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弓削島

瀬戸内海には大小727個の島々があります。その中に弓削島(ゆげじま)と言う島があります。     
人口約4千人ほどのお年寄りの多い島です。ちなみに島で信号機は一つだけ小学校の前にあります。    
警察はありません。トキタマ他の島から巡回に来ているようです。消防署と病院はありますが、重病になると
隣の島まで高速艇で運ばれます。そうです、海が荒れているときは病気になってはいけないところです。 

そんなこんなで、
毎年夏になると、この島に心を奪われた仲間達が命の洗濯に集まります。弓削島での生活をご紹介しましょう。

 交通のアクセスは、東海道新幹線の福山から在来線で尾道まで行きます。(もちろん夜行を利用して移動も可能です)
 尾道からバスで因島(いんのしま:ポルノグラフティーや東ちずるの出身地です)へ移動、そこからフェリーで弓削島へ渡ります。

 ここ数年は、瀬戸の島々を繋ぐ「しまなみ街道」が繋がった事もあり、車で移動します。しかも、4人乗れば交通費も半額程度で済むので運転も我慢できます。(車で都内〜の所要時間は約12時間)
 いずれにしても、最終的に島へ行くには船が必要です。
移動の時間を間違えると、野宿する事になる場合も有るので注意が必要。
 この写真は島へ渡るカーフェリーです。車は大体バックで載せるので怖いです。フェリー乗り場のスロープから波で動いている船に乗り移るのですから、テクニックよりも度胸がいります。

ちなみに、ここまで来ると疲れも吹き飛び待ち遠しい気分で一杯です。思わず「ただいま」と声をかけてしまいます。
 さて、島へ来て始めにする事は荷物の運び込みと掃除です。
車に満載してきた生活物資を運ぶのですが、見ての通り坂の上に家はあります。身の丈ほどの雑草をかき分けて運びます。(蜂や蚊がイッパイいるのでダッシュです) 

 築27年の家ですが、いい造りをしています。長年の潮風に耐え、みんなを招き入れてくれます。中は2F部分が半分吹き抜けになっていて、高い吹き抜け天井になってます。地下部分は倉庫になってます。ベランダからは徒歩2分の海が一望!朝は耳鳴りがするほどのクマゼミの声。とにかく虫がイッパイいます。

 荷物から海水パンツ(投げると戻ってきそうなブーメランです)とウエットスーツを取り出し、徹夜で運転してきた事も忘れて海へ直行です。

注:去年やっと水洗便所になりました。
 この島には、数箇所の海水浴場がありますが一番有名な「松原海水浴場」です。泳ぎたいだけの時や、人恋しくなったときや、生ビールを飲みたくなったときはここにきます。
 確かこの写真を撮った時期は、お盆も過ぎて閑散とした頃だったような・・・。

 基本的にこの島は、お盆のときが一番人口が増えます。
島から出て行った人が帰省してくるのと、お盆休みを利用して遊びに来る人が多くなるからですね。でも、お盆の時期は島のスーパーがほとんど閉まってしまいます。ここ数年はコンビにが出来たりして便利になりつつありますが、いいのか悪いのか、たまに行くだけの者には判断つきません。
 この浜辺は仕事場です。海水浴場とは別に漁をする浜辺です。
この浜は引き潮になったときだけ現れる、プライベートビーチです。地元の人がたま〜に来るだけで、人はほとんど来ません。
 ちなみに、この島での生活リズムは海の満ち引きに合わせます。海が満ちたら釣りをして、引いた時には潜って漁をする。
大体12時間サイクルで、一日2時間ずつ潮がズレて行くので、
様子を見て次の日の漁場と、対象品目を相談しておきます。
 
 基本的に「働かざる者、食うべからず」の世界があるので、みんな必死に漁に出ます。なぜならば、親方に貢物(みつぎもの)をしなければならない、厳しい掟があります。
 
 今日も出漁です。モリを砥いで先っぽをとんがらせます。
これは、私が仕事の準備をしているところですね。
この砥ぎ次第で、一日の漁獲高が決まってきます。砥ぎが甘いと魚に当たっても、魚が”ヒット”といいません。(サバイバルゲームで言うところのゾンビってやつですか?)
 海へ入るスタイルは、基本的にシュノーケリングで潜ります。  一番深く潜るときで約4m位でしょうか、日によって透明度が違います。また、瀬戸内海は穏やかそうに見えますが、一歩外側に出ると強烈な流れがあります。うっかりフィン(足ひれ)無しで出てしまうとなかなか戻ってこられません。
 そんなこんなで、今日も命がけの戦いに向かいます。
 日差しが強烈なので、日焼けオイルが必需品です。むやみに焼くと、やけど状態になってしまいます。過去にも何人かの愚か者が病院に通いました。(私もその一人)
 
 しかし、男同士がオイルを塗りあう姿は美しくありませんねぇ〜。
写真は学生時代からの友人に、オイルを塗ってもらってる私です

 写真は、グレ(メジナ)です。モリで突きました。
岩の間に隠れているところを一突き!いい仕事でした。
 この島で採れる生き物をご紹介します。

ギザミ(ベラ)・・・色が綺麗で「食えんのかよ!」と言いたくなりますが、塩焼きは最高です。
           両性具有で、ほとんどがメスです。
           オスの数が少なくなると大きなメスがオスになります。
           便利ですねぇ〜。たま〜に途中のやつがいます。

