2013.9.28(土)晴れ
好天が続き、山日和だ。Tは山行きに気乗りしないので、M一人で金剛堂山へ行くことにした。
今日は「あまちゃん」の最終回、BSを見終わって、7:50家を出た。
天気も良好、快くドライブして利賀の栃谷登山口についた。車が10台位駐車され、大賑わいだ。
登山靴を履き準備を整え8:20鉄製の仮橋を渡った。渡渉手前の登山道が沢の鉄砲水でえぐられひどく浸食されている。激しかった豪雨を想いつつ、沢を渡ってつづら折れの登山道を登った。前後を歩く登山者の熊避け鈴の音が共鳴して森に響き、連帯感を感じつつ歩を進めた。
登山道が浸食されている 緑豊かな金剛堂山
10:40片折岳に着く。登山道は休憩しやすいように道幅を広く刈り上げて、手入れされていた。有難いことだ。休もうかと思ったが、7.8人のグループ登山者が下山されてきたので落ち着かず、そのまま頂上へ向かう。
徐々に高度を上げ、尾根に出ると立山連峰がくっきりと遠望でき、とても癒される風景だ。ナナカマドの葉はまた色付かないが、真紅の実はたわわに実り秋空に映えた。小さい秋を見つけながらあちこち眺め進むと11:40頂上についた。
秋晴れの頂上 中金剛堂山
頂上には男性が一人 方位板の上で昼寝をされていた。見るとO氏だった。「Oさん、Oさん」と呼んでみたが熟睡中、起しても気の毒と思い頂上で写真をとり、中金剛へ向かった。
風衝地は草紅葉で秋を感じる。広々とした草原を穏やかに歩み、歌碑のある高台に登る。先着の男性2人が下山され、一人になった。
中金剛から見る金剛堂山 北アルプス(槍、穂高)の眺めが良い
石に腰を下ろすと目の前に槍、穂高の北アルプスの山並が輝いている。赤とんぼが飛び交い、静かな山頂は私だけのもの。やさしい陽を受け、贅沢な居場所に満たされた。ゆっくりランチを食べ、コーヒーを飲み、山々を眺める。「ああ、しあわせ」身体中の力がぬけ心地よい時間が過ぎていった。
草もみじと立山連峰 楽しい一時でした
11:50下山開始。金剛堂山に戻ると4,5人の登山者に交じってまだO氏が居られた。ご挨拶を交し、ご一緒に下山することにした。
小さい秋見つけた
明日は白山に登られるそうで、年間山行は100座をゆうに越えるそうだ。相変わらずのお元気さに感服して、楽しいお話を聞きながら14:35登山口に戻った。
下山後は天竺の湯で疲れをとり、O氏のお気づかいに感謝しながら帰路についた。
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白馬岳 (2932.2m)
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2013.9.19(水)快晴
台風一過で晴天が続きそうである。Takuが白馬岳に行くと言うので、小蓮華山からの壮観な景色が見たくなり、同行して3人で出かけることにした。
2:55家を出発して、蓮華温泉へ向かう。高速に乗るとトラック専用道かと思うほど多数のトラックだけが走っていた。
糸魚川ICで下り、国道から蓮華温泉への長い車道を走行するとカモシカの親子や小動物が道を横切り、癒されたり驚いたりする。次第に山際にオレンジの光が射して、ゆっくり夜が明けて行った。
5:20蓮華温泉に到着すると車が10台位駐車され、2組ほど(朝日岳へ行かれたようだ)が身支度をされていた。
5:35ロッジ裏の登山口で、祠に拝礼して登り出す。TもTakuも久し振りの山登り、不安と期待が大きいようで、Tが先頭を歩くと速い。距離が長いのでMはマイペースと決め、二人に先行してもらい天狗の庭で待って居てもらうことにした。
