6日:取り付き8:15〜終了点10:30〜取り付き11:15

ネットで知り合ったT氏と湯川、小川山に行くことになった。湯川はT氏の好きなクラック、小川山は私のリクエストでセレクションに行くことになった。湯川は佐久海ノ口駅から北へしばらく進んで左に折れるのだが入り口を知らないと判り難い(小海線の緑のトラス鉄橋の下をくぐる)。道はそのうち林道となり二股に道が分かれた右手少し先に2〜3台の駐車スペースがある。
まず、コークスクリューに取り付く。ボルトも何も無いクラックが上に伸びる。5.9ということだが私にはとても登れそうに見えない。まずT氏が取り付くが離陸が難しいようで何度もクライムダウンしてしまう。結局トップロープを張ろうということになって裏からT氏がロープを張りに行く。トップロープになってしまうとリードの緊張感がないのとプロテクションセットが不要なためT氏はするすると登ってしまう。私の方はジャムは利かせられないわで限りなくテンションして終了点にたどり着く。中間部からはフェースの細かいホールドが使えるのだがクラックから逃げるとクラックに戻るのがつらくクラック技術の初歩から練習する必要を痛感した。 次は隣の5.10cをT氏がトップロープで挑戦する。休み休みであるが終了点まで登り切る。私の方はその登りを見て触ってみる気もなくなってしまった。
そこで今度はその隣の「8×4」5.8を登ることにする。一段上がった所からだがどうやって上がろうかと思っているとハンガーが下のフェースにあるのを発見。あとで調べると5.10cのフェースだった。苔と土だらけなのでT氏は躊躇無くA0で上の立ち木の所まで行く。そこから逡巡しながらもロープを上に伸ばし終了点まで辿り付いてロワーダウン。プロテクションは最初のフェースのヌンチャクだけ残してもらう。大きいカムが必要とのことでキャメの#4とトライカムの#6、#7も持って取り付く。当然下はA0。木があったり土があったりで汚い。クラックの中からひんやりした風が出てくる。最初のクラックの下が広かったのでそこにキャメの#4を使ってしまうが、後半最後に大きなのが必要だった。簡単なのだがプロテクションを決めづらく落ちれないと思うと緊張する。最後の部分はトライカムの#7を入れ、その上にキャメの#3を狭い所に入れるがOSなどどうでも良くなってトライカムの上に足を乗せて登ってしまう。木をよけながらロワーダウン。幅の狭い部分に入れたキャメの#1は外れかかっていた。
早めに小川山に移動しようということになって引き上げる。小川山ではテント設営後登りに行こうということになってこれまた私のリクエストで八幡沢左岸スラブに行く。去年初めて小川山に来た時に全プロテクションでA0しないと登れなかった「ジャーマンスープレックス」5.10bのリベンジを果たしたかった。結果は返り討ち。夕方近いから大丈夫かと思ったがトップロープでチャレンジしているグループがいた。それを見ているうちにやっぱりRPは無理かなと思い始めてしまう。気を使って早めに切り上げてもらえたのでT氏から取り付く。トップロープの練習を見ているのでだいだいは判っているはずなのだが全く手がかりがなくクラックとは打って変わって苦戦している。そのうちつまってしまってフォール。最初のボルトでフォールすると一段下に落ちてロープに引っかかって振れが止まる。次のボルトにクリップするとフォールしてもそんなに危なくないのでこれで思い切って落ちれますよと言ったら片付けに入っていた前のグループの人に受けたのか笑いが出た。T氏はハングドックを繰り返しつつも核心部まで進むが最後の部分はA0で抜ける。 今度は私の番だ。プロテクションは残してもらい最初の緩いスラブを慎重に進む。クラックに入れてあるフレンズ#1.5にクリップしてその上に立ちこんでヌンチャクにクリップ。そこで一旦下がって右手の縦ホールドを使い上に上がる。ここで右に逃げたくなるのを我慢して左の磨かれた小さなホールドに左足を乗せる。乗せる位置が悪くここで動けなくなってしまった。両足が少しづつ滑っていく。仕方なくA0して一旦下がる。再度同じムーブで足の位置を左に1cm程変えたらうまく立ち込め左上のバンドに立てた。ここからもほんの僅かな出っ張りに立ちこむ様にして進むが結局各駅停車。ムーブがつながる様に戻りながら進む。核心部は前のグループでは左のスプーンカットに左足と言っていたが私にはとてもそのムーブは出来そうに無い。試してみるもののテンション。右から行くことにする。プロテクションが足元を過ぎると緊張するが無事上のカンテを掴む。次回はRP出来ることを期待しつつテントに戻る。
