前穂高岳〜南岳

2002.9.21〜22


21日 上高地05:15〜岳沢ヒュッテ07:05、07:20〜紀美子平09:30〜前穂高岳10:15、11:10〜奥穂高岳13:05、13:30〜穂高岳山荘13:50、14:05〜涸沢岳14:30〜北穂南峰16:40〜北穂北峰17:00

22日 北穂テント場07:10〜北穂小屋07:25〜長谷川ピーク08:20〜南岳小屋10:00、11:00〜南岳山頂11:15〜天狗原分岐11:30〜天狗池12:30〜槍沢ー槍間との合流点13:10〜槍沢ロッジ14:00〜横尾15:00〜上高地17:10

装備 ザック12kg位

9月の3連休を利用して穂高の大キレットに行こうと計画した。10月は去年涸沢に行って混雑に辟易したので紅葉には早い9月がいいと思った。当初は涸沢から奥穂に入って縦走しようと考えていたのだが、いっそ前穂からの方が横尾までのつまらない道のりを省略出来ると思い前穂から南岳または槍までという計画にした。1泊目穂高岳山荘ツェルト泊、2泊目南岳小屋または槍ケ岳山荘ツェルト泊と予定した。槍ケ岳は6月に行ったので今回は天狗原に行こうと思ったのでショートカットして下るか槍からの下りに寄ろうと思っていた。

3連休は初日は晴天が予想されたが3日目の月曜の長期予報は雨だった。2泊3日の行程を1日短縮したほうがいいかもしれないと思い駐車場の料金は2日分だけ支払った。タクシーは相乗り相手がしばらく見つからなかったが槍に行くという人と前穂北尾根をやるという2人連のおかげで4人で相乗り出来た。タクシーの運転手さんは慣れてないせいか釜トンネルの入口で沢渡側に並んでしまった。車線の関係で安房トンネル側の車列の最後尾よりこちらが遅くなってしまうのだ。一旦通り過ぎてUターンした方が早い。そのせいか今回はメーター5千円近くなってしまった。タクシーの運転手さんの話ではいくら渋滞して時間がかかっても6030円以上は取らないことを聞いた。今まで混雑時に2時間も乗車していたらどうなるんだろうと思っていたが大丈夫なようだ。

21日 AM05:18 正面が岳沢

上高地はまだ薄暗かった。これから向かう岳沢ヒュッテの明かりがほのかに見える。河童橋を渡って対岸に渡る。

21日 AM05:30 岳沢への分岐

梓川右岸の道を行くが岳沢の分岐はすぐのはずだがなかなかそれらしいとこが見つからない。通り過ぎたりしてないよなと思っていたら橋を渡ったところにあった。

21日 AM05:57

道は石畳で前回の西穂山荘〜上高地間の道よりずっと歩きやすい。どこからこんなに岩を運んできたのかと思ったが岳沢から運んだものらしい。途中で3人の親子連れを追い抜いた。そこそこ急な登りなのだが歩きはじめなのでそんなにきつくはない。しばらくは樹林の中で視界が効かないが左手に岳沢を見下ろす辺りから梓川まで見下ろせるようになる。ここも積雪期には山スキー向きの斜面のようだ。

21日 AM07:06 岳沢ヒュッテ

思ったより早く赤い屋根が上に見え、ほどなく岳沢ヒュッテに到着した。ここでお湯を沸かしてインスタント麺と卵スープを食べる。食べ終わって出発しようとしたときに下から単独の男性が上がってきた。

21日 AM08:16

登りは一段ときつくなったがペースを抑えてゆっくり登る。岩場が多くなりとうとう梯子まで現れた。とはいえ難しい所は殆どなくどんどん高度を稼いでいく。さっきの単独の男性がいつの間にかすぐ下に近づいている。やりすごそうかとも考えたがなかなか追い付かないのでそのまま登っていく。休憩すると追い抜かれてその後すぐ追い付くというパターンになりそうなので休まず登っていく。とはいえいつまでも離れないので押されるように登っていく。

21日 AM09:28

だんだん山頂方向の見晴らしが効くようになり上から下りてくる人ともすれ違うようになる。人が沢山休憩している所があり、そこが紀美子平だった。いつしか後から来ていた単独の男性は姿が見えなくなっていた。

