白馬岳 主稜

2005.5.4〜5


4日:猿倉 4:20〜白馬尻 5:10、5:35〜8峰 7:40〜6峰 8:40〜5峰 10:05 〜4峰 10:25〜3峰 11:15 〜2峰 12:00〜1P開始 12:45〜リード12:50、フォロー13:15〜2P開始13:20〜フォロー稜線13:40〜山頂 13:50〜村営頂上宿舎前 14:25

5日:村営頂上宿舎前 7:00〜白馬岳山頂 7:40〜猿倉 11:00


装備:カラビナ11枚(ロック付きうち3枚)、デッドマン×2、スノーバー×1、ピウ(ビレイ器)、8.5mm50mロープ×1、60cmスリング×4、120cmスリング×3、ヘルメット、ハーネス、35Lザック、カンプゼファー60cm、X-15 50cmハンマー、ペツルシャルレ サルケン(ワンタッチ)、BDスキーショベル(シャフトなし)、ナイロン2〜3人用ツェルト、シュラフ、他

GWは久し振りにスキーでも行こうかと思ったが一通り声を掛けるとT君が行けそうとのこと。彼とは霧積、湯川とアイスに行ったことがあるだけでリード、フォローの形態で登ったことは全くなかった。残雪期バリエーションルートで単独でも行けそうな白馬主稜なら彼と組んでも問題ないと思い行き先は決まった。当然彼はアイスや無雪季縦走の装備以外何も持っていないのでシュラフ、アイゼン、ザック等を私が貸すことにしてピッケルだけ自前で買ってもらった。そういう私も雪稜は初なのであった。GW後半でトレースばっちりなのでまあ大丈夫だろうということで天気以外の不安要素はなかった。

3日の深夜に猿倉の駐車場で仮眠を取り4:20に出発する。猿倉荘の裏手の斜面を登り林道をショートカット、あとは踏み跡通りに歩いていく。

4日 5:35 白馬尻から主稜全景(赤線が登攀ルート)

5時過ぎに白馬尻に着く。ここでハーネス等を装着してザックの中身を減らす。今回は泊まりでザックが35Lなのでザックの外にぶらぶらいろいろ付いている。これら邪魔物をザックの中に入れる。アイゼンもここで装着する。すでに先行パーティーも取り付いているがそのラインよりやや下流側からショートカットすることにする。

4日 6:55 主稜への登り

最初の斜面はだいたいのルートを説明してT君に先行してもらう。彼が持っているアイゼンは氷用の縦爪だけなので私の貸した縦走用12本爪で中途半端にフラットに置いてるせいかよくスリップする。登りながらピッケルの使い方含め説明する。途中下から見て岩が出ている部分が雪が割れていやらしかったのを除けばフラットな適度な斜面が続く。ただ登れど登れど稜線ははるか上でここが今日最大の核心部と思えてしまう。

4日 7:55 8峰直下

稜線に出た途端に風が強くなる。ここで上もゴアを羽織る。先行パーティーに追い付いたのでのんびり休憩する。今日は稜線上で泊まれる準備も出来ているので無理に前に出て後ろを気にすることもない。2張り分の整地跡があるのでそこで休憩する。見ると最初はいきなり木登りのようである。とりあえずここからは私が先行する。

4日 8:05 8峰の登り

木登り部分は雪が少なかったが掴む物も多くザックから突き出たスコップが引っ掛かるのを除けば難なく通過。そこを過ぎるとリッジが始まる。トレースもしっかり付いているし振り返ると急峻に見える尾根も歩いている分には大した高度感はない。8峰の最初だけ尾根は細いがすぐ幅が広くなる。

4日 8:10 8峰から6峰方向

6峰まではここから比較的緩やかな尾根が続く。

4日 8:20 正面のピークが6峰

6〜7峰間コルからの6峰の基部は雪が融けてなくなっているが大雪渓側に踏み跡がある。ざれていて一部悪い部分もあるが木の枝や根など掴む物は豊富にある。

4日 8:35 6峰の登り

ちょっと急な雪の斜面を登ると6峰のピークに着く。

4日 8:40 6峰から山頂が見える

ここまで来るとこれから登るルートの全貌が見渡せる。

4日 9:05 正面が5峰

稜線はアップダウンを繰り返し、登りが急になると休みがちになってしまう。雪は適度に緩んでいて歩きやすい。

4日 9:15 5峰から振り返る

5峰から先は真っ白な稜線で4峰まで緩やかに登りが続く。T君は最初の様に滑ることもなく順調に登っているのでここで先頭を代わってもらう。とはいえトレースを追うだけである。

