上ホロカメットク山 化物岩:右ルート・左ルート
2003年11月22日(土)N〜24日(月)
化物岩・八手岩・正面壁を望む 2003年11月24日

【地図】
十勝岳 2.5万図
【メンバー】
CL S藤(園)
SL S藤(洋)
M S藤(信), H田(良), Y形, G藤, S田(パ), S田(マ), K崎, T戸岡
【予定の行動】
11/22(土) 札幌―凌雲閣駐車場C0
11/23(日) C0―旧噴火口BC←→上ホロ正面壁左クーロアール
11/24(月) BC←→化物岩のどっか―凌雲閣駐車場下山
【実際の行動】
11/22 札幌 20:00―23:30 凌雲閣駐車場C0―25:30 就寝
11/23 04:30 起床―06:45 C0発―07:30 旧噴火口BC 09:00―化物岩右ルート―12:30 3ピッチ目終了―13:30 BC
11/24 04:30 起床―C2 06:30―12:30 3ピッチ目終了点―BC―凌雲閣駐車場下山
【装備】
共装 .
個装 .

11/22(土)
S藤(洋)さんの車で回収してもらう。S藤(園)さん(以下SS隊員)とH田(Y)さんを乗せて凌雲閣駐車場に向かう。
途中未曾有の大災害が起こったのだけど、それは会報の原稿で。
もう、ホントにみんな驚愕した。時が止まった。全米が震撼した。もう、喉から手が出るほどここでその事実を明かしたい。
でもここでそれをワールドワイドに発信したら、僕の存在が消されかねない。その人智を超えた指力で僕の華奢な首がポキッと折られかねない。
そんなリスクは犯せない。残念無念。
今年は異常に雪が少ないがもしかしたら十勝岳温泉付近では、という淡い期待もあったが、なんのその。
雪少なすぎ。人大杉。どうなってんだ。
凌雲閣の駐車場に着いたのは23:30。翌朝早いからすぐに寝ればいいのに、なぜか25:30まで酒を飲んで就寝。微妙に盛り上がった宴会だった。

11/23(日)
04:30に起きて05:30に出発という予定だったが、案の定、出発時間はオーバー。まあ、当然オーバーするだろうと思っていた。
もそもそと準備をして出発。やっぱりジャンボテントを持たされるのは僕なのか。何故。

旧噴まではスキーを使える程度に雪があるが、夏道がどこかはハッキリわかる感じ。石もところどころ出ていて、帰りにスキーでは下りたくない部分も。
うちらより先に出たパーティーがあるのでそのトレースをゴチして楽して旧噴まで。
旧噴に着くと、氷雪入門パーティーも悪天のせいかグズグズしていた。
旧噴は地熱とゴロゴロ転がっている岩のせいで、あまり快適な天場はない。入門パーティーのテントの合間を縫って張る。
今日は正面壁に行く予定だったが、あの辺は地形がわかりづらいらしく、視界が無い時は行ったことのある案内者がいた方が確実らしい。
だが悪天のため、案内役を引き受けてくれたK2訓練隊も正面壁を諦めるとのこと。
K2隊が行けないのにうちらが行けるはずもなく、明日の好転に懸けて今日は化物岩でお茶を濁すことにする。

パーティー割は次の通り。
SS隊員・S田(パ)・S田(マ)北西稜
S藤(洋)・H田(良)・G藤化物岩 左ルート
Y形・K崎化物岩 右ルート
以下、うちらの登ったルートのみ紹介。

