2010.8.30(日)快晴
息子が山にはまってきたようだ。「どこか山に連れて行って」とリクエストを受ける。私達夫婦はまだ身体が山を拒んでいる。しかし今週の休日はとびっきりの好天らしい。
そう言えば、「中尾峠からの焼岳を見たらきっと驚くだろうな」と息子の笑顔を期待して、中尾温泉から焼岳に登ることにした。
5:10 家を出発する。41号線の道の駅林林あたりからトラックが前を走り、スピードが全然でない。いつになったら着くだろうと心配したが、漆山あたりで前に出してくれた。その後順調に走行し、新しく出来た蒲田トンネルをぬけ中尾温泉に入り、林道奥の駐車場に着いた。車は思ったほど居ず4台だけだった。
準備を整え通行止め鎖を7:25歩き出す。林道から山道に入り、丸太橋を渡り鬱蒼とした樹林を登りだす。木陰の林は涼しく、昨日は雨だったのかしっとりして心地よい。
7:55林道終点の登山口に着き、息子に先頭をまかせ登り出した。ブナの大木やサワラの巨木に目を奪われながら快調に登って行くと、樹間から笠ヶ岳が端正な山姿をみせてくれる。心弾みながら尚登ると、3組の登山者が小屋で泊まられたそうで下山されて来た。
白水の滝 秀綱神社で休憩
9:00秀綱神社で休憩して、中尾峠に向かう。やがて灌木に変わり、笹で覆われるようになると9:30中尾峠に着いた。
ピーカンの青空、目前には焼岳溶岩ドームが厳めしくそそり立ち魅了する。私達夫婦はここで小休したが、息子は登高意欲をそそられそのまま登って行ってしまった。登山道は上高地からの登山者と合流して、にぎわっている。
中尾峠からの笠ヶ岳 上高地と明神岳
中尾峠からの焼岳 轟音をあげガスを吹きあげる焼岳
靴紐を直し、頂上に向け歩きだす。笠ヶ岳がやさしく優美だ。眼下には上高地が良く見える。前穂から奥穂の吊尾根や、西穂やジャンダルムもすっきり見渡せる。「良い天気だね」と岩礫を登り10:25頂上に着いた。息子はもう20分前に着いたそうだ。
笠ヶ岳をバックに頂上で 乗鞍岳をバックに頂上で
槍、穂高が一望 火口池
三人で穂高が見える場所に座り、ゆっくり休んだ。焼岳に来てこんな3時間で登った事は無かった。息子のリードだろうか?Tが「年を取って来るのにT&Mの時間が早まった」と茶化す。
ランチを食べ終え、360度のパノラマを堪能して11:10下山開始とした。あんなに登りでは楽勝といっていた息子だが、降りとなると違うようだ。1200Mの下降はモモに来るらしく、初心者はやっぱり下降が苦手だ。数をこなし、登って降る訓練より他は無い。
それでも13:10 2時間で駐車場に着いた。暫くは標高差1200M位の山行が適当らしい。
下山後は中尾温泉 焼乃湯(500−)で汗を流し、さっぱりとして帰宅の途についた。
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悪沢岳(3141m) 赤石岳(3120m)
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2010.8.22(日)晴れのち曇り
9月に予定していた日本百名山の完登達成だったが、ここ数日好天が予想され天気は安定している。悪沢岳から赤石岳の長い縦走路はなんとしても好天が望ましい。心が動き少し早く決行することにして、21日〜25日まで出かけてきた。
■8/21(土) 朝7:00家を出発して、砺波ICから東海北陸道 東海環状 東名高速を乗り継ぎ、焼津ICで高速を降りた。
焼津はなんと言ってもまぐろの町。山で知り合った焼津在住のMi氏から安くておいしいお店を聞いていたので立ち寄ってみた。大トロのさくどりもここでは破格値で安い。早速刺身用に切ってもらい、今晩のごちそうに持ち帰った。
静岡市内からR362に入り千頭に着き、畑薙ダムに向かう。途中ぜひ入湯したかった寸又峡温泉 光山荘(500−)に立ち寄り、未だかつて体験したことの無い無比のぬるぬる泉質と湯量の多さ 湯温 貸し切りに顔が自然とにやけてしまった。大満足して最終目的地、畑薙第一ダムへ向かう。
寸又峡温泉の泉質はぬるぬるで美人づくりの湯 大井川鉄道
長かった道のりも16:30には畑薙第一ダム臨時駐車場に着いた。車が60台位停まっていたが人の気配は全く無くさびしい想いをしたが、夕食を食べていると2.3台の車が着いた。今日はここで車中泊する。
