白馬岳 主稜&大雪渓スキー

2006.04.29〜30

29日 二俣03:50〜猿倉05:15〜白馬尻06:30〜八峰11:15〜四峰15:50(雪洞泊)

30日 四峰07:50〜三峰09:00〜二峰10:00〜山頂11:00〜猿倉15:00

装備(括弧内はRさん):スノーバー、デッドマン各1、ピッケル60cm、サブバイル38cm、 (ピッケル50cm)、(バイル50cm)、8.1mm×50m、ハーネス、メット、カラビナ、ツェルト、ショベル、スノーソー、シュラフカバー+インナーシーツ、(夏用化繊シュラフ)、山スキー、(ボード)、他

29日

去年白馬主稜に登った時に幕営装備を担ぐくらいならスキー担いで小屋に泊まる方がいいと思ったのがそもそもの発端だった。そんなことから去年の末頃にRさんにGWに主稜に行こうという話しを持ちかけておいた。彼女はボードだがあそこならだらだら斜面は短いのでわざわざスキーにすることもないだろう。日程は5月1日以降だと猿倉まで車で入れるし、トレースもばけつなので楽なのだがお互いのスケジュールの都合でGW初日になってしまった。

二俣に車を止めてほんの少しの仮眠の後出発、猿倉まで除雪された車道の上を歩く。ゲートといっても看板があるだけで車は入れてしまう。まじめに手前に止める人もいれば車で入っていく人達もいる。1時間強も歩くとようやく猿倉荘が見えてきた。右手の駐車場はまだ除雪されていない。雪が硬いのでここからアイゼンを履いてしまう。

29日 05:15 猿倉付近

すっかり明るくなってきて白馬尻までのトレースを辿る。今年は去年よりかなり下流まで沢は雪に埋まっていて真っ直ぐ取り付きに向かえた。去年は少し戻るように行ったのだが今年は雪の量が多く様相が異なる。

29日 06:30 白馬尻にて休憩

トレースはしっかりとついている。ただ今日のものではないようだ。後ろから追い付いてきた男性二人組みが白馬尻でテントを張って休憩している我々を抜いていく。アイスクライミングにでも行くようなベントシャフトのダブルアックスにクイックドローをぶら下げている。八峰の登りも斜面をじぐざぐに斜登高している。とはいえ足が早くあっという間に上の方に行ってしまう。

我々は古いトレースを辿る。去年自分が登ったところより白馬沢側を巻いて樹林に沿うようにトレースが続く。このトレースを辿るとクレバスも少なく登りやすい。早い時期に入る人達は雪崩の危険を考えてかなり慎重に登っているのだなと思った。一部クレバスで苦労する部分もあったがアルバイトがきついのを除けば技術的に難しいところはない。ただ雪が腐って潜るので体力を消耗する。Rさんが先行で登っている時に「ピシッ!」という音とともに足元がわずかに後ろにずれた。最近降った雪の層がかなりの厚さで弱層になっているようだ。きついアルバイトも後半に差し掛かると後ろから3人のパーティーが追い付いてきた。八峰で手持ちの飲料が尽きてきたので雪を融かして水を作る。3人パーティーに先行してもらう。八峰は去年は木登りだったのが今年はちゃんと雪稜になっている。

29日 11:15 八峰

八は順調に進んだ。七は去年は岩が出ていたが今年は雪に埋もれている。先に行ってしまった2人パーティーは左にトラバースしたようだ。3人パーティーは古いトレースに従い直登ラインを取って最後に左に少しトラバースして木登りしていく。私は板を引っ掛けたくなかったのでひたすら直登したのだがクレバスに行く手を阻まれた。だましてなんとか登るがRさんは3人パーティーに従う。

29日 11:30七峰を登る先行パーティー

今回は木登りや雪庇を想定して写真のように板を担いだが結局ここまでする必要はなかった。とはいえこの担ぎ方だと稜線の左側の歩行がほとんどのここでは具合が良かった。

29日 11:45 七峰を登る

3人パーティーとはこのあとつかず離れずで行動し、お菓子を頂いたり雑談したりと楽しく行動した。

29日 12:15 六峰を登る先行パーティー

去年の記録と比較するとこの前後の写真で積雪の違いがよくわかる。

29日 13:15 六峰から山頂

5峰の辺りでさらに後から来たコンテの男性二人組みに追い付かれる。一人は連れてきてもらった初心者らしくハーネスにこの人もクイックドローをぶら下げて登っている。雪が腐っていて雪を崩しながら登っている。後ろから見て悪そうだと思っていたが後から登ってみるとそうでもなかった。