6:55天狗の庭に着く。風雪が造り出した盆栽のようなカラマツの造形にはいつも驚かされる。正面には穏やかな雪倉山や鉢ヶ岳の稜線が目を引き、その少し離れた左には小蓮華山が高く聳えていた。小休して白馬大池へ向かう。
天狗の庭で一休み 穏やかなやさしさを湛えた白馬大池
二人はすぐに見えなくなった。シラビソの林からダケカンバに変わり足場の悪い岩を踏みながら黙々と登り、8:00白馬大池に着いた。
草原にはチングルマの実が太陽の光を受け輝いている。見晴らしの利く高台で二人は休憩していた。横に座り、紺碧の大池を静かに眺めた。完璧な隙の無い美しさだった。最終到着時間12時半と決め、各自頂上へ向かうことにした。
杓子岳と登山道 小蓮華山
杓子岳、白馬岳に圧倒される 小蓮華山からの白馬岳
雷鳥坂を登り船越の頭から小蓮華岳への長い登りにかかる。いつもガスがかかる白馬村は、今日はすっきりと俯瞰できる。杓子岳の鋭い岩峰が目に飛び込み、なお進むと白馬岳の岩峰も見えて圧倒される。山裾は深い谷に落ち込み、白馬尻小屋や大雪渓が手に取るようにわかった。「素晴らしい」写真を撮りながら登り続けると待望の9:50小蓮華山に着いた。
白馬岳への縦走路 鉢ヶ岳と長池 奥は雪倉山と朝日岳
「ここからの風景が大好き」今日はピーカン、威容な白馬への長い縦走路が鮮明な色彩を放ち、目も心も虜にした。頂上で一人腰を下し、ただ茫然と壮大な風景を眺めた。あまり長居をしても二人に遅れるだけと腰を上げ、頂上に向け降った。
白い石礫や砕石を踏み下り、ひとのぼりすると三国境に出た。ここまで来ればもう少しだ。休まずゆっくりと歩を進め11:15頂上に着いた。
三国境 孫三兄弟、100名山最年少者(三男8/31 5歳)二男2回達成を導いた、松本馨氏と
剱岳や立山も良く見える。20分前に着いたTは休憩、Takuは白馬山荘へ土産を買いに行ったそうだ。
頂上で寛ぐ 頂上から白馬沢、大雪渓を見下ろす
岩に座って大休憩、至福の時だ。360度の展望を我がものにして痛快この上ない。富山湾と白馬村の近いこと。まるで一っ飛び、栂海新道も親不知まで近い。まるで天狗のうちわで煽ぐとすぐに飛べそうな気もする。
つわもの登山者が次々に登って来られ、話を聞くと驚かされる。皆さん山への情熱がはんぱではない。
12:05下山開始とする。TもTakuも、今日は気力で登って来たようだ。Tはこの頃マラソンに興味を示し足を酷使しているし、Takuは山と疎遠で不摂生だった。
延々と続く白い砕石の登山道は心奪われるほど美しい 小蓮華山の登り返しは我慢のしどころ
蒼空を映す昼の大池は意志の強さを秘めた美しさ ウラシマツツジは真赤々
Tは足の痛みに耐え、Takuは体力不足を嘆く。「甘く見ていた」と言いながらも、16:35蓮華温泉に戻った。
日帰り温泉時間が過ぎていたが、お願いするとOKだった。Takuは蓮華温泉が初めてだったので是非入泉したかったようで、私達より先着して駐車場で待っていた。
3人は良質の温泉に身をゆだね、疲れと汗を流し、素晴らしかった光景と風景に感動し、帰路に着いた。実りある長い長い一日だった。
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焼岳 (2455m)
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2013.9.14(土)晴れ
一か月ぶりの山登り 爽やかな秋風を感じたく焼岳へM一人で登ってきた。
焼岳には中尾温泉から何回も登ったが、中の湯からはクラブに入会した99年の.10/11、以来14年ぶりになる。思い出と記憶のよみがえりを期待して出かけた。
