2010 山日記



■2010山行記録■


金剛堂山(1650m)       
2010.6.24(木)晴れ 
 梅雨の晴れ間に心を動かされ、トレーニングを兼ね金剛堂山に行ってきた。
 6:30家を出発して利賀へと向かう。山の木々は益々色を濃くし、季節の移ろいを明確に感じる。時の流れに疎くなったのか「今年も、もう半分過ぎたか」と人生にしっかりと押し流されるわが身を苦々しく思った。
 栃谷登山口に向かうと未舗道だった林道が舗装されていて、いささか驚いた。駐車場には2台の車が駐車され、先行者がいるようだ。
 準備を整え7:40橋を渡る。緑の洪水の中、グリーンシャワーを浴びながら登山道を登ると、淡いピンクのササユリがあちこちに咲きやさしい姿で目を楽しませてくれる。稜線に出て爽やかな木陰のブナ林をぬけ、少し登ると9:00片折岳に着いた。
           
 溢れるばかりの緑の濃淡                 ササユリが楚々とさく 

 休まず行くと道端にはアカモノの花が咲き、太陽の光を一杯に受けていかにも元気だ。道脇はササ藪に変わりススダケを探しながら登りと、良いあんばいに2本程食べ頃が見つかった。生でTとかじる。あくは無く歯ごたえがよく、ほんのり甘い。「パンダの気持ちが分かる」と冗談を言いながら尚登ると、道端にはゴゼンタチバナのつつましやかな花が今を盛りに咲いていた。斜度は緩くなり9:55頂上に着いた。
           
 乗鞍岳も良く見える                白山頂部には雲がかかる 

 頂上には単独男性が一人居られた。すぐあとから大長谷から単独男性も着かれた。好天で360度の大展望だった。大きな方位板に座り空腹でもないのにパンを食べコーヒーを飲んだ。一人は下山、大長谷からの男性も中金剛に見送ると頂上は二人だけの貸し切りとなった。なにをするともなく、天気が良いのでボーと時間を過ごした。しばらくして単独男性が着かれ、「お一人ですか?」と聞くと「あと一人来ます。」との返答。気配を感じ登場を待つとクラブ山仲間のMiさんだった。余りの偶然の出会いにうれしさが込み上げる。昨日仲間と来るはずだったが、悪天だったので今日一人で来たのだそうだ。登山口で連れの男性と出合い、奥金剛から東俣へ縦走されるコースに同行することになったと元気に話された。
        
 ボーと穏やかな時間を過ごす                 Taさんとご一緒に 

 美味しいチェリーをおすそ分けしてもらい、お二人を見送った。その後単独女性が到着された。金沢の方(Taさん)で我がH.Pを10年来閲覧下さっているとうれしいお言葉を頂いた。少し山の話などして彼女に頂上を譲った。
 今日は庄川に網が入る日、Tがアユ釣りモードに入っていて早い時間の帰宅を望んだ。10:55下山開始。下山途中には平日にも関わらず6.7人の登山者にお会いした。沢の近辺で土産に水菜(カタハ)を摘み12:45駐車場に戻った。
 今日はTの気持ちを尊重して温泉は無し。しかし利賀役場前に来た時、Tの親友がお勧め下さる利賀そばのことを思い出した。「ねぇOさんの言っていたそばを食べて来よう」すぐに意見が一致し、“そばの郷”に向かった。
 初めて訪れた“そばの郷”は情緒ある建物が点在してよい雰囲気の所だった。ごっつお館“なかじま”で美味しいざるそばを食べ西勝寺山門など見物し、満足して帰路に付いた。
        
 民芸調の”なかじま”店内                西勝寺山門 



霧ヶ峰 車山(1925m)   美ヶ原 王ヶ頭(2034m)    
2010.6.13(日)曇り
霧ヶ峰 車山(1925m)
 道の駅は早朝3時ぐらいまで若者たちが集まり、ガヤガヤ話声がしてなかなか深い眠りに就くことが出来なかった。
 5時に起き、敷地内にあるコンビニで牛乳やおにぎりを買い朝食を摂り、6時過ぎ車山高原スキー場にナビを合わせ出発した。
 152号線を走行して大門峠に来ると名前通りの霧ヶ峰、濃霧に包まれ運転もままならない程の視界不良だった。スピードを落とし慎重に走行すると立派な建物が見え、車山高原スキー場に着いた。霧に包まれた広い駐車場にはもちろん誰も居ない。ホワイトアウト車山自体がどこにあるのかも判らなかった。
 霧ヶ峰はTもMも青春時代、それぞれの友人とロマンチックな気分で八島湿原から白樺湖までニッコウキスゲの中を歩いた思い出の地だった。ただTが車山には登らなかったことで再訪を考えた。
 地図を見ると南側リフト横の尾根に登山道があるはず、懸命に探したがどこにも登山口らしきものは見当たらなかった。
 向かいのレストランや土産やの建物左横に階段の登山口があったが、最短尾根で登りたいと考えていたので、またビジターセンターに戻りゲレンデの斜面を登ってみた。笹中に隠れているのではと懸命に探したが、やっぱり無い。諦めて引き返すと足元に今まで見たこともない太くて長いワラビが沢山スクスクと育っていて、いつの間にかワラビ取りに夢中になっていた。
 Tが駐車場で待っていて心配していたようだが、手に一杯のワラビを見せると笑顔になった。「霧で何も見えないからワラビを取って居よう」と言うので、2人でワラビ取りに勤しんだ。次第に霧が晴れて来て車山も見えてきた。
 ゲレンデには「草原に入ってはいけません」と書いてあり、「こんなことばかりしていても時間だけ過ぎる」と土産屋の横から登ることに決め(現在この登山道のみ)、準備を整え7:10歩きだした。
           
