立山

2002.04.27〜30


27日 室堂09:10〜雷鳥平10:20、13:26〜剣御前小舎15:00、15:15〜雷鳥平15:50

28日 雷鳥平06:40〜室堂07:25〜弥陀ケ原09:10〜大観台10:20〜上ノ小平12:10〜美女平13:50〜雷鳥平17:20

29日 雷鳥平08:50〜一の越11:10、12:00〜雄山13:15〜一の越14:25、14:45〜東一の越15:30〜黒部ダム17:40

装備 ザック25kg位+スキー5kg位、アイゼン、ピッケル他

GWはスキーをあまり担がなくて済みそうな立山に行こうと思い立った。とはいえアルペンルートの費用はばかにならないと思って少し躊躇していた。とはいえ上高地方面から穂高、槍方面に行くとすればスキーは殆ど背負うことになるしで今年は立山に決定した。登山はあまり本気でやらないことにして、山頂は雄山のみ目指すこととし雷鳥平にベースを張ってまったりしようと計画した。今回も誰も同行者はなく単独となってしまった。

27日AM05:41 扇沢駐車場にて

大町までは山の中を通ると意外に距離はなく沢渡より近かった。有料駐車場は閉まっていたのでターミナル前の業務用の駐車場に車を停めて寝袋にくるまった。夜が明けると有料駐車場の一段下にある駐車場が車で一杯になっている。今更あの中に停めるスペースを確保するのは難しそうだが次来たときはあそこに停めようと思う。駐車場は朝8時からとなっていたがGWだしもっと早く開くかなと思ったら案の定6時頃には開いた。3日分2400円を払い、ターミナルに向かう。

27日AM06:15 扇沢駅窓口上の料金案内板

切符の発売は6:30位からとのことでもう行列が出来ていた。料金を見ると室堂まで往復だと8500円なのに片道だと5460円もする。帰りに黒部湖まで滑り下りようと思っていたがこれではあまりお得ではない。黒部ダムまで往復でそこから片道と窓口のおねえさんに言うと黒部湖から片道を買うように言われ、とりあえず黒部ダムまでの往復を買う。黒部湖から先は手荷物切符を買わねばならないのを予め調べていたので往復を買った人達より出遅れることもないだろう。

27日AM07:01 トロリーバス車内

切符を買って改札口に行くと既に長い列が出来ていた。先に荷物をここに並べておいてから切符を買いに行くのが有利なようだ。見たところボード7割、スキー3割、その他ちらほらといったところだ。若い人は殆どボードでスキーは自分より年代が上の人が多い。最近のBCボードブームで安易なボーダーが多いと言われているが、この始発の列に並んでいる人達はスコップ、ヘルメットなども装備している。荷物は後ろに続くトラックの荷台に入れる。そうしているうちに荷台が一杯になってしまいあとの人は車内に持っていくように言われていた。年配の人は自分の手許に荷物を置かないと安心できないらしくほっとしている人もいた。そんなことをしているうちに車内は既に満席になっていた。

 

27日AM07:37 黒部湖駅ケーブルカー

黒部ダムに到着すると荷台の荷物は係の人が降ろすより先に各自引っ張り出していて、スキー板が転がり落ちたりしている。ここからが黒部ダムを横断して黒部湖駅に向かうがトロリーバスより先は収容人員が少ないので急がないと遅くなる。黒部湖駅では荷物券と一緒に室堂までの切符も買えた。荷物は24kgあるが20kgまでの券を買う。というより自分の荷物の重さをいちいち測っている人はどのくらいいるのだろうか?当然秤が置いてあるわけではない。スキーやボード以外の人達やグループで並ぶのと買うのを手分けしている人達が早く目の前5人位のところで始発には乗れなかった。ここでロープーウェイの整理券をもらう。駅員さんは冗談を交えながら説明をしている。

27日AM07:57 黒部平駅から東一の越〜雄山の眺め、右手前はタンボ平

黒部平では15分くらい待ち時間があったので外に出て帰りに滑る斜面を見に行った。まだシュプールらしきものは見えない。上部が急で先が思いやられる。ボードのグループもここを滑るのか熱心に見ていて話している。

27日AM09:12 室堂ターミナル裏手

室堂には数年前、観光で来たのみでその時にミクリガ池辺りまで行っただけだった。すっかり忘れていてどっちに出ればいいかわからなかった。最初、階段を登って上に出たが、正面からかと勘違いしてまた階段を下りてしまった。外に出てから地図を見て裏手に出なければいけないのが判りまた階段を登って裏手に出た。人が大勢歩いているのでスキーはザックにつける。

27日AM09:12 左から雄山〜一の越〜浄土山

帰りに登る一の越方面を見るともう中腹まで人の影が見える。雷鳥平までのルートは3つあるがどれを通ればいいのか判然としない。現地で見れば検討がつくかと思ったのが甘かった。とりあえず地図上の最短ルートである地獄谷経由で行くことにする。

27日AM09:13 ミクリガ池方面

ミクリガ池への道は革靴やスニーカーの人達も多く、足跡がいっぱいある。スキーも背負ったので荷物は30kg近くなっている。出来れば登りがない方がいいのだが。

27日AM09:27 ミクリガ池温泉付近からの地獄谷、向こうの山は奥大日岳

ミクリガ池温泉から地獄谷方向を見ると急な下りになっている。下ると登らないといけないかな?と思ったがリンドウ池方面は最初が登りだということだけで地獄谷へ下る。

27日AM09:43 地獄谷

このルートはスキー滑降禁止となっている。地熱で所々雪の内部が空洞になっていて落ちると危ないのがその理由らしい。室堂平の左を巻くルートと合流する。合流部手前から雪が融けて2m位の段差になっている。雪も緩んでいるので後ろ向きになってゆっくり下りる。地獄谷をしばらく行くと雷鳥沢ヒュッテに登る道とロッジ立山連峰に行く道とに別れている。やっぱり登りは嫌なのでロッジ立山連峰側に向かう。ロッジ立山連峰脇で雷鳥沢ヒュッテ方向から単独の女の子が歩いてきた。挨拶を交わして少し話したが彼女も初めてでリンドウ池方向を通って来たそうだ。GWは剣御前小舎でバイトだと言う。キャンプ場はすぐ向こうに見えたと教えてくれた。案の定少し登ると斜め下方に見えた。ここでスキーを履いて最後は少し位楽をしようとキャンプ場のすぐ手前まで滑り下りた。

