4日 栂池自然園 9:20〜天狗原 11:05〜乗鞍岳 12:30〜小蓮華山 14:30〜三国境 17:00
5日 三国境 8:20〜雪倉岳 12:25〜ヒョウタン池 14:10〜瀬戸橋 15:30〜蓮華温泉ロッジ 19:05
6日 蓮華温泉ロッジ 7:20〜天狗原 11:50〜栂池自然園 12:15
装備:HAGAN RED DRAGON 163cm、G3タルガアッセント、クトー、G3シール、スカルパT3、BDスキーショベル、スイッチブレードスノーソー、ICIゴアツェルト2〜3人用、ダウン280gシュラフ、ゴアカバー、35Lザック、GPS、他、計13kg(スキー靴と板除く)
GW後半はnov氏と山スキーという予定を立てていた。nov氏の希望が白馬〜雪倉〜朝日というものだったので当初3〜6の4日間ということもあり、それなら最初は杓子岳の双子尾根から入山しようとなんとも無謀な計画の元、始まったのであった。しかしながらnov氏が3日は昼からとなってしまい、私も北鎌の疲れでやる気をなくし、4日スタート。6日の予報も悪いということで栂池ロープーウェイで上がって雪倉岳までで朝日は割愛ということになった。
栂池のゴンドラ乗り場駐車場で待ち合わせて朝一のゴンドラに乗る。山スキーヤーが多いが扇沢の混雑に比べればがらがらと言っても良いくらい。山肌は雪はなく、ロープーウェイ乗り場辺りでやっとこさ雪がある。

今日はnov氏は体調が悪いとかで全然進まない。気がついたら最後尾になってしまったのか後ろから誰も登ってこなくなった。nov氏を待ちながらちんたら登ってようやっと傾斜が緩くなってきた。

天狗原の向こうには乗鞍岳が見える。ヘリで上がってくる人もいるのか乗鞍岳への登りはアリの行列さながら人だらけである。

乗鞍岳の斜面は急でシールでは若干斜登高を交えないとならない。ボードだけ持った人とか殆ど雰囲気的にはゲレンデそのものである。山慣れしてしまうと景色の良し悪しより人が多いというだけで気分がそがれてしまうのだが、普通の人からすればこの辺で十分バックカントリーという感じなのだろう。

乗鞍岳を越えると人がぐっと少なくなる。ボードの日帰りの若者も山頂の端まで来て写真を撮っているだけでこの先には進まないようだ。ようやっと山らしくなる。船越ノ頭の斜面は無木立でここだけ滑っても楽しいだろうに登山者の影しかない。シールで直登出来るぎりぎりの斜度である。nov氏は相変わらずゆっくりである。

小蓮華尾根と合わさる部分では金山沢を滑るのだろうか?数人の山スキー&山ボーダーが休憩している。そこから先は一旦スキーをザックに付けて進む。雷鳥のつがいがいた。近づいても逃げないので写真を撮る。

ここまで来ると行き交うのはスキーを持たない縦走者とかになる。何故だか同じ方向に日帰り装備の単独のボーダーがいる。乗鞍辺りにでもいそうな格好である。時間も夕方近いしどこを滑るんだろうと思っていたらしばらくして引き返して行った。

しばらくしてまたスキーを履く。緩いアップダウンを繰り返しつつ進む。

nov氏は殆どギブアップ状態であったが、3日間の予定を考えると初日に殆ど進まないと後半でつけが来る。三国境までは進みますよと言って先へ向かう。

だんだん白馬岳が近くなってくる。こっち側からだと主稜も良く見える。なかなか来ないnov氏にやきもきしながらもなんとか稜線の交わる近くまで辿り付いた。まだ少し手前であったが平坦で広い場所を見付けたので迷わずザックを降ろした。

まず30cm程度の穴を掘ってそこからスノーソーでブロックを切り出して防風壁を積んで行く。ツェルトの面積プラスαの広さで浅い穴を掘り、掘り出したブロックを防風壁にする。あとはnov氏にも手伝ってもらって張り綱を張ってサイドフレームも通し、ようやく快適なサイトを構築した。ゴアツェルト2〜3人用は2〜3人用テントより中が広いのである。

朝はゆっくり起きて準備をする。防風壁を作った割にはツェルトが風であおられる。今日は風が強い。白馬岳方面から来た登山者にシャッターを頼まれる。

今日もnov氏は体調が回復せず、相変わらずゆっくりペースである。当然白馬は割愛という話になる。nov氏の体力温存を考慮し、クトーを装着してトラバース出来るところはどんどん巻いていく。鉢の鞍部では雪が切れていて板を抱えて鉢ヶ岳のトラバースラインへと向かう。トラバースが終わって雪倉岳の登りに入るところで避難小屋が目に入る。迷わず中に入る。小屋の中に入ると風の音が大きく聞こえる。nov氏はここで水を作り、雪倉岳の登りは夏道が露出しているのでスキーを担いで行こうということにして小屋の中でシールも剥がす。

雪倉岳の登りは板を担いだせいもあって風に煽られて大変である。それでも足元に雪がないのは歩きやすい。じっとしていると風で体が冷えてしまいそうだが、ここではnov氏も今までよりペースが上がっている。

