2004.10.2(土)晴れのち曇り 澄み切った青空と透き通る大気の中に身を置きたいと天狗原山と金山に登ってきた。 4:00家を出発して村営雨飾荘を目指すが、ナビに入力した電話番号が間違っていたのか鎌池に誘導され、引き返し戻り、妙高高原の案内板を確認して栃の樹亭を左折し、金山登山道口に着いたのが6:55だった。 車が2台止まっていてその横に駐車し、進行方向左側にある登山口を7:05登りだした。巨木のブナに目を奪われながらジグザグに急登すると、標高1500m辺りで緩やかになった。少し行くと水が流れる湿地となり、登り進むと7:50水場に着いた。ここで長野から来られた女性二人と出会う。樹脂のパイプ管が、流れ込んだ水たまりに落ちて、白い泡が立っていた。「これでは飲むきがしませんね」と挨拶を交わし、先を行く。 いくつかのアップダウンを繰り返し、暗いオオシラビソの林を抜け、沢状の登山道を登ると、笹が広がる草原に出て視界が開けた。「素晴らしい」焼山と火打山、妙高山の山々が目に飛び込み息を呑む美しさ。特に焼山の三岩峰が荒々しく男性的で圧巻だ。
 穏やかな山道を辿れば白い石のお地蔵さまがやさしい笑顔で迎えてくれる。あたりには綿毛のような種をつけた高山植物が秋の装いで最後の煌きを放ち愉快そうに陽光を受けて立っている。「あゝ素適なところに来たな」静寂の大自然の中で心も解き放たれ、溢れるばかりの幸福感が押し寄せてきた。 9:50天狗原山(標識はない)でTが休んで写真を撮っていた。「良い所やね。」「ほんとうに素晴らしい所や」と私も写真を撮り終え、腰を下ろす。焼山や火打山や乙見湖の絶景をゆっくり眺め、座った横に咲く高山植物に「来年また咲いてね」と綿毛を揺すりながら種を飛し、私もやさしい太陽に包まれた。
 「あと金山まで一息」と腰を上げ進むと、大きな下りとなり景色が変わった。先行のTが「凄いぞ綺麗や」と叫んだ。右には黒い岩峰の焼山が聳え、左には予期せぬ対象的なゆったりと穏やかな丘のような草原が広がり、赤や黄色の色彩を疎らに配した金山が横たわっている。女性的でやさしい山容に「山上の楽園やね」と歓声を上げ興奮した。 鞍部に下りだすと、騒音聞こえ目をやれば低空飛行のヘリコブターが目の前を通過して行く。大きく手を振ると助手席の男性も手を振ってくれ、雨飾山方向に飛んでいった。チョロチョロ水が流れる沢を登ると神ノ田園に着いた。地塘が見られ、このあたりでも夏には多くの高山植物が咲き乱れるのだろと想像しながら、秋色にお化粧した草紅葉を眺め見入った。右にトラバース気味の登山道が伸び、登り進むと10:30金山頂上に着いた。
 雨飾山は此処からは見えなくちょっと残念だったが、頂上に着けたうれしさを素直に喜び、倒れた山名柱を持ち上げ「移動式標柱や」と焼山や妙高山や黒姫山に向けて記念撮影をして楽しんだ。ランチを摂っていると長野の女性も到着し、その後三重からの御夫婦も辿り着かれた。今日の金山は6人だったが、頂上で6人が会し、山話に花が咲き楽しいものになった。 次第にガスが湧き山々を消していく。お天気が崩れそうなので11:15一足先に別れを告げ、山を下った。天狗原山の登り返しやその後のアップダウンで気が抜けなかったが13:30登山口に下山した。 小谷温泉のT字路の行き当たりに、駐車場がありその向かいに村営の露天風呂があった。此処で汗を流し、さっぱりして帰路に着こうとしたら雨が降って来た。「今日はラッキー」とタイミングのよさに感謝して、17:00帰宅した。 天狗原山は急登が続き思ったよりもきつい山だった。しかし登山者も少なく静かな山旅を楽しみたい人には言いがたい魅力のある山で、その向こうにはなだらかな草原が広がる金山が待っている。大きな驚きとうれしさが込み上げる素晴らしい楽園だった。そして焼山と火打山の展望のよさに感激させられた、青空に彩られた爽快な山行となった。
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