27日AM10:29 雷鳥平キャンプ地

雷鳥平でテント設営にかかる。設営場所は真砂岳寄りの一番テントがまばらな辺りにする。私はテントが隣接するのが好きではないのだが、山以外でわざわざ他のテントと離れて設営してもすぐ隣にテントを張る人がいて迷惑する。とはいえ今回は私のテント付近に張る人はいなかった。もう雪も殆ど降らないし風が雪を運ぶ季節でもないので防風壁は作らない。まわりを見ると立派な防風壁がこさえてある所もある。おそらく誰かが残していったのを使っているのだろう。とはいえせっかく雪上なので入り口前を掘って土間を作る。テントは4割近く値引きされているのにつられて買ったヨーレイカエクストリーム2EXだ。2人用の4季テントであるが、標準のフライシートにスノースカートが付いているので残雪期に最適だろうという選択だ。通常の冬季用外張は防水性がなく雨が降ったらアウトだ。とはいえ普通のテントでも大丈夫であるはずだが。重量は本体のみで3.6kgとかなり重い。縦走で担ぐならまず持ってかないだろう。

27日AM11:32 テント設営完了

テントは本体6箇所と前室4箇所のみペグを雪に埋めて固定して張り綱は張らない。稜線上でもないのでこれでも大げさだろう。帰りにペグを掘り起こすのに苦労しそうだ。スコップは軽量化のためにエキスパートジャパンのねじで留めるタイプをピッケルに付けて使ったが私のピッケルの柄に滑り止めのゴムがないせいもあり、すぐにずれて使いつらかった。周りを見回すと軽量なテントばかりだ。もっと小さいテントで来ているカップルが多い。でも滑ることを考えるとその方が正解なのだろう。後から来た私より年上に見える夫婦のテントがダンロップのV-404と私のよりさらに重いのを除けば緑のエスパースやゴアライト、エアライズなんかが多い。

27日AM11:58 穴を掘ってみる

テントも設営してしまい時間もあるので縦穴雪洞でも掘ってみるかと穴を掘ってみた。とはいえなかなか進まず1時間くらい掘ってもせいぜい墓穴くらいにしかならなかった。おまけに胸くらいまで掘った所で下は堅い氷になってしまった。結構気軽に雪洞を掘るなんて言われているがしっかりしたスコップと適当な斜面を見つけないとかなり困難な作業であることを痛感した。で面倒なのでやめてしまった。とはいえ掘った穴から飲料用の雪を取った。後で判ったのだがトイレに行けば生水は入手可能であった。

27日13:26 出発

時間もあるので滑りに行こうと思い立ったのだが、それにしては時間が中途半端過ぎた。もっと早く出るべきだったのだが元々今日の予定はテント設営で終わりだったのだ。雷鳥荘に向かう斜面にロープトウが設置してあってそこを滑る人もいるが、こんなところに来てまでそれもないと思った(単にお金が惜しいだけ)。雷鳥沢方面に人が多く登っているのと斜度もきつくなさそうなので寝袋や調理器を置いてザックを軽くして出発した。

27日13:26 雷鳥沢途中よりキャンプ地を振り返る

下から見て思ったよりも斜面は急で斜度25度位はありそうだ。シールを使っている人は少なくつぼ足で登っている人が多い。つぼ足より楽なはずなのだが、ペースは変わらない。ザックの中にまだアイゼンやらロープやらいらないものが多いからだろう。ロープは保険で今回持ってきたが1kgの重さは後で持ってくるんじゃなかったと思うことだろう。振り返るとテントが豆粒のように見える。

27日14:21 左と真中の山の間の鞍部が別山乗越

雪が緩んでいてシールが後ろ滑りすることもあり、少しはましになるだろうとスキーアイゼン(クトー)を装着する。テレマークにはこのアイテムは存在しないということになっているが一社から出ていてそれを工夫して使っている。本当は専用金具を使わないといけないのだがそれが高いのでロッテフェラーのテレプレートの幅を詰めて無理やりつくようにしている。このスキーアイゼンも今季以降は輸入しないとお店の人が言っていた。そのせいか破格の3千円で入手できた。アイゼンの歯が刺さる感触は希薄だがそれでも抵抗になるせいか楽になる。斜度はきついところで27〜8度といった所だろうか。やや肌寒くなってきたのと下の方にガスが出てきたので無理しないで下りようかとも思ったが、上には小屋もあることだし頑張って行こうと思い直す。登る人よりも下りてくる人の方が多くタイミングの遅さを痛感する。遠く前方には人が見えて後ろを振り返っても登ってくる人は見えない。上からボーゲンで単独の女性が滑り下りてくる。誰もいなかったのでつい挨拶をする(今回は人が多く山ですれ違ったら挨拶するというよくある習慣は殆ど見られなかった)。初心者なので剣沢上部を滑って戻ってきたと言う。とはいえ安定した滑りで下りていき見えなくなる。

27日14:52 別山乗越直下の雪の切れる場所にて

だんだん傾斜がきつくなると先に休んでいる人が多く見える。これでビリだったのがそうでなくなるので一安心した。単独で誰もいないところに行くとマイペースなのだが人がいるとどうも周りを気にしてしまう。後半の急登の後はややゆるくなって右にトラバースしていく。あきらめて休んでいる2人組みの所に戻ってきた人が登りは大変だけど下りはあっというまだと言うのを聞いて3時頃までに上がれば問題なく下りれると思った。トラバース状の登りになると右が落ちた斜面になるので先行者のトレースを辿る。小屋も近くに見えてきて小屋手前30m位の所で雪がなくなっているのでそこにスキーとストックをデポする。

