はじめに 甲斐駒七合目の幕場にテントを張って流星観測をしようと目論み、土曜晩に竹宇駒ケ岳神社Pまで移動し、日曜朝からの登山を考えたが、朝目が覚めると喉が痛く体調が思わしくない。重荷を背負っての6時間の行動に耐えられそうもなかったため取りやめ、できるだけ高い位置に短い行動時間で行ける場所を地図で探す。獅子座が上ってくる東面側の視界が開けていなければならない。富士見パノラマスキー場から入笠山のほぼ山頂への林道が好適と思われ下見することにした。予想通り見晴らしのよさそうな場所がいくつかあったが、ついでに登った入笠山山頂の展望のよさにはかなわない。ここにテントを上げようと決め、平らな場所の目星をつけておいた。ふもとのトロン温泉につかり、昼食を済ませる。その後、再び登山口近くまで移動し、車中シュラフにくるまりビールを飲んで仮眠をとる。
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17:00 暗くなり始めたため行動を開始、歩くこと15分、予定通り山頂の南面側の少し下った平地にテントを張る。山頂には他に誰もいない。
18:00 夕暮れにともなって空が雲で霞んでくる。
19:00 韮崎方面(東南の方角(右写真))は曇って星も見えない。雲は南側から流れてくる。
22:00 マナスル山荘側から男女のグループが登って来て、山頂東面側に陣取る。雲はかなり消えてきた。
22:30 男女グループの喚声が気になり、テントから身を乗り出してこちらも観測態勢に入る。方向的に流星群のものと思われる流星は、すでに見えてきている。別のグループもちらほらやってきた。
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23:00 大きく長い流星は10分間に1個ペース。特筆すべきは、東の空に現れて西の水平線に落ちていくような滞空時間の長い(5秒以上か?)ものが見られたこと。獅子座はまだ確認できず。
比較的、オレンジ色で尾の長いものが多い。しかし、今までこれほど長い流星は見たことない。天の川が見えてきたし、ピーク時に期待しよう。
0:00 三脚をテントの入り口前にセットし、写真撮影開始。写真中央右に白く滲んでいるのが木星。右上オリオン座。木星の真上上端が土星。(写真)
20mm(20〜35mm)・F4・ASA800ネガ。10分間露光。 |
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0:30 真ん中の明るい星が木星(-2.5等星)、その右側に上から下に走る青いモヤっとしたものが天の川、その右側にオリオン座、その赤い星ベテルギウスを頂点とする冬の大三角形、またベテルギウスのちょうど真上方向に土星(-0.5等星)。写真左下端の星が、獅子座の前足に相当する部分である。左端の流星が、木星に比べてもはるかに明るいことが判る。10分間露光。(写真)
右の写真(一番上の街の写真は除く)はクリックすると拡大します。戻る時はブラウザの戻るキーをクリックして下さい。
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0:45 中央右よりが獅子の大釜(逆?形)と呼ばれるところ。ここが流星群の中心核となる。写っている流星からもそこを中心に放射状になっているのが判別できるだろう。左下のラインは旅客機。10分間露光。(写真)
非常に困ってしまったのは、カメラが電池切れとなって予備電池に切り替えたら、予備電池は使い古しのもので全く役に立たなかったことだ。温めながら使うことでピーク時までもってくれるだろうか。
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1:00 中央部獅子の大釜。(写真)
山頂には20人ぐらいのギャラリーか。このような場では、人に直接ライトを向けないというのが最低限のマナーなのだが...。全天・全方位見ることができるので、大きなものが流れると必ず誰かが喚声をあげる。それにつられて視線が思わず動いてしまうのだが、それでも間に合って見れたりする。
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1:30 獅子座全景。10分間露光。(写真)
同時に並行しながら流れるものが時折見られる。天文学的にどう説明できるのだろうか。そういえばかつて流れる途中でいくつかに分裂したものを見たことがあるが、今回はそのタイプはあまり見られないようだ。
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2:00 中央に獅子の大釜。プリント版で流星数を数えてみたら実に18個も写っていた。10分間露光。(写真)
ファインダーから覗いても星にピントが合わないと思っていたらレンズが曇ってしかも凍りついていた。そういえば、簡易カイロで温めておくこと、とか本に書いてあったような。とりあえずガスコンロで熱して乾かすこととしよう。