家を5:45に出発し、途中で荒神の湯で朝湯を楽しみ、安房峠を越えして12号カーブを過ぎ、ゲートが見えるとその先の広いカーブコーナーはもう満車状態で車が駐車されていた。「もうここから!」がっくりしながらUターンしゲート前に車を止め、準備に取り掛かった。
8:30車道を歩きだす。登山口までの路肩にも縦列で車が駐車されその多さに驚かされた。
8:40登山口に着き、登りだす。穏やかに巻くような山道を歩き、尾根に取りついて登りが始まる。登山者が多く喧騒を逃れる為オーバーペースになり、息が上がった。次第に静寂が戻りマイペースで登ることができた。
登山口の様子 樹林帯を行く
見覚えのある沢を横切る場所にきた。当時大木の倒木があったと記憶していて「ここで休憩したな。」「あの頃はメンバーに迷惑を掛けないよう、登ることに懸命だった」と懐かしさがよみがえった。
薄暗い針葉樹林を抜けP1972を巻き穏やかに登り続けると、樹相も変わり灌木の間から黒々とした岩塊の焼岳の両峰が見えて来た。速やる気持ちで歩を進めると9:55りんどう平に着いた。
りんどう平からの焼岳 頂上を見上げながら登る
ベンチに座って絶景を眺める。「こんな風景忘れていた」「このコースもまんざらではないな」
10:00腰を上げ頂上に向け歩きだす。灌木を潜って幾つかの丸太ハシゴを登り高度を上げる。正面に南峰が見え、次第に噴煙を吐く北峰も見えてくる。ジグザグに切られた火山性の砂礫の登山道を空に向かって登る。太陽が照りとても秋風を感じるロマンチックな風情は無かった。足が重く辛い登りだったが、休まず登り続けようと決め歩を進めた。
登降の登山者が行き来して列をなし、登山道が一目了然に浮かびあがる。下山時の登山者が頂上は座る所が無かったと嘆く。納得しながら我慢強く登行するとコルにつき、透明なエメラルド色の火口池が沈黙していた。対照的で右に目を向ければ硫黄色の岩峰から勢いよくガスが吹き上げ、地球の鼓動が目で読みとれた。
南峰 火口池 勢いよく噴煙を上げる
溶岩ドームを回り込み上高地からの登山道と合流して、行列をなす頂上直下の岩場で順番を待ち、11:15頂上に立った。
360度の大展望。14年前初めて焼岳に登った時も最高の天気で、その大展望に魅了されたと思い出した。
穂高連峰には 残念ガスが 笠ヶ岳方面
喜びに満ちた顔、開放された穏やかな顔、それぞれの登山者が平穏に頂上で憩っている。穂高の見える場所に座り、静かに山々を眺める。奥穂の頂上に雲が掛かり残念だったが、後は全て見通せた。ランチを取ってコーヒーを飲み満足して、11:40下山開始とした。
南峰と火口 少し色付いた草花
まだまだ登山者は登って来られる。登山道を譲り譲られしながら、ナナカマドの紅葉の進みぐあいや黄葉した御蓼を眺めながら、12:30りんどう平に着いた。
広場には20人位のパーティーがランチを摂っておられ、圧倒され休憩をパスした。焼岳の見収めと振り返り、別れを告げ樹林帯に入った。人の気配はなくなり、マイペースで黙々くだった。何組かを追い越し、次第に車やバイクの音がして登山口が近づいた事が感じられた。
13:30登山口に出て、車道を歩き13:40車デポ地に戻った。
ナナカマドもほんのり葉を染める 誕生日でした
このコースは中尾からよりも簡単に頂上に立てる。りんどう平(2000m)まではあまり変化のない山道だが、りんどう平から頂上までは、勇壮な焼岳の双峰を見上げながら登れる楽しみがあった。
下山後はガーデンホテル焼岳(500−)の広々とした幾つものおおらかな湯船につかり、癒されさっぱりとして帰宅した。
今日はMの63歳の誕生日、Takuが会社帰りにケーキを買ってきてくれ、Tと二人で祝ってくれた。「ありがとう」この一年も元気でありますように。