27日15:02 別山乗越から剣沢を望む、剣岳はガスでよく見えない

岩の上をしばらく歩くとすぐに別山乗越に着く。今回は滑らないが反対側の剣沢を覗く。少し登った所から下り斜面のようだ。剣岳方向はガスが出ていて不明瞭だ。寒くなってきたのでとりあえず小屋に入ってコーヒーを頼む。1杯500円だ。ビスケットが一枚付く。そういえば朝会った女の子はここでバイトすると言っていたっけ。とはいえ姿は見えない。かなりぼろい小屋で剣岳に登るのでなければ下の雷鳥荘とかに泊まった方がいいだろう。とはいえ稜線上の小屋はこんなもんだと思うが。

27日15:15 剣御前小舎

周りの人達も出発の準備をし始めだんだん人気が少なくなってきたので出発することにする。

27日15:29 雷鳥平を下に望み滑降開始

一時はガスが出ていたものの今は下のキャンプ地まで視界が効く。コースは沢の中を通るコースもあるが、登ってきた方向を目指す。ボードを担いだ人達は沢の方を目指している。

27日15:40 中央にキャンプ地が見える

荷物が軽いのと初日ということもあり軽快に滑り下りる。とはいえゲレンデを滑るよりはかなりゆっくり滑る。雪は重くもなく滑りやすい。BDのアークデーモンは私にとって丁度よい。欲を言えば170ではなく180にしておけば良かったくらいか。雪の状態といい、斜度といい殆どゲレンデと変わらない。

27日15:42 滑ってきた方向を振り返る、中央上が別山乗越

一時間半もかかった登りも滑ると20分で下りてきてしまった。日が長いのでまだ暖かい。

27日15:52 キャンプ地着

最後は雷鳥平に向かって少し登りがある。スキーを外して手に持ってゆっくり登る。ここは雷鳥荘側の斜面を除けば周りを山に囲まれているにもかかわらず一段高くなっているので雪崩の危険もない。とはいえ冬場にはこのテント場下の雷鳥沢側で雪崩事故が過去に起きている。

27日17:46 夕食準備

疲れたので早々と夕食にする。日が傾くと一気に寒くなったのでテント内でお湯を沸かす。水は明日の行動用にも必要なので雪を融かす。アルファ米2食分にレトルトカレー2食分を食べる。最近後片付けが楽なのでこの組みあわせばかりだ。19時を回ったくらいでさっさと寝てしまう。とはいえ何度も目が覚める。そんなことを繰り返しながら4時頃になったので起きることにする。

28日AM05:07 翌朝の気温

夜中はそれほど寒くはないような気がしたが明け方は放射冷却のせいか一気に冷え込んだようだ。寝袋を厳冬季用にしておいて良かった。重量の関係でー7度までのにしようかと思っていたがそれでは寒くてよく寝れなかっただろう。テントの外の気温を測ると氷点下8度である。

28日AM06:38 出発

カップラーメンを食べたりとゆっくりしていたらすっかり日が昇ってきてしまった。室堂までは登りなのでスキーはザック横に取り付ける。シールで行けるルートもあったのだがこの時は行きに通った地獄谷を経由していくつもりだったので担いで行った。

28日AM07:23 室堂ターミナル着

室堂ターミナル付近は人が多い。まだ扇沢方面からの始発は来てない筈だが宿に泊まっていたであろう人達で賑やかである。ターミナル脇ではアイゼンを装着している人もいる。スキー、ボードが圧倒的に多いが登山のみの人もそれなりにいる。

28日AM07:58 ターミナル脇を少し登って滑り始める

ガイドブックの通りバス道の左側に出る。同じ方向に向かう女性がいたので聞いてみると弥陀ケ原までは行ったことがあるが美女平までは行ったことがないという。ルートが見通せるところに付くとトレースもあり棒も立ててある。それとは別にスラローム競技用のポールも立っている。これなら迷うこともないと思う。先ほどの女性は上の方をトラバースしていく。おそらく下の方を滑ると平らか登りになってしまうところがあるのだろう。まあテレマークなのであまり気にしないことにする。他に同じ方面に向かう人はなく浄土山や室堂山の斜面を登る人が多い。

28日AM08:06 室堂ターミナルを振り返る

斜面は片斜面でまだ雪が堅くつらい。ひたすらトラバースの連続だ。先ほどの女性は明らかに上手い。私がへたくそなのを見てかしばらく進むと止まってくれているようだ。天狗平で斜面の幅が広くなり天狗平山荘の方向にもシュプールがある。そちらに私が滑りかけると件の女性は斜面の上の方を先にトラバースし始めた。暗にそっちではないことを教えてくれているようであった。

28日AM08:11 下にバス道が見える

天狗平を過ぎると左の斜面は一段と急になり転べば右下に滑落しそうだ。無理をせず休み休み行く。こんなルートでは好んで来る人は少ないのは当たり前だ。ボードだったら片足で漕がないといけないだろう。

28日AM08:22 延々と続くトラバース

ひたすらトラバースの連続で革靴であることがきつい。足首に負担がかかる。やっぱりいずれ山スキーにしないといけないかと思ってしまう。先行する女性は余裕で所々で止まりながら滑っていたがとうとう先に行って見えなくなってしまった。おそらくそろそろ安全地帯なのだろう。

28日AM08:30 先に見える尾根を下るようだ

前方に尾根状の地形が見える。おそらくあそこを下るのだろう。バス道は遥か下を通っている。

28日AM08:32 まだまだ続くトラバース

近くに見えるようでもまだまだトラバースが続く。これであの尾根を下って弥陀ケ原で終わりだとかなり損した気分になりそうだ。

28日AM08:37 やっと樹林帯に入る

ようやっと足首に負担のかかるトラバースも終了して樹林帯に入る。

 