 登山道から車山高原を見下ろす                 これが登山道、ちょっとやり過ぎでは 

 味気ない広い登山道は腹が立つほど山を愛する者にとって配慮がなされていなかった。道幅6mくらいの地均しされた登山道にはバラスが敷かれていた。青春の思い出も吹き飛んでしまう。40年前は黒い土の登山道が笹の中に行けども行けども延びていたのに。がっかりだった。若き日に歩いた細道は全てロープが張られ入れないようにしてあった。
           
 霧が晴れてきて頂上も見えてきた                 霧ヶ峰の草原に光があたる 

 霧が流れ頂上が時折顔を見せる。右に八島湿原に向かう道を見送り直進して急勾配を一登りするとリフト降り場に出て8:10神社のある頂上に着いた。
           
 車山頂上                 広場には気象レダーが建っている 

 頂上は私達だけの貸し切り、時折日が射し霧が峰の草原を照らす。広い頂上をぐるっと回り、パンを食べるとあとはすることもない。下山路は尾根コースと考えていたので降り口を探したが、どこもかしこもロープが張られていた。係員の男性が一人リフトに乗って登ってきた。地図を見せ「この尾根登山道は無いのですか?」と聞くと、「もうかなり前から閉鎖されています」と教えて下さった。
           
 霧ヶ峰は草原を歩かなくては意味がない残念                白樺湖を望む 

 8:40頂上を後にして、また味気ない砂利道を降り、動きだしたリフトを眺めながら9:20駐車場に戻った。
 40年前の感動とギャップがあり過ぎたが、沢山の山菜土産を貰ったからよしとしよう。  さあ、今度は美ヶ原へ直行だ。

美ヶ原 王ヶ頭(2034m)
 車山高原スキー場からビィーナスラインを走行して美ヶ原に向かう。
美ヶ原には2回観光で来ているが、当時のMは人工物の鉄塔を嫌い、三角点のある王ヶ頭には行っていない。(Tは青春時代、王ヶ頭で泊まったことがある)この機会にぜひ最高峰に立ちたかった。
 10:30山本小屋の無料駐車場に着く。多く観光客の車が駐車され、にぎわっている。リュックを担ぐのが場違いの様な気さえしたが、厭わず背負った。
 登山靴を履き10:40王ヶ頭に向け平坦な砂利道を歩き出す。ほとんどが観光客かと思えば、まれに登山者のらしき人も2組ほど見かけた。
           
 鉄塔のある王ヶ頭に向け歩き始める                 美しの塔と王ヶ頭 

 牧場の牛や馬が気持ちよく草を食んだり、膝を折って休んだりしている。穏やかな風景の中、天に突く鉄塔が教会の塔のように見え、王ヶ頭は草原の海に浮かぶモンサン・ミッシェルのような錯覚にさえ思えた。美しの塔を過ぎ、塩クレ場を右折して広大な草原の中を歩く、柵の中には健康で自由に動きまわる牛達の群れ、やっぱり美ヶ原はやさしい風景だ。
           
 11:20テレビ中継塔が立ち並ぶ王ヶ頭に着く。王ヶ頭ホテルの前にはバスが停まっていて拍子抜けしたが、ホテル横を通り裏に回ると石の社がありその奥に三角点の石柱と少し離れた場所に山名を彫った大石があった。記念写真を取り、ホテル前に戻ってベンチに腰掛け、昼食のおにぎりを食べる。
           
         
 王ヶ頭の石仏群

 寒くなり、11:40引き返すことにした。人間のちっぽけさが痛いほどわかる広大な草原にはもう人はいない。ただ牛と草原と空だけが広がっていた。塩クレ場を過ぎ、美しの塔に来ればちらほらと観光客とすれ違ったが、往路に比べれば比べものにならないほど寂しい人の数だった。
 12:20山本小屋に戻る。無意味な様な気さえしたが、これで今回の山旅は終了した。 下山後の楽しみはやっぱり温泉。美ヶ原温泉の白糸の湯(300−)は源泉かけ流しで湯量もたっぷり、疲れた身体を湯に沈め、100名山の97番目になった素晴らしかった浅間山の風景を静かに思い浮かべた。