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室堂〜五色ヶ原〜薬師岳(2926m)縦走
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1日目
2013.8.13(火)晴れ
今年のお盆は15日が木曜で連休がとりやすい。しかも連日の好天で山への恋慕がつのる。当初は200名山狙いの計画を立てていたが、Tが足を痛め登山ができない。「永い安定した天候と休日を無駄に過ごしたくない」と、M一人で立山から薬師岳の縦走を2泊3日で決行した。
家を5時に出て立山駅へ向かう。駐車場はもうどこも満車状態だ。今回は折立からバスに乗って、地鉄で立山駅に戻るため、駅下方の駐車場にスペースを求めた。ラッキーなことに安心できる場所が確保でき、また7時発のケーブルカーは目の前でドアが開いた。高原バスに乗り込むと最前列の一人座りの座席が空いていてリュックも気兼ねなく置け、幸運続きにこの山旅が素晴らしいものになることを暗示した。
8時室堂に着き、軽くお腹を満たし、8:15歩き出した。一ノ越と浄土山の分岐を右折すると登山者はめっきり減り、静かな山登りが始まった。石畳の階段横にはチングルマが咲き、振り返るとみくりが池やターミナルが見渡せ、涼やかな爽快感があった。
室堂山登山道から望む、みくりが池と剱岳奥は猫又山
浄土山からは雄山への登山道が良く見える
浄土山登山口に着き、雪渓を渡って急斜面を登る。15年前に五色ヶ原へ行った時、ゴロの連続だった記憶があったが、今は登りやすく9:30には浄土山に着いた。
浄土山から五色ヶ原と薬師岳を望む 雛が一羽しかいなかった
龍王岳に向かう途中では雷鳥親子が砂浴びしていて、人慣れした雷鳥はいつまでもいつまでも登山道に留まり、そのかわいい仕草に目を細めた。
龍王岳を大きく降り、鬼岳東面に登ると黒四ダムが見え後立山の山並が見渡せる。雪渓を下って獅子岳の登りに入り、トリカブトやハクサンフーロを眺めながらやり過ごすと11:15獅子岳山頂に着いた。
鬼岳東面にはまだ多くの残雪がある ザラ峠を見下ろす
小休してザラ峠へ向かう。立山カルデラ側から霧が湧き、五色ヶ原も飲みこまれてしまった。前回来た時もザラ峠は霧でまるで眺望が得られなかった。すこしがっかりしたが、浮き石と砂礫の登山道をスリップしないように慎重に降ると12:10ザラ峠についた。
霧も晴れて来て五色ヶ原への登り返しが始まる。赤茶けた大崩壊の山肌は荒々しく痛いけだ。それらを見ながら登りきると木道が敷かれ、コバイケソウやハクザンコザクラなど咲き乱れて、穏やかなやさしい風景に包まれた。草原奥に赤い屋根がみえ、12:55今日の宿泊地五色ヶ原山荘に到着した。
五色ヶ原山荘 夕陽に染まる雄山、龍王(左)獅子岳(右)
ほぼ同刻に到着した、東京在住の若い単独女性と同室になり、6畳間に二人という贅沢な空間をあてがわれた。山談議をしたり、お風呂に入ったり、暮れ行く雲上の時をゆっくり眺めたり、夕食を作ったりしていると、豊かでしずかな喜びがあった。
消灯時間になり、窓には星空が広がっている。外を覗くと天上には天の川が流れ、流れ星が走る。今日は流星群が多くみられる夜。たび重なる幸運に感謝して満たされながら、明日の天空ロード漫歩に想いを寄せて、眠りについた。
2日目
2013.8.14(水)晴れ
きょうの日程は、スゴ乗越小屋を越え薬師岳山荘まで行く。五色ヶ原から北薬師までの稜線はまだ未踏で、そこから見える風景や登山道に大きな関心があった。4時過ぎ起床し、準備を済ませ5:35山荘を出発した。
山荘前の木道を踏み、まずは鳶山へ向かう。高場に出ると見晴らしも利くようになり、振り返れば草原の中に山荘が見え、左手には残雪に映える三日月池が見え、その後ろには針ノ木岳や船窪岳などが望めた。