28日AM08:38 来たルートを振り返る

振り返るとトラバースしてきた斜面のきつさがよくわかる。

28日AM09:11 弥陀ケ原着

樹林帯を少し滑ると建物が見えてきた。このコースで滑りを楽しめるのは私にはこの最後の部分しかなかった。下りきった所が雪がなかったので板を外して坂を下る。下からわかんをつけた女の子が登ってきた。むこうでは連れの男性がわかん装着をしている。道路を渡って向こう側に行くとバスの切符売りのおばさんがどこまで?と聞いてきた。美女平までスキーで行くと言うと雪が少なくて行けないと言う。全く行けないのかと問い詰めると向こうに行ってしまった。斜面を少し登ると「美女平へのスキーでの下山はご遠慮ください 立山開発鉄道株式会社」という看板が立っている。行けないという見方もできるし、バスに乗せようというようにも見える。まあ行けるところまで行ってそこから戻るか、美女平に徒歩で下ればいいだろう。

28日AM09:24 道路反対側、正面は奥大日岳?

斜面を少し下った所でスキーを付ける。ここなら死角なので注意されることもないだろう。振り返ると奥大日岳が見える。ここからは斜面の幅が広く快適である。とはいえ殆ど平らなのでつまらないと思う人は多いだろう。バス道を左に見ながら下っていくが次第にバス道が尾根状になってきて左右が落ち込むようになってきた。とうとう先でバス道の脇の雪の幅が1〜2mしかなく、かつその下の雪が融けてなくなっている所が見えた。あの上を通ると雪が崩れそうだ。とはいえ道路を歩くのも嫌だったのでその下をトラバースした。とはいえ下ってしまったため、コースに戻るには登り返さないといけない。

28日AM09:34 トラバース後この壁を登る

板を外して背負い、ストックをピッケルに持ち替える。雪は腐っていて登りにくい。

28日AM09:34 右上がバス道だが上部の雪の状態を見て脇をトラバース(振り返る)

上の写真の右上の木の向こうはバス道である。少なくともこの時点で弥陀ケ原のおばさんの言ったことは正しいのが証明された。とはいえ登り終えるとまたスキーを履いて滑り始める。斜度は殆どなく漕がないといけなかったりする。

28日AM10:10 ここはまだ幅が広い

弥陀ケ原までのトラバースではテレマーク板+革靴をうらめしく思ったが、ここではそのおかげで助かっている。幅の広い樹林帯もいつしか称名の滝側の右手が切れ落ちて幅が狭くなる。

28日AM10:17 大観台

夏道の板張りが覗いているところがあり、地図(25000分の1)によると大観台のようだ。先は小山もあるのでここら辺で道路の反対側に行くのであろう。道路脇に駐車スペースがあったのでそこで休憩してカロリーメイトを食べ水を飲む。

28日AM10:42 大観台からの眺め

「山スキールート図集1」のコピーと地図を見比べさらにGPSのデータを見ながら本当にここで対面に渡っていいのだろうかと思い直す。一応大観台に戻ってみる。バス道と谷との幅も殆どなくさっき見た反対側の方が滑り安そうに見える。ちょっと引っ掛かるものがあるが道路を渡って反対側でスキーを履く。

28日AM11:07 道路反対側をしばらく滑ったところ

最初は広かった幅も左が落ち込むようになり滑りにくくなる。木々も疏でなく落ち葉や枯れ枝が多く滑りにくい。とうとう左が切れ落ちるだけとなってしまったのでバス道に出ることにする。

28日AM11:22 スキーを外し道路を歩く

スキーを手に持ってしばらく道路沿いを歩く。地図によれば左が切れ落ちているのは少しだけのようだ。少し歩いてまた道の脇を登る。バス道はつづら折れに右下に下りこちらの尾根との間が谷になっている。このままこの尾根を下りながら右の谷に下りればいいように考えていた。現にガイドブックのルート図もそうなっている(後で判明するのだがそれはもう一つ先の似た地形の所)。

28日AM11:28 上ノ小平付近からまたスタート、眼下にバス道その手前が谷状

滑りやすい尾根上をそのまま行くとバス道も見えなくなってしまうので右寄りをなるべく滑る。右の谷はますます深くなってどうにもこちらから合流できそうにもない雰囲気である。駄目なら戻ればいいかと思いつつ滑る。

28日AM11:42 スキーを外して様子を見ると

前方が沢状に急な下りになっているのが見えてこりゃだめだと思い板を外す。歩いて覗くとすぐ向こうで雪が切れ、どこまでも下に下っている。

28日AM11:42 戻ることに決定

どこかで間違えたということがはっきりしたので戻ることにする。板はザックにつけて自分のつけたトレースを辿る。

28日12:11 上ノ小平付近

あまり急な斜面を下らなかったせいもあり、大して労せずして元の場所に戻った。気が抜けてしまったのもあってあとはバス道を歩くことにする。

28日 GPS軌跡(大観台より手前はメモリ不足のために消失)

上の図が今回の軌跡であるが、本来のルーとは大観台から上ノ小平までをバス道右手を進み、最後に滑り始めたバス道のカーブの一つ先のカーブで道路に出、そこから道を横断して私が滑った尾根とバス道の間の谷に滑り込むものだった。帰りにバスから見ると最後に滑り始めた地点からバス道に沿って戻るように滑ればやや急だが谷に滑り下りれなくもなさそうだった。さらに上ノ小平と下ノ小平にほぼ相似形のカーブがあったことも勘違いの原因だった。さらに25000分の1地図の境目だったのも災いした。とはいえ歩き初めてすぐにバス道脇の谷には簡単に下りれそうと判っていながら谷の中は落ち葉がたまっていたのでもういいやという気持ちになっていた。

