グレードの壁

最近、室内グレードがやっと12台に届いた。ずっと11cで停滞していてもっぱらボルダーばかりやっていたので素直に嬉しくなる。11cで停滞していたとはいえ、以前は11c1本登るにもフレッシュな時にトライしながら何日か掛けていたのが最近では1本目で核心のムーブを解析して2本目で終えるというパターンが多く進歩はあるがグレードが伸びないという頭打ちが続いていた。

そんな状態を抜けるきっかけとなったのはボルダーの長物11dが薄被りの壁に設定されたことだった。長物といっても以前トレーニングに利用していた50手くらいの1箇所4級であとは5〜6級程度のものとは異なり30手で3パートに分けると3級→4級→5級という感じで疲労の蓄積で最初から最後まで同じ負荷に感じるものだった。最初の10手で10dとなっていて次の10手までで11b、最後までやって11dとなっている。当然3つ別々にやるとどうということなく出来てしまう。とはいえつなぐとなかなか出来ない。他にトライしている人たちは早々に諦めて他の課題をやっていて不人気課題となっていた。結局2〜3週つついていたらなんとか出来た。ポイントはレストだった。もう腕がパンプしてさっさと先に進みたいのを堪えて、あまり良くない体制でもレストを入れつつ進むとなんとか抜けれる。この課題は気に入って早速アップ課題としてしまい、出来るまで苦労した割には今では準備運動してすぐ取り付いて登っている。

同じ壁に設定された長物が他にないかと物色したら同じ30手強で12cというのがあった。これも3パートに分かれており、前半15手程度で11c、20手強までで12bである。12cというのは無理としても核心ムーブのみ練習してつなげば12bまでなら可能かもしれないと思い練習を始めた。11cの所までは単に消耗させるパートで最後にデッドポイントがある程度ですぐ出来た。そこから先を11cの前半部を飛ばして練習。最初はコルネ状のガバに両手でぶら下がり左の壁にあるスタンスに足を載せる。40cm程度右にある甘いホールドを右手ガストンで保持して左足を先のスタンスの上の薄いホールドにヒールフックで載せる。この状態で左手を切る。足が左にあるのでかなり右腕の負担を強いる。右腕で精一杯耐えている一瞬後にはこのホールドに左手をマッチ。とはいえ左手はピンチで掴むしかない。左足はそのままに今度は右手をさらにその右のガバホールドに伸ばす。体は完全に横向きになる。ここで右足を切って下に垂らし、左足を続いて切って足ブラになる。振られる体は両腕で強引に抑え込む。体の振られが止まったら、右手のガバホールドをピンチ(逆手)からオープン(順手)に持ち替える。持ち替え直後に左手を寄せてマッチ。ここでもまだ足ブラなので振れが止まるまで耐える。両手でぶら下がってちょっとレスト後、右斜め上70cmにあるコルネ状のガバにキャンパシングで右腕を飛ばす。止めた右手をデッドで順手から逆手に入れ換えると先のぶら下がったホールドが足になってあとは簡単に終わる。

最初は最後の足ブラでの右方向のキャンパシングが全く出来なかった。ただキャンパシングは日常行っていたのでタイミングと体のバランスを掴んだらここが一番易しくなった。とはいえ核心最終部なのでここで力尽きてしまう場合が続いた。次に修正したのはピンチ(逆手)を順手に持ち替えるムーブ。これも最初は左腕の力で耐えて右手を一瞬放すという方法でデッドポイントしていたが、体全体を振り子状に振って右手の過重が減る一瞬で持ち替えるようにした。これで登れるようにはなったが、復習で登れたり登れなかったりが続く。次に修正したのはガストンで右手で耐える時に左手を離すまでは力を入れず、離すと同時に瞬時に力を込めるよう意識した。寄せる左手もベストな位置を掴めなくても持ち直しなどせず、力で耐えて次のムーブを起すようにした。

その後ボルダーで出来たのならとリードで12aをトライしたら何便かで登れてしまった。11台はいかに力を抜くかとか、綺麗に登れるように練習した方が簡単になっていったが12は綺麗に登ることより力を投入している時間をいかに短縮するかがポイントのように思える。そういう意味ではガバであれば足を入れ替えたり身体張力目一杯で手を伸ばすよりデッドポイントやランジを交えてしまった方がいい場合もあると思う。あと甘いホールドで耐えるにはいかに耐える時間を短くするかとか、少しでも負荷を減らす為に頭の位置含め重心位置を意識することではないかと思う。力は重要であるが精神的な部分(迷いがないこと)と体全体の筋肉を動員することもポイントかと思う。例えば腕を引き付ける時に腕だけでなく肩も回転させるとか、引き付ける前に一旦伸ばして縮める勢いも動員するとか一見力のように見える要素でも単純に部分的な力ではない場合が多いかと思う。

キャンパシングとかも最近は第一関節しか掛からないのも出来るようになったが、私の場合はキャンパシングが出来るようになって登りが向上したというより、登りが向上した結果キャンパシングも出来るようになった。キャンパシングは力の向上というより足なしでどう体を使えば次のホールドを取りに行けるかを見付ける為に有効な道具だと思う。

以上書いてみたがインドアの話で外に関しては未だに11台すら登っている本数が少なく12は遠い目標である。

2007.7.21記

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