4日 9:50 先行者が4峰を登る

見上げる4峰への登りは真っ白な稜線だ。

4日 10:25 4峰から上を見る

当初はこの辺で幕営のつもりだったが昼過ぎには山頂に着けそうである。途中イグルーがあったり防風壁があったりとテントサイトには事欠かない。

4日 10:45 正面が3峰

3峰を登る先行パーティーが見えるが最後の登りが急なようで動きがゆっくりである。

4日 11:05 3峰の登り

近くに来ると遠くから見た程には高度感はないが一部足場が悪く急な登りである。

4日 11:15 3峰から振り返る

3峰から下を振り返ると自分たちが登ってきた連なるリッジが望める。

4日 11:20 手前に2峰、その上は山頂

2峰の登りは正面の岩の左寄りにトレースがあるのだがホールドになる岩は浮いていて雪も腐っていて登りにくい。T君がピックで雪を切ってしまっていたのでブレード側を使う様に声を掛ける。後に続くが今回ここが一番悪かった。慎重に足を拾って登る。

4日 11:40 2峰の登り

2峰の登りは急な雪壁である。それでもロープを出す程ではない。遠くから見てもはっきりとバケツ状にトレースが付いている。

4日 12:00 最終ピッチは順番待ち

2峰を登るとちょっとしたコルになっていてそこから先は渋滞している。我々のような二人パーティーはなく、トップが2人を引き上げるパターンか中間がプルージックで登っている。見ると中間部の岩にハーケンがあるらしくそこでピッチを切っている。ここでザックを降ろし、デッドマン、スノーバーを腰にぶら下げダブルアックスにする。先行パーティーを見る限りではトップはノープロで登っているしT君リードでも問題なさそうに見えるのでつるべで登ることにする。山頂に抜けるピッチを彼にやってもらうことにする。

4日 12:45 1P目、先行パーティーのラストが行く

前のパーティーに順番が来て一段上がった岩のハーケンをビレイポイントに使っていたのでその岩の少し下にデッドマンを埋めてT君にセルフを取ってもらう。その上にロープを載せていく。アンザイレンして先行パーティーのラストが登ってから先のハーケンからもバックアップを取る。

4日 12:50 1P登った上から

先行パーティーのラストに続いてノープロで登っていく。ここは今までロープなしで登ったところと大差ない。先行パーティーは一旦岩の右で後続を引き上げた後にその前のパーティーがいなくなってから岩にビレイ点を移動している。先行パーティーが岩に移動したところで岩の右の足場をさらにブレードで広げてスタンディングアックスビレイの体勢を取る。もう一本でバックアップを取り、さらにスノーバーを埋めようとしたら岩に突き当たって刺さらない。

4日 13:25 2P目はつるべでT君リード

T君が登ってきたら先行パーティーが空けた岩のビレイポイントでセルフを取ってもらい確保器によるボディービレイに切り替える。そのままそのビレイポイントをスリング連結で流れを良くしてランニングとしてもらいリードしてもらう。回収したデッドマンとさらにもう一つデッドマンとスノーバーを渡す。そうこうするうちに後続パーティーのトップが登ってきた。仕方ないので岩のハーケンのビレイポイントを共有してもらう。T君がある程度登ったところでデッドマンを埋めるように指示、さらに最後の傾斜が強まる手前でもう一個埋めるように叫ぶ。無事最後の雪庇の切れ目を乗り越していく。後続パーティーのトップはビレイ点だけでなく我々のランニングのスリングとビナも貸してくれとのたまう。つい好意で貸してしまいそうになるが言った本人でなくフォローが回収とのこと。セカンドしかやらない人は信用出来ないので断って回収してしまう。

4日 13:45 山頂

フォローなのでさっさと登る。ダブルでシャフトを突き刺すと思いのほか簡単に登れる。一個目のデッドマンはちょっと引っ張っただけで簡単に抜けた。二個目も最初のよりはましだが埋め方が浅すぎる。最後の乗り越す部分だけは慎重に行く。雪が緩んできているので稜線に出る時に片方だけピックを刺した以外は全てシャフトを刺して登った。

4日 13:50 山頂から主稜を見下ろす

稜線に出るとすぐそこに山頂の標石が見える。引き倒されそうな強い風が吹いている。ロープを畳んで目と鼻の先の山頂に向かう。見下ろすと後続のパーティーはまだ1Pの岩のビレイポイントにいる。この強風下でじっと待つ羽目にならなくて良かった。

5日 5:15 今回の宿泊地

村営頂上宿舎はまだ営業してなくテントは建物の物陰に張られている。一番風の弱そうな建物の大雪渓側に縦穴を掘ってそこにツェルトを張る。今回は夕食に鍋を用意したのでたらふく食べて安眠出来た。

翌日はもう一度山頂に行き、大雪渓を滑るスキーヤーやボーダーを横目に見ながら腐って足が潜る雪の中を下山した。

END

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