山に登る時に何が難しいかというと未知のものにどう対処するかということになるかと思う。無雪期の山から始めて雪山とステップアップする時も雪という未知のものに対処する術を知らない故に逡巡してしまう人も多いと思う。この未知を既知にするのに最も手っ取り早い方法が自分にとって未知のものを既知のものとして認識している人に連れて行ってもらうことである。ベテランやガイドがこれに当ると思う。登山という行為は判断+登るという2つの複合した行為であるが、この判断という部分を他人任せにしてもそれで登山行為を達成したという満足感に浸れる人が多いのが実情ではないのだろうか?そういう意味ではネットによる詳細な情報収集やガイドブックを隅から隅までチェックしていく行為も判断という楽しみを削ぐことになると思う。
判断というものには天気図を見て今後どのようになるか?例えば風が強くなりそうだとか、低気圧が接近しているが雨となるか雪となるかという天候判断、積雪でトレースがなくなってしまった場合の読図、また積雪により無雪期のルートが雪崩等の危険にさらされるような場合のルート取り等の判断、幕営適地の選定、岩のルートの場合のライン選定等、多岐に渡ると思う。この判断は連れて行ってもらうと自分自身で判断しなくなってしまう為に中々レベルアップがはかれない。多くの人が入山する時期に後から入山してもトレースはあるし、テント張った跡はあるしで同様である。それでも他人のトレース当てにして自力で入山するほうがまだましではある。連れて行ってもらうとガイドまたはリーダーがしている判断をさも自分も同じように考えていたと錯覚してしまう場合がある。気分だけはガイドやリーダーよりちょっと劣る程度という感じで○×ルート、△□ルートも自分の足で登ったという錯覚に陥ってしまうが、自分自身がリーダーとなってノントレースのルートでトップを務めると本当の実力が露見してしまう。
登山という行為が初登攀という対象が殆ど喪失して既知のルートを登る昨今、未知の要素は少ないかもしれない。それでも××を登りたいのですがどのような技術が必要ですか?と言って必要な技術を1から10まで他人に教わって行くより、そこを登るのに必要な技術の半分しか持ってなくとも残りの半分は過去の自分の経験を生かして応用によって未知を克服出来るようになりたいものである。
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