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声 明 北アルプス大日岳遭難事故訴訟は、去る4月26日に富山地方裁判所が講師の過失を明確に認め、国に損害賠償を命ずる判決を下しましたが、国は5月2日に「講師らの登高ルート及び休憩場所の選定に過失があるなどとして、講師らの責任を認めた本判決は不服があると言わざるを得ません」として控訴しました。 しかしながら、富山地方裁判所の判決は、大日岳では毎年大きな雪庇ができているにも拘わらず、講師が雪庇の大きさを小さく判断し、乗ってはならない雪庇先端まで研修生を誘導・休憩させたことにより事故が発生したと明確に認定しているのであり、誰が見てもこれほど明確な過失はありません。 このような極めて単純、明白な事実で、もはや争う余地がないにも拘わらず、国の体面だけのために控訴することは断じて許せるものではありません。 また、国は記者発表の文書で「ご遺族の方々に対しては誠意をもって対応していきたいと考えています」と述べていますが、これは詭弁以外のなにものでもありません。 事故後、文部科学省は遺族に対し、謝罪どころか当然あるべき社会通念上の挨拶、対応すらせず「裁判をするならどうぞ」と言ってのけたのであり、そのため遺族はこの裁判を起こさざるを得なかったのです。 提訴以来4年間、遺族は裁判のために肉体的にも、精神的にも、物質的にも筆舌に尽くしがたい労苦を強いられ、ようやく一審の決定を得るに至ったのです。「遺族に誠意を持って対応する」というのであれば、一審判決を真摯に受け止め、控訴せずに遺族と誠心誠意話し合って、遺族の望む方向で解決をはかるべきなのです。 私たちは、遺族に対しこのような歯の浮くような言葉を使いながら、その一方でさらに遺族に鞭うつような控訴を平然と行う国に対し激しい憤りを覚えるものです。 国は、直ちに控訴を取り下げ、解決に向けて遺族と話し合うべきです。 私たちは、それが実現するまでより一層の力を集中して遺族を支援し、最後まで運動を続けることをここに表明するものです。 あわせて、二度とこのような悲劇を繰り返させないために、理不尽な国の対応と誤ったやり方を正すよう、多くの登山愛好家や、国民の皆様が声を上げて下さるよう呼びかけるものです。 2006年5月8日 北アルプス大日岳遭難事故の真実を究明する会 |
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