
17日:取り付き14:50〜終了点16:10〜取り付き19:50
榛名黒岩は私の良く行くゲレンデである。スキーに興味が戻っていたのだが気がついたら暖かくなっていた。最近はどこにも行けないことが多いのだが午後に時間が取れたので黒岩に行く。土曜日だし暖かいから人が多いかと思ったが駐車場には3台しか停っていない。今日は去年1ピッチ目で降りてきてしまった大スラブ中央クラックに行こうと思ってカムやらザックに入れているので重荷がきつい。とりあえず「なつこ」5.9でアップする。木から支点を得てグリグリに9.5mmロープを使う。去年は10.5mmでやってみていたのだがロープの流れが悪すぎて今季はロープを新たに買ったのだった(グリグリのカタログには9.7mm、説明書には10.0mmまでとなっている)。冬の間もだらだら人工壁を登っていたせいか去年登っていた頃より楽に登れた。荷物をまとめて大スラブに移る。
支点は岩から離れたしっかりした木に取る。去年登った時は1ピッチ目の終了点がRCC2個だったので隣の「オケラ」の終了点でピッチを切ることにした。下降用に40mのダブルロープも用意してある。去年行った先からは判らないのでハーケンとハンマーも用意した。とりあえず「オケラ」の右を登り出す。ここはボルトが打っていないのでボルトでルートを探すことが出来ないがクラックが途中から明瞭なのでラインはすぐ判る。まだ隣ルートのハンガーボルトより低い位置だがフレンズ#1を入れる。少し登るとカムを入れるのに丁度いいクラックがある。ここでフレンズ#2.5を入れる。ここで一歩上がって立ち込むと腐ったハーケン2本が見える。一応ここもクリップして少し登ると「オケラ」の終了点である。ハンガーの右には赤いリングボルトも3本位残っている。
ロープをフィックスして8環を逆向きにして懸垂する。取り付きに戻りザックを背負って登り返す。「オケラ」の終了点を支点にしてザックはそこに残しまたロープを背負う。まずキャメ#1を入れてから登りだす。去年登った時もクラックの割りにはカムが決められるとこがないなと思っていたのだが確かに腐ったハーケンにクリップする方が多い。途中右手のリングボルト2本と腐ったスリングの終了点らしき残置ビナにもクリップする。この終了点、ボルトも腐っていてとても下降に使おうと思える代物でない。ナッツも気休めにBDの#10、11を引っ掛けながら登る。ワイヤーの切れた残置フレンズにもクリップする。難しい所がないのが判っているから気楽だが去年初めて登った時はかなり怖かった。キャメの#2を入れて左手の比較的新しいICIの銀色クロモリハーケンにクリップする。リングの飛んだボルトが右にあるが去年はナッツを引っ掛けて使ったが面倒なのでそのまま登る。最後の核心部がレイバック気味にずり上がるのだが足が甘いので苦労する。去年はRCCでA0したのだが今回はフリーで行きたいなと思い立ち込むと左手のガバが届いた。
終了点は去年来たときは腐ったスリングしかなく自分のスリングを一本入れたのだが自分で追加したのを除いて全て取り換えられていた(RCCは他の支点と比べれば新しく接着剤で固めてある)。カラビナもBDのオーバルが追加されていたがもうゲートが堅くなっている。ここから先は初めてになる。クラックはここで終わりで直上した左手には「イプシロン」の終了点が見える。ここからルートは右斜め上になるはずである。去年はここで気力を使い果たしたのと終了点のスリングが全て腐っていたので先に進む気が起きなかったのだ。目を凝らすと赤いRCCが見え、さらに先に大テラスだろうかスリングの束が見える。ヌンチャクが足りないので一旦降りることにする。ピッチは切らないのでグリグリでロワーダウン。今度は40mロープをぶら下げてペツルのアッセンダー併用でグリグリで登り返し。アッセンダーのハンドルがあるとつい人工になってしまう。残置フレンズでA0したら結構ぐらぐらする。ロープを垂らしていたので途中まで登り返したとこで背負ったバックの中からロープが重みで全部流れ出てしまう。RCCの所まで登り返したところで背中に入れ直す。ロープが重いのでカラビナに巻き付ける。1本目のRCCはかなり遠いのだが簡単なので怖くない。とはいえ結構ランナウトする。RCCから上に行くとこで念のためキャメ#0.75を入れる。終了点が近くなった岩の割れ目にナッツも入れる。落ちたらナッツが外れるのでなく岩が砕けるなと思った。ここはナッツでなくスリングが正解だった。とはいえ全然簡単でここが取り付きから50m近いことを考えなければ楽勝だろう。大テラスに這い上がるとそこには残置支点がいっぱいある。いつの時代の物か判らない太い豚の尻尾まで埋め込んである。ペツルのアルミハンガーM8が2つとリングボルトが多数。リングが2つ軸に付いている訳の判らない物まである。スリングは腐り切っている。