■8/22(日) 早朝目が覚めると着々と乗用車が到着して、駐車場のあちこちで人影が見えた。朝食を食べ始発のバスを待つのだが8時発では時間が余り過ぎる。昨夕、知り合った埼玉の単独男性が、インターネットにはバスが7:30に出発すると書いてあったと教えて下さり、登山届を書くのに少し早くバスの昇降場に登った。
臨時駐車場の様子 東海フォレスト無料バス乗り場
もうバスは着いている。3000−の前払いチケットを買い(宿泊代として使える)、指示を得て、東海フォレスト無料バスに乗り込んだ。
椹島から到着したバスと入れ替えに、7:30発車した。畑薙第一ダムゲートを通過して未舗装の狭い林道を進む。畑薙ダム湖に架かる橋を渡り、いよいよ崖路となり山紫水明の趣きだ。この奥深い幽谷に緊張感と喜びを感じながら約1時間かけ椹島に着いた。
畑薙第一ダム(車中から) やっぱり遠かった椹島
8:40椹島ロッジ棟前を歩きだす。近道の登山道を登り、林道を歩き、滝見橋脇の千枚小屋の標識を確認して登山道に入った。沢の右岸を歩き、吊り橋を渡ると急登になった。
大井川右岸を行く雰囲気が素敵 つり橋を渡り尾根に入る
樹林帯の中を林道と交差しながら同じような風景を見ながら登り続けると11:45清水平に着いた。
緩やかな登山道を延々と登る シラビソに代わっても単調な道が続き、展望は全くない
沢のような岩場から冷たい水が流れ落ちている。喉を潤し、ここでランチタイムとした。今日は還暦祝いに子供たちが贈ってくれた新しい登山靴を履いてきた。それが靴ずれを起こし、とても痛んだ。またリュックの重みも手伝い、辛く本調子とは行かない登高だった。それでもペースを崩さず登り続け、駒鳥池やお花畑など観察しながら14:30千枚小屋に着いた。
駒鳥池 トリカブトやマルバダケブキのお花畑を行く
受付で素泊まりを希望して新築の百枚小屋に案内された。一番奥に場所を確保して、外のテーブル付きベンチに腰掛け、コーヒーを沸かし心の開放をはかった。ゆっくり流れる山の夕刻時間を楽しみ、夕食を作ったり、登山者と語り合ったりしていると、穏やかな時間が過ぎていった。
千枚小屋 受付棟と食堂棟はまだ仮設だった 解放された至福の時
小屋に入り、この時期(8月)朝の9時ごろからガスが上がり山が見えなくなると聞き、少しでも早出出来るように準備を済ませた。寝床に入って消灯を待ち、目を瞑るといつしか眠りについていた。
■8/23(月)晴れのち曇り
4:00小屋に灯りが点いた。軽く朝食を食べ4:20ヘッドランプを頼りに露で濡れた登山道を歩き始めた。森林限界を過ぎると見晴らしもよくなり、赤石や富士山が見える。今日は素晴らしい天気に恵まれそうだ。
5:05カメラを三脚に立てシャッターチャンスを待つ男性がいる千枚岳に到着した。360度の大パノラマ。大きな赤石岳、雲上の優美な富士山、斜に構えた悪沢岳、朝の冷気に包まれ新鮮な感動があった。
朝陽に輝く悪沢岳 暁光に染まる赤石岳
岩稜を下り丸山に向かう途中、朝日がゆっくり赤石岳を照らし始め、静かな地転の荘厳さを肌で感じ取った。ガレの登山道を緩やかに登って行くと6:00丸山(3032m)に着いた。
千枚岳と富士山 丸山(右)と悪沢岳(左)
丸山頂上からの悪沢岳 悪沢岳(右)を登る
正面には悪沢岳が近い。右手には先日登った塩見岳が緑を纏い、その背後には白峰三山が気高く聳えていた。緩やかな登山道を行くと岩場が現れ岩山に変わり、ペンキに導かれ登ると6:35悪沢岳(3141m)に着いた。
悪沢岳頂上と塩見岳奥は白峰三山 悪沢岳(東岳)頂上で
南アど真ん中、360度の大展望だ。南ア、中央アはもちろん、遠く北アルプスもすっきり遠望できた。ゆっくり山座同定をして高嶺からの眺望を心ゆくまで楽しんだ。
悪沢岳を降る 中岳(右)と赤石岳(左)
6:45 99座目の悪沢岳を後にして岩稜を大きく降り、中岳の避難小屋を目指してまた登り続ける。時計回りでツァーの登山者が降って来られたが、これから悪沢岳の急登りが待っている。さぞきついだろうと入らぬ想像をしてしまった。
荒川三山の一つ中岳全容 中岳避難小屋
7:55中岳(3083.2m)に着いた。ここからの富士山もなかなか良い。しかしなんと言っても目は赤石岳に釘づけだ。本谷の向こうに赤石岳の雄大な山容が聳えている。まだまだ道のりは長い。中岳を後にして分岐から荒川小屋へ向け降った。
お花畑が広がり中岳の白い岩肌が青空に映え美しい景色を見せる。下方には赤い屋根の荒川小屋が見え隠れしてメルヘンチックだが、実際は太陽が照りつけ、かなりハードな降りだった。
赤石岳と荒川小屋 荒川小屋