28日12:39 滝見台から見る称名の滝

道路はバスがひっきりなしに通っている。先のヘアピンカーブ手前でバスが2台止まっている。対面のバスをやり過ごすために待っているのかと思ったが、乗客に道路からの景色を見せるため寄せて停車しているのが判った。バスの脇を通り抜けられそうになかったので反対側に渡ってバスの停っていた所に行く。滝見台と言ってここから称名の滝が見えるようだ。遊歩道の板張りがあるのでここからしばらくバス道を歩かず遊歩道を行く。とはいえ雪で所々埋まっているのはいいとしてスキーが枝に引っ掛かり歩きにくい。少し行くとバス道に出れたのでまた道路脇を歩く。

28日13:23 夏道(遊歩道)が車道を横断する箇所のベンチ

山と高原地図のCTで美女平への時間を見積もって2時間位と思っていたのだが、この時間は遊歩道の時間なのでバス道を歩くともっと早く着きそうだった。バス道脇にベンチがあり、反対側に遊歩道が続いている。地図の「車道横断/ベンチ」とすれば美女平までは30分かからないだろう。

28日13:44 本来雪があればここはコースなのだが

しばらく歩くと向こうからカップルが歩いてきた。おそらく美女平から歩いてきたのであろう。格好からして散策のようなので美女平まではあと少しだと伺える。この辺りはバス道の右は谷になっている。ここまで下りると雪は全然ないのであるがもし雪があればこの上を滑るのだろうか?右に落ちるとただでは済まなさそうである。

28日13:48 美女平着

ようやく美女平に到着した。切符を買おうとターミナルに向かうと人が沢山いる。ピッケルやらスキーやら担いだままで入っていったので呼び止められてしまい、案内されて別の場所で切符を買うことができた。登山者の場合はこんな時は有利だ。バスに荷物を載せる時に荷物券を購入したか聞かれた。まだだと言うと向こうで用意してくれその場で300円を払った。荷物の積まれたバスに乗ろうとすると止められてしまい、次のバスに乗ることになってしまった。改札を済ませてからでないと乗れないようだ。14時発のバスに乗ったが周りは中国?の人達ばかりだった。さっき見た称名の滝の所で前の人がカメラを構えているのだが違う方向を見ている。日本語の説明しかないのでわからないのだろう。指を差して教えてあげると、さっきまで左で居眠りしていた人が察してカメラの人に話しかける。その人にお礼を言われてしまった。言葉はわからないが同じ東洋人、お辞儀をするのは同じである。これが西欧の人だとこっちだけ頭を下げたりすることになってしまう。

28日14:44 室堂着、大谷ウォークで人がいっぱい

スキーで滑った時間よりよっぽど早く室堂に戻れた。室堂手前で車線を片側だけにして、半分を大谷ウォーク用に開放している。すごい人出である。雪の壁は高いところで16mある。バスを下りて先に着いた荷物を回収して室堂ターミナルに入る。殆どラッシュアワーの駅構内にいるようである。テント場なんかが比較的空いているので今まで実感できなかったがやはりGWである。

28日15:31 ミクリガ池

雪を融かすのに燃料を浪費したくなかったので室堂ターミナルトイレで水を汲む。ターミナル内のトイレは1階は非常に込んでいるが階段途中の2階にあるほうはそれに比べ空いている。まだ時間、体力共に余裕があったので帰りはミクリガ池温泉から雷鳥荘へのルートを取ることにする。昨日はミクリガ池を見てなかったなと思ったら殆ど雪に埋もれていた。

28日15:42 正面の露岩左に雷鳥荘が見える

ミクリガ池温泉右手を少し登ると下に雷鳥荘が見えてきた。雷鳥荘の手前で再度登りにはなるがそこまでここから滑れそうである。斜面が急なので夏道沿いに右に滑っていく。下り始める部分で前を行くカップルが雪に足が埋もれるせいか躊躇している。見ると布製軽登山靴にスパッツなしである。とはいえ室堂からミクリガ池の間は普通の靴の人も多いのでその装備で行けないこともない筈である。40L位のザックを担いでいるので山に登りに来たようにも見えるがそうでもなさそうだ。すぐ下にジリセードの跡が2本あり、下の方で傾斜も緩くなっているのでおしりで滑り下りれますよと教えてあげた。私はいつも防水のズボンを履いてないことが殆どなので自分ではやってないのだが。右に下りると登り返しが長くなりそうなのでここでキックターンで方向を変えて斜面を斜滑降で下りていく。下まで来て板を外した頃に先ほどのカップルの女性の叫び声が聞こえてきた。2人とも問題なく下りれたようだ。振り返ると今下りてきた斜面の右手上部、殆ど崖のように切れ落ちているところにもシュプールが沢山ついている。それに混じって足跡もある。誰かがダブルアックスで登ったのだろうか。

28日15:56 雷鳥荘からキャンプ地を見下ろす

少し登ると雷鳥荘前に出た。反対側を見下ろすとテント場が見える。あとはここを滑り下りれば今日も終わりである。ここの温泉は入浴だけもできるようなので、温泉につかることにする。カウンターで貴重品を預け500円の入浴料を払い下の浴場に行く。浴場はあまり広くなくシャワーも2基しか付いていない。あまり人は入っていないのだが湯船が狭いせいか混んだ感じがする。

28日16:44 風呂上りの生ビール

湯上がりに売店で飲み物を買って飲もうとペットボトルとお菓子を手にレジに行くと生ビールのジョッキが目に入った。迷わず700円のそれを頼む。酔っても滑るのはあと少しだ。冷えててとても旨い。濡れた頭も乾いてきた頃に重い腰を上げて外に出る。

28日17:14 キャンプ地は目の前だ

17:10に板を付けて滑り出す。日が長くなったのでこの時間でもまだ寒くはない。とはいえもう滑っている人は殆どいない。

28日17:20 帰着

テントに戻るとフライシートの裾にかぶせていた雪はすっかり融けていた。テントの中の物は乾いているかと思っていたが湿気が多いせいかあまり乾いていない。夕食の支度をしているうちに日が傾いてきて気温は一気に氷点下になっていく。この日も食事が終わるとさっさと8時頃には寝てしまった。