浅間山 (2568m)       
2010.6.12(土)晴れ  
  梅雨入りを前に、来週はTのアユ解禁、来々週はMの同窓会と山に登る条件が整わない。今週はぜひ身体を動かしておきたいところだが、日々の心労の蓄積と変わり映えしない候補ばかりで気持ちに火がつかなかった。くすぶった気持ちで夜を迎えるとTが「遠出しようか」と誘い水を投げかけてきた。そう言う気持ちなら、火山危険レベルが4/15から2から1になって以前から機会を待っていた「浅間山とついでに車山、王ヶ頭に行こう」と決まったのが前夜の10時ごろだった。それから温泉や道の駅など資料を集めたり、ガソリンを入れに行ったり、泊まり準備を整えたりして慌ただしく事を進めた。
 寝不足を按じながら5時家を出発した。「慌てず事故の無いように気を付けて行って来よう」を合言葉に、浅間山登山口のある天狗温泉浅間山荘に向け車を走らせた。
 小諸ICを降り、ナビに導かれながらチェリーパークラインに入り、天狗温泉の看板案内に従い右折して未舗道の林道を走り浅間山荘に着いた。
 有料駐車場の500円(温泉が100円割引)を払い、指示に従い下段の広い駐車場に車を停め、早速準備に取り掛かった。
 8:55浅間山荘の右横にある鳥居をくぐった。蛇堀川に架かる橋を何回か渡り返し、左岸のカラマツ林の登山道を爽やかなハルセミの鳴き声を聞きながら行くと一の鳥居に着いた。不動滝の分岐でどちらも二の鳥居に至る。どちらにしようか迷ったが地図を見て右岸に渡った。ミズナラ林の道脇には霊神碑が置かれ歴史ある信仰の道であることがうかがえた。
           
 登山口の天狗温泉                 一の鳥居

 9:40二の鳥居に着く。休まずカラマツ林の長坂を登ると、木々からホトトギスとカッコウの爽やかな歌声が森に響き、身心の清涼剤になった。
           
 槍ヶ鞘やトーミの頭などの岩峰に目を奪われる                   牙山の岩壁は威圧的

 登り終えると正面には牙山の垂直岩壁が目に飛び込みはっとする。ミヤコザサの小道を行くとこんどは左手に鋭峰のトーミの頭がおおいかぶさる。「浅間山ってこんなにインパクトのある素晴らし所だったの」単調な登りとばかり思っていたので、予想外の自然の演出に驚嘆するばかりだった。穏やかなカモシカ平を過ぎ、鼻につく火山性ガスを感じつつ、奇峰の牙山に目を奪われながら枯れ沢を渡ると10:30火山館に着いた。
         
 鋭峰牙山                   火山館からのトーミの頭

 薪を燃した匂いはどこかなつかしい。鳥居をくぐり、小屋前のベンチに座り休憩をとった。多くの登山者が休憩をしている。トーミの頭をはじめギザギザ岩峰が目を虜にして魅了する。素晴らしい場所に建っていると感心しながら腰を上げ、浅間神社に安全祈願をして小屋をあとにした。
           
 湯の平では次々に趣の異なる庭園が目を楽しませてくれる                   いよいよ浅間山が見えてきた

 平坦な湯の平は庭園を歩いているような風雅な美しさで、これでもかこれでもかと心に響くものがあった。森林限界を過ぎると正面には大きな穏やかな山容の浅間山の外輪山前掛山が姿を見せている。足元の岩砂礫にはミネズオウが一面に咲き誇っていた。ザレ場の登山道を登って行くと湯の平が眼下になり、黒斑山や蛇骨山の山稜が見渡せた。石グルマに乗らないよう、ずり下がらないよう足に力をいれ一歩一歩登りつめると前掛山の肩に着いた。
           
 湯の平や黒斑山などの第一外輪山が眼下になる                   立ち入り禁止なのだが・・・・

  立ち入り禁止の警告板とロープが張られている。しかし、浅間山に向かって人の列が続いている。「ええ、これって自己責任ってこと?」ほぼ100%の人が浅間山に向かって迷わず登って行く。後ろめたさを感じつつ、私達もその踏み跡ガレ道に乗った。 「浅間山の神様どうぞ怒って急変しないで下さい」と念じつつ、全速力で登り12:00火口縁に立った。
           
 前掛山を背に浅間山火口縁で                   火口底

           
 浅間山火口  (3枚結合)                 

 有毒ガスが吹き上がりあまり長居はしたくない場所だった。「よくぞ火口底を覗かせて下さった」と浅間山の神様にお礼をいった。それでも稀ではあるが危険を顧みず火口縁を歩き三角点を目指す登山者も見られた。もし有毒ガスにやられたらどうするのだろう?大変なつわものだ。写真を何枚か撮って満足して下山する。シェルターの場所まで戻り、少し見晴らしの良い所まで登りランチタイムとした。本当に良い日に来たものだ。穏やかな山上は開放的な大空間でゆっくり時間を過ごすことが出来た。
           
 シェルター                   第二外輪山前掛山

 Tがお酒を飲んでいてMは時間を持て余す。外輪山の前掛山にも時折人の姿が見えている。急に前掛山まで行きたくなり空身で出かけることにした。平坦だが狭い登山道、もし強風などあれば危険だろうと思いながら歩くと浅間山と書かれた山柱が建った前掛山に着いた。大きな火口をもつ浅間山が良く見える。大満足してTが休んで居る場所に戻った。
           