21日 AM10:15

後がいなくなって気が抜けたせいかペースが落ち、ゆっくり登ってやっと山頂に着いた。山頂からは360度の展望だった。槍〜西穂、明神岳への稜線、北尾根と眺望は素晴らしい。とはいえしばらくすると槍はガスの中に消えてしまった。景色がいいのでここで早めの昼食にした。アルファ米とレトルトカレーといつものパターン。1時間近くここで過ごしてから出発する。

21日 AM11:34

下りは行きに目をつけておいた奥穂方向にショートカットする踏み跡をたどった。先に下った人とここでまた出会ったので紀美子平に下りるより結構時間が稼げるようだ。釣り尾根は岩稜歩きで気持ちいい。道は岳沢側についている。

21日 AM11:57 奥穂

最低コルを過ぎると、ところどころ涸沢側を見下ろせる。涸沢ヒュッテや涸沢小屋が豆粒のように見える。目指す奥穂はすぐそこだがこれから登りが待っている。

21日 12:54 南稜ノ頭?

南稜の頭だろうか、指導標のあるピークに着いた。ここまで来るとあと一息といった感じだ。

21日 13:04 北穂側を見る

ようやっと奥穂山頂に到達した。祠がある側から涸沢側に向かって山頂は広がりがある。ここは人が大勢いる。

21日 13:04 奥穂山頂

あいにくガスがかかって見通しが悪い。西穂側もガスに包まれて見えなくなったりする。

21日 13:25 ジャンダルム

しばし眺望を楽しんだ後、コル部にある山荘を目指す。

21日 13:37 穂高岳山荘

少し歩くと穂高岳山荘の屋根が見えてきた。山荘が近づくと斜度がきつくなり鎖も現れる。とはいえそれほど難しくもなく大槍よりやさしいといった感じだろうか。

21日 13:51

写真で見て知ってはいたが立派な作りの小屋だった。電話をかけようと思っていたので小屋で聞いてみたがここにはないそうだ。仕方なく携帯を使う。ここで水を1Lを買った。150円だった。セルフサービスでお金は横の箱に入れるようになっている。翌日の天気が悪そうだしさらに北穂まで向かうことにする。

21日 13:51 涸沢

ここで泊まると楽だなあと思いつつも14:03に早々と出発する。

21日 14:33

涸沢岳までは歩きやすい登りだ。山頂には穂高岳山荘からの往復だと思われる人が大勢いた。

21日 14:38

山頂を過ぎる途端に人気がなくなる。ペンキ印を目で追いながらしばらく行くと突然ペンキ印が見えなくなった。ふと足元を見るとなんと道は下に続いていた。道は涸沢岳の尾根伝いでなく一旦D沢のコルに向かって急降下する。下りなので一気に下りていくと下から3グループ8人くらいの人達が登ってくるところだった。下りるのは楽だが北穂から来てこの最後の登りはかなりこたえることだろう。

21日 15:14 前穂北尾根

下りきってしまうとしばらくはゆるいアップダウンの繰り返しだ。足元はざれていて落石を起こしやすい。足元から転がり落ちたたった一つの石が涸沢側に落ちると他の落石を誘発しすごい量の落石となる。下から登ってきた人が誰かが転落したかと思ったと話した。驚かしたことを詫び、足元に注意しながら歩く。

21日 16:24 ドーム付近?

だんだんと北穂が近くなり最後の登りに差し掛かる。今日は行程が長かったのでもうへとへとである。こちら側からだと最後まで山頂が見えないのでどこまで登ればいいかさっぱりつかめない。ホールドやスタンスは豊富だがけっこう岩登り的な箇所も多い。疲れた足にには腕を使って高度を稼げる方が楽だ。

21日 16:41

ようやくゆるやかになり尾根伝いに歩くと南峰に着いた。時間も遅く人が少ないと思っていたがここまで来る間に単独の人2人と2人連れの男女に抜かれた。下を見るとテント場が見えるが小屋は北峰にある。また登り返さないといけない。南峰にたどり着いた時は北峰はそのすぐ向こうに連なって見えたがしっかりコルがある。もう限界とちんたら歩いていたら軽快に登ってくるおじさんがいた。話しをすると今日西穂から入ってきたらしい。すごい人がいるものだと思った。

21日 16:57 前穂高岳

振り返ると今日登ってきた前穂がかなり遠くになっている。

21日 17:01

最後の登りがきつかったとはいえ距離は殆どなく山頂にはほどなく到着した。小屋は山頂北側直下にある。小屋泊まりの人達が大勢山頂にいる。ガスは晴れてきていたが槍だけにはいつまでもまとわりついていた。小屋に行ってテントの受付を済まし水を2L購入した。ここではリッター200円である。