29日AM04:47 翌朝の気温

4時過ぎには辺りも騒がしくなってきたので寝袋から抜け出す。気温は氷点下10度。今日はテントも撤収するので時間がかかりそうだ。このテントは噂通り結露が激しく今朝はインナーの内側にびっしり霜が下りている。同条件で比較している訳ではないので断言は出来ないが、ダンロップの方が通気性がよくインナーの結露は少ないと思う。周りではすでに出発している人もいる。

29日AM07:41 テント撤収

埋めたペグを掘り起こすのに手間取っているうちにすっかり日も昇り暖かくなってきた。おかげでテントが乾かせる。あまりゆっくり出ると後半で余裕がなくなりそうだがこの時点ではあまり深刻に考えてなかった。ここに着いてから一度も行ってなかったトイレに行ってみた。出る前に見たある人のホームページではGWに雪で埋もれて使えなかったと書いてあったこともある。しかしながらちゃんと使えるようになっていてここに幕営料を入れる箱もある。2日分1000円を入れてトイレを使う。水も生水だが出ていて失敗したと思う。トイレは水洗だが今の時期は使用後にばけつで水を汲んで流すようになっている。

29日AM08:54 出発、先行者2人が見える

9時近くなってしまったが一の越まで2時間、雄山往復で2時間見れば遅くとも午後2時までには滑り下りることができるだろうと判断した。その時間なら雪も一番緩んでいるだろうし大丈夫であろう。一の越に向かうルートは最初少し下っているが最初からシールを付ける。登りが急になる手前でスキーアイゼンを付ければいいだろう。前に先行者2人が見える。下りはシールの抵抗で殆ど滑らない。交互にスキーを前に出しながら進む。

29日AM09:13 正面は龍王岳、一の越は左の山影にあって見えない

登りがきつくなる前にスキーアイゼンを付ける。そうしているうちに先行者2人は大分先に行ってしまう。シュプールにつられ左の斜面を登り過ぎてしまうがスキーアイゼンが効くので問題なく進む。今日はテントもあるので荷物が重い。この時点では23kgはあったはずだ。前を行く2人が休憩していたので追い付いた。私よりやや下方を通っている。2人のうち先行する人は後ろの人を待ちながら登っていて、後ろの人が遅れがちなようだった。私は殆ど直登していたのだが前の人がじぐざくに登るので追い付いてしまった。すぐ上を行くので絡まるのを避けてやり過ごす。雪が緩んできて横滑りしやすくなってきたのでトレースづたいに先行者に付いていく。前の人は私に追い付かれたせいか頑張り始めて少し離れていく。

29日AM11:10 一の越到着

一の越山荘が見えてきて傾斜も緩くなってきたが、最後の鞍部に出る手前だけが急になっている。山スキーの女の人が何度も転んでいる。スキーアイゼンもなくどう見ても無理そうなのだが、斜登高せずに直登しようとしている。仲間が上で見守っている。私の方は最後の1m位で無理っぽくなったので右にななめに登る。この時目の前を雷鳥が横切ったのだがカメラを出すと下に落ちてしまいそうなので我慢する。後ろから女の子が追い付いてきてほぼ同じタイミングで登りきった。見るとスキーアイゼンも付いてない。

29日 雷鳥平〜一の越GPS軌跡(受信状態により一部欠け)

一の越までのルートはやや山寄りを通っていた。とはいえトレースはほぼ夏道に重なっている。一番歩きやすいところに道が自然に付いたのかトレースを付けた人が夏道を覚えているのか?

29日AM11:14 室堂方面をバックに

さっきの女の子がすぐそばで休憩しているのでシャッターを押してもらう。スキーアイゼンもなしによく登れるものだと思い、どこのシールを使っているかと尋ねたらアッセンションとのことだった。色が紫なのでナイロンだろう。仲間は下にいるが一人でここまで登ってきたと言う。GWはホテル立山でバイトだそうだ。これから黒部湖へ下りるという。

29日AM11:15 雷鳥が横切る

さっきの雷鳥がまたそばに来た。慌ててカメラを構える。実際にははっきり見えたのだが写真を撮るとこんなふうになってしまう。

29日AM11:57 雄山を登る前に御山谷方面をのぞむ

御山谷の斜面は滑りやすそうであるがタンボ平に行くには左にトラバースしないといけないそうだ。シュプールの先は岩場になっている。とりあえず雄山山頂に向かうことにする。スキーとテントをここにデポして登り始める。テントを抜いたとはいえまだ重くいやになってくる。片手にピッケルは持つがアイゼンはザックの中である。軽装で下りてくる中高年もいるのでおそらくアイゼンは必要ないのだろう。少し登ると腐った雪で埋まった所に出た。上から女の子が降りてくる。アイゼンを付けていたのでこの先の雪の状況を聞いたがここが一番多いとこらしい。雪が終わったところでアイゼンを外しにかかっている。連れは山頂から滑り降りてしまったらしい。

29日13:15 雄山神社、左手前が一等三画点

どうにもペースが上がらずこれではCT2割増は避けれない。もう登っている人も少なく、これからさらに黒部湖まで下りることを思うと気が重い。とはいえせっかくここまで来たのに山頂を踏まない訳にはいかないと思い遅々としたペースながら登っていく。山頂の神社が見える辺りで鞍部になっている平坦地があったのでここでザックをデポしてしまう。上から下りてきた女の人がここで待っていた仲間に近いけど5分で行けると思った程ではなかったと言うのが聞こえた。見上げると感覚的に5分位に見えるが、経験的には15分くらいだろうか。肩の荷が下りたせいか軽快になりほどなく三角点の所に到着した。神社はまだ雪で埋もれていて人はいないようだ。