9:05荒川小屋に着くと単独男性と山ガール2人組も到着した。たっぷり水を飲み栄養補給して先を急ぐ。灌木の樹林を抜けると広い開放的な巻き道の登山道になり、風が吹き抜けていく。「気持ちいい、ああ気持ちいい、しあわせ」と何回繰り返しつぶやいた事だろう。
赤石が大きい 風が吹き抜けて気持ちいい 後ろを振り返れば中岳のカールが美しい
大聖寺平を見下ろす 小赤石岳、赤石岳方面 登りがきつくなる
9:50大聖寺平に着き、今日の核心赤石岳の急登が始まる。Tと山ガールズは軽やかに登っていく。Mはマイペースでコツコツ高度を稼いだ。次第にガスに包まれ視界が無くなってきた。「やっぱり頂上はガスか」と落胆しながら登り続けると11:10小赤石岳に着いた。
とうとうガスに覆われた 小赤石岳を降る 赤石岳の登り
ガスの中に薄く山容が浮かび上がる。これより赤石小屋分岐まで降り、赤石岳の登りにはいる。多くの登山者はここにリュックを置き空身で頂上に登るようだ。
頂上に近づくと雲が消え頂上の容姿が確認出来き、少し登ると11:40赤石岳頂上に立った。
日本百名山 登頂達成 写真を写し、お祝を言ってくれたお嬢さん
赤石岳避難小屋 赤石岳頂上の様子
先に着いていた山ガールズに何回も記念の写真を撮ってもらい、「おめでとうございます」とお祝の言葉も掛けてもらったが、その時はあまりピンとこなかった。100座目の赤石岳には意識的に長く居ようと心掛けた。それは余りにも平常心過ぎたからだ。200名山と並行して登っているため、ただの通過点としか考えられず、感動が湧かなかったからだ。
しかし時間の経過が進むにつれ、やっぱり登り甲斐のある山だった、100座目に選んで本当に良かったとじわじわ感慨深いものが湧いてきた。
パンを食べゆっくり休憩を取っていると青空が出て来た。再度後から登って来られた登山者に記念写真を撮ってもらい12:20下山開始した。
頂上直下で、千枚小屋で知り合った神奈川の男性と(彼もまたこの赤石岳で100名山完登)出会い、ご縁を感じながら見送った。
12:35分岐に着き、赤石小屋に向かうべく右折した。お花畑を見ながら岩礫の急登をくだり、気楽な気になっていると小さなアップダウンが連なり、高度が下がらない。そのうちラクダの背と書かれた標識が見えがっくり、疲れた足にはきつい降り道だった。
ようやく富士見平に着き、シラビソの樹林を降ると素敵な赤石小屋が見え、14:15到着した。
赤石小屋 雨上がり、夕日に染まる彩雲 小屋前からの赤石岳
小屋前のベンチにリュックを置き、受付をする。食事付きを頼んであったが、ご飯やパンがまだ残っているので、キャンセルして素泊まりにしてもらった。
素泊まり小屋は古くて離れた所に建っていたが、なにしろ広く、小屋の中でコンロが使えた。テーブルもあり快適だ。だれも居ないので一番快適な場所をもらい、着替えを済ませ、ビールを買いに行き、二人乾杯し、心身とも開放された。
寛いでいると小屋の屋根に雨音が落ちた。「雨?」そう言っていると土砂降りの雨に変わり、外が雨で白い。まだまだ登山者は着いて居ないはず。気の毒に思いながらボーと窓の外を見ていた。
夕食を済ませ、横になる。今日の本館は満員だったようだが、素泊まり小屋は6人だけ、ゆったり休めたが、なかなか眠りに就けず、深夜も時計ばかり見て、朝を待ちわびていた。
■8/24(火)晴れ
今日は椹島まで降りるだけ。朝食を食べ6:00赤石小屋を後にした。シラビソの暗い林を降り、特筆することも無い登山道を快調に下った。
早朝の赤石岳(小屋から) 素泊まり小屋を出発
シラビソの暗い林を降る ヒノキの急斜面を降るともうすぐ林道
3か所ほどジグザグに切られた長い急斜面を下ったが、1日目に赤石小屋泊の登山者はこれを登らなければいけない。正直、反時計回りで良かったと思いながら降ると、沢音が大きく聞こえてきて、下方には滝見橋が木々の間に見え、少し歩くと登山口の鉄製の階段についた。
やっと終わったと手すりにつかまり8:15林道に出た。林道ゲート横の近道登山道に入り、8:20椹島ロッジ前に着いた。
赤石岳の登山口階段 白旗史郎写真館の下はよい休憩場になる
Tが手を差し出し「百名山完登やったね」と笑顔で握手を求めた。「やったね」とオウム返しで、固く握手を交わした。
次のバスは10:30、時間がたっぷりある。ロッジに入って自動販売機でTはビール、MはコーラーがなくてCCレモンを飲み干す。
昨夜赤石小屋に泊まった時、車を持たない大阪の中年男性が便乗させて欲しい様子だったので「百名山完登の喜びの、おすそ分け」と静岡駅まで送る約束をした。
