クライミングは基本的には1人では出来ない。ロープを使わない山行の場合パートナーがいなくともそれほど困ることはない。もしパートナーがいたとしてもその人のレベルが自分より著しく劣る場合は一人で来れば良かったと思う場合もあるかもしれない。しかしロープを使う場合では例え核心部でつまったセカンドをロープで引っ張り上げるようなことがあったとしてもまだ一人で登り返しまでして登るより楽なのである。
私は独学で始めたので最初のパートナーはフリークライミングのパートナーだった。知合ったのはいつも行くクライミングジムだった。彼はパートナーが転勤でいなくなってしまったということで私と一緒に行ってくれることになった。フリークライミングだけをやる人は基本的にはアルパインクライミングには全く興味はない。彼もそうだった。しかしながらフリーとアルパインでは共通する部分も多く、彼とのクライミングによって私はいろいろな事を得ることが出来た。初めてフォローで登ったマルチピッチでは彼が綺麗にロープを巻いているのを見て、自分もいつかあのようにロープを扱えるようになるものだろうかと思ったものだ。しかしながらちょっとしたきっかけで彼とのコンビは解消してしまった。たまたま彼が行こうと言った岩場が染み出しで登れず、その次に彼の誘いがあった時に私が別の人達と岩場に行く約束をしていたのがその理由だった。私は彼とのコンビを解消すべく別のパートナーを捜していたわけではなく、たまたま混ぜてもらう形で一回行っただけだったのである。染み出しで登れなかった時は私は片道1時間半以上かけていたので彼も悪かったと思っていたのであろう。それで別の場所を提案してせっかく誘ってくれたのだが私はそれを断ってしまったのだ。結局彼とはそれっきりとなってしまった。
次のパートナーはちょっと癖のある人だった。5.11も登れて経験も多かったのでいろいろ口うるさく注意されたものだった。この人と組む人は大抵これで嫌になってしまうのだが、私は言い返しながらも一緒に行っていた。とはいえ相性が悪いため、長続きせずにもうおまえとは登らないと引導を渡されてしまった。この人は私が腕力に任せて5.9を登るのを見てそんな登り方だと一生5.11なんか登れないぞと注意してくれた。この人の登りを見てから私の登り方は変わって行くことになる。
次に出会ったのがT氏である。初めて一緒に登ったのは小川山の「セレクション」。マルチピッチを初めてつるべで登ったのがこの時だった。T氏にとっては簡単すぎてあまり充実はなかったと思うが、私の希望を入れてのクライミングだった。T氏とはその後、フリー、マルチ、本ちゃんといろいろ行くことになる。T氏はあまり相手にいろいろ言うタイプではない。最初の本ちゃんルートは私なんかどのくらい装備を持てばいいかピンと来なかったのであるが装備分担についてはツェルト持ってきてくらいしか言われなかった。まあ自分がリード出来る最低限の装備を持って足りなそうなら相手から借りればいいので相手の装備にまでいちいち首を突っ込む必要はないのだが。そのせいでクラックを登る時は2人で2セットのカムになってしまう。
他にも2〜3回一緒に行った人から1回だけという人までいろいろな人と登った。メアドを交換しただけで一度も一緒に登らなかった人も多い。嗜好、レベル、相性、目的と人それぞれなのでただでさえやっている人が少ないクライミングで良きパートナーを捜すのは大変なことである。
2005.11.04
END