下から見えていたピークに着いたらその先にゆるい登りがあり、ゆるゆる登ると山頂に着いた。誰もいない。当初、朝日につなげる為に北面を滑る予定でいたので蓮華温泉に最短で滑るルートは調べていなかった。nov氏の体調を考えるとショートカットした方が良いのであろうが、トレース頼みでは心許ない。

しばらく北側に下ってコル状になったところでスキーで滑る準備をする。つぼ足で覗きに行くが傾斜は大したことはない。やや降り過ぎてしまったようで、もう少し上からでも滑れるようだ。滑り始めは斜度も緩く軽快に滑ってゆける。しばらく滑ると雪が切れていて左にトラバース(下写真)。

トラバースしてからは急斜面。私は無理せず横滑りで高度を落とす。

どこまで滑っても広い斜面が続く。五輪尾根に沿ってルートは右へ折れて行く。

今日はこの斜面を滑った人がいないのか古いシュプールは多いが、自分の刻んだものはくっきり見える。この程度の斜面だとテレマークターンで連続ターン出来る。

だんだん標高が下がってきて降りる方向が判り難くなる。古いトレースを追って下る。

トレースを追いつつどんどん下る。赤テープやトレースがあるからなんとかなっているが、それがなければどこを滑っているやらさっぱり判らないような地形だ。

それまでのオープンバーンとは打って変わって所謂クラシック山スキールートらしい、ごちゃごちゃした所の滑りになる。藪スキーやら沢筋のトラバースやら虻に刺されたりと大変である。標高も下がって沢は出ているし、木もうるさい。それでも標高1200m台と標高差1000m以上のロングダウンヒルであった。

ようやく眼下に瀬戸川が見え、雪もなくなり板を担いで暫く下ると瀬戸橋の所に出た。先行3人パーティーが登っているのが見える。ここから蓮華温泉までは標高差200m以上の登り返しである。

30分以上のアルバイトでようやく兵馬ノ平に出る。瀬戸川は遥か下である。ここで3人パーティーが休憩しているのに追い付く。ここでまたシールを貼る。

そこからはトレースと赤テープを頼りに進む。真っ直ぐ蓮華温泉に向かうのかと思っていたが、池のほとりを過ぎた辺りでトレースは右へと曲がっている。

先行3人パーティーのトレースを追わずに赤テープの沿いの古いトレースを辿っていたら急な登りになって尾根上に出てしまった。こりゃ迷ったかな?と思いつつ地図を見るとどうやら滝見尾根に登ってきたようである。このままトラバースすればなんとか蓮華温泉に着けそうだ。nov氏を叱咤激励してなんとしても今夜は蓮華温泉ロッジに泊まりましょうということで歩を進める。一気に登ったおかげで尾根沿いにくねくね曲がったりトラバースで体力は使わない。ただ所々で横滑りして降りたりする場所があったせいでシールが剥がれてしまった。貼り直して出発するが、今晩乾かさないと明日の雨ではもたないだろう。

いつまでも似たようなトラバースをし続けていたがようやく平らになったと思ったら建物が見えた。やったと思ったのもつかの間、それはキャンプ場の建物で蓮華温泉ロッジはさらに先にあった。

重い足を引き摺りようやく蓮華温泉ロッジの前に辿り付いた頃には丁度辺りが闇に包まれる頃であった。ロッジは綺麗で遅く着いたにも関わらず夕飯も用意してもらえ、部屋も2人で1部屋と至れり尽くせりであった。当然温泉もあるし、一風呂浴びて晩飯はご飯を5杯も食べてしまった。nov氏は反面調子は悪く、食も進まずお茶ばかり飲んでいた。
翌朝は6時前に起床した。起きてしばらくすると雨が降り出した。装備を雨天に切り替えて出発する。nov氏の体調は全く回復していないそうである。

ロッジで聞いた通りに2つめの橋で中ノ沢を詰める。道路は所々アスファルトが出ている。面倒なのでエッジを引っ掛けないようにしてそのまま歩く。

二つ目の橋の手前を先行パーティーが登って行くのが見える。

雨の中、nov氏を待ちつつゆっくりゆっくり登って行く。ゆっくりなつもりであるが、先行パーティーも時たま見えるのでそんなに遅くもないのだろうか?

標高が上がるにつれガスが出てきて風も強くなる。高度計を見ると2100mを越えている。尾根らしき所に出ると一段と風が強くなって前方から吹いてくる。あと少しで天狗原だろう。天狗原らしき所に入ってからも延々と多くの足跡やらスキーのトレースを辿りながら進む。ヘリが着陸した辺りであろうか?雪が一面融けた跡がある。さらに進むと緩くだが下り始めた。ここでシールを剥がす。ちょっと休憩している間に手の感覚がなくなっていく。ようやく待望の滑降なのだろうが、頭の中は早くロープーウェイ駅に着けばいいなということしかない。水を吸って重い雪はテレマークターンがうまく出来ない。転ばないように適当に滑る。ガスの中トレース伝いに滑るとほどなく見覚えのある所に出た。ロープーウェイ駅から下は当然滑る気はない。駅に転がり込んでようやく今回のツアーは終了した。
END