりそうな音がしない。これはとてもアイゼンの歯を利かせて登れるような代物ではないと判断し、雪壁に戻ることにする。ただ、同じことを考える人はいるもので、こんな岩にうまくアングルをきめてある。多少錆びてはいるものの、まだ利きそうだし無いよりましなのでランニングAをとる。おそらくこの人はこの岩にハーケンを打ちながらこのリッジを攻めたのだろう。世の中にはすごい人がいるものだと感動し、また自分の未熟さを思い知る。そこからはやらしい雪壁を登る。上部は非常に急で本当に壁という感じだが、寡雪で掘ればハイマツが出る。ハイマツでランニングBをとる。ハイマツをホールドにしつつ上まで。やっと生きた心地がする。もちろん時間が無いのでここまで。ここからの尾根も細いが、c1700〜10のリッジの方が細いと思った。こちらの方が高度感があるため、ザイルが欲しくなったメンバーの気持ちもわからないでもないが。

 時間が無いのですぐに懸垂下降の準備をする。まず肩に出ている枯れカンバにセルフビレイをとる。それに身をあずけて懸垂をするのはさすがに怖いので、丈夫そうなハイマツを掘り出し、それにテープを結ぶ。度胸が無いのでバックアップとして枯れカンバからもスリングを伸ばし、それらを缶付カラビナで合わせる(つまり、テープ1本・スリング1本・缶付カラビナ1個の残置)。そしていざザイルを引き上げようとすると、なんとランニング@のところで絡まってしまい、上ってこない。途方にくれる。選択肢は、@ザイルを1本にして器具を使って懸垂(フリークライミングの確保のように)、A引き上げた分だけで途中まで懸垂して、下部の緩めの部分をノーザイルで降りる、の2つ。@だとザイル残置になってしまうし、9mmザイル1本だと不安なので、Aにする。すっぽ抜けを防ぐためにプルージックをつけ、ATCで懸垂。ランニングBを回収し、Aを外してその辺でノーザイルとなる。ノーザイルではリッジに移る気になれず、ランニングAは残置となる。ランニング@を回収しザイルを回収してザックまで。ホッとしたやら、嬉しいやら、自分の未熟さが情けないやらで複雑な気分。このup downは要反省。

 とにかく時間が無いので、登攀用具をザックにしまい、腹ごしらえをしてそそくさと下る。帰りは概ね行きと同じ。リッジでは行きよりは若干風があったものの、そよ風くらい。ここを越えるとまず帰れないことはないので、心の底から神様に感謝してしまう。表大雪の方は黒岳がうっすらと見えるくらいになっていたが、急に荒れるとも思えない感じだった。小槍は行きと同じ。孫槍は記録通り岩ポコとのコル目指してトラバリ、稜線に戻るルートをとる。ひどいダンゴ雪でズボズボ、しかも表層がサーと流れていくので気味が悪い。稜線へ戻るトラバリではトラバースしたルートの2〜3m下部にクラックが出来ていた(通過後に気付く)。この辺も全く弱層は無いが、融雪による全層雪崩の心配をもう少しするべきだったかもしれない。要反省。孫槍次のc1540ポコは今度は上を行く。登りも下りもなんも。この辺は西側は急壁だが、東側はけっこう太いカンバが疎だが稜線直下まで生えている(ちなみに、小槍トラバースくらいまでは直下にカンバがチョボチョボ生えている)。東側にけっこう下ろせば張れるだろう。疎林でまあまあの斜度なので、雪が多ければスキーも楽しめるかもしれない。あとはなんもで天場まで。雪庇は南稜は一様に段差か、無いか、在っても50cm未満だった。1ヶ所だけ1mくらいのがあったくらい。スキーは明日持って上がるのが面倒なので稜線にデポ。雪は予報通り14:30頃からちらほら降ってきた。

 ニセカウPeakに未練も無いし、卒業式にも出たいので、明日下山とする。そこで、晩飯は130g+110g+30g=270gのコンソメ炊き込みにする。ペミ肉も2個入れる。満足。天気図をとってみても、なぜあの高曇り−αが続いたのかよくわからない。気圧の尾根+低気圧の前面、といった感じだろうか。記録をとったりしてると寝るのが遅くなる。21時過ぎ就寝。


【3/24(日) 下山日】
 4:05 起床 7:05 天場発 7:15 稜線着 7:25 稜線発 7:35 c1260 7:50 c1070鉄塔着 8:10 発 8:40 ・861二股 9:00 c740二股 9:20 c670二股 9:25 c640堰堤渡渉点手前 9:45 c640堰堤左岸発 9:52 高山バス停着
 【概況】気圧の谷通過、気温は昨日より2〜5℃低い真冬日
 【上川】曇り時々晴れ夕方から雪

 110g+100g=210gのおでん雑炊。味噌汁、コーヒー。昨夜雪が降り、5〜10cm積もった。だが相変わらずその下はカリカリ。だが、これならさほど渡渉もゴクくないのでは、という淡い期待を持つ。

 稜線でシートラしてEPをつけて出発。最初は朝陽山や黒岳の裾まで見えたが、すぐに視界50mくらいになるが、なんも。雪庇は東側で、段差〜50cm。・1241コル少し手前からもムーンウォークスノーなので、EPで下る。真西にコンパスを切るが、それでは行きより下流に出てしまうため、途中で250度に切り直す。程なくうっすらと行きのシールのトレースが見つかる。c1070の鉄塔でシールに替える。c1040くらいで沢に降りるが、降り口は若干斜度があり、新雪の下はカリカリなので尻滑りのようにして降りる。この辺は沢が細く深いが、シールなのでなんもで沢中を行ける。c1000二股の下は行きのトレースが所々わかり、行きとほぼ同じポイントで渡渉する。懸案の渡渉も昨晩の降雪で、むしろ行きよりも渡りやすくなっている。c685堰堤左岸は行きはEPにしたが、行きのトレースと降雪のおかげでシールで行けた。だがc655堰堤の左岸を行けないのは相変わらず。行きと同じ場所から右岸に渡るが、ここも雪が付いていて、行きより楽に渡れた。渡渉の核心、c640堰堤は行きより沢が広がっている。スキーと雨蓋を中洲に投げ、ES(アイゼン・ストック)で岩伝いに中洲まで。アイゼンの分だけ高さがあるので、浸水は無し。そこから左岸にスキーと雨蓋を投げて、左岸にジャンプ!だが失敗。だが浸水はせずになんとか渡れた。あとはディスタンスにして林道を快適に滑って高山のバス停まで。

 10:12の層雲峡行きがあるので、荷物をまとめて待ち、層雲峡へ。朝陽亭は日帰り入浴11:30から(¥700)だったので、多少高いがホテル大雪で入浴する。ホテル大雪は1年目の時に夏尾根歩きで来たことがあるので、朝陽亭の温泉に入りたかったのだが。ホテル大雪は日帰り入浴¥1050で、歯ブラシ・歯磨き粉はタダで貰えた。タオルはレンタルのみで¥210。風呂は1階・3階・7階にあり、7階は12:00〜。3階と7階の風呂に入るが、朝一だったし観光シーズンでもなかったのか、ほとんど貸し切り状態。堪能させていただく。しかし、これで営業は成り立つのか?余計な心配をしてみたりする。風呂上りにビールを飲む(Classic、360ml、\300)。外を見ると国道沿いには氷の城やら氷の橋やらがある。なんのこっちゃ。あとは旭川行きのバス、札幌行きのバスを乗り継いで帰札。札幌行きのバスは乗車率がほぼ100%で下山後の服装では肩身が狭かった・・・。

記:2002年7月2日(火)


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