 前掛山頂上                  浅間山全容

 13:10下山開始とする。ザレの登山道を滑らないように降り、庭園の様な湯の平に別れを告げ、沢山の登山者が集う火山館を見送り、緑美しい樹林をぬけ15:00浅間山荘に戻った。
 もちろん赤褐色の泉質天狗温泉(500円が400円)に入り、汗と疲れを取りさっぱりとして長和町にある道の駅“マルメロの駅ながと”へと移動した。
 この道の駅敷地内にも源泉かけ流しの温泉(500−)があり、食事をしたり入泉したりして20:00まで日が暮れるのを待って、この地で車中泊した。

火打山 (2462m)       
2010.6.6(日)快晴
 何回か妙高山、火打山に登ったがいずれも天気に恵まれず、頂上からの展望を見たことがなかった。週末の天気はすこぶる良くこれはチャンスと大きな期待を胸に火打山に登ってきた。
 寝坊して出発が遅れ4:40家を出発する。高速道路を走り、妙高CIで下り、笹が峰キャンプ場のある登山口へと急いだ。夏には満車の広い駐車場もいまは閑散としている。それでも6.7台の車が止まっていた。
 ウグイスのさえずりを聞きながら心地よく準備を整え7:20東屋を潜った。木道を歩くのは無粋だが、ブナの若葉が眩しく心が癒される。グリーンシャワーを一杯浴び、「しあわせ」「良い季節」と青空に映える若葉と直立する大小のブナの白い幹のシンフォニーを楽しんだ。
           
 心が癒される、清々しいブナ林                 黒沢を渡ると急登が続く

 渓流の水音がだんだん近づいて来て、8:05黒沢橋に着いた。これから本格的な登りとなる。
 しばらく登ると十二曲がりとなった。前回は鎖場があったように記憶していたが、道が整備されたのか登り易くなっていた。途中にはピンクのシラネアオイの群生が見られ心を和らげてくれる。
          
 ふんわりとしたやさしさのシラネアオイ                たっぷりの残雪に鼓舞する

 尾根上に出るとぎっしりと残雪があった。なだらかになった針葉樹の林を穏やかに登り、富士見平を過ぎ黒沢岳の裾まで登ると素晴らしい展望が開けた。 振り向けば銀嶺の白馬三山や五龍岳が遠望でき、左に男性的な焼山、行く手には女性的な火打山が美しい姿を見せてくれている。下山の男性にお会いしたので「もう頂上まで行って来られました?」と聞くと「泊まりました」と御返事を下さった。高揚しながら、黒沢岳の残雪に覆われた山腹をトラバースすると三角屋根のヒュッテが見え隠れして、雪原を行くと10:05高谷池ヒュッテに着いた。
          
 黒沢岳の山腹からの火打山(右)と焼山(左)                雪中の高谷池ヒュッテ

 ベンチに座り栄養補給して、アイゼンをはいた。10:20頂上に向け、勢だ気持ちで高谷池の広い雪原を突き切り進んだ。
 一登りすると火打山の優美な姿がなお大きく見え、頂上直下の雪斜面に登山者が登って居るのが見えた。意欲を掻き立て天狗の庭に駆け下り、火打山稜線に向かった。
          
 優美な火打山               頂上を目指し急斜を登る

          
 振り向けば三田原山を従え妙高山がそびえる               近くに寄って来てくれたライチョウ君

 稜線の登山道は時折地面が出ているところもありアイゼンが邪魔なときもあったが、道脇の残雪を拾いながら登るとそれほど苦にもならない。鬼が城に続く褐色の岩壁を眺めたり、雷鳥のつがいの出迎えを受けたりしながら、マイペースで登り続けた。長い雪の急斜面を二回ほど慎重に登ると、先に着いたTと魚津の男性の声が聞こえ11:55頂上に着いた。
          
 火打山頂上、石仏と三角点                焼山をバックに

          
 天狗原山(左)と金山(右)奥左は白馬三山                頂上ではオコジョちゃんも運動会

 頂上は360度の大パノラマで焼山が圧巻だ。白い金山その後ろは緑の雨飾山、朝日岳から鹿島槍までの北アルプス、高妻や黒姫、戸隠もう言ったらきりがない。目を海に向ければ能登半島が海面に伸び、海上には佐渡ヶ島も見える。最高の眺望に大満足して、ようやく腰をおろした。後から来られた、加茂市の男性と長野市の男性と5人で頂上のゆったりした時間を共有し、空腹を満たした。山の話や各県の道路事情の話で盛り上がり、あっと言う間に時間が過ぎていった。
          
 焼山北面台地    

 12:50下山開始する。アイゼンがザクザクと心地よくリズムを奏で快調に降る。泊まり組の5.6人の男女がベンチで語らぐ高谷池ヒュッテを横目で見送り、先を急ぐ。15:00黒沢橋に着き、木道を降り15:30駐車場に戻った。
 「楽しかったね」「雪が多く奇麗だったね」と感想を語り合いながら、大満足の山行に心は静和した。
 着替えを済ませ、杉野沢温泉苗名の湯(450−)で汗を流し、関川関所横の“御宿せきかわ”にざるそばを食べにいった。残念ながら15:00で店じまいしていてがっかりしてしまったが、妙高温泉の“藪そば”を教えてもらい、美味しい霧下そばと山菜てんぷらを賞味してこれも大満足して一路帰宅の途に着いた。