翌朝は早めに起きて屋根岩2峰に向かう。散々迷って着いたのは8時頃になってしまう。キャンプ場から遊歩道を真っ直ぐ歩いて行き屋根岩方向の看板を右に折れ、ケルンの所で左折すれば簡単に着くのではあったのだが。 取り付きから見るとトポと同じ形の山が見える。正面に蜘蛛の糸のクラックが走る。正面右手を一段登ると最初のクラックである。奇数ピッチをT氏、偶数ピッチを私でつるべで登ることにする。最初のクラックは5.8だが意外に手強い。T氏はフレンズの大きいのを1個セットして何度かクライムダウンをした後思い切って登っていく。しばらくして解除のコール。今度は私の番。一段上がってスラブになるのでT氏は見えない。同じように右に体を振って登るが予想以上にきつい。テンション入れますとコールしてクライムダウン。ロープが伸びて下に足が着く。今度は反対側の左に体を振ったら簡単に登れた。右の壁に磨かれたホールドがあって騙された。すぐ上にもビレイポイントはあるのだがもう一段上でT氏はビレイしている。
今度は私のリードである。右と左にボルトがあるのだが右が5.8、左が5.9なので迷わず右にする。最初のプロテクションまでも意外に難しく最初のクリップはヌンチャクを掴んでクリップする。頭の中でここで落ちれば墜落係数1.5位と考えたら掴んでいた。後で考えるとこれさえなければOS。クリップした後は手を離し順調にロープを伸ばす。途中リングボルトが一箇所あった。確かにこのボルトの後ちょっと難しかったが1歩だけなのでフリーの感覚だとここにはボルトはいらないのだろう。小川山には5.7や5.8の所によくリングボルトを打ち足しているのを見かける。とはいえなければないで構わないがあるとやっぱりクリップしてしまう。そこから先は快適なスラブ登りである。ビレイポイントのナットが緩んでいるのでレンチで締める。 T氏を迎え次は私のビレイでT氏のリード。
次のピッチは右手のチムニーである。バンドを右にトラバース後、チムニーを登って少し上がった所がビレイポイントの様である。ロープが足りればそのまま次のピッチも進んでもらおうと思っていたが実質チムニー登りと歩きだけでT氏がピッチを切る。そのままロープを伸ばす事を考えてチョックストンの手前を登ったがくぐって登った方が簡単だったようだ。リードはノーピンで緊張するところだがフォローの気安さで思い切って体を上げていく。ビレイポイントに着いてリードを変わりましょうと言ったのだがそのまま登るように言われてしまう。つるべで登ると不公平なルートだと思ってしまう。
次のピッチは最初は木登りである。とりあえずクラックにキャメの#2をセットして木と岩でステミングしながら登る。木から片足を離す時緊張したが無事岩にへばりつきボルトにクリップ。そこから右手のへこみを登れば良かったのだが左上にある磨かれたホールドに誘われて左に上がるが足がない。右に戻るには一旦下がらないとならない。面倒なので先ほどクリップしたハンガーの頭に右足を乗せて左足を上げる。そこから幅が広いクラックを直上する。簡単なのだがノープロで行くのもなんだしと思いキョンで体勢を安定させてクラック右の岩の割れ目に大き目のナッツをセットする。そこからはガバを掴みながら上に抜ける。ピッチが切れる木もあったのだがそのままロープを伸ばす。切り株にランニングをセットし少し上がるとスリングが巻いた木が見えた。そこに上がる部分にも錆びたハーケンが打ってあったがプロテクションを取るほどの事もないと思いそのまま上がる。木にスリングを巻いてT氏を確保。