同室のHoさん、楽しい時間ありがとう 五色ヶ原山荘(中央)を振り返る
6:10鳶山に着き、ここから大きく降る。コルに着きシラビソの林を抜け浮き石の登山道を穏やかに登ると7:35越中沢岳についた。
頂上からは北薬師岳や薬師岳が遠くに見え、まだまだ先が長い事を思い知る。鞍部のスゴ乗越や尾根上のスゴ乗越小屋が手に取るように分かり、暫し身体を休めてから頂上を後にした。
鳶山からの越中沢岳(手前)と薬師岳 越中沢岳頂上からの立山と五色ヶ原
ここからの急坂の下りは砂礫やガレやロープなど何でもありの登山道になる。
太陽はサンサンと照りつけ、風もなくとても高山とは思えなかった。スゴノ頭に登り返し、またゴロ石の急坂を大きく下る。「スゴ乗越山荘まではおまけ」と呪文のように唱え、ゆっくりとしかし確実に休まず昇降を繰り返した。汗が吹き出し、喉が乾き、固形物は欲しくない。だた水分だけを欲した。
スゴノ頭からは乗越(右下)や小屋(尾根中央)が良く見える スゴ乗越小屋 冷たい水で生き返りました
10:35スゴ乗越小屋に着いた。小屋前には蛇口があり冷たい水が流れ落ちる。ゴクゴクと500mlを一気に飲み干し、自分でも驚いてしまった。「さあこれからが正念場」なにか食べなくてはとパンを口に入れるが、なかなか喉を通過してくれなかった。地図上では後4時間20分の行程で、薬師岳山荘には15時位に着くと目論んだ。時間はたっぷりあると仕切り直してコーヒーを沸かし、ゆっくり休んで11:00薬師岳に向かって登りだした。
標高にして700m、慌てずマイペースで高度を稼ぐ。そのうち着くだろうと登り続けると間山池と雪渓が見え、その横斜面を登ると12:20間山に着いた。
間山直下から越中沢岳(左)とスゴノ頭(右)を振り返る 赤牛岳(中央)と水晶岳(右奥)
ここでも休ます前進する。スポーツ飲料とビタミンC入り飴を舐めながら登ると気持ち悪いくらい甘くなり、糖尿病になるような気さえした。赤牛岳や水晶岳が見えるが立ち止まってゆっくり見る気にも成らなかった。あれだけ風景を楽しもうと思っていたのに、もう登ることだけで余裕はなかった。それにしても北薬師の前のP2832がそそり立つ。まずはあのピークを登らなければ。日が陰って霧が出て来た。「雨に降られたらいやだな」と気持ちが暗く成る。それでも涼しさは有難かった。ゴロの岩稜を越えP2832に着く。
P2832へ登り 北薬師が見えてきた
ここからも岩稜の厳しい登りが北薬師まで続き、遠く感じた。ゴロ岩を渡り痩せ尾根を懸命に登る。足場の悪さと岩稜歩きの疲れから、14:25やっと北薬師岳についた。
ここを登れば北薬師岳だ 北薬師岳から薬師岳への稜線
細い稜線のアップダウンの先に薬師岳が見える。「頑張ろう」ひたすら前進のみだ。足を踏み外さないように慎重に岩に足を掛け「慎重に、慎重に」と声を発しながら登り続け15:45ついに薬師岳山頂に着いた。「やった。もう下りだけ」大きな安堵感に包まれた。
ぬきつ ぬかれつして登って来た学生パーティーも頂上に着き、喜びを分かち合う。越中沢岳で離れてしまった千葉のSa氏(前日は剣岳登頂)も到着され、健闘を称えあった。
やっと着いた薬師岳山頂 薬師岳山荘が見えてきた
頂上から薬師山荘に宿泊と食事の予約をいれ、Sa氏と二人で下る。何回か薬師岳に日帰りで登ったがこんなに下りが辛く長く感じることはなかった。暑さのせいでまともになにも食べていない。スゴ乗越小屋から休憩なし、水気補給ばかりで胃が荒れ吐き気がして止まらなかった。