人形山 (1726m)    カラモン峰 (1679.3m)    
2010.5.22(土)曇り 
 今週は山菜土産をあてにして人形山に登ることに決めた。
 6時家を出発して、一般道を通って五箇山に向かった。田向から林道をクネクネ走行して登山口に着くと5台ほど車が(石川ナンバーが多い)駐車されて、思った以上の賑わいだ。一足先に着いた車はK母娘さんで今年に入ってもう3回目の再会だった。
 挨拶を交わし、準備に取り掛かり、7:25K母娘さんと4人で歩きだす。
近況山行報告や山情報を聞きながら登ると、去年は登山口までの開通が早く四月には春木山とカラモン峰まで足を伸ばしたと話された。時折コシアブラを摘みながら登る彼女達は健脚でそのスピードに汗が噴き出る。第一ベンチ手前でK母娘さんに先に行ってもらい衣服調整をした。
 8:25第一ベンチに着き、登り進めると右の樹間から人形山からカラモン峰の稜線が見え結構残雪が繋がっている。Tに「ねぇ、カラモンに行くチャンスかもしれない、カラモン峰までトレーニングがてら行こう」と提案した。Tが同意して目的地を少し延ばした。第二ベンチを過ぎ、頭上にはタムシバ足元にはイワウチワのやさしい淡いピンクの華やぎを感じつつ登ると時折残雪が見られるようになり、登山道はぬかるみ始めた。
 9:20宮屋敷に着く。三ガ辻山や人形山やカラモン峰の眺めが良い。平石に腰を下し小休すると汗が気化して寒くなった。意欲を燃やしつつ人形山に向け雪原を降る。残雪の稜線上で単独女性がもう下山されてきた。「早いですね」と声を掛けると「出発が早かっただけです」と謙虚だ。それにしても早朝一人での入山は熊の遭遇など不安も大きいだろう、勇気があるなと感心した。
           
 宮屋敷で一休み                  この辺りからの三ガ辻山は堂々としてかっこいい

 ハシゴ坂には雪が無くカタクリが満開で可憐な姿で心を和ませてくれた。人形山でこんなカタクリの群生を見たのは初めてだったので、四季折々どれだけの花の種が咲くのだろうと考えると人形山の自然の豊かさに感心させられた。
 10:15三ガ辻山の分岐に着いた。今日は晴れではないが白山連峰の壮大な景色が良く見える。右に進路を取り頂上に向かった。このあたりにもカタクリの群生があり目を楽しませてくれた。
           
 こんなにカタクリの群生があるとは                  人形山からカラモン峰(最奥)の稜線を見る  

 10:35人形山に着き、とっくに着いているはずのK母娘さんにカラモンに行くことを伝えようとしたが、頂上には男性が2人だけ、K母娘さんは三ガ辻山に回ったようだ。
 熊避け鈴を付け、カラモン峰に向け出発する。暫くは踏み跡があるが、人形山を降下する所から、猛烈な藪漕ぎとなった。Tが「止めよう」と言ったが、この時期しか行けないと思うと捨てがたく、Mが先頭を切って藪に入った。Tが上部から指示を出し「右によって」と叫ぶ、枝が絡まり そうそう簡単に脱出できない。苦戦しながらそれでも何とか腰辺りまでの藪になり稜線を忠実にかき分け進んだ。
           
 雪上を歩くのは気持ちが良い                  カラモン峰はもうすぐ  

 稜線脇の残雪上を歩けるところは楽だったが、谷に切れ込んだ場所や、枝や木が邪魔して進路が取れない場所は必然的に藪漕を強いられた。後半はやや雪が繋がり楽をさせてもらったが、カラモン峰の細尾根の藪漕ぎは緊張した。しかし雪斜面に出てそこを登ると11:35頂上に着いた。
           
 頂上手前の藪                  カラモン峰頂上  

 藪中の灌木に3つぐらい赤いリボンが括りつけられ、その下の地表には三角点の石標があった。
           
 三角点が出ていた                  人形山を眺めながら大休憩  

 写真を撮り、ほっとして雪上に出て、人形山を眺めながら大休憩とした。この方面から人形山は初めてで感慨深いものがあった。お腹を満たし熱いコーヒーを飲むと心から憩うことが出来た。
 12:05頂上を後にする。帰りの藪漕ぎを思うと気が重かったが、地に足を付けず、枝に乗りながら移動すると余り疲れなかった。スッポリ身長を隠してしまう笹竹を両手でかき分けTの声の方向に進む。気持ちは前進しているが、足が付いてこない。竹に引っ掛かり身体から倒れてしまった。なんとかクリアして踏み後のある登山道に出るとほっとして開放された。握りしめたストックをみるとグニャと曲がっていた。「あぁ勿体ない。ショック!!」
           