29日 13:30 五峰

3人パーティーは白馬尻にテントがあるとかでヘッデンで大雪渓を降りるそうだ。我々はHPで白馬山荘が29日からと見てそのつもりだったのだがこの調子だと山頂は確実に17時を回りそうなのと最後の雪庇がどうなのかも判らないので雪洞にしようと思い始めた。四峰なら場所も時間も調度よい。元々は小屋泊の計画だったのだが今年の雪の多さとスキーの重さでビバークの確立3割程度と見積もっていたのでなんら問題はない。問題なのは明日の天気だけだ。今日は快晴なので明日荒れると後悔するだろう。ただ予報ではそんなに悪くなりそうではない。

29日 13:45 五峰を登る

五峰を登り切ってまた休憩と休みがちになる。これだとどう頑張っても三峰までは無理そうだ。四峰の3つの尾根が合わさる部分でザックを降ろし雪洞を掘ることにする。

29日 15:50 四峰から振り帰る

四峰で雪洞を掘っていると後から男女二人パーティーが来た。彼らもこの辺でテントを張るつもりのようだ。最初は我々のすぐ近くに張ろうとしたが場所を移動して少し上の稜線の幅が広くなるところに張っていた。

29日 15:50 四峰から見上げる

出発前にスノーソーも装備に加えたおかげで人が入れるくらいに穴が広がるとさくさく作業が進んだ。

29日 16:15 雪洞作成中、バックは杓子岳

雪洞の中にストックを支柱にしてツェルトを張り、入り口をザックで塞ぐ。食事をとってさっさと就寝するがさすがに寒かった。眠れないとうなされていると実はそれは夢でなんだかんだで5〜6時間は眠れた。

30日

朝になって入り口が明るくなってきた。今日も天気が良いかと思ったらガスが出ていて雪が降っている。準備をして一旦外に出たRさんが中に戻ってきて外は寒いと言う。中でアイゼンまで履いて準備をして出発する。いつしか雪はやんでいた。テントの二人は早く出たようでトレースの上に雪が積もっている。雪面にコンロ台の忘れ物が転がっている。ガスで先はあまり見えないが去年の記憶でなんとなくどの辺かは判る。三峰を登り切ると平らな台地になっている。さらに登ると傾斜がきつくなってくる。確実にステップを決めて二峰を登る。傾斜が緩くなって右手に回り込むと最後の斜面が現れた。後ろから声が聞こえていたのだがここで中高年夫婦二人組みが追い付いてくる。去年あった岩は完全に雪に埋もれている。昨日の3人パーティーの竹ぺグの跡があったのでそこで準備をする。右手に亀裂が走っている。掘ってみるがかなり深い。スノーバーでビレイ点をこさえてRさんにビレイしてもらう。50mロープだと足りないので傾斜がきつくなる手前でデッドマンでビレイ点を作成して解除のコール。Rさんへのロープ受け渡しを考え肩がらみでなくビレイ器を使う。Rさんが登ってきたら左にステップを刻んでもらってロープ受け渡し。夫婦二人パーティーは旦那さんが少し下でピッチを切っている。さらに下からガイドが右のラインから追い越しを掛けてくる。ちょっと登ると正面が少し盛り上がっていてトレースは右に巻いている。右にトラバースしながら最後の雪庇はどこかと思ったら目の前に山頂の稜線が見えた。結局ロープを出すまでもなかったという結果となったがガスで上が見えなかったので仕方ない。スタンディングアックスでRさんをビレイ。彼女が登ってくる頃にはガイドのお客さんも続々と登ってくる。山頂で記念撮影をしてさっさと下る。

30日 11:00 ようやく山頂脇の稜線上

白馬山荘は囲いは取れていたが閉まっていた。昨日暗くなってここに辿り付いたらえらく失望するところだった。そのままさらに下ってツェルトを被って準備をする。

30日 12:20 いよいよ滑降

Rさんは颯爽と滑って行くが私は悲惨であった。登山靴でのスキーはビンソン+細板のテレマーク並に私には難しかった。結局横滑りとキックターン+斜滑降で下る。途中一箇所面倒なので板を外し壷足で下る。ジルブレッタの横開放の復帰を知らずに転んだあとああでもないこうでもないと板を外して悩む場面も。傾斜がゆるくなるとシュテムターンでなんとか滑れるようになる。パラレルをしようとしても靴の剛性が足りず回せない。ステップターンだとなんとかなりそうなことは判ったが疲れたのでちょっとやってやめてしまう。

30日 14:20 今日の滑降も終わり

傾斜もなくなりRさんはボードをつけたり外したりになる。それでもかなりの部分滑って猿倉まで降りることが出来た。タクシーが停まっていたので二俣まで利用する。1990円。最後の歩きがなくなってかなり助かった。

END

TOP