阿蘇根子岳・天狗峯地獄谷正面壁初登攀

    昭和四十三年十月十一日〜十三日の記録

      パーティ 石崎史郎、梅野吉信、石田健助、西田正彦、関戸友廣

(T0〜T1 三五米)

  地獄谷へ切れ落ちたボロボロの下部岩壁八〇米をあきらめ、左手の藪尾根中間点より、外傾したフェイスをコルへ右上する。岩角鋭く、ザイル切断の危険あり。灌木のある凹角に入り、ボルト三本で人工テラスをつくる。

(T1〜T2 三五米)

  マッチ箱状の岩を乗越し三日月型大ハングヘ右上するリスが浅く、ハーケンで岩が大きく剥落する。

(T2〜T3 四〇米)

  全体が完全にハングした壁を電光型クラックに沿って直上。

  クラックの奥には岩ツバメの巣がある。高度感がすばらしい。岩質は悪く、落石の危険に悩まされる。

(T3〜T4 二〇米)

  天狗のコルよりカンテ状の岩を三米で左へ横断。正面壁最後の白いフェイスをボルト連打で直上。

中央壁のカンテ線のブッシュ三米の中に入り、天狗峯直下の稜線へ出て終了。

八月に穂高屏風岩東稜、中央カンテなどを登ったが、このルートの方が悪く感じた。

  ザイル距離百三十米、ピッチ4〜5、グレード5級A2。

  完登まで六回のアタックと延べ二五人、ハーケン四二本、ボルト五〇本を使用した。

 (石崎史郎・記)


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