 人が埋まってしまうところもあった藪(人形山の登り)                  人形山頂上で白山を眺め余情にひたる

 13:05人形山頂上にはもう人っ子一人居ない。破損したストックをリュックに括りつけ、閑寂の頂上で白山を眺め、もう一度コーヒーを飲んだ。「さあ降ろうか」お互いに声を掛け下山開始とした。
 ハシゴ坂を降り、その登りで単独男性を追い越し、宮屋敷で小休して、長い長い尾根をひたすら降り、登山道脇のコシアブラを摘みながら13:40駐車場に着いた。
 その付近で、希望通り多くのワラビと少量のウドをお土産とし、五箇山荘で汗を流し豊かな幸せを感じつつ、帰宅の途に着いた。

大倉山  (1443m)       
2010.5.16(日)晴れ 
 この頃、土日になると好天が続く。こんな条件が良い時はやっぱりスケールの大きな雄大な風景が見たい。毛勝三山の展望を期待し、東又からの僧ヶ岳と大倉山を候補に選んだ。東又からの僧ヶ岳は2年前熊に遭遇して少し怖気づいていて決断はつかない。「それでは手っ取り早い大倉山にしよう」と決め、出かけてきた。
 6時家を出発して登山口に向かう。伊折橋を渡り左の狭い林道に入り、悪路を交わしながら、大倉山駐車場に着いた。
 「え、だれも居ない!!」今日は私達だけのようだ。重苦しい静けさの中ゆっくり準備を整え、最後に熊避け鈴を付けた。
 7:25登山道を歩きだす。フクラハギが伸び痛みを感じつつ急登すると突然大きな羽音のような音がして緊張が走る。まったく小心もの、熊はいやだと「おーい、おーい」と大声をあげ、Tが笛を吹きまくる。少しは落ち着き8:25 1000m地点に着いた。
           
 ようやく残雪に覆われてきた                  残雪の山に低山の新緑が映える 海も近い

 ここも夏みちが出て残雪がない。物足りなさを感じながら稜線を行くと1200mを越えるころから時折残雪が見られるようになり、1300mを越えるとやっと残雪で覆われはじめた。1400mあたりの雪斜面を登ると平原に出て少し行くと、大展望が得られる頂上に9:45到着した。
           
 毛勝岳が目前に広がる                  なんといっても剱岳に心も目も奪われる

 「わぁ凄い」「素晴らしい」と感嘆の声をあげる。正面には端正な毛勝三山が行儀よく大きく聳え、その右には威容を放つ剱岳がどっしり構える。その横には大日岳がスカイラインを描く。「やっぱり大倉山は大展望台だね」ぐるぐる頂上を回転しながら山々と谷を眺め、心の底から癒された。同じような写真を撮って撮っても取り飽きない。ようやく落ち着きリュックを転がしその上に腰を下した。おにぎりを頬張り目は常に山に魅了されていた。熱いコーヒーを飲み、心身とも満腹だ。
            
 O氏と猫又谷を眺める                  偶然の出会いに喜ぶ O氏と頂上で

 頂上の先まで行き南又を覗き、偵察をしていると誰か頂上に着いた様だ。「あれはひょっとして!!」「Okuさん?」笑顔のO氏だった。久々の出会いのご挨拶を交わし、高揚した声で頂上は華やいだ。しばし山談議や四方山話に花が咲き、穏やかな頂上での時間が過ぎていった。
 お酒をチビチビやるTも満足したか、下山を促すと腰をあげ、後から来られた男性2人を含め3人に頂上を譲り10:55下山開始とした。
              
 僧ヶ岳と駒ヶ岳もよく見える                  タムシバロード

 うららかな下山道にはタムシバが競うように咲き、さながらタムシバロードだ。青空に映える清楚な花は気品に満ち、花弁を空に向ける姿は春の歓びを歌い上げているようにも思えた。ほんとうに心弾む良い季節だ。
 1000m地点に戻りスパッツを脱ぎ、ロープに助けられながら急斜を降り12:20登山口に着いた。
 まだまだこんな時間、リックを担いだまま林道を上流に向かいウド探しをするが、そう上手く見つからない。諦めて車に戻り、何気なく河原に降りるとウドが目に止まった。「あった。」4本のお土産つきだ。幸せな気分で登山靴を脱ぎ、ゆっくり湯神子温泉で汗を流し、ネッツで座席の不具合を直してもらい、ルンルン気分で帰宅した。