その男性を待っていると、兵庫の中年女性も「13:00まで椹島で待たなければならない。」と言われた。一人も二人も同じこと、静岡駅まで送る事に決まった。
バスの受付を済ませ、白旗史郎写真館の下で休憩してバスの出発をまった。
昭和初期に800人の作業員が椹島にいたそうな 兵庫の女性がこっそり下さった、赤石岳のTシャツ
10:30無料バスが出発し、一時間かけて臨時駐車場に着いた。下山書を書いていると地元の山岳会のご奉仕でお茶が振る舞われた。有難く頂き、車に戻ると車内の温度が灼熱状態になっていた。
下山後、四人は白樺荘(500−)で汗と疲れをとり、一路静岡駅へと向かった。15:00には静岡駅に着き、二人を見送った。
今日は平日、高速料金を安くあげるため、帰路は一般道のR52で南アルプス市へ、それから通勤割引利用で南アルプスICから松本ICまで、その後安房トンネル無料を利用して帰宅する事に決めていた。
中央高速に乗ると長坂あたりから雨が降り出し、まして暗い中の運転はとても疲れた。みどり湖PAで車中泊する事にしてエリアに駐車したが、多くのトラックが休んでいて、それぞれがクーラーをかけたままにしてアイドリングしていた。とてもうるさく眠りに着くことがなかなか出来なかった。
■8/25(水)晴れ
朝方爆睡したのか、Tに「5時だ」と起こされた。顔を洗い、温かい飲み物を飲み5:30みどり湖PAを出発した。
松本ICを降り、安房トンネルを抜け、栃尾温泉の荒神の湯で朝湯を楽しみ8:40無事
帰宅した。
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唐松岳(2696.4m)
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2010.8.17(火)曇り時々晴れ
お盆休みも家族イベントでゆっくり山にも行けない。17日だけフリータイムとなり、息子と3人で、短時間で登れ景色の良い唐松岳に登って来た。
天気予報では白馬村は6〜12時までピカピカの晴れマーク、前回の白山の名誉挽回とばかり、八方池からの白馬三山と頂上からの裏剱には感激するだろうと、意気揚々と出かけた。
白馬村に着くと期待通り、神々しい白馬三山がすっきり見渡せ「素晴らしい」と感嘆の声を上げた。和田野から黒菱林道に入り、7:50黒菱に着くと駐車場は2/3程空いていて、ちょっと拍子抜けした。
準備を整え、八方池山荘までのリフト往復(1000−)を買い、リフトに乗りこむ。足の先が斜面のお花畑に触れるくらい低くリフトが取り付けられ、興味深く花を見ることが出来た。胸を弾ませ第3リフトを降り黒菱平に着くと白馬三山が白雲にかき消されそうになっている。「ええ、もう消えてしまうの!」そう言っていると、全てが霧に包まれた。
リフトに揺られて出発だ とほほ 今日も霧の中
グラートクワットに乗り換え八方池山荘に着き、8:20石畳の登山道を歩き始めた。道脇のハクサンシャジンやシモツケソウの高山植物を眺めながら木道を行くとケルンが立ち、空が明るくなってきた。「その調子その調子」と祈りながら登ると、八方池に着くころには白馬連峰が白雲から浮かびあがってきた。
「わぁ凄い 奇麗!」とカメラを向け、ジャストタイムの演出に山の神に感謝した。「しあわせだね。こんな素晴らしい風景を見られるなんて!!」今日の半分の目標は達成できたね。
八方池と白馬三山 不帰の嶮も見えてくる
登山2回目の息子は快調な登りを見せ、Tとどんどん先行する。「丸山ケルンで休憩するから待っていてね」と伝え、Mはマイペースで後を追った。
10:05丸山ケルンに着く。晴れていれば不帰の嶮も目前に迫り見ごたえがあるはず。残念に思いながら栄養補給して少憩した。ここまでこればもう少し、巻き道の登山道を歩き10:50唐松山荘の裏手に着いた。
暗く圧し掛かる雲 10年前は巻き道ではなかった
00/7の時、登山道はこんな場所では無かった。尾根伝いに登って来たはず。ちょっと面くらいながら、新道を切り開かれた皆さんのご苦労に頭が下がった。
山荘前からの唐松岳にうっとり たまには二人で
山荘前に出ると霧が晴れ、唐松岳がすらりとした稜線を従え空に突いて美しい姿を見せている。先着していた息子も「奇麗だ」と感動している。「素晴らしいでしょう?」とMはちょっと得意がってみせた。
あの頂上に立てば裏剱が見えるはず、足は軽やかに頂上に向いた。しかし山の天気は難しい。意地悪な白雲が気ままに天空を駆け廻る。
期待を膨らませ頂上へ 山の天気は難しい