この後レンズを50mmに替えたがいまいち良く撮れていない。 |
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2:40 レンズを再び20mmとし、獅子座を捉える。(写真)
インターネットで調べた限りでは、瞬時に光り輝いて燃えつきるタイプを火球と呼ぶらしい。私はてっきり火を噴きながら流れるものをそう呼ぶのかと思っていた。実際、燃えながら落ちてゆく流星を、かつて一度だけ見たことがある。
今回火球はかなりの数が出現している。テントの中にもぐっていてもテント地を通して光っているのが判るほど。 |
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3:00 ひたすら獅子の大釜を追い続ける。(写真)
明るい火球は概ね流星痕を残す。真上で一際光り輝いたものは、15分ぐらい痕が残っていた。そのようなものはカメラのフレーム内でやってほしいと願うのだが、自然というものはそれほど甘くはない。こんな時こそ、流れ星様にお願いすべきなのかもね...。 |
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3:10 ひたすら獅子の大釜を追い続ける。(写真)
アッシャー博士よ、多謝。次回もよろしく。 |
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| 3:20 レンズを50mmとし、獅子座の前足の下部。左端縦位置中央の明るい星が獅子座α星レグルス。(写真) 明るい流星は、実はあまり獅子の大釜近辺には現れない。しかも中心に近くなるほど、突入角度が観測者に対して急になるため軌跡は短くなり、その分スピードはゆっくりになる。逆に中心から遠くなるほど、軌跡は長く、スピードは速くなる。と、近くにいた大学生らしき人が言っているのが聴こえた。 |
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| 3:30 上のものとほとんど同じ構図。(写真) しまった!!地上の景色も入れた構図が欲しかったなぁ。どうも写真に絞まりがない。 |
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| 4:00 上のものよりさらに下の部分。レグルスが上端左側。(写真) ゴアテクス製テントの一つの特徴は、その機能として内側に水滴や霜が付きにくいというものであるが、入り口を開けたままでは、得意の透湿性防水は全く機能しなくなる。従って、内側には霜がびっしり付いてしまった。 |
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4:30 天頂から西側に傾いていくオリオン座。(写真)
私などのような天文写真の素人でも、1枚に10個も写るような写真をとることができた。過去の流星群を扱ったホームページを見ても、1枚の写真にせいぜい3つ4つしか写っていないものしかお目にかかれなかった。しかし、今回高価な機材を投入した多くの専門家の方々が、きっと非常に見栄えのよいホームページを公開提供してくれることだろう。 |
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4:50 天頂〜北西側を望む。(写真)
とりあえず、カメラの電池はもってくれたようだ。
5:00 ギャラリーは皆下りてしまい、山頂は再び自分一人となった。半身シュラフに入っていたものの、身体は冷え切っており、そのまま眠ることは難しい。一方今眠ってしまうと、朝方の登山客にテントを見られる恐れがあり好ましくない(幕営地ではないため)。このため、テントをたたみ、車に戻ることとした。
5:30 テント撤収に取り掛かる。この間にも流星は終始見ることができた。東の空が明るくなり、星が見えなくなっても、流星だけはやむことなく降りそそいでいた...。 |
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あとがき 流星観測は高校の天文部在籍時以来ン十年ぶりである。また、星を撮るためだけに一晩費やすというのは初めての経験である。とりあえず、流星が写ってくれていたことだけで満足ということにしておこう。今後今回のような好条件のもとで、大自然のスペクタクルに出会う機会が果たしてあるだろうか?
なお、文中で使用している時刻はあとから推測で求めたものであるため誤差をかなり含んでいます。また、不適切・誤った表現等ありましたらご指摘いただけると幸いです。
PS その後風邪をこじらせ、不覚にも予定外の2日連続有給取得となった。しかし、流星群を見に行って風邪をひいたなどと、会社ではとても言えないのである。 |