鍬崎山  (2090m)       
2010.5.3(月)快晴 
 ゴールデンウィークはほぼ天気に恵まれる様だったが、直前に弔事があったり、登りたい山が絞り込めずにいたりしていると、日は足早に過ぎていった。
 この辺で身体を動かしておきたい気持ちと、まだ意欲が湧かず山登りが仕事の様な気さえする相反する心に戸惑ったが、前者に軍配があがり、前大日岳、立山、と登ったのだから今回は立山の右側、鍬崎山に登ろうと決め、出かけてきた。
 5:30家を出発し、三週続けて同じ方面に車を走らせ、芦峅寺の立山大橋を右折して、らいちょうバレーゴンドラ駅に着いた。
 広い駐車場の最も乗り場近くに車を停め、準備に取り掛かった。チケット(往復1.000−)を買い、登山届を書きながら「今日は誰か登られていますか」と質問すると、私達が4番目だと教えて下さった。
 随時運行されるゴンドラに乗り込み、7分間で山頂駅に立った。朝の空気を一杯吸い込み身支度を整え、7:05鍬崎山に向け歩きだした。
 汚れた残雪を踏み、ブナの林を登ると反射板のある瀬戸蔵山に着く。展望が開け弥陀ヶ原や大日岳、立山が遠望でき爽快な気分に包まれた。山頂をトラバースぎみに降り、一登りすると8:20大品山に着いた。
           
 瀬戸蔵山に向けブナ林を行く                  大品山に向かう

 横浜から来られた初老の男性が休憩されていて、正面に見える毛勝三山の情報など語らい小休した。Mはスパッツを忘れビニール袋を代用にして靴に雪が入らないよう工夫し、一足先に頂上を後にして、見覚えのある粟巣野の分岐を確認しながら大品山を大きく降った。
 ここからが本格的な登りに入る。登山道が直角に曲がる立山杉の巨木まで登りここで栄養補給し、急登の標高差300mを一気に登った。
           
 大品山を大きく降る                  鍬崎山はまだまだ遠い

 P1756に着くと立山も近景に見え神々しい景色が広がっている。正面には三角形の鍬崎山が聳えているがまだまだ遠い。心配していた露岩の鎖場は鉄棒も鎖も出ていて、按ずることはなく乗り越えることができた。細尾根を慎重に登り、単独の長靴の男性(リタイヤされた)を追い越して、そこでアイゼンンをつけた。
         
 急斜の細尾根を登る                  鍬崎山はもう間近

 頂上直下の急登ではアイゼンが良く効き、安心して登ることが出来、11:15頂上に着いた。
 先に着いたTが大声で歓声を上げ誰かと話している。「だれだろう?」近づくと去年10/12新潟の鳥甲山でお会いした焼津市のMi氏だった。
 偶然の再会に驚きと懐かしさが湧き、「どうして!!」とても興奮した。鳥甲山でのお礼を述べ、ゆっくり再会を喜びあった。Mi氏は毛勝山に登るために来県されたのだが林道が片貝第二発電所で通行止めになっていたそうだ。それで今日は鍬崎山に登られたのだそうだ。「7日から片貝山荘まで入れるようになるから、それまで富山に留まって、金剛堂山、白木峰、医王山などめぐって、登っていくよ」と話された。Mi氏は200.300名山をあとわずかで完登される、とても健脚者だ。南アルプスの200名山の情報を聞き、素晴らしい薬師岳や立山連峰などの眺望を共有した。
         
 薬師岳の展望台 鍬崎山                  頂上で懐かしいMi氏と

 単独男性が到着された後、少し遅れて横浜の70歳Ko氏が着かれ、4人で楽しい山談議が続いた。Ko氏は500名山を登っておられるそうで、そのお元気さと行動力に頭が下がるばかりだった。
          
 頂上からの剱岳と弥陀ヶ原                  優美な薬師岳

 風もない頂上での話は尽きないが12:25 Mi氏と共に3人で下山開始とした。天上の太陽はギラギラ輝き、非常にのどが渇いたが、長い道のりとアップダウンの繰り返しも、多趣多様の話を聞きながらの下山は、疲れも感じず、15:20ゴンドラ駅に着いた。
 雪除けが進み登山道はぬかるみ 靴は泥だらけ、マナーを守り 駅で靴を洗いゴンドラに揺られて駐車場に戻った。
 今朝はなんとなく意欲の無いまま登山に入ったが、素晴らしい風景やお天気に恵まれ、またなんと言ってもMi氏にお会いできたことが充実した楽しい一日となった。
 Mi氏の無事な山旅を祈り、握手してお別れし、吉峰温泉で汗と疲れをとり、帰路についた。 

雄山  (3003m)       
2010.4.25(日)快晴
 今週の日曜日も最高の好天に恵まれるようだ。このチャンスを活かし、立山黒部アルペンルートの名物 雪の大谷見物を兼ね、雄山に登ることに決めた。
 7:20のケーブル始発に間に合うよう5:20家を出て、先週と同じ道、千寿ヶ原に向かった。
 立山駅に着き、Mは一目散にチケット売り場に走った。駅構内を覗くともう多くのスキーヤーが乗車待ちしていて、構外のチケット売り場にも40人程の人が並んでいる。その最後尾に付き、朝の寒さを堪えながら順番を待った。見上げるともうケーブルカーが運行しているのか、軌道を登って行くのが見えた。お陰で希望通り7:20発の 乗車券をゲットすることが出来き、ほっとした。
 河原の駐車場で、防寒準備を済ませ、立山駅に戻り、指示通りケーブルカーに乗り込む。7分間で美女平に着き、高原バスに乗りかえた。
 車窓から立山杉の巨木や大谷の雪壁、雄大な大日岳、薬師岳など観望しながら8:35室堂に着いた。
 さっそくスパッスなど履き、ターミナルの屋外に出ると、真っ白な立山が雄々しく鎮座して息をのむ美しさだ。
         
