層雲峡:銀河の滝
2003年1月10日(金)n〜12日(日)
【メンバー】多数
【実際の行動】
1/10(金):19:30 事務所集合―銀河の滝駐車場C0
1/11(土):C0―銀河の滝―C0=1
1/12(日):C1―銀河の滝―層雲峡―帰札
中央労山のアイスクライミング入門で層雲峡に行ってきた。
僕が登ったのは層雲峡随一の高さを誇る、銀河の滝。
実は僕はアイスクライミングにはさほど興味が持てなかった。
「アイスクライミングなんて、氷の状態と道具が全てじゃん」
岩登りの方が、ムーブを考え自分の手足で登っていく分、クライミングとしては純粋だと思っていた。
(その考えの全てが改められたわけではないが)幾らかは誤解であったことが身にしみてわかったのだった。
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1/10(金)
年末年始の山行にかまけてすっかり存在そのものを忘れていたレポートに追われ、ほとんど睡眠時間を取れないまま金曜日を迎える。
バイルやアイゼンを満足に研ぐことができないまま入山になる。
銀河の滝は駐車場の目の前。駐車場の脇にジャンボエスパースを2張設営し、就寝。
1/11(土)
今日は入門ということで、全員で銀河の滝に取り付くことにする。
駐車場から銀河の滝に取り付くには石狩川を渡渉しなければいけないが、この渡渉が面倒くさいのである。
だが、今回はK原さんがハシゴを持ってきて川に架けてくれたため、長靴に履き替えることなく渡れるようになる。感謝。
まずトップロープで登ることにし、K原さんが右岸から登って真ん中に、M田さんが左岸側、N海君が真ん中やや右岸寄りにロープを張り、
各自トップロープで登る。T平さんから新人へ檄が飛ぶ。
「膝が曲がってる!」「踵が上がってる!」「腰が引けている!」
スパルタだ。
その後はパーティーに分かれて登る。僕はM田さん、N川さんとのパーティー。お手柔らかに。
1pitch右40m:M田
氷瀑の左岸側を登る。
下部はけっこう立っていて7〜80°、上部は傾斜が落ちていき雪田に出る。
ビレイ点はスクリュー2本で作る。
氷は水っぽく、アイススクリューにかけたヌンチャクのスリングが水を吸って凍りつき、カチコチになるほど。
2pitch中央50m:N川
氷瀑の中央を登る。ここは傾斜が落ちるため雪が溜まり、雪田になっている。
雪田の中、ロープをいっぱいまで伸ばす。
最後は少し氷を登って、氷瀑の中央でスクリューを打ちこみビレイ。
3pitch左30m:M田
氷瀑の中央から右岸岩壁へ登る。
斜度は6〜70°、氷は凸凹しているが、バイルの利きは良い。
右岸岩壁の小テラスにあるハーケンでビレイ。
2ピッチ目の終了点に着いた時、先行パーティーのK原さんが2〜3m程フォール、足を骨折した。
僕等はとりあえず3ピッチ目の終了点まで登り、そこから懸垂下降3ピッチで取り付きに降り、K原さんを駐車場まで下ろした。
K原さんは旭川の病院に運ばれ、処置をしてもらってから、T平さんが苫小牧の自宅まで送ることになった。
スタッフが2人もいなくなってしまい、翌日のパーティー割りが難しくなってしまったようだ。
K原さんは「これで今シーズンはもう登れないなぁ」と悲しそうだった。お大事に・・・。
1/12(日)
今日はブルーウルフを登るパーティーと、銀河の滝を登るパーティーに分かれることにする。僕は銀河の滝パーティー。
T田さん、E塚さんとのパーティーになる。
取り付きに着くと、帯広労山のIさんも着ていた。
「入門者も積極的にリードするように」という御達しがあった。
昨日登った感じでは、まともなバイルさえ借りれば登れそうな気がしたので、E塚さんからバイルを1本借り、リードしてみることにする。
人生、避けて通ってはいけない物事もあるのだ。
1pitch左40m:K崎
昨日登ったのより左側の氷の丈夫そうなルートを登る。まともなバイル、いいスクリューさえ使えばなんも。
