駐車場 8:15〜鉄管の橋〜取付 9:50〜1P目終了 11:35〜2P目終了TOP 13:05〜2P目終了2nd 13:25〜3P目終了TOP 14:15〜3P目終了2nd 14:40〜4P目終了TOP 15:10〜4P目終了2nd 15:40〜敗退決定懸垂開始 16:40〜取付 17:50〜駐車場 19:25
装備:カラビナ20数枚、スリング10本強、ビレイ器、8.5×50m、エイリアン橙まで、リンクカム#1、#2、キャメロット#3、他ビバーク最低限の装備
明星山のマニフェストは以前からT氏に誘われていたルートだった。とはいえ核心が10dということで自分にはまだ早いと渋っていた。最近は10台ならそれなりに登れるようになってきたので最悪A0という考えで行ってもいいかなと思い始めていた。T氏もまず「フリースピリッツ」でとか言っていたのがいきなり「マニフェスト」でもいいかなという話しとなってきた。儚月さんには難しいと釘を刺され、最近はあまり他人の記録を読まないようにしていたが直前にいろいろ検索した。結果としては全然実力不足でお話にならない結末となった。
金曜夜に待ち合わせして高速を飛ばし現地へ。現地駐車場は水洗トイレも完備でテントを張るクライマーもいる。しかし携帯は圏外。車中泊で朝を迎える。夜半から小雨が断続的に降っていたが明け方に本格的に降ってきた。途方に暮れながらも8時頃には出発する。鉄管の橋を経由するよりも展望台の駐車場対面の踏み跡を下降した方が早いことを知らずに鉄管の橋経由で途中渡渉を繰り返しながら取り付きへ。フリースピリッツには2パーティいるがマニフェストは誰もいない。

対岸から観察して取り付いたつもりだったが間違えてダイレクトルートの取り付きまで登ってしまう。そこから見るとダイレクトのボルトラダーがあって左にトラバースするとビレイ点らしきスリングの束、その左のコーナーにクラックが上に伸びる。我々はこれがルートと勘違いしてしまう。

1P目(T氏のリード)
T氏は簡単なスラブをトラバースし、クラックの基部に着く。何度も登ったり降りたりを繰り返しながら支点を上に伸ばす。難しいのかテンションが入り、しまいにはザックを基部に置いて抜け口のピナクルにスリングを掛けに行く。殆ど人工で上のスラブに抜ける。抜け口以外にピンがないせいかしばらく迷っていたが右上してビレイ点へ。
後に続く。下にあるザックを回収し自分のザックをT氏のザックの雨蓋に挟む。T氏のザックはいろいろビバークグッズが入っているのか私のより重たい。一段上がってエイリアンを回収。エイリアンの入っていたクラックに手を突っ込むがヌルっとして泥々であった。早くもフリーは諦めエイリアンを突っ込み直してA0。そこから先はさらに悪く、テンションして空中にぶら下がりながらスリングを掴む。強引に乗り越そうにも厳しい。抜け口のリングボルトでA0しながらなんとかマントルを返す。そこからは細かいスラブを右にトラバース。最初からおかしいと思っていたがマニフェストはもっと左が開始点であった。とはいえ後の祭。気がついたのは翌日だった。

2P目(私のリード)
事前に調べた限りだとここが一番難しいピッチらしい。ビレイ点は立派なリング付きハンガーである。最初は目の前にあるガバを掴んで1ピン目にクリップ。ここはガバ頼みで強引に足を上げて突破。順調に2ピン目にもクリップしてロープを伸ばす。3ピン目にクリップした先が判らない。ここでテンションが入る。一休みして試しに真っ直ぐ行くラインにトライしてみるが手を伸ばしたホールドは角がなくのぺっとしている。「テンション」とコールしながらフォール。すぐ止まると思って岩側のロープを掴んでしまったがロープは流れて下のピンまで落ちる。すぐ手を離したが皮が剥けて血が出ている。下からやり直しはせずにゴボウで3ピン目まで戻る。仔細に観察すると左にトラバースすると弱点のようだ。フリーにこだわるのは止めてA0交えて左にトラバース。足元の岩が剥がれる。T氏より少し左だったので仕方なく落とす。そこから上に上がりクラックにリンクカムを突っ込む。そのクラックを使い、右に戻る。古いピンがあるのでそれでA0しつつハンガーに手を伸ばしてクリップ。一旦テンションしてカムのランナーのスリングを長くする。フリーで行く場合の核心のムーブは大体解決しそうだが、初見でランナウトしてこれをこなすのは至難だろう。