29日13:15 祠のある3003m山頂

すぐ向こうに3003m山頂が見える。雪で埋もれた鳥居の脇を進み山頂に到達する。

29日13:20 山頂から奥大日岳方向、テントが豆粒に見える

来た甲斐があると思わせる程の素晴らしい眺めが展開する。

29日13:20 山頂から御山谷方面の眺め、槍ケ岳も見える

遠くに槍が岳も見える。「Rock&Snow Bookスキーツアー」ではここから御山谷に滑り込めるようなことが書かれているが私は御免被りたい。さらにその本では御前谷もエキスパートコースと書かれているがつい先週女性が滑落死していることを考えるとこの本も罪なものだと思う。この本を持ってはいるが地図を持っていないスキーヤーやボーダーが散見された。

29日13:21 下に黒部湖、正面は後立山連峰

29日13:21 山頂の祠

29日13:23 大汝山への稜線

29日13:24 山崎カール方向

山頂には2グループ4人いた。そのうち2人はスキーではなく稜線を縦走してきたそうだ。もう一組のカップルはスキーのようだ。男性二人組みの後について下る。むこうは20kgはあろう荷物を持っているがけっこういいペースで下りていく。ザックデポ地点でザックを回収しているうちにずっと下に行ってしまった。ここでもう一組の人達にも抜かれてしまった。下の方では中高年夫婦がゆっくり下っている。これから山頂を目指す果敢なボーダーも登ってくる。一の越山荘が真下に見える頃にはさっきの男性二人組は休憩を終えて室堂方面へ出発している。

29日14:24 一の越に戻り雄山を振り返る

一の越に下りてきた時にはすっかり人気がなくなっていてさっき山頂で見たカップルが黒部湖方面に降りるだけのようだ。話しを聞くとそこそこ歩いていかないといけないらしい。男性の方はスキーで女性はボードだ。二人とも結構慣れている雰囲気だ。後から来た3人組みが先に滑っていった。男性の方は斜滑降で滑っていく人達を見てもったいないなと言っていた。その人は滑れるところまでは普通に滑って途中から横にそれるつもりのようだ。

29日14:43 これから滑る東一の越方向

室堂方面から若いカップルが登ってきた。この人達も黒部湖に向かうつもりらしい。とはいえ地図も持っていないそうだ。途中まで一緒に行こうと言って同行することにする。

29日14:50 しばらく滑ったところから、赤線で示す方向にトレースが続く

滑り始めたがさすがに疲れがたまっていてヒザが笑っている。帰ってから測ったがこの時点でザックはまだ22kgあった。私の実力では到底まともに滑れない。右は急な斜面で転ぶと下まで落ちそうだ。休み休み滑っているとさっきの二人が追い付いてきてしまった。雪が切れるところではさっきの男女がザックにスキーを付けているのが見える。

29日15:04 雪が切れて、夏道沿いを歩く

ここからしばらくは歩きなので私もスキーをザックにつける。ボードの二人組には先に行ってもらう。道は殆ど平でやや下っている感じなのでたいしてきつくはない。とはいえ荷物、体重込みで100kg近くあるので雪を踏み抜かないようにゆっくり慎重に歩く。雪は緩んでいて支障はないが片足に100kgかかった時点で崩れると谷底に真っ逆さまだ。

29日15:21 東一の越が見えてくる

前方に東一の越と思われるところが見えてきた。この辺りまで来ると雪渓の横断をスキーで行ったらしきシュプールもありかなり歩きやすくなる。

29日15:28 東一の越到着

東一の越に付くと先行のスキーとボードの男女が滑り降りるところだった。ボードの2人連れはここで待っていた。滑り降りていくらもしないうちにロープーウェイ脇のタンボ平を滑っていくのが見える。時間も時間なので2人にガイドブックのコピーを見せ、コースを説明して先に行ってもらう。彼らは最終に間に合わないと大変である。私はすでに黒部湖辺りでテントを張ることを考え始めていた。

29日15:29 彼らは先に出発

ボードの二人は滑り出すとあっという間に見えなくなった。

29日15:40 いよいよ滑降(滑落?)開始

いよいよ私も行かないとと思いスキーを履いて滑り出す。とはいえ横滑りでずるずると落ちていくだけだ。右手の日の当たっている斜面に向かいそこで下ったのだがいい加減足が疲れてきたので尻をついて尻とスキーの3点支持で滑り落ちていく。滑落しないよう少し落ちては止まりを繰り返す。ようやくゆるい所まで降りてきた。

29日16:08 傾斜が緩くなった辺りで、眼下に黒部湖が見える

斜面はまだ雪が柔らかいが左手からのデブリの跡があって滑りにくい。融けた状態から見ると結構時間は経っているようだが気味が悪い。丁度いい斜面のはずなのだがもう踏ん張りも効かなくこけまくる。この辺りだと雷鳥沢より斜度はないように見えるのだが。

29日16:08 滑ってきた方向を振り返る、中央から滑り下りてきた

ようやっとデブリもなくなり写真を撮る。後ろを振り返ってもう1枚撮る。ロープーウェイはまだ運転している。ロープーウェイから見られているかと思うとあまりこけたくない。とはいってももうこけてばかりである。スキーが引っ掛かるとザックが振られて頭の上を飛び越しそうになる。時計を見ると5時が近い。確かめてなかったが最終は5時台なのだろう。

29日16:30 黒部平駅は右手の林のすぐ向こう、正面にケーブルが見える

黒部平駅側に寄りすぎたらシュプールがなくなってしまった。右へ右へと滑っていくとシュプールを見つけたのでそれを辿ると本来のルートらしき所に出た。この辺りから樹間を滑るようになる。斜度はきつくないのだがもう全然まともに滑れない。割りきってボーゲンで行くが幅が狭い所も多くまだこける。

29日16:44 斜度がきつくなったのを見てさっさと板を外す

尾根筋は緩いかと思ったらいきなり急になったのでスキーを脱いでしまう。これなら私の場合歩いた方が早い。

29日16:54 少し下ると稜線伝いは斜度は緩い

左の急な方にもシュプールは刻まれているが、少し行くと尾根伝いに斜度がきつくないルートがあった。とはいえもうスキーを履く気力もなく、しばらく進んでから下方に湖面が見えたのでシュプールのある方向に真っ直ぐ下り始めた。雪は腐っていてそれほど深く潜ることもなく、かつ滑ることもなく歩きやすい。荷物は重いが下りなので苦にならない。