次のピッチは歩きだった。本来のルートはトラバースしてクラックを直上なのだがT氏はそのまま歩いていってしまう。フリークライミング的にはそれもありなのは分かるがピークを目指すという感覚ではトラバースは簡単な所に逃げるのでなければ不自然な気もする。てっぺんは広場になっていて反対側の木に懸垂用のスリングとカラビナ2枚が残置してある。休憩後、下降用に引き摺ってきた8.5mmのロープと2本で50mいっぱいの懸垂で踏み跡まで下降。あとはそれを辿ると取り付きにすんなり戻れた。所要時間は登り2時間強、トータル3時間くらいだった。 そこで雨がぱらぱらと降ってきたのが段々本降りになったので後の予定は中止して帰路に着いた。
追記:7月3日に5〜6Pのオリジナルルートをやっぱり行っておこうということでAさんと共に再訪した。オールリードで一応RP&OSと出来た。1P目は右の5.8を行くならすぐ上のビレイポイントでピッチを切る方が登りやすい。3P目のチムニーはチョックストンをくぐると簡単であった(面白さでは手前が良い)。4P目は前回インチキをしたところは一歩スメアで誤魔化すだけだった。またあまり木を登らずクラックから登る方が面白い。5Pのトラバースは簡単だがフォローの為にカムを多く使うと良いようであった。最終ピッチはでだしでワイド系ギアを使ってしまうと後半で必要になるので注意。ギアはキャメ#0.5〜#4.0、ナッツ、トライカム#5〜7。大きなカムは5Pのトラバースでも使ええる。6Pは下からトライカム#7、#5、(ここまで簡単なのでランナウトも可)キャメ#2、3、4と使用。下降は裏を懸垂で降りたが山頂からワイヤー伝いで歩いても降りられる。ただし歩く距離は長くなるようである。
7月3日 取付 9:00〜1Pクラック上 9:10〜2Pダイアモンドスラブ上 9:35〜3Pチムニー上9:50、(後続に先を譲る)10:20〜4Pクラック&スラブ上 11:00〜5P トラバース終了 11:30〜6Pクラック上12:15
前回のセレクションは最終ピッチを歩きにしてしまったので何となく引っかかるものがありクライミングジム知り合いのAさんを誘ったら良い返事がもらえたので再訪することにした。当初は湯川で一人でロープをフィックスして練習する予定であったが5.8の短いクラックとはいえジャミング練習の成果を確かめるには十分である。
廻り目平には朝8時前には着くことができた。前回迷ったアプローチも何の苦もなく短時間でこなして取り付きに着いた時はまだ誰もいなかった。ギアを整理しているうちに2組がやってきた。いずれも2人パーティーで一組は小学生の息子を連れた親子だった。親子は我々がもたもたと準備をしている間に準備が終わっていたようだが待っていてくれた。おそらく先行してもらった方が良いような気もしたのだがとりあえず先にスタートする。登る邪魔にならない低めの位置にキャメの#4をセットして一段足を上げる。ここでレイバックで左に体を振ってレストの体勢を取り右手でキャメ#2をセットする。キャメの上辺りに右手のハンドジャムを決めるがちと狭い。女性だとぴったり決まりそうだ。そこで右足を引き上げて乗り込み左手を逆手でジャミングするが広くて甘い。右手を切ってから左足が左の壁の窪みに乗るまでが難しい。途中から左上クラックが右に折れクラックの中をまさぐるようにしてなんとか這い上がる。左上のガバに手が届けば後は簡単。キャメの#0.5をセットしてそこに120cmスリングでお助け紐を残し終了点に行く。前回はさらに一段左上で切ったのだが次のピッチの最初で右に行きづらかったのでここで切る。Aさんは見られているプレッシャーでさっさとお助け紐を掴んで登って来た。
後続がいるのでさっさと登る。途中のリングボルトは浅打ちなのでナッツをタイオフする。朝一でウォーミングアップが出来ていないせいかなんとなくぎこちない。後続のことを考えて右手の木でピッチを切る。Aさんは今度のピッチは問題なく上がってくる。