そこから先もやさしくならずA0ホイホイになってしまう。細かいスラブだがハンガー3ピン目を越えるとダイレクト時代のラダーも現れてA0しやすくなる。

ハンガーを追うと左のスラブに2本打たれている。左にトラバースしてなんとかこれにクリップ。さてどうこのスラブに上がったらいいのだろう?A0しようがどうしようもない。それにA0でマントル返してこのボルト踏んで次はどうするのだ?ここで迷って随分時間を浪費する。よく考えてみるとダイレクトのピンはさっきの右にある。右に戻って小さな木の生えている岩溝を直上。簡単なのでランナウトしてビレイ点へ。

3P目(T氏のリード)
T氏はビレイ点のボルトに乗って次のボルトにクリップ。A0で手に足というムーブで上のガバを掴む。次のピンは左上だが、ダイレクトのラダーは右にあるので右に行く。壁に行く手を阻まれる辺りで左へトラバース。左の凹角に移る辺りが悪いのか逡巡している。ようやく越え、そこからはそれまでと比べて簡単になった凹角にカムを決めながら登り終了。
後に続く。同じムーブで足元のヌンチャクをしゃがんで回収後、右側を直上。適当にA0交えて進む。左に移る所は確かに悪く、手はあるが足は茂みしかなく、その下は切れ落ちている。足が良く見えないし、置いて大丈夫なのかも判り難い。なんとか足を拾って突破。そこから先は脆いが簡単になる。

4P目(私のリード)
右やや下方にハンガーのビレイ点が見える。ざれざれの階段状を進むと抜ける辺りにハンガーが見えるのでそれを目指す。その先はハンガーがスラブ上に続くが、このハンガーはどう見ても難しいラインを取っているので左に逃げる。左のクラック沿いに適当に支点を取りながら進む。最初のうちはアンダーで保持してスメアでトラバース出来たが、後半で手が悪くなる。構わずA0とボルト踏みで抜ける。

T氏にはどうやって登ったのか聞かれたがT氏も同じくA0突破。このビレイ点から左上するガレ場があり、これが中央バンドのようだ。ハンガーはそのまま上に伸びている。ラインとしてはACC-Jのようだがフリー化されているのだろうか?

5P目(T氏のリード)
T氏は右へバンドをトラバースして一旦姿が見えなくなるが、上部城砦へ直上するとまた姿が見える。ダイレクトの支点に沿ってA0交えて登って行くが右のカンテに出るのが悪いらしくテンションしながら何度も行きつ戻りつする。

終いにはザックをピンに掛けて空身でトライしようとする。1P目と同様フォローが回収する戦法だ。と、その時ザックが空を舞った。ここで敗退を決意。T氏には1枚ビナ残置してもらい、片側ロープをロワーダウン、もう片方を確保でロープを逆方向に引く。T氏が戻ってきたらビレイ点のリングにロープを通し懸垂。

今まで全ピッチステンレスリング付きのハンガーだったので1Pづつ慎重に下降。懸垂2ピッチ目は右にトラバースしなければならず、見落として少し下がり過ぎたが足元が階段状なので少し登り反し。そこから先は直線的に下降。取り付きまであと1ピッチの所で暗くなってきたのでヘッドランプを出す。次の下降は2ピッチ分すんなり降りれて下まで届く。
あのままトライしていても暗くなるのは時間の問題だったし、かなり際どい状態だったような気がする。ザックとかのデポ回収など普段やらないことをやったせいだが、T氏の時ではなく私が2人分まとめて落としたりしていたら、真っ暗な中何も出来なくなる可能性だってある。あの状況だと時間切れで中央バンド下部のビレイ点でツェルトを被るしかなく、その状態で翌朝一で再トライしてもどうなっていたのか?鷹巣ハングまで初日に辿り付けないとビバークはあまり考えない方が良いような壁の状況であった。トポによって10aだったり10bのピッチで甘く見ていたのが最大の原因だろう。
END