16:40薬師岳山荘に着き、玄関に座りこんでいると御主人が温かいお茶を持ってきて下さった。部屋に案内され布団の上で横になって身体を休め、みかんを食べると少し元気を取り戻した。ロビーに行くと越中沢岳でお会いした金沢のHa君も着いた。「地図時間を参考にしていたから(所用時間にズレがある)、スゴ小屋で1時間眠って来た」という。机上登山とは大違い、コースの厳しさに耐えた3人には友情が芽生えた。
同室になり、薬師越えの感想や苦労話に花が咲き、充実した楽しい時間が過ぎていった。さあ明日は下山日だ。折立からのバスの予約はしていない。心配と不安を感じながら疲れた身体を横たえ、静かに瞼を閉じた。
3日目
2013.8.15(木)晴れ
昨夕の話では金沢のHa君は下山すると言う。それでは一緒に折立に下山しようと話が進んだ。千葉のSa氏は、今日は黒部五郎小屋までの行程となる。
山荘で朝食を摂り、6:05山荘を出発した。少し先に出発したSa氏に追い付き、3人で太郎平小屋まで一緒に降った。
きついコースをやり遂げ友情が芽生えた3人 Ha君と一緒に下山する
7:30太郎小屋に着き、コーヒーを沸かしゆっくりと憩う。Sa氏の長い道程を想い、つつがない山旅の成就を願った。
太郎平小屋に着く 連日のハードスゲジュール、Saさん体に気を付け楽しんで来て下さい
太郎平から望む薬師岳、左の稜線 北薬師岳、間山 を縦走した
8:00Sa氏をお見送りして、私達も8:05下山開始した。Ha君はテン泊装備のためリュックが重い。急ぐこともないので、ゆっくり休憩を入れながら降る。それでも折立に着く頃は、バスの待ち時間が1時間以上になりそうだ。
多くの登山者がどんどん登って来られた。それに比べ時間がもう遅いのか下山者は少なかった。「誰かに便乗させてもらうように頼もう」と、単独の下山者に声を掛けたが、バス利用だったり、岐阜方面だったりと、思うようにはいかなかった。
五光岩ベンチ上ではまだゼンテイカが咲き誇っていた 三角点の木陰で休憩するHa君
日差しも強く汗が噴き出る。「折立で冷たいコーラを飲もう」を合言葉に下り、11:00折立に着いた。
楽しみにしていたコーラは期待を裏切りぬるかった。それでも満足してベンチに座って12:30発のバスを待った。
ただ待つのもつまらないので、だれか帰宅される人がいないか探してみる事にした。駐車場は道路にも溢れるくらい車が停められていたが、静まりかえっていた。諦めて引き返して来ると、単独男性が歩いて来られた。勇気を持って便乗をお願いするとなんとOK、地獄に仏とはこんなこと。「駐車地が1km先だし、着替えてから戻って来ます」と言って下さった。
Ha君と、12:30発予約済みの東京のNa君(高瀬ダムから野口五郎、水晶、鷲羽、黒部五郎、薬師)にも声を掛け、3人で仙台のKo氏を待った。
Ko氏はテントを担いで、折立から、雲の平、水晶、鷲羽、黒部五郎、薬師岳を登頂され、薬師峠のテン場から下りて来られたそうだ。
有難く立山駅まで送って頂き、謝辞と謝礼と無事の帰宅をお祈りして、お別れをした。Ko氏の偶然の出会いに感謝した。
Mの車で3人は吉峰温泉へ行き、疲れと汗を流し、それぞれ富山駅高岡駅に送って、思い出深い、楽しい山旅は終わった。
今回は単独での山行だったが、一期一会ではあるが山を愛する多くの人にお会いし、親交を深める事ができ、満たされた素敵な日々だった。
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立山 (3003m)
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2013.8.9(金)快晴
今年の正月、孫(小3)と我が家恒例の二上山へ登った。その時、「今年の夏は立山へ連れて行ってあげる」と言うと「自信がないから、行かない」と言っていた。夏休みになり、ジジババの家に泊まりに来たので「立山に行こう」と勧めると快諾したので、3人で出かけてきた。