11:15唐松岳頂上に着いた。山上は太陽が照っているが、回りは雲に隠れて何も見えない。裏剱はおろか不帰の嶮も姿を隠したままだった。思い通りに行かないのはこの世の常。不帰の嶮側に3人腰を下し、ランチタイムとした。どれだけ経っても視界の回復は無い。「明日から仕事だし、早く家に帰ろうか?」といそいそ帰り支度を済ませ11:40下山開始とした。
下山時にはまだまだ多くの登山者が登って来られ、楽しく挨拶を交わしながら見送った。
降りも息子がダントツ速く、要所要所で待っていてくれた。「今日の出来栄えは120点」「こんなに健脚なら、もうどこでも行けるよ」とTが太鼓判。「こんなに速いのなら、もう一緒に歩けない」とMはあきれ顔。「トレーニングと若さかな」と息子が笑う。写真を撮っているとどんどん遅れ、帳尻合わせにどれだけ走った事だろう。
八方池まで来ると朝の静けさは何処へやら、老若男女大勢の観光客で大賑わいだ。広い登山道も人にぶつかるほどの混みようで困惑したが、13:20八方池山荘リフト乗り場に戻った。
3人乗りのグラートクワットに座り「やあ、楽ちん楽ちん」と合唱しながら箱庭のような白馬村を俯瞰した。息子に感想を聞くと登りごたえとしてはちょっと物足りなかったようだった。
車に戻り着替えを済ませ下界に下ると、ギラギラ照りつける暑い太陽が顔を出している。「やっぱり山の天気は難しい」と雲に隠れた白馬連峰を仰ぎ見て、大きくため息をついた。
倉下の湯(500−)で汗を流し、さっぱりとして帰路についた。
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白山(2702m)
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2010.8.1(日)曇り
突然、息子が山登りに興味を持ち始めた。なんでも会社に登山部が出来た事と、日頃の運動不足が気になりだしたようだ。冗談で「日帰りで白山に連れて行ってあげようか?」と誘うと、ここ2週間ジョギングで体力づくりに励み、体調を整えていた。
山デビューの息子には標高差1500mは少しハードではないかとMは心配したが、Tは「大丈夫」と根拠のない太鼓判を押す。私達夫婦を山の虜にした白山の風景を是非見せてやりたいと思う気持ちも手伝って、親子3人で出かけて来た。
初登山の息子にはきつい朝起きだったに違いないが、大白川の登山口に6:40着き、ぎりぎりで駐車スペースを確保できた。
6:55登山道を登りだす。乳酸を貯めないようにゆっくりゆっくりを心掛け、「先はまだまだ長いから」とスローペースでリードし登高した。息が上がらないか聞きながら登ると「慣れてきた」と頼もしい言葉も返ってきて、一安心する。しかし肝心の天気が期待外れで、高度が上がるにつれガスは濃くなって行った。
ゆっくりを意識して歩く ええ、霧が出てきた
9:00大倉山避難小屋に着き始めての休憩を取る。初心者を考慮して15分間ゆっくり休憩すると身体が冷えて寒くなり、いやおうなく頂上に向け腰を上げた。
九十九折れの登山道を登り、いつもながらの多彩なお花畑に目を配らせながら、楽しんでいると、時折青空が広がり「やっぱり山は青空でなくては」と一喜一憂したが、期待はすぐにうち砕かれ、その後回復はなかった。
避難小屋を過ぎ、お花畑の斜面を登ると青空が広がった 一面のお花畑
Tと息子はどんどん先に行き距離を離された。Mは一人マイペースで後を追い、きつい最後の丸太階段を登り終え、ハイマツが這う賽ノ河原についた。灰色の濃霧で粒子が粗く小雨のよう、風も吹き非常に寒く足が攣った。上着を着て栄養補給し、足を気づかいながら歩くと、今年も高原には一面のクロユリが咲いていた。感激してクロユリに顔を近づけ再会を歓び、またハクサンコザクラやコイワカガミなど可憐な花にも一杯の元気をもらった。
10:40 室堂に着く。Tと息子が寒い中、広場のベンチに座り待っていてくれた。広場のテーブルは霧に浮かび幻想的で他に人の影はない。感謝してセンター内に入りほっと一息ついた。
頂上に向け出発 頂上は全く見えない
防寒用に雨具を来て、10:55山頂を目指し石畳段を歩きだした。ここでもMは遅れたが、休まず登り続け11:35頂上に着いた。
あいにくの濃霧で眺望なし、息子に見せてあげたかった池と岩峰の風景も見せることは叶わなかった。非常に残念だったが、「また来いと言うことね、こんどは石川から案内するわ」と慰めた。
やったね! 頂上の岩陰で休憩
