お母さんとボクのための歯の講習会報告書

Tamotsu MINAMIDE
Feabrary 20, 2003

Purpose
1. 「栄西ふれあい交流会」において歯の講習を行う
2. 「栄西ふれあい交流会」のお母さん、お子さんとの交流
3. 「栄西ふれあい交流会」を運営している方々との交流

Place
1. 栄西児童会館 東区北46条東6丁目

Awards
1. 南出 保 Hokkaido University School of Dental Medicine Class of 2002
2. 村井 真介 Hokkaido University School of Dental Medicine Class of 2002
3. 相田 潤 Hokkaido University School of Dental Medicine Class of 2002
4. 安本さん Hokkaido University School of Dental Medicine Class of 2007
5. 竹内さん Hokkaido University School of Dental Medicine Class of 2008

Program
2/20 10:30-10:45 講習会
2/20 11:15-11:45 反省会

Detail
1. 栄西ふれあい交流会について
2. 今回の講習の内容

1. 栄西ふれあい交流会について
ちらしより抜粋

地域の子育てボランティアが、おかあさんの子育てを、応援します。気軽に育児相談をしたりボランティアとのおしゃべりで毎日の育児疲れを癒しましょう。

東保健センターの保健婦も、おかあさん自身の健康相談やお子さんの発達、病気についてなどの相談をお受けします。

第3木曜日に、クラブ室で行っていますので自由にお入りください。子育てサロンと同時開催しています。

2. 講習の内容
今回はPowerPointを用いたクイズ形式で講習を行った。PowerPointは、子供うけを考えて、背景にドラえもんの壁紙を利用するなどの工夫をした。クイズは2問で、テーマは、乳歯のう蝕とう蝕の原因にした。原稿は下に添付。

Impression of Recture
1. 保:講演者
2. 潤:クリッカー
2. 真介:ビデオ撮影

保:時期的にインフルエンザの影響で、参加人数は少ないらしい(お母さん17人、お子さん19人)が、話しやすい人数であった。これ以上子供が多いと、会場がうるさくて、声が通らないと思われる。

自分で作ったPowerPointだが、スライドめくりの指示を失敗した。原因は、クリック係の相田と二人でのリハーサルを行わなかったこと、スライドの理解不足だったこと(自分で作ってあるわけないと思うが、実際勘違いしたのだから、理解不足だったのだろう)が、考えられる。リハーサルは、当日と全く同じ状態で行わなければ、意味がないと分かった。

原稿を、何度も読み間違えた。原稿は、暗記するほど読んでおかねば、ならない。

質問時間は設けなかったが、相田や村井が個別に対応してくれて、助かった。

質問は、全員の前では、出にくいだろうから、このように多人数で行う場合は、講演後、小グループをいくつも作って、質問に答える形の方が、よりよい交流ができるだろう。

Total Impression
1. 保
行政に勤める保健師や歯科衛生士の方も、参加しており、様々な立場の方の意見が聞けて、勉強になった。特に歯科衛生士さんから伺った、学校保健の難しさ(保健指導の管轄は、就学前は厚生労働省、就学後は文部科学省であるため、一貫した指導が難しいなど)は、私は北陵高校の校長先生から、学校と地域保健との連携の問題点を伺っていたので、考えさせられた。

反省会に参加させていただいたが、それぞれの立場の方の考えが、よく聞けて保健指導の実際に一歩近づけたと思う。具体的には、最近のお母さんらは、静かに話を聞く習慣が失われつつあり、専門の指導員でも、それが問題化しつつあるなど。

More information
http://www.geocities.co.jp/Outdoors-Mountain/4980/

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1. 発表用原稿

みなさんこんにちは。私は北海道大学歯学部6年生の南出保と申します。今日は、お母さんとボクのための歯の勉強会にお集まりいただきまして、ありがとうございます。

これから、2つのクイズを通して歯の健康について考えようと思いますが、そのまえに、健康について考えてもらいたいと思います。

日本は、ご存知の通り、国民の要望と、国の政策によって、世界で最も優れた医療を受けることが出来る医療大国となりました。お母さん方に身近な話で言えば、生まれた赤ちゃんが5歳まで生き延びる割合は、日本はダントツで一番です。

世界にはまだ、5歳に成長するまでに、5人に一人が、なくなってしまう国がありますから、このような国に発展させた先人たる国民の方々には、大きな感謝をしなければいけません。

しかし、その一方で、日本人の間で増え続けている病気があります。ご存知でしょうか?それは、小さいときからの生活習慣が原因となる病気で、肥満や糖尿病、高血圧、肺がんや大腸がんなどです。これらの病気は、薬ではなかなか治せませんが、正しい生活を意識することで、大部分は予防することができるのです。そして、このような病気のひとつに、歯の病気・むし歯があります。

そこで、考えて欲しいのですが、毎日の生活の中に、一瞬、健康を意識する時間を作って欲しいのです。たとえば、今日は疲れたから早寝をしよう、このタバコを1箱吸わずに捨てようとか、塩分を控えめにしようとか、野菜を多めに食べよう。

今日の、僕のお話が、そういう生活を変える一つのきっかけになれば、嬉しいなと思います。想像してください、健康な毎日は、病気に罹って生活に不自由にしてしまう生活より、ずっと価値のあることなのです。

それでは、一問目に入ります。

1番、子供の歯(乳歯)について正しいのはどちらでしょうか。
A,あとで生え変わるので、虫歯になってもいい
B,大人の歯(永久歯)に影響するので、虫歯にしてはいけない

どうでしょうか、健康ってなんだっていう難しい話から、むし歯なんて、突然身近な話題ですが、わかりますでしょうか?

