榛名 黒岩 フリークライミング

2006.09.23〜24

23日 つる 5.11b(右のライン)

23日

最近はフリーに行っても初心者時代の宿題を片付けたり、そのエリア初めてという人を岩場に案内する目的で既に登れているルートにトライすることが多く自分としては練習という域を越えるクライミングはしばらくしていなかった。

今回は初心者時代にTRでやらされたフリーらしいルートで当時まったく歯が立たなかったのを週末2日で片付けることが出来たのでそれをまとめてみる気になった。この2日は私のフリークライミング最良の週末だった。

つる 5.11b RP

「つる」は黒岩入り口正面の右側カンテを登るルートである。クライミングを始めて3ヶ月程度の頃にTRでやらされて不可能と思ったルートであった。ただいつかそのうち登ってやると思っていたのだがインドアのグレードが最低でも11bになるまではトライするのも無謀と触ることなくやっと04年辺りから触り始めた。とはいえ単発で行くことが多く年1〜2回の黒岩行きでは片付けるチャンスは来なかった。

今年はそろそろ落とせるだろうと思い、4月に行ってみたが雨が降った後に乾くのを待って触ったが、まだ岩が冷たく1ピン目敗退を喫した。まあいいやと思いつつ秋になった。3連休は縦走の予定を立てていたが天候がイマイチで中止としたが土曜日が暇になった。金曜に行ったジムでKさんにボルダーでも行かないかと尋ねると「あひる(11c)にトライしたいので黒岩行きましょう」という話になった。「あひる」は「つる」の隣のルートなのでこの機会につるをトライしようと思いその話に乗ることにした。天候からすると榛名山は雨のようにも思えたがとりあえず行ってみた。案の定雨が上がったばかりで前傾壁の「つる」以外は濡れていた。Kさんも「つる」は既に登っていたのだが再度登ると全く登れなくなっていて二人で「つる」をやることになった。とはいえカンテは濡れていて滑ってフォールしたり、雑巾で拭いたりしながらムーブを確かめた。しばらくしてまた雨が降り出し1本しか出来ず、こりゃまた来年かなと思い黒岩を後にしたがKさんが来週も行きましょうと言うのでじゃあ頑張ってやってみるかなという気になってきた。

その話を儚月さんにするとそれなら土日で黒岩にしましょうということになった。Kさんは日曜だけ来ることになる。土曜は雨上がりのコンディションだったが先週よりは乾いていた。とはいえ周りの5.9程度のルートはまだ濡れていたのでアップなしで私から「つる」に取り付く。先週出来たムーブも朝一で全く出てこない。とりあえず各駅停車で掃除しながら上まで抜ける。儚月さんはすんなり一撃、さすが。しばらく休んで2便目を出す。最初は両手で細かいホールドを持ち、一段右足を上げてから右のカンテをデッド気味に取りに行く。カンテのもう一段上に手を飛ばし、足を一段上げてから上のカチを取る。ここでマッチしてから左足を膝辺りのフットホールドに上げて右足のカウンターバランスで左上のカチを中継して左上のガバを取る。ここで足を左右入れ替えて左足を細かい縦ホールドに当ててクリップ。再度マッチして左足をスメア気味に細かいホールドに乗せてから右のフットホールドに右足を上げかき込んで上のホールドを取って行く。一つ、二つと取りながら足を入れ替えつつ上げて行くと三つめのガバに到達、ここでクリップ。さらに右のカンテ部のガバホールドでレストする。下から儚月さんから「呼吸!」と声が掛かる。息が大分荒くなっている。カンテの凹状のホールドに左手を掛け右手をカンテの向こう側のホールドに掛けて左足に乗り込む。左足に乗り込んで行くと凹状ホールドは利かなくなるのでカンテの細かいホールドを左手でなんとか誤魔化しながら使う。右足をうまく拾ってしゃがむようにカンテに上がる。鼻状のハングの下のホールドをアンダーで支えながらカンテ上にあるホールドを左手で取る。さらにその上のガバを右手で取って左手でクリップ。もう一度しゃがんでレストする。ボルト右のカンテ上のホールドを再度左手で取り、その上に二つ並ぶガバのうち左のに右手を掛ける。左上のフットホールドに足を上げて右手のホールドのバンド上にある左のホールドに左手を伸ばす。両手が掛かりの良いホールドを掴んだところで足を左右入れ替えて左のコーナーの上に左足をスメアしながら両腕を引き付けつつ左足に乗り込む。左足に乗れてきたところで左手を切り、甘いホールドを中継し、その上のホールドを取る。これはかっちり決まる。ここで足を上げて右手はカンテをピンチで掴みつつ体を上げる。さらに左手をその上のホールドに伸ばす。これで保持しつつクリップする。次はカンテの判り難いピンチを掴み、右足をやや高めの位置にフットホールドを探し、左足をあひるの方へ飛ばす。左手を肩を入れる様に上に伸ばすとスラブの上のカチになんとか届く。右手をカンテのピンチホールドに移す。これはよく止まる。ここで右足をボルトのすぐ右下まで上げてから左足を上げて凹部分につま先を入れる。ここでスラブの奥へと手を伸ばすとガバに届く。あとは足を上げてからクリップして簡単になったところを終了点に向かう。思ったよりあっさりと2便目で登れてしまった。嬉しくてしばらく休んで3便目も出す。