岩陰に座り、Tと息子は乾杯、Mはおにぎりをほおばった。しかしこんな天気だとは想像もしなかった。飲み水はみんな凍らせて来たのに大外れで身体は冷えるばかりだった。
11:55頂上を後にする。こんな天候にもかかわらず、まだまだ多くの登山者が登ってこられた。
12:25室堂に戻り、湯を沸かしてコーヒーを飲んだ。身体が温まり元気が出て、12:40下山開始とした。
クロユリの群生 ちょっと近づいて
初心者は降りの方が膝が笑い辛いだろうと気がかりだったが、予想以上の頑張りだった。途中大倉避難小屋で小休して、あとはひたすら降り15:05登山口駐車場に着いた。
最初で最後少しだけ白山が顔を出した 下り頑張ったね
息子は「あと1kmの表示からが一番きつかった。」と言ったが、室堂から駐車場まで2時間25分で下りて来たし、底は厚いがタウンシューズのような靴で足首も保護されていないのに良くやった。「初デビューにしては100点満点」と二人で息子を褒めた。
息子は「きつかったけれど、山でしか出会えない風景と、クロユリの群生が見られて良かった」と言ってくれたので、心身とも充分に報われた。
下山後、平瀬温泉の“しらみずの湯”で疲れと汗を流し、さっぱりして17:50帰宅した。
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塩見岳(3052m)
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2010.7.18(日)晴れ
本格的に山に登り始めて11年目になる。当初は全国山巡りなど考えもしなかったが、03ごろから100名山、200名山を意識して出かけるようになった。そろそろ100名山だけでも完登させたいと98座目に塩見岳を選んだ。
塩見岳は知人のTo氏が08年に日帰り山行されていて、情報など頂いていた。下山も含め累計標高差2100m余り距離22kmと長時間要するため日の長い時期を念頭に置き、この連休を利用して決行した。
17日10:00家を出発して、東海北陸 東海環状 中央高速を乗り継ぎ、松川ICで下り、大鹿村にある鳥倉林道ゲートに着いたのが15:30だった。
鳥倉林道終点駐車場の様子 奥に鳥倉林道ゲート
駐車場が狭いため早期到着を心掛けたが、やっぱり連休とあって駐車スペースがない。林道を登って来る時、路側にも多くの車が駐車されていた。無理やり一台車を置くスペースを作りそこに駐車した。幸い日帰りの方が戻られ、場所を譲ってもらい安心して明日に備えることが出来た。
早朝3:10 Tに起こされ目が覚めた。もう3.4台車の室内灯が灯り準備をされている様子がうかがえた。3:30になるとちらほら出発されて行く登山者が見えた。
不効率なことをしていると時間が過ぎ、明るくなってきた。準備を整え4:20登山届を投函しゲート脇を通過した。
鳥倉林道を歩く 鳥倉林道 豊口ルート登山口
舗装された広い林道を40分程歩くと登山口に着く。豊口ルートと書かれた案内板を見て5:00丁度登り出した。
早朝の爽やかさを感じながら荷づくり用のビニール紐でぐるぐる巻かれたカラマツの幹を見ながら食害対策だろうかと想像しながら急登すると豊口山の尾根に出て、トラバースぎみに登ると豊口山のコルに5:50着いた。
ビニール紐が巻かれたカラマツ林を登る 丸太で保全された登山道
視界の無い樹林帯の尾根道を登り、トラバース道に入ると丸太造りの床板やハシゴが掛けられ、滑らないように慎重に高度を稼ぐと左に仙丈や甲斐駒など見えてきて、「三伏小屋まで200歩」とうれしい案内板を見つけると平坦な道になり、7:15三伏小屋に着いた。
中央アルプスも良くみえる 日本一高い峠三伏峠
昨日日帰り男性が三伏小屋から降って来る際、100人位の登山者とすれ違ったと話しておられたが、小屋はさぞすし詰め状態だっただろうに、今は閑散として静まり返っていた。小屋前で鱒の寿司を食べ、新たな気持ちで仕切り直し、出発した。
三伏小屋 満員御礼のテン場
烏帽子岳の三叉路を左折して樹林をぬけると三伏山に着き視界が開け、ドォーンと孤峰の塩見岳が目に入った。その奥には白峰三山も見えて爽快な眺めだ。気持ちも高揚して足取りも軽く、三伏山を降った。
三伏山からの塩見岳 本谷山からの塩見岳
本谷山へは100mの下りのあと150mの登りがある。マイペースを心掛け、まだ開花していないマルバツワブキの群生を眺めながら登り終えると、8:30本谷山に着いた。ここから見える塩見岳は側面の面影で長い尾根が美しかった。