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【化物岩 右ルート】
旧噴から上ホロに向かって右手に見える、D尾根上ののそっとした岩。 アプローチが近く日帰りでも行ける、上ホロのバリエーションの入門コース。
取り付きまでは去年はけっこうズボズボだったが、今年は雪が少なく、土の上にちょっと雪がのっている上や岩の上を歩いて楽チンに取り付きまで。
1pitch(40m, V-)K崎
バンドまで7〜8m登ってから木が2本ほど生えたバンドを左に10mほどトラバースし、1mほどの段差を乗っ越すと緩い雪壁になる。
数mロープを伸ばすとさらに緩くなるので、ロープの長さに応じてその辺でピッチを切る。
「去年けっこう難しそうだった」などと脅かされていたため気合を入れて取り付いた・・・わけだが・・・。
か・ん・た・ん・だぁァぁァーッ!!!
トラバースの部分は雪が多いと窮屈なムーブになり若干難しいらしいが、今年はスタスタ歩けた。その辺が原因か。
1mの段差の部分も雪が多いとブッシュが出ていないのでちょっと緊張するらしいですよ。雪が多いともう少しグレードが上がると思います。
とまあ、偉そうなことを言っておきながら、下部であまりの支点の無さに怖気づいてハーケンを打ったのは僕ですよ、と。
バンドに出てからは木でしっかりとした支点が取れ、1m段差を乗っ越してからも雪が少なければ木で支点が取れる。
ロープの流れを考えて支点を取るべし。上でのビレイ点は細目の木。

2pitch(30m, U)K崎
なんも。最初は雪ところにより草付き岩の斜面なのでアックスを打ち込むことも(この辺はピッチの切り方によると思います)。
雪田に出てからはスタスタ。中間支点は取れない。
上でのビレイ点は、探せば凹角の向かって右に残置ハーケンとスリングのそこそこしっかりしたのがある。
今回僕はそれを見つけられず、凹角の向かって左にアングルハーケンを打った。回収不可能になったので残置。
凹角に向かって左ののっぺりしたスラブのクラックに残置ハーケンが1本あり、その下に今回誰かが軟鉄ハーケンを打ったので、そこでもビレイ可能。

3pitch(45m, V+)Y形
化物岩の核心を挙げるとすればこのピッチ。
残置ハーケンの多い浅い凹角を15mほど登ると薄かぶりの壁に遮られる。
そこから右に2mほどまわりこんで、傾斜のある草付き雪壁を20mほど登ると傾斜が落ちてロープいっぱいとなる。
薄かぶりの壁までは6本くらい支点が取れるが、そこからは残置はない。
草付き雪壁は、去年はもっと真っ白だった気がするが、今年は岩が出ていたりして草付きダブルアックス。
途中に出ている岩にキャメロットの#1がきめられたようだ。
僕はセカンドでおいしくいただきました。後から鬼のようなスピードで追いつけ・追い越せとばかりの勢いで登ってくるアスカさんのプレッシャーを除けば。

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帰りは少しD尾根方向に登ってからトラバース気味にD尾根に乗る。D尾根上は雪少な杉で這松が出ていてズボズボ。
むしろ這松の上を歩く、ぐらいの感じ。とてもスノーモバイラーのことを批難できない。
D尾根を少し下ってから、化物岩を巻くように下っているトレースを発見したので、それをゴッツァンする。
多少木がウザッタイところもあったが、もっと下ってから戻るよりはこれが楽なのかな。
テントに戻ると、入門からの転向のnaokiss君と、北西稜を登っているはずのSS隊員パーティーがいる。
アレ!? (゚∀゚)
どうやら視界が無かったため、アプローチ敗退したそうですよ。人のせいにしてはいけませんよ(・∀・)ニヤニヤ

テントに入ってS藤(洋)パーティーを待つも、一向に帰ってこない。
みんな、「心配だ心配だ」と言いながらお酒DE乾杯。ワッショイ。僕は類稀な鋼の自制心で焼酎一口しか飲みませんでした!(同罪)
結局すっかり日が暮れた18時前頃にやっと帰ってくる。なんだか去年と同じパターンだ。
どうやら、途中から懸垂下降1ピッチで降りようとしたもののロープの長さが1mくらい足りず、
少し飛び降りる形で取り付きに降りたものの今度はその回収に手間取る、ということをやっていたらしい。
とにかく一安心。準備していたカレーと鍋を囲む。あとはいつもの宴会。
9人で一つのテントは狭いので、寝る時は2人だけヒマラヤ隊のテントにお世話になった。