左上にルートの最後が続いている。下部をフィックスしてきた40mロープもまだ一杯にはなっていない。このまま50mロープで最後まで行けないかなと思った。一旦下に降りるよりその方が楽に思えた。最後の凹角はハンガーボルトが打ってあるのでダメなら途中でロワーダウンすれば良いと思い。大テラスのランニングを外し大テラス左手の別の終了点に掛けかえて取り登り始める。大テラスは右に寄っているのでこうすれば少しは長さを短く出来る。単独でない時もこの左の支点でビレイしないと登っている人が見えないだろう。下をフィックスしてしまった40mロープはすぐ一杯になりそうなのでハンガーボルトに引っ掛けて置く。50mロープでロワーダウンしてつなげば降りれるかというのは無理そうだ。ここからは5.9とはいえ結構難しくスタンスは細かい。核心のオーバーハングっぽい所はムーブを考えずにA0で越える。なんとか最後のハンガーボルトまではクリップ出来たが終了点はまだ少し上だ。背負ったロープを降ろして全て引っ張り出す。取りあえず土の積もった平らな所まで出れた。終了点はペツルM8が2つで間隔がやけに狭い。右の木には黒く変色したスリングと錆びたカラビナが付いている。左の木から腐ったフィックスロープが下に伸びている。大テラスから一旦降りることを想定していてスリングはあまり持っていない。スリングとナッツとカラビナを連結してロープをフィックスした。8環はロープが張ってはめられないのでルベルソをセットする。懸垂の準備が出来た所でデイジーチェーンも使ってメインロープのバックアップを作る。40mロープはそのまま残し「オケラ」終了点まで下降する。隣では「イプシロン」5.12cを登っている人がいる。ザックを背負いペツルのアッセンダーを2つ使って登り返す。ロープが斜めなので途中からクラックを外れて直上する。殆ど人工で登っていく。大テラスから最後の凹角はフリーで登ると面白そうだったのでトップロープ状態であることもありちゃんと登ることにした。今度はノーテンでクリア。セルフビレイを外しててっぺんまで歩く。真っ赤に錆びた空き缶とかも転がっている。反対側も見下ろせる。もう一段上にも岩がある。「移りゆく想い」5.10dがある岩だがこっちからなら行けるかも。あの上の方はもっと見晴らしが良さそうだ。終了点のスリングをテープだけ残して手持ちの捨て縄に交換して50mロープ一本を残置ビナ2つに通し懸垂。木の方が終了点としてはしっかりしていそうだがロープ回収時の流れが悪いのだろう。40mロープを回収して大テラスに降りる。
大テラスも腐ったスリングがごちゃごちゃについている。リングボルトとペツルがごちゃごちゃに連結してある。ペツルに付いているスリングを切って自分のに入れ換えカラビナも一つ追加して懸垂。無事「オケラ」終了点まで下降。途中で次来ることを考えてリングの飛んだボルトに4mmスリングを付けておく。とここまでは良かったのだがロープが引っ掛かって回収出来ない。隣の人達はもう帰るとのことで心配してくれたが登り返すことにする。ここで落ち着いてザックからアッセンダーを出せば良かったのだが面倒なのでルベルソとシャントで登って行く。ダブルロープだとハーネスにアッセンダー2つ付けないとならないのでこういう焦っている時には判りやすい方法がいいと思ったのだ。右に振られてしまい暗いのもあって完全に人工になってしまった。途中でルベルソをロック側に入れ換えて、さらにシャントのスリングも足が入れれる様に換えながらようやっと大テラスに戻る。テラスから降りるところの角で引っ掛かるようなので結び目をこの先まで下げる。もう真っ暗で星も出ている。夜景が綺麗だ。街の明かりのせいだか星のせいだか視界はある程度ある。
また懸垂で下降して回収。今度こそと思ったのだが落ちたロープが今度は引っ掛かってしまった。取りあえず引っ掛かってない方の40mをほどいてこれで下まで下降する。引っ掛かった方は明日また来るしかないかなと思っていたが取り付きの広いところで縄跳びのように回しながら何度も引っ張ったら落ちてきた。あとは歩き慣れたアプローチ道をとぼとぼ歩いて車に戻った。
オケラ終了点までは15m弱くらい、20m強の所にリングボルト2本の終了点があるがボルトは完全に腐っている。RCC2本の終了点は30m位。大テラスまでは50mロープ一杯。大テラスから凹角終了点までは20mくらい(ここは土にロープが擦れるので懸垂が無難)。カムを決めれるクラックが少ないのでナッツも必携。カムはキャメロットで#2以下、フレンズで#3以下。エイリアンも使えると思う。

取り付きから。赤線部分がルート、最終凹角は上の2つの山の間

大テラス。向こうに見えるスリングの束は凹角真下辺り。

最初の核心部、正面がRCCで赤く錆びている。右上がRCC2本でちょっとしたテラス状。

凹角を直上した終了点。ここから歩いて反対側を見下ろせるてっぺんに出れる(数メートル、大ハング上)。稜線上を榛名山方向に進むともっと標高は高くなるが土や木が多くなりつまらない。

凹角、核心は写真中心部辺り。

大テラスから取り付きを見下ろす。赤く囲んだ部分にビニールシート1×2mくらいがある。
END