29日17:15 手前左の踏み跡が夏道

湖面の手前で夏道に出た。あとは湖畔を歩くだけだ。

29日 一の越〜黒部湖GPS軌跡(受信状態で中抜けあり、スキーを外した所で電源オフ)

GPSの電源はスキーを脱いだ所で切ったがそこから真っ直ぐにカール状の所を降りてきた。ただこの中心では沢の水音がしていたのでやや右寄りにコースを取った方が安全だろう。とはいえ私が次にここをスキーで通れば迷わず半島の先を目指すだろう。

29日17:17 すぐに雪はなくなる

道は左が石垣になって雪はなくなった。ここから走っていれば間に合ったかもしれないが、すでにこの時点であきらめていた。

29日17:21 黒部ダムを望む

黒部ダムが見える所で左に吊橋が見える。間違ってこの上にでてしまうと怖いだろうと思う。遠くでスピーカーから女性のアナウンスらしきものが聞こえる。おそらく最終便の案内なのだろう。

29日17:35 中央の疎林部分を下りてきた

ダムの真中で振り返ると降りてきた斜面が見える。ここからでもシュプールが認められる。

29日17:40 時既に遅し、とはいえ到着

一応着いたが閑散としていて人っ子一人いない。トンネルに入って駅を目指すが、駅の階段は電気が消えていて足元が見えない。案の定鍵が掛かっていて中には入れない。最終が35分というのが見える。とはいえ間に合ってもさらに扇沢から車を運転して帰るのを思えばここで一泊するのに後悔はない。

29日18:33 結局こうなる

天気は悪くないのだが予報では夜には雨というのを思いだし売店の軒下にテントを張る。こんなことをして注意されないかと思ったが誰一人として人は通らなかった。とはいえ向こうに明かりの点いている窓があり人がいない訳ではなさそうだ。水は破砕帯の水とかいうのがふんだんに出ているので喉を潤す。ジーフィーズの中華丼がまだ残っていたのでそれで夕食にする。ここは室堂と違い随分暖かい。シュラフカバーだけでも寝れそうな気がする。とはいえ朝冷え込むといけないので寝袋も出す。とりあえず横になったが10時前に目が覚めたので天気図を付けてみる。10時を回った位に外で雨音が聞こえてきた。低気圧が日本海側から接近しているらしい。3日も晴天が続いて幸運だったと思う。またテントをこの場所に張ったのも幸いした。ここからならトンネルまで10mもない。

30日AM06:29 翌朝の気温

翌朝は迷惑にならないようにと5時には起きだして撤収の準備をする。これでも昨日より1時間遅い。まだ雨は降り続いている。気温は9度と雷鳥平とは全然違う。

30日AM06:35 天気は雨模様

7時前にはトンネルに向かう。トラックが行ったり来たりしている。環境を考えてトロリーバスとなっているが、仕事の車は普通のディーゼル車である。まだ扉は閉まっていた。始発は8時過ぎないとないようだ。それでも下からの始発が7時発だから待っていればもうしばらくで開くだろう。

30日AM07:30 ようやっと駅に入れる

7時を回ると中に人の姿がちらほら見えだした。とはいえここを開けてくれそうな人がいない。そのうち駅員の制服を着た人が見えたのでこの人が開けてくれるだろうと思ったらそうだった。

30日AM07:33 登りの始発は8時以降

時間があるので足早に通り過ぎてしまい見てなかった展示物を見る。旧日電歩道の写真もある。いつか行ってみたいと思っていたところだが、この写真の当時のままなら行きたくないと思わせる。単に崖に丸木1本をワイヤーで固定しているだけなのだ。昔はこれを歩いて荷物を運び、よく人夫が谷底に落ちたと「高熱隧道」に書かれていたっけ。そうこうするうち扇沢からのトロリーバスが到着したらしく人が沢山出てきた。ボード、スキーの人達も多いが今日は半分くらいがツアーの中高年のようだ。黒部ダム横断を心得ていてすでに合羽を着ている人もいたが殆どの人は何も準備していない。

30日AM08:05 室堂からの接続はなくがらがら

人々がいなくなってまた閑散とした頃に改札が始まった。室堂方面からの接続はないので乗客は私一人である。

30日AM08:12 単線なので交換所の赤信号

ここは単線なので途中入れ換え信号がある。反対側には順次トロリーバスが並び4〜5両になっている。青になって進み始めると反対側のトロリーバスは満員だ。最後尾の車両から運転手さんはタブレットを受け取ると加速した。

30日AM08:22 扇沢到着

ほどなく扇沢駅に到着した。運転手さんは荷物を降ろすのを手伝ってくれた。

30日AM08:24 トロリーバスの後姿

駐車場に戻ると今日も下の無料駐車場は満車状態だが有料の方はがら空きである。しっかり1日延長分800円を徴収された。

今回のチケット

今回の交通費は扇沢〜黒部ダム往復2200円、黒部湖〜室堂4200円、同荷物券(〜20kg)400円、同スキー400円、美女平〜室堂1660円、同荷物券300円(写真なし)、扇沢駐車場800円×4。

燃料消費量 115g(ガス250g缶)

今回は最後の黒部湖への滑降を帰りの交通費を浮かすためのおまけのように考えていたが、ここが一番メインとなってしまった。テント生活はアメリカンサイズ2人用を一人でゆったり使えたがこれが仇となってしまった。スキーメインの時は一人用テントが最適であろう。今回滑ったルートはいずれもガイドブックでは中級者コースとなっているがスキー場で言えば上級者コースを滑れる技量(形は問わず)が必要である。初心者を連れていく場合には雷鳥沢以外はお勧めしない。

END

TOP