次のピッチは殆ど歩きである。スタートを切る頃には後続の小学生も上がってきている。このピッチだけ懸垂用の8.5mmロープを入れたサブザックを私が持っていく。チムニーの下でザックを前に抱えるがチョックストンの向こう側を行けばいいのが分かって背中に戻す。チョックストンの下にキャメの#0.75を入れるが岩が脆く決まらない。ロープの流れの為と割り切り適当にセットして先に進む。左右に足を突っ張れば簡単に登れる。ロープの流れも問題ない。木でビレイしてAさんを待つ。Aさんに声を掛けて親子に先に行ってもらうように伝えてもらった。Aさんも難なく上がってくる。親子が登るまでしばし休憩となる。子供の方はスタートが切りずらかったようだがそこから先は難なく登っていく。

後続のトップが2ピッチ目の終了点に到達している。前回は木登りだったが今回はクラックから登る。最初の一歩だけ左足を木にかけるがそこからジャムを決めて登る。クラックが終わる部分で左に行き前回と同じスラブに出る。前回は右足でボルトを踏んだが、上のホールドがガバなので腰を岩から離して一歩右足スメアで左足を上げてかきこむだけで済んでしまった。前の人のを見ているというのもあるが右足だけに乗ろうと思わなければしごく簡単であった。人工壁で最初の一歩を壁を蹴って登るのと同じである。そこから先はチムニーに前回と同じようにナッツをセットして登っていく。ハーケンが打ってあるスラブの乗り越しだけ少し緊張するのを除けばあとは簡単である。終了点に着く頃には先行親子の小学生がすでに登り始めるところであった。Aさんは最初だけ苦労したようだがあとはすんなり登ってくる。

ここからは今回が初めてである。Aさんはこんなとこ行くんですかと嫌そうである。Aさんのことを考え木の根にスリングを巻きながら下る。岩を回り込んだ所にもスリングを木の根に回したがこれが後でロープの流れを非常に悪くした。スリングを長くするかなくしてしまおうかとも思ったがAさんの事を考えそのままにした。そこから先はちょっと染み出しがあったが横クラックの上をアンダーで掴んで楽々トラバース出来る。横クラックには大小のキャメロットが使える。RCCボルトがあるがハンマーで叩かれたのか曲がっている。カムがあれば必要ないがカムをセットする手間を惜しんでこれにクリップする。最後は岩の割れ目に上半身を入れて這っていく。終了点には立派なボルトが打ってある。案の定ロープがえらく重い。横着して右手だけグローブを着けていたら左手の皮がべろんと剥けた。左手にもグローブを着ける。ランニングを沢山取った為Aさんはそれほど苦労することなくトラバースしてきた。最後くぐった岩の割れ目はザックが邪魔して通りにくいようである。

見上げるとコーナークラックが真上に走っている。途中右にも分かれているが左が5.8のルートなのだろう。まず木にスリングを巻いて次に下の広い割れ目にトライカムの#7をセットする。二股の部分で裏を覗き込むと裏は完全な空洞ではなかったので120スリングを通してタイオフする。Aさんがそんなので大丈夫なんですかと言うがスリングがずれても裏で引っかかるのでカムをセットするより信頼出来ると思った。そこの左上にもトライカム#5をセットする。ここまでは両足で立てるのでプロテクションのセットにはゆっくり時間がかけられる。さあここからが本番である。右手のハンドジャムを決めてキャメ#2をセットする。さらに登り次は#3をセット。段々広くなり腕がすっぽり入るようになる。このまま強引に行けそうではあるが右手のジャムでぶら下がりキャメの#4をギアスリングから取ろうとするが後ろに回って取れない。背中に手を回して取ろうとしたがビナを外せない。落ち着いて胸の前に束を回して取る。#3.5でも良かったかもしれないが#4を掴んだ。これはがっちり決まった。ずり上がる時に左足がずるっときたがなんとかこらえて左膝で乗り込んだ。結構ここで落ちている記録を読んだので安定した体勢を取れるまで右手右足のジャムをメインで登った。登ったところの木は枯木のようだったので懸垂の木まで一旦行ってそこにメインロープをインクノットで固定して枯木まで戻ってビレイをした。Aさんが登ってくる間に後続パーティーが山頂に達した。Aさんは苦労しながらも頭を見せた。最後にセットしたキャメの#4が取れずに苦労している。見るとほぼ完全に閉じた状態だ。フォローだけでセットしたことがないせいで強引にがちゃがちゃ引っ張るので却って取れなくなってしまう。それでもなんとか回収して上がってきた。

あとは前回と同じように山頂で休憩して裏を懸垂で50m下降して取り付きに歩いて戻った。Aさんがもう一度最初のクラックをやりたいと言うので誰も取り付こうとしていないこともありトップロープをセットして練習した。セットと回収時に登ったが斜上するクラックで左に振った体が右に振れると簡単にジャムが外れてしまうので右に折れる部分でジャムがうまく決められず最初より楽なムーブが見つからなかった。



END