 室堂からは思い思いの場所に散々する                   雄山へ向かう                 

 8:45一ノ越に向かって歩きだす。スキー跡に導かれトラバース気味に行くと傾斜面の為とても歩き辛かった。平坦になった所でアイゼンを履くと、快適に歩きやすくなった。
 9:45一ノ越に着く。ここにはたくさんのスキーヤーが御山谷に滑降するため小休してリラックスしていた。しかし寒い、耳が痛い。居たたまれず小屋に入り、Tが竜王方面の稜線を迂回してくるのを待つため、パンを食べた。
         
 龍王岳側から雄山稜線を見る(鞍部は一ノ越)                   御山谷を見つめるスキーヤー達(一ノ越で)                

 Tと合流して10:00雄山に向け登り始める。岩が露出したり、雪が凍結したりして、とても危険だ。慎重に進路を選び登って行く。突然の雪壁の急斜に出くわし、12本アイゼンの先端を雪に蹴りつけ3mほど登るのだが、もし落ちると大変なことになる。慎重に足を運び登りきると、延々と斜度の強い岩場と雪が交互して、気が休まる所は無かった。
 中間地点では斜度が弱まり余裕も出てくるが、なにせ3000mの自然環境は厳しくその後も集中力を絶やさず、丁寧な登りに努めた。
         
 岩と雪の急斜は緊張の連続                   頂上が近づく                

 ガイドと5.6人の登山者がロープで結びあって下山して来られた。目が合うと韓国語で「アンニョン ハセヨ」と元気な声援を送って下さった。頂上直下も傾斜がきつかったが、社務所が「もうすぐだから頑張って」と言っているようで元気100倍、11:00頂上に着いた。
         
 天を突く雄山神社                   雄山神社頂上で

 青空を背景に神社が気高く建っている。早速参拝するため神社に登った。たくさんお願いごとをして柏手を打ち深々と拝礼した。360度の大パノラマ、無制限の居座りもこの時期なら、だれにも迷惑にはならない。ゆっくり遠望を楽しみ、神聖で清冷な空気を一杯吸い込み悦に浸った。
         
 頂上からの社務所                   頂上からの室堂、大日岳が低い

 Tが社務所に降ったので、Mもそろそろ降りよう。ビュービューと風が吹き寒い。社務所の横で風をしのげる場所を見つけ、ここで空腹を満たした。
         
 頂上の岩にはエビノシッポが着く                  一ノ越山荘と龍王岳  

 11:40下山開始。下りにはピッケルを持ったが、凍結雪には刺さらず返って使い勝手が悪く、頼りにはならなかった。しかしアイゼンが良く効き、12:05一の越に戻った。
 緊張感から開放され、ピッケルなど仕舞い、ゆっくり小休する。竜王岳が威容を放ち、目を引き付ける。熱いコーヒーで身体を温め、12:25一の越を降り出した。
 ここからの景色も美しい。目前には純白の大日岳が横たわり心癒す風景だ。写さずにはいられない景色は心を釘付けにした。どれだけ立ち止まり写真を映したことだろう。
        
 純白の室堂平と大日連山はため息がでるほど美しかった                  雪の大谷を散策する人々(車窓から)

 そこにヘリコブターの爆音が段々大きな騒音として近づいてきた。物資の輸送かと気に留めなかったが、下山登山者が足を止めて振り返り一点を見つめている。私達も振り返って見てみると低所でヘリコブターが静止して浮かんでいるのが見えた。滑落事故があったようだ。(家に帰ってニュースを見ると男性が死亡された)「こんなに神々しい場所で晴れ晴れとした感動渦巻く景色を共有した人が不幸に遭うとは」心が痛んだ。
 重い気分で13:10室堂に着いた。中国語や韓国語が飛び交い観光客がひしめき合う中、どこの女性トイレも長蛇の列で気が遠くなるほど待たされた。こんな早い時間では観光客が多すぎて高原バスにも乗れないだろう。「みくりが池温泉に入って時間を稼ごうか?」「まずは雪の大谷見物に行こう」と意見がまとまり一階に降り、外の出口を探すと通行止めになっていた。駅員さんに聞くと「売店横から」と教えて下さった。帰りのバスの情報を聞くと、これからもっと予約の団体客が多くなり、いまでもケーブル待ちは一時間だと教えられ「今帰った方が良い」とアドバイスを貰った。「帰ろうか」と二人同意して、一般客のバス列後方についた。
        
 頂上からの展望   (左 燕岳、その後 常念岳     中央 槍ヶ岳      右 薬師岳 その後 笠ヶ岳)                   

        
 頂上からの展望   (左から 五龍岳   鹿島槍ヶ岳     爺ヶ岳 )                   

 少しの待ち時間はあったが、予想以上にスムーズに乗り継ぎ出来、呆気なく15:20暖かな下界の立山駅に着いた。塩分欲求に駅前でそばを食べ、身心とも満たされながら河川の駐車場に足を向けた。