傾斜の緩いところ緩いところを選んでいるとルートが若干左寄りになってしまった。
右岸岩壁のリングボルト2本でビレイ。若干ボルトが伸びているのが気持ち悪い。
2pitch左55m:K崎
雪壁。少し右に(中央寄りに)登れば氷を登ることも出来るが、雪壁があるのに敢えて氷を登る必要もあるまい、とひたすら雪壁を登る。
昨日見かけた木までロープが足りるかどうか微妙だったが、ビレイヤーから指示が無い。
途中ロープが重くなったので、「もしかしたらロープいっぱいになったか?」と思うが、いっこうに指示が無いので、そのまま登っていると、
下から登ってくるT田さんが見える。
「マジか!」やはりロープが足りなかったのか?これではフリーソロよりまだ危険である。
だが雪壁なので、よっぽどのことが無い限り落ちることは無い。慎重にそのまま木まで。
雪壁で落氷の危険も無いため、セカンド以降はルベルソで同時登攀にする。
3pitch左40m:K崎
右岸岩壁沿いに雪壁を登り、ワンポイントの氷を登って、昨日の懸垂下降点の岩壁のビレイ点まで。なんも。
4pitch左40m:E塚
先行パーティーが氷瀑の中央の薄氷の部分に大穴を開けてしまったため、ピッチ中央で傾斜の緩い左岸側に移ることが難しくなる。
そのため、右岸沿いに詰めて、その大穴の上部で左岸にトラバースして滝の上に抜けることにする。
ここは入門者の僕では荷が重いということで、E塚さんにリードをお願いする。
怪我をしたら会社を首になるかもしれない(笑)ということで、E塚さんは慎重に、でも確実に登っていく。見事な腕前だ。
上部のトラバース部分とその前の立っている部分が核心。苦戦したようだが、無難に越える。
時間が押していた(というよりE塚さんが登りきった時点で集合時間を回っていた)ので、
T田さんは登らずに僕がスクリューを回収してから懸垂下降で降りることにする。
セカンドだとそれほどプレッシャーは感じないが、前述の核心部はリードなら怖いだろう。
水の流れる音がすぐ側で聞こえるのは気持ちのいいものではない。
トラバース前の立っている部分は、氷が薄く脆くて、バイルがあまり利かない。だましだまし登る感じになる。
ビレイ点は左岸にハンガーボルトやRCCボルトのしっかりしたものがある。
懸垂下降4ピッチで取り付きまで降りる。この時点で大分集合時間に遅れてしまっている。
下の駐車場から見えるため心配はしていないだろうが、迷惑をかけてしまっているのは事実。
ブルーウルフパーティーは集合時間前にきっちり帰ってきていたのだから。
「ごめんなさいー」と心の中でつぶやきながら、ダッシュで駐車場まで降りる。
黒岳の湯に入り、同じ建物内のラーメン屋で食事をして帰札。
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冒頭でも述べた通り、僕は「アイスクライミングなんて、氷の状態と道具が全てじゃん」と思っていた。
その一部分は正論かもしれない。
効きの良くないバイルでは気持ちが悪くてとても登れない。氷の状態が悪ければバイルもろくに効かないから、
それも気持ち悪くてとても登れない。
反面、のっぺりしたルートで氷の状態が良いなら、(いいバイルさえ使っていれば)ガシガシ登れる。
だが、のっぺりした素直な氷ばかりではない。銀河の滝の4ピッチ目のように、立体的な構造をした氷もある。
氷の状態の良い部分、悪い部分がある。つまり、氷瀑もロッククライミングのルートのように、そのルート毎に「顔」が異なるのだ。
そしてその悪い部分を避けて登るには、ロッククライミングのようにムーブを組み立てる必要がある。
アイスクライミングもなかなか奥が深い。そう思った2003年度の初山行だった。
記:2003年1月14日(火)
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