塩見岳へはここから250m降って640mの登りがある。立ち枯れの森を降り、穏やかに樹林帯を登ると塩見新道と合流して急登すると塩見小屋に10:00着いた。
立ち枯れの稜線を降る 塩見小屋と塩見岳
小屋の背後には天狗岩を配した塩見岳が聳え素晴らしい景色に魅了されてしまった。小屋前で小休していると、中高年の女性達が満足そうに下山されてきた。その顔がこの上ない至福の顔だった。
「さあ私も塩見の頂上に立つぞ」と腰を上げ小屋の右横の尾根に入った。ハイマツ帯でガレ場のような登山道をマイペースで登っていると、心配そうに「これからが本格的になるよ」と励ましを頂いた。「今日は日帰りですからゆっくり行きます」と返し、登り続けた。
塩見岳を眺めなながらゆっくり登る 天狗岩も近づく
岩場に差し掛かると多くの下山者とすれ違い、譲ったり譲られたりしながら岩壁を登り終え西峰頂上に着き、その奥の東峰頂上に11:20ついた。
塩見岳西峰(三角点)に到着 塩見岳 東峰(最高峰)
頂上は360度の大展望「良い山だったね」と、Tと静かにうなずきあった。登った者だけに与えられたとびっきりの絶景と達成感、茫然と富士山を眺めた。
富士山と蝙蝠岳(右) 間ノ岳(左)と農鳥山(右)
東峰からの西峰 頂上で 至福の時
東峰の岩場に座り、富士を見ながらしばし開放され至福の時を楽しんだ。
11:40下山開始とする。慎重に岩場を降り、塩見小屋に向かう途中からガスが出てきて視界が悪くなった。良い時間に登ったと喜び満たされながら降りて来た。
頂上側からの天狗岩 霧に包まれた塩見岳(三伏山で)
本谷山への登り返し、三伏山への登り返しをこなし、14:30三伏小屋に着いた。小屋の前には多くの登山者が集い憩い、笑いや会話が行き交かっている。横目で見ながら鳥倉林道ゲートへと山道に降った。もうここまで来ると着いたも同然。途中の水場で顔を洗い、苔むしたシラビソ林に目を奪われたりしながら豊口コルに15:35ついた。あと登山口まで30分、この区間が一番長く感じられた。
トラバース道を歩き、植林のカラマツ林を降ると下草のシダに西日がきらきら輝き、明るい日差しが私達を祝福してくれているように思えた。
シダがきらきら輝き、心も輝く 谷の向かい側、樹間に駐車場が見える
16:10登山口に着き、林道に出て歩きだす。林道での西日はギラギラと容赦なく照りつけ体力を奪ったが、もうすぐ駐車場に着くと思うと力も湧いた。木陰に入った林道で、お互いにやり遂げた歓びを分かち合い、素晴らしかった今回の山旅の印象など話していると16:45駐車場に着いた。
下山後、信州まつかわ温泉 清流館(400−)で汗と疲れを取り、閉館までゆっくり過ごし、中央高速の恵那峡SAで車中泊して、翌朝の19日 8:30我が家に戻った。
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焼山(2400m)
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2010.7.10(土)曇り
6/6の火打山からの焼山北面台地を見ていると無性に登りたくなり、梅雨の中休みをチャンス到来と思い登って来た。
3:30家を出発して、笹倉登山口に向かう。笹倉温泉前の道路を直進して案内板に従い右折して橋を渡り、道なりに走行すると標高700mあたりに第一ゲートがあった。手前の駐車場に車が一台停車して、朝食準備をされている単独男性が居られた。なんとなく会ったような感じ、「どこからですか?」「茨城からです」・・・「餓鬼岳の頂上でお会いしませんでした?」「ああ、あの富山のご夫婦ですか。」やっぱり感が当たっていた。
偶然の再会に気持ちを弾ませ、身支度を終え5:25一足先にゲートを越え歩き始めた。重厚なコンクリート敷きの道路を霧雨に降られながら沈んだ気持ちで歩き続けると、後ろから茨城のKo氏が追いつかれた。
標高700mあたりにある第一ゲート 簡易シェルターのある登山口が見えてきた
三叉路での標識を確認して右折し、しばらく行くと第二ゲートがあった。3人で山談議を交わしながらリラックスして延々歩くとアケビ平に着き、左折して暫く行くと大型U字講の簡易シェルターが見え、7:05登山口に着いた。
小休して登山道に入る。すぐに“追分”の標識があり、少し登ると開けた草原に出て展望台があった。今日の焼山は、裾野は見えるが頂部は雲に隠れて見えない。「まあ雨が降らないだけでも良しとしよう」道端にはサンカヨウが青い実を結ばせたりカラマツソウが咲いたりして、彩を添えていた。