キス・・・最近は数が減ってほとんど採れなくなってしまいました。

アジ・・・満ち潮のときは、深くて潜る事が出来ないので堤防の上からコマセで釣ります。
     もちろんその場で三枚におろして食べちゃいます。

カラコゲ・・・カサゴの一種ですが、から揚げにするとイケマス。注意しないと刺されます。

チヌ・・・普通釣るのですが、われわれは突きます。塩焼きは最高です。
     最近は自治体で放流しているので結構います。

コブダイ・・・オデコのやつです。ナポレオンフィッシュともいいます。
        一度だけ、68センチのものを突いたのですが強烈に暴れました。
        怖かったです。でも、魚屋さんに聞いたら最大で一メートルを超えるそうです。
        私が突いたのは人間で言えば、中学生くらいの大きさとのこと。
        悪い事をしてしまった。
        でも、身がしまってて歯ごたえもあり、美味しく頂きました。

ボラ・・・これは、頭を出して泳ぐのでエアーガンで仕留めます。

あとは、メバル、カサゴメバル、メジナ、コノシロ、アイナメ、イシガレイ、イワシ、
     カワハギ、サヨリ、メゴチ、ハゼ、ワカシ、アコ、スズキ、ミズタコ、渡りガニ、
     車えび、アサリ、イカ、サザエ、あわび、とこぶし

 その他には、採ったことはないのですがエイがいました。
 また、アナゴや、ヒラメなんかもいるそうです。
ちなみに、アサリは十数年前からいなくなってしまいました。
その他の何種類かも姿が見えなくなってしまいました。寂しい事です。
採った獲物は、そのまま海で食ベマス。また、家の中で炭火焼にしたりサザエを焼いたり、贅沢極まりない感じですね。
思い出すだけでじゅるじゅるです。
ちなみに写真はサザエとカサゴメバルです。写真だと分かりにくいのですが、魚は20センチ位あります。サザエも握りこぶしくらいあります。おなかいっぱいですねぇ〜。
 ここでちょっと一息。この島は現在、四国から水を引いてきてますが、十数年前まで貯水池による時間給水制でした。特に瀬戸内海特有の雨の少ない乾燥した地域の為、日に数時間しか水が出ませんでした。

 ところで、海が待ちのときには、この貯水池でブラックバスが釣れます。だれが放流したのか分かりませんが、確かにつれます。 スレていないので、結構つれます。密かな穴場ですね。
 ハイ!ハイ!ハイ!ハイ! これですね!
ここは、島にある国民宿舎のビアガーデンですょ。
朝、乾杯で目がさめて、一日海で飲んだくれ、夕暮れの海を見ながら風呂とサウナに入り、一日のアルコールを搾り出し、また、飲む。これから、夜の部の始まりです。

 昼間も楽しいのですが、夜は大変な事になります。
 我が父(元締め)、母(親方)と妹とその友達です。
写真では上品な晩餐にも見えますがとんでもございません。

 幸せな時間です。可能な限り続けたいと思います。
 夜の遊びの一つ、花火です。

 この他には「かに道楽」があります。
夜、酒を飲みつつ堤防を歩いていると、そこには「かに」が!
ヒット!6mmの穴があきます。
そうです、道楽でかにをあやめるので、「かに道楽」です。

 しかし、しかばねは海に返します。そうするとクロダイがそれを食べるので、循環します。自然の頂点に立てた気分が味わえます。
 車はこの様に、砂だらけで乗っても平気なようにシートをカバーします。後から覗いたところです。
大きなクーラーに、大きな氷を入れておき、いつでもキンキンに冷えたビールが飲めます。これぞ、至福のとき。 掃除は大変ですが、幸福で贅沢な時間には替えられません。

      生まれたときから、毎年行っている島ですが自然と共生する事の大切さを教えてくれます。
     幼い頃から自然と向き合って生きないと何かが足りなくなると思います。
      最近、子供が外で遊ぶ姿を見ることが少なくなりましたが、何十年か経った頃が心配です。         
     この島や瀬戸内海を通じて感じた事があります。27年間、毎年この海を観察していますがここ数年、海面の高さが上がってます。  
     そのほかにも、埋め立てて公園を作ったり、地元の人の雇用や便利さを追求すれば仕方ない事かもしれませんが、だいぶ変わりました。
      良くも悪くも変わっていくのが自然であるのですが、スピードが速すぎる様に思います。手軽さ、便利さを追求するとどこかに歪が出ます。
     自然が何万年もかけて作ったものを、人間は数十年のサイクルで壊しています。私や私の家族は比較的環境に配慮しているつもりです。  
     人として生きる以上自然を破壊しています。でも、認識をしているので、大体自然に優しい選択をします。                 

      この島と長く付き合うことで、自然が出しているゆっくりとしたアラームを感じ取ってます。ここへ見に来ていただいた皆様にお願いです。
     月並みですが、ご自分が環境に対して悪影響を与えている事を認識してください。ゼロにするのは不可能だし、その必要はありません。
     人間も自然のサイクルの中にいます。少しでも多くの人が気がつけば結果は変ります。自分の為、自分の子供達の未来の為でもあります。
     きっと、分かっていただけると信じてます。


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