大スラブ

次に大スラブに移り、儚月さんが「おけら5.8」を登る。前回4月に足を上げるムーブで腰を痛めて敗退してしまったのでRP狙いである。何故だか最初のランナウト部分に誰かが真新しいRCCボルトを打ってしまったようだ。当然すんなり登ってしまう。私は何度も登っているのでやらずに隣の「イプシロン(下部)5.10c」をやる。これも以前TRでやらされたが全く歯が立たずに全ピンA0で終了点まで行った苦い過去がある。とりあえず私がヌンチャク掛けに行く。このルートは全部登れば5.12cなのだが傾斜の緩い前半部分に終了点があり、ここまでは10cなのである。ハンガーボルトだけクリップするという真っ当なスタイルは当然無理なので人工時代のRCCにもクリップしていく。「つる」を登れた勢いもあってか核心部のRCCボルトは縦カチを左手で掴んだ微妙なバランスでクリップ。しかしながらここで行きづまってフォール。ロープが結構流れる。錆びた古いRCCなので意図的に流したようだ。ハングドックするも全く判らずあとはA0で掃除しながら登る。儚月さんもこれはさすがにOSならず。ただ核心部のムーブは解決してしまう。あとは私はTR、儚月さんはリードでトライ。私は核心ムーブは一度だけ出来たがとてもリードで出来るような感じがしなかった。儚月さんもそう簡単には登らせてもらえなかった。私は指が終わってきたので移動する。

アルカディア 5.10b RP

宿題だった「アルカディア」に行く。これは核心ワンムーブだったので03年11月にRP狙いで登ったのだが2本目クリップで冷たくなる左手が信用出来ずA0クリップしてしまったのであった。あれから1本目のボルト位置が修正されグランドフォールのリスクは減っている。儚月さんはこの面は初なので先にやってもらう。当然OS。今度は私の番。縦溝に指の第一関節を掛けて右のスタンスに乗るのが核心ムーブ。以前は両手を縦溝に入れないと耐えられなかったが片手で十分そうである。そんな訳で右手と左手を間違えてしまい出っ張りガバホールドまで戻る。左右入れ替えてクロスで縦溝に左手を入れ、右足を上げる。右足に乗り込んで右上のカチを取る。さらに左上の横溝に指を入れてクリップ。そこからも細かく嫌らしい。ちょっと登るもつるつるでクライムダウン。結局右手の縦カチを掴みつつ両手を広げて左手の「チェス」の縦ホールドを中継して登る。あとは手足を拾いながら終了点へ。

柿どろぼー 5.10b RP

次は「柿どろぼー」に行く。ここはカンテ沿いに登るルートである。儚月さんは当然OS。これも03年にTRでなんとか登れたが04年夏に再トライするもテンション入りそのままになっていた。初めてTRでやらされた時はインドアの10bとは違う難しさにかなり凹まされたルートである。スタートは右足に乗り込みデッド気味に右のカンテを取る。一旦カンテに上がり、ホールドの位置を確認した後にフェースに戻る。フェースのカチに導かれながら高度を稼ぎ、右手をカンテ、左手をカチからバランスで立ち込み上のテラスに左手を伸ばす。私はここが一番厳しく感じる。とはいえ今となっては10bとしての難しさしか感じなくなった。テラスに上がってからは右足を上げて両手でカチを取った状態から足を左右入れ替えて右足をさらに右上に伸ばしたところで右手を伸ばせばその上のカチに届いてしまう。初見OSでは掛かり具合が判らないので儚月さん含めここで時間を掛ける人が多い。あとは手足を動かして行けば終了点。