<補足>
CL達の名誉のために一応言っておきますが、別に見捨てていたわけではありません。
そのパーティーには経験豊かなK2遠征訓練隊がついていて、 なおかつ非常時には無線をあけるように指示してあるにもかかわらず連絡が無かった。
なんらかの理由で無線をできないにしても、その場に5人いるにもかかわらず伝令も降りてこない。
そのことから考えて、なんらかのトラブルがあったが、それは急を要するものではなく、どこかでビバークしているだろうという結論でした。
最悪、全滅している場合にもこのような状況は成立しうるのですが、2パーティーとして動いている以上、その可能性は限りなく低い、と。
その場合、暗くて何もできない内に動いて2次災害を起こすよりは、翌日明るくなってからサポートするべき、ということですね。
決して、酒に溺れたわけでは・・・ない・・・ですよ・・・?
</補足>

11/24(月)
朝飯はお茶漬け。僕は食に全然頓着が無いので一向に構わない。ウマウマ。
やっぱりこのような企画合宿形態を取っていながら下山日に正面壁に取り付くのはリスキーだ、ということで今日も今日とて化物岩。
残念だが、まあ仕方が無い。巡りあわせの問題だ。登る気さえあれば絶対に登る機会はあるはずだ。

気になるパーティー割はコチラ!
S藤(洋)・S田(マ)化物岩 右ルート
SS隊長・G藤・S田(パ)化物岩 右ルート
H田(良)・K崎化物岩 左ルート
SS隊員・Y形・T戸岡化物岩 左ルート
例によってうちらの登ったルートのみ紹介。

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【化物岩 左ルート】
1pitch(15m, V)K崎
下部に木の生えた浅い凹角を7〜8m登ってから右手に一段登るとチョックストーンがあって、その乗っ越しが核心。
それを越えるとハーケン2・3枚のビレイ点がある。
去年はそこからトラバースして雪田上に出て這松でビレイしたが、今年のトレンドはここでビレイをすることらしい。
木の生えている部分は木をだましだまし使いながらなんもで登れる。その辺の木で中間支点を取れる。
その上を一段登る部分はパッと見積木状の岩で気持ち悪いがまあまあきいているようで、過度に力をかけなければ問題ない。
チョックストーン手前にガッチリきいているっぽいワートホッグがある。その辺でキャメロットで支点も取れる。
乗っ越しも、チョックストーンの先にバイルを打ち込んだりチョックストーンの上部をパーミングすればさほど難しくない。
難しからず、かと言って簡単すぎもせずの楽しく登れるルート。

2pitch(20m, U)H田(良)
トレンド支点から右に3mほど雪のバンドをトラバースし、まわりこんでへつるようにして雪田に出る。
トラバースしきった辺りでキャメロットをきめられるが、中間支点はそれだけ。
個人的にはダブルアックスでへつるよりは、回り込む部分から小尾根上に乗った方が楽だと思うんだけど、どうだろう? (ちなみに去年はそうした)

3pitch(45m, V+)H田(良)
昨日と同じ。H田(良)さん、ガッツのクライミング。カッコ(・∀・)イイ!
naokiss君達が左左左ルートの初登を目指したが、敗退した模様。

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今日は特に遅れるパーティーもなく、全パーティー予定より早く無事帰幕。
パッキングをしてそそくさと温泉へ。やっぱりジャンボテントを持つのは僕なのか。何故。
元Yスキー部という肩書?を悪魔に売り渡すかのようにシールをつけたままひたすらボーゲンボーゲンで下山。
下山スキー?(゚Д゚)ハァ? 何それ?
記:2003年11月30日(日)

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