21日 17:04 滝谷

山頂で日没まで粘りたい気もしたが、これからツェルトを張ることを思うとそろそろ下りねばならない。体も冷えてきている。テント場に下りて丁度地面の岩が取り除かれている所を見つけそこにツェルトを張る。テントを張るには狭いので空いていたのだろう。テントは全部で10張りくらいだろうか。風が強く張りにくい。疲れてどうでもよくなっていたせいでかなり適当に張ってしまう。風が益々強くなってきてしまい壁が体に押し付けられる。これではお湯を沸かすのも大変そうだ。ここでツェルトにしたことを大いに後悔した。室内を広くするため側面に取り付けた張り綱用ループはあっという間にひきちぎれた。もともと本体が裂けない用に縫い付けないで固定したので仕方ないが。あきらめて寝ることにする。寝袋をゴアのシュラフカバーにつっこんで横になる。寝てる分には狭さも感じない。エアマットは下が平らだったので使わなかった。こんなことならエアマットをやめてライズ1だったなと思った。寝ているうちに倒壊ということも考えていたがよれよれしながらもツェルトは耐えてくれた。夜半に目が覚めたら月明かりがあった。これなら翌日はもちそうだと思い、気を取り直して食事をする。両股でツェルト壁面を抑えながらお湯を沸かす。ひととおり腹につめこんだらまた寝袋にもぐった。

22日 AM07:09

風が吹くたび結露の水滴が雨のように降り掛かってきたがいつしかぐっすり眠ってしまった。隣のテントの声で目が覚めるともう6時だった。4時のアラームでは起きれなかったようだ。とはいえよく眠れて助かった。内側の結露をふき取って雨が降らないようにしてから荷物を片付けて朝食をとる。

22日 AM07:25 大キレット〜槍

北穂小屋までの登りは昨日はきつかったが今日はすぐに登りきる。これから向かう大キレットが眼下に見える。道は小屋からいきなり急な下りになっている。ペンキ印があるから気楽に下りれるがそうでなかったら難しそうだ。途中立ち止まっている人を多く見た。最後の登りで休み休みになってるようだ。登り優先でも先に行ってくれという人が多い。

22日 AM07:51 飛騨泣きを見下ろす

一気に高度を下げると先に痩せた岩尾根が見下ろせた。数人のグループが休憩している。鎖場を下りて追い付いたがここで風が冷たいので上を羽織っているうちにこの中高年グループは出発した。すぐにこのグループをまず抜かなかったことを後悔した。とにかく遅い。先頭のリーダーらしき人にいちいち足の置き場所を教えてもらわないと進めない人が2〜3人いる。このレベルでこんなところに来る人がいるから事故も多いのだろう。

22日 AM07:58 鎖の付いたトラバース

最初は岩の右手をトラバースするのだが太い鎖をつかむ以外はスタンスが浅いので濡れると危なそうだ。次が反対側に出るのだがここからはホールドスタンスともに豊富だ。

22日 AM07:58

あまりに遅いので体が冷えてきてしまった。核心?を通過したところでリーダーらしき人に声をかけて前に出してもらった。

22日 AM08:18 長谷川ピークへの稜線

相変わらず危ないルートは続くのだが、最初に危なっかしい部分があったせいか気楽に進む。長谷川ピークには岩にペンキでHピークと書いてあった。ここは来た方角、これから進む方角ともに見通がいい。とはいえここで立ち止まる人は少なく最低コル付近に休憩している人が多かった。途中で昨日タクシーに相乗りした人とすれ違った。昨日は7時間で肩の小屋に着いたそうだ。小屋泊まりといえかなり早い。今日は北穂から涸沢経由で下山するそうだ。

22日 AM09:16

正面に見えてるシシバナが眼前に近づいてきていよいよ最後の登りである。急坂というより岩を這い上がる感じで足の重い私にとっては助かった。梯子や鎖が随所に設けられていてよく整備されている。とはいえ南岳から下る場合は下が見えにくくなるのですこし難しそうだ。