24日

イプシロン下部 5.10c RP

朝一はとりあえず練習岩でアップする。Kさんは11:30に来るということなのでそれまでまた大スラブの「イプシロン(下部)」に向かう。儚月さんがまずはヌンチャクを掛けに行ってくれる。あっさり核心も越えRP。私は核心が解決しないのでそのままTRでやらせてもらう。1便目はヌンチャクを外しながら行く。今日は昨日のアナサジベルクロに替えてミウラにしたのだが核心手前で登れなくなってしまう。細かいフットホールドなのだがエッジより外傾ホールドのスメアを利かす部分が多い。一旦降りてアナサジに替える。午前中は核心が一度だけ越えられただけで全くダメだった。午後にKさんが来たのでこのまま移動かと思ったらこれをやりたいとのこと。彼は初見リードで果敢にトライするも核心部でフォール。次々便数を重ねるがなかなか核心部までつなげられない。私はリードで行ける目処がつくまではTRと割り切っている。Kさんが核心でフォールして降りてきてしまったので核心までのTRとなってしまう。大分レストもしたので気合一発声を出してスタートする。Kさんの意気込みでかなり燃料を注入されてしまった。核心まですんなり来てここでさらに声を一発上げる。そのとき顔が壁にかなり近いことに気がつく。さらに儚月さんのメガネこすりそうという発言を思い出す。顔を壁ぎりぎりまで寄せるとあまり手の負担が掛からずに越えられることを発見。核心を越え、あとはリードで終了点へ。終了点のクリップも悪く、腰のロープを手繰ろうとすると壁から引き剥がされそうになる。どうせ半分TRだったんだしと終了点A0で終わる。次便リードでは壁から引き剥がされる。30分レストして15:30に再度トライする。おそらく時間から今日の最後だろう。登れないことは考えずに気合を入れる。まず左から上がってRCCにクリップ。細かいフットホールドに左足を乗せて両手を上げて行く。上のガバに手が掛かったら右足を高く上げ、その体勢でクリップ。両手で引き付けて一気に上がる。上がったところのバンドに乗り次のRCCにクリップしてレスト。左にトラバースして少し上がり次のボルトにクリップ。ここからテクニカルになる。右足をなるべく右傾バンドの高い位置に置く。そこから膝程度の高さの外傾フットホールドに左足を上げる。腰を壁に入れながらこのフットホールドにソールのグリップを信じて乗り込む。右手の第一関節の半分しか掛からないカチの引き付けと左手の甘いホールドで右足を壁にこするように上げていくと上のカチに左手が届く。右手も次甘めの上面が平らなカチを取り右足を一番低いフットホールドに上げて左足を右足より高いさっきの平らな甘いホールドに上げて縦カチで体を右に振ったところでRCCにクリップ。このホールドはさっき足が滑るような感じがあったので手で保持している間にブラシを掛けてチョークを落とし不安を消す。これで一安心。右手をさらに右のカチに伸ばし、右足にクロスさせて左足を右足の右上のフットホールドに上げる。さらに右足をその左足の右上のフットホールドに乗せたところで右足に重心を乗せてバランスを取り右手でクリップ。さあここからが本番。左の縦カチホールドの真下の幅5mmあるかないかのフットホールドに左足を見ながら乗せる。足が乗ったのを見たら腰を入れて下半身を出来るだけ岩に密着させる。ここでこの左足に乗り込んでいき、左手を縦ホールドから傾斜の緩くなった面にある甘いカチに移す。さらにここで上半身を前に入れ、顔を思いっきりスラブに近づけて右手を下のカチからボルト右下の斜めの甘いカチにデッドになるかどうかのバランスで飛ばす。ここで両手、左足が決まる。手はとても引き付けられそうにもなく足も心許ない気がするのだがここで腰を入れて顔を近づけた状態で左足に乗り込みつつ両腕を引き付けゆっくりと体を上げていく。上げ始めはきついが勢いをつければ剥がされてしまう。じりじりと体が上がって行くが油断は出来ない。右足は左足より高い位置まで上げないとならないからだ。ようやく足が上がったと思ったところで下を見てスタンスに乗せる。ここでやっとレスト出来る。でもこの位置ではまだクリップ出来ない。左足が少し上のフットホールドに乗る以外は足がない。左手で上の今までにくらべればずっとましな縦ホールド、右手を真上の平らなスタンスに置き、右足を右にあるさっきの核心の斜めカチまたはその右下の外傾ホールドに乗せて右上のカチを取る。ここで両手が利くので右足をスメアで一歩誤魔化して左足を一気に左上に上げる。これで縦ホールドがガバになり上のスタンスに上がれる。足元のボルトにクリップしてスタンスに立つと上のリングボルトにもクリップ出来る。この先も手はすごく細かいホールドを拾うが、足は大分良くなるので少しずつじりじり上がる。終了点テラスもつるっとしていて指が掛からないが右手をさらに終了点の鎖右の斜上バンド状のカチにやるとようやく終了点にクリップの体勢になる。さっきのこともあったので終了点ビナに一旦ヌンチャクを掛けてクリップして手繰り落ちの危険を排除してから口にくわえつつようやく終了点ビナ2枚にクリップした。あとはそれ以上は無理に上がらずテンションのコール。やっと終わった。Kさんもその直後の便でRP。彼はちゃんと終了点のバンドまで足を上げていた。

充実の2日間であった。触ったルートは全てRP。特にイプシロン下部10cは非常に良いルートであった。「え〜!こんなの出来ないよ!」といった感じのルートであったが登れると非常に嬉しい。的確なアドバイスとコールを送ってくれた儚月さんとモチベーションの燃料を投下してくれたKさんに感謝です。

END

TOP