展望台からの焼山 大曲からの焼山
同じような植生と樹林に飽きてくる頃8:25大曲に着いた。ここからの焼岳は巨岩や奇峰など見えて荒々しさが伝わる。Ko氏は栄養補給のため休憩を取られここで別れた。山腹を巻くように登山道が切られ30分ほどで大谷に着いた。
大谷雪渓を少し降る 大谷を登る
ロープで雪渓に降り、目印のピンクリボンを探すと向かい下方にロープが下がっているのが見えた。スプーンカットの雪渓を降り、ロープを掴み登る。地盤が砂地でゆるく、すぐに崩れる。なんともたよりない地質に驚いてしまった。
トラバースの山道を行くとキヌガサソウやサンカヨウの白い花が清々しく咲き、心も癒される。地獄谷に着き今度は雪渓を少し登った所に印があった。難なく雪渓を通過して草に埋もれた登山道を谷に滑り落ちないように気を付け登ると坊々抱岩が目に入った。写真に収め先を急ぐ。このあたりから時折登山道に残雪が見られるようになった。
雪渓を登りながら目印のリボンを探し登山道に乗る、また雪渓に出て暫く登ると「泊岩」と書かれた標識が枝に吊られていた。
地獄谷からは頂上の巨岩が見える 坊々抱岩
草で覆われた登山道 谷筋にはたっぷり残雪がある
10:20左折して、急登すると泊岩に着いた。さあここからが正念場、登山道に戻り残雪を横切り頂上を目指す。ピンクリボンに導かれながら残雪や岩や灌木の中を登ると草原になり、次第に滑りやすい小石と砂と小岩のザレ場になった。見上げれば荒々しい巨岩がおおいかぶさるように見えてくる。余程登山者が少ないのか踏み跡は無く、登り易い場所を見つけて登り続けた。下方から人の声が聞こえ、ダントツの健脚男性一人に追い越された。「笹倉から?」と聞かれ「はい」と答えた。男性は長野の方で、杉野沢から5人で来られたのだそうだ。
泊岩には厚い発泡スチロールが敷かれていた 頂上全体が見渡せるようになった
金山が美しい 巨岩が覆いかぶさる
11:20火口縁に立つと浅い火口底見え、目を右に向ければ巨岩に鎖、ロープが付けられていた。その巨岩を鎖で乗り越えると、その奥には三角点のある焼山頂上が見渡せた。
あと少し、ザレ場を登り返すと11:45頂上に着いた。
火口 岩峰を登る
荒々しい火口溶岩
頂上からは火口底や火打山や妙高山などが眺望できる。風が強く縁から少し下った所で腰を下し、やり遂げた歓びに浸った。パンを食べながら、ふと火打山から見たあの焼岳の頂上に居るのだと思うと感慨深いものがあった。
頂上に着く 焼山頂上
頂上で休憩 頂上からの火打山(手前)と妙高山(奥)
12:15下山開始とする。巨岩を鎖で降り「下りは速いね」と調子に乗り過ぎ登山道らしき土道をどんどん下ると突然登山道が無くなった。不用意に降り過ぎて自分の居場所が判らない。地図を出して確認するがよく判らない。そうとうパニックになった。登行時撮った写真をみて巨岩の角度など確認してみるとかなり北寄りだと判った。
天気が目まぐるしく変わる 林道には大石が2か所落下していた
結局標高100m弱登り返し、無事に登山道に出た時は大きな安堵に包まれた。45分間程ロスタイムを作ってしまい、急いで下山する。気を引きしめ長い道のりを懸命に下り、15:40登山口に着いた。
霧に包まれ重苦しい空気だったが、林道に出た安心感もあった。あとは長い長い林道をひたすら降り、足の裏の痛みを感じつつ温泉での開放を待ちわびながら、無心で足を前にだした。標高800mあたり、静寂に包まれた山間に突然エンジン音が響いた。工事用の大型トラックが登って来た。そのまま登って行くのかと思うと目の前で土石を下し、帰るようだ。すかさず二人で頭を下げるしぐさをすると「どうぞ」とやさしいお言葉を頂いた。有難く便乗させてもらい、17:00第一ゲートに戻った。
車に戻り着替えを済ませ、いい気分になって居られたのもここまで。
バックギアをいれ、バックするとドカァン。驚いた。となりに停めてあったダンプカーにぶつかった。Tの不注意からの出来事。幸いダンプカーは無傷だったが、マイカーは後部サイドランプが割れ車も少しへこんでしまった。折角、焼山に登り終え余情に浸り楽しみたいところだったのに、一瞬みんな吹き飛んでしまった。
身心の開放を図りたかった焼山温泉だったが、汗は流したもののTへの怒りから心の平安は無かった。Tの動揺を考え、Mが運転して帰路に着いたが、帰宅すると大きな疲れに襲われ、すぐにベットへ直行した。
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