22日 AM09:56

一歩ずつ重い足を持ち上げながらようやっと上に着いた。すぐ下に南岳小屋が見えた。南岳側はすごくなだらかである。大キレット側は2本の尾根状になっていて左は突端まで行くとすぐ下に切れ落ちているが右はピークから先がだんだん下に落ちていくので左側の方が眺めが良い(右の方が標高は高い)。ここの岩に座って休憩していると次々人がやって来た。

22日 AM09:58

眼前の北穂への眺めを堪能した後、南岳小屋へ下りていく。ここで早めの昼食にするためジーフィーズすき焼き、アルファ米、インスタントみそ汁を作る。食欲がなく、おまけに不味いので喉の通りが悪い。南岳小屋で水1Lを200円で買って11時に出発する。

22日 AM11:13 南岳山頂から南

10分そこそこで南岳山頂に着く。振り返ると前穂ははるか遠くになってしまった。

22日 AM11:14 南岳山頂から北

槍は大分近くなった。昨日北穂の登りで前を歩いていたカップルが前を歩いていく。先に出ていたようだが追い付いたようだ。昨日テント場で4人用テントを張っていたのでさぞかし重荷だろう。私には真似できない。

22日 AM11:20 左が中岳

槍の姿が次第に現れてくる。天狗原への分岐までの道は平坦で歩きやすい。

22日 AM11:25 前穂北尾根

振り返ると穂高は前穂しか見えない。

22日 AM11:25 横尾右俣

横尾右俣を見下ろすと正面に屏風の頭が見える。

22日 AM11:28

天気は予想より良くなっていたが昨日の疲れと当初の目的の大キレットは通過したので下りることにする。私としてのプライオリティは今回、槍<天狗原なので迷いはない。

22日 AM11:36

天狗原への下りは横尾尾根に続く稜線で急な下りだ。ここは登りに選択するとつらそうだ。今日はもう下るだけだと思うと気楽である。鎖があったり落石で危険なため一人づつ通過してくださいという看板があったりと結構な難所である。尾根を外れて左に下降する。ここからはペンキ印に導かれて下りていくが残雪気にはルートが不明瞭になりやすそうである。氷河公園にはテントを張れそうなスペースがそこそこある。とはいえごみや張った痕跡はない。

22日 12:31 天狗池と槍

天狗池にはわずかな雪渓が残っていた。この池からは小川も流れ出ている。水も透明度があり綺麗だ。デジカメは35mmカメラの焦点距離35mm相当だが一眼レフで24mmを使えば横構図で雪渓をフレーム内に収めれるだろう。池の周りでは2グループ4人が昼食をとっていた。中高年二人は登山道の真中に座って登山道上でストーブを使っていた。いくら人通りが少ないからといってもちょっとと思ってしまう。

22日 13:09

天狗池からの下りはおおむね緩やかで残雪期でも下から登ってくる分には十分来れそうである。ただしトレースがないと目印がないのでちょっときついかもしれない。前回6月はこの方向にもしっかりトレースは付いていた。槍沢に下っていく間も槍の穂先は見え続けた。槍沢から登るとグリーンバンドを越えないと見えないのに低い高度でも方向が変わるとこんなによく見えるものなのだと思う。槍沢と登山道が交差する少し手前で槍は隠れて見えなくなる。槍沢からの登山道と合流すると下山中の登山者の姿がぐっと多くなる。

22日 13:44

さすがに3連休とあってババ平のキャンプ地もテントが沢山ある。

22日 15:01

今日は槍見岩からも槍は見えずまたいつものように黙々と歩いてようやく横尾に着く。そういえばタクシーで相乗りした人もここを通るなと思ったがすれ違いではないからそんなこともないだろうと思った。横尾から人通りの多くなった道を黙々と歩いているとこれまで下りで抜くことはあっても抜かれることはなかったのに後ろから足音が近づいてくる。なんと大キレットですれ違った相乗りした人だった。こんな偶然もあるものだ。一旦抜かれながらもほぼ同じタイミングで上高地に到着した。

22日 17:10

なんとバス待ちの行列が出来ていた。とりあえず列に並んでもらってその間に切符を買ってきた。

22日 17:58

並んだと言っても去年の10月ほどではなく並ぶこと50分ほどで乗れた。しかし去年と同様バスに乗ってからが長く沢渡着19:15だった。

 結果的には天気を左右する熱帯低気圧は東の太平洋上を進んだためにもう1日山にいても良かったかもしれない。初日に疲れて寝てしまい気象通報を聞けず天気の流れが読めなかったから仕方ないだろう。

END

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