これは、結局、大人の歯はいつできるのかな?という話です。大人の歯が生え始めるのは6歳ごろですが、もし、そのときになって、初めて歯が、歯ぐきの表面で、ムクムクと作られるのだったら、乳歯のむし歯は、あまり関係ないように思えます。

どうでしょうか?

答えは、Bの大人の歯(永久歯)に影響するので、虫歯にしてはいけない。です。

まだ目には見えませんが、お子様がたの、顎の骨、わかりますか、つかんでみてください。ここらへんですね。この顎の骨の中には、早ければ、出生6ヶ月。最初の乳歯が生え始める頃から、永久歯のかけらが誕生・成長し始めています。ですから、簡単に言ってしまえば、子供のむし歯が、顎の骨の中の永久歯に、うつることがあります。

ですから、抜けてしまう乳歯でも、虫歯にしてはいけませんし、またむし歯になったら治療が必要なのです。

では、治しさえすれば十分でしょうか?違います。むし歯には原因があります。この原因を直しておかないと、本当に虫歯が治ったとは言えません。実際、原因を直しておかないと、いくら歯医者さんで歯を治しても、すぐにまた、虫歯が出来てしまいます。

そこで次の問題です。2番、虫歯になってしまう原因は?
A,体質のせいである
B,歯磨きが足りないからである
C,再石灰化が足りないからである

これですね。子供のむし歯を、早いうちに治すのも大切ですが、もっと大切なのは、虫歯の原因も治してしまうことです。どれが答えかわかりますか?

答えはCです。どうでしょうか。再石灰化という言葉は、聴いたことがありますでしょうか?

まず、Aは、よくお母様がたから聞く話ですが、「私がむし歯が多いから、子供も多くなっちゃうんですよね」と教えて下さる方が、いらっしゃいます。しかし、同じ体質だから、子供も虫歯になるのではないのです。

むし歯は体質ではなく生活の中に、原因のある病気です。親が虫歯になりやすい生活をしていれば、子供が虫歯になるのも当然です。

Bの歯磨きですが、歯みがきでは、歯の表面のプラークが取れます。プラークは歯垢とも呼ばれ、虫歯菌の塊です。このプラークは場所によっては、どんなに上手に磨いても、とりきれません。具体的には、歯と歯の隙間や、歯の表面の溝ですが、このへんは、歯磨き粉を使ったりしても、TVコマーシャルのようには、プラークを採りきれませんので、歯磨きだけではむし歯は防げません。

答えは、先ほど言った通りCの再石灰化が足りないというものですが、これは、虫歯の出来方を知っていれば、すぐに理解できます。

むし歯というのは、歯の表面がもろくなって、砕けてしまう病気です。 歯をもろくする悪玉には、虫歯菌や砂糖があります。 もろくなった歯を治す善玉には、唾液があります。 歯の表面では、毎日、ご飯やおやつを食べて元気になった虫歯菌と、唾液の戦いが繰り広げられていますが、この唾液の歯を治す力のことを、再石灰化と呼びます。 虫歯菌によって、もろくなった歯を「再び石灰(カルシウムの石)のように硬くする」ので「再石灰化」と呼びます。

もう分かりましたでしょうか?虫歯は、砂糖を食べた虫歯菌がもろくした歯を、壊れる前に唾液が治してしまえば防げる病気です。しかし、砂糖がいつも口の中に補給されて、虫歯菌が常に元気だと、歯は唾液により再石灰化する暇もなく、もろくなり続け、ついには砕けて虫歯になります。

一日の食生活が、規則正しく3食に一度のおやつ程度であれば、むし歯は出来ません。朝昼晩の三食がおろそかになり、間食が増えれば、それだけ虫歯菌に砂糖が補給されますので、再石灰化は、追いつきません。大切なのは、一日の食事の回数、つまり食事の規則正しさです。

ほんとは、もっと複雑なのですが、つまりこういうことです。「お母さんに、むし歯があれば、子供もむし歯になる」というのは、「お母さんと、同じように食事と間食をとれば、お子さんもやはり虫歯になる」という意味です。

善玉の唾液を増やすには、食べものをよくかむことが、大切です。かむ回数のふえる食べものには繊維の豊富な野菜などがあります。

また、寝ている間は、この善玉の唾液は減りますから、寝る前に食事をすると、再石灰化が起こらず、やはり虫歯になりやすいです。

食事は規則正しく、とりましょうね。という話でした。

それでは復習です。それでは、こちらのお母さん。
1番、子供の歯(乳歯)について正しいのはどちらでしょうか。
A,あとで生え変わるので、虫歯になってもいい
B,大人の歯(永久歯)に影響するので、虫歯にしてはいけない
理由をつけてお願いします。

そうですね。大切なのは、乳歯のむし歯が永久歯にうつることがある、ということ。だから、はやく治さなきゃいけないということ。

はい、そして、虫歯を治すというのは、歯医者に行くだけでは、不十分でしたね。原因を取り除くのが、大切でしたよね。

つぎに、こちらのおかあさん。2番、虫歯になってしまう原因は?
a,体質のせいである
b,歯磨きが足りないからである
c,再石灰化が足りないからである

そうですね。虫歯菌の活動に、歯を硬くする再石灰化が足りなくなって、歯がもろくなってしまうのがむし歯でしたね。そして、この再石灰化を促すには、唾液が重要で、そのため、規則正しい食事と、寝る前の間食を止めることが大切でした。

子供の頃からの規則正しい食生活は、将来の肥満や糖尿病を防ぐことにもつながります。

はい、約束の15分が経ちました。それでは、今日から生活のなかに、健康を意識する瞬間が少しでも増えて、日本が医療大国ではなくて、健康大国になる日を、ともに目指しましょう。

今日はお集まりいただき、ありがとうございました。

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