立山駅の駐車場は満車だったが、チケット売り場は列もなく、すぐに乗車券を買うことができた。
7:40のケーブルカーに乗り込み、高原バスに揺られ室堂に着いた。残念ながら雄山には雲がかかり、霞んで冴えない光景だった。ゆっくり休憩してから9:10頂上に向け歩きだした。
室堂で標高に慣れるため休憩 青空が出てきた
孫にとっては初めての標高2400mの高地、高山病にならないよう「ゆっくり」を心掛け、歩いた。雪が嬉しいようで笑顔がはじける。次第に雲が流れ青空が広がってきた。雪渓を5か所ほどトラバースして、急斜の石畳道を登って10:05一ノ越についた。
わぁ〜雪だ ゆっくり登ろう
小休して、いよいよ頂上へ向け登り出す。Haちゃんはガレ場の急登に驚いたようだったが、しっかり後についてくる。みくりが池や室堂平が眼下になり、槍ヶ岳が鋭峰を見せていた。中間地の緩斜あたりまでくるとさすが疲れたのか「もう登りたくない」と腰を下してしまった。「ほら、もう頂上が見えているよ」「ゆっくりでいいから頑張ろうよ」と励まし、ゆっくりとまた登りだす。
頂上に向けガレを登る みくりが池が眼下になる
頂上直下の急斜は疲れて大変だったようだが、11:25無事頂上についた。へたり込んで暫くは動こうとしない。「よく頑張ったね」「やったね」と褒めながら、その成長がとてもうれしかった。
よく頑張ったね 祝詞を上げてもらう
蒼天の下、山並を眺めながらのランチタイム。高台の神社に参拝したり、お守りを買ったりして頂上での時を過ごした。
12:35山頂をあとにする。運動靴では下りのザラ場は滑って危険だ。登り以上に気をつけ慎重にゆっくりと降り13:45一ノ越に着いた。
下りは登りより慎重に 「あそこに登ったんだよね」と振り返る
ハイタッチして心を通わせる。「後はもう好きなように下っていいよ。」と伝え、石畳の登山道を歩かせると「でこぼこ石に乗ると足裏が痛い」という。靴底が薄いので足裏に衝撃が掛かるようだ。よくも運動靴で登ったものだ。あらためて一杯一杯褒めて上げた。出来る限り平石を踏むよう探し、残雪の上では滑って転んだりしながら、14:55室堂に戻った。
大自然に触れ、透明なきれいな風景や可憐な花々に見惚れ、満足そうな孫の姿を見ているとジジババは幸せだった。
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大日岳 (2501m)
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2013.7.26(金)曇り時々晴れ
土日の天候予報が冴えないので(後日回復)、平日であるがMだけで大日岳に登って来た。
4:50家を出発し、称名の滝駐車場に着くと2台の車が駐車され、2組3人が準備を終え出発されて行った。
靴を履き、新調のリュックを担ぎ6:20歩き出す。林道から大日岳の登山道に入ると、赤い小さな杭が等間隔に道に打ち込まれ、番号が書かれていた。単独登山者には愛想になる。「猿ヶ馬場では何番だろう」と予想しながら登ると楽しかった。ちなみに猿ヶ馬場は240で牛ノ首では320だった。木道まで続き390で終わった。
登山道に打ち込まれた杭 崩壊予防工事の物資を運ぶモノレール
木道からは1から再スタートの番号が付けられていた。大日平に出ると視界が開け、霞んではいるが大日岳や鍬崎山が望めた。草原の涼やかさを感じながら濡れた木道を滑らないように気をつけ歩くと、単独の男性が休んで居られ挨拶を交し先にでた。あと一組は八郎坂へ行かれたのだろうかと推察しながら歩くと小屋が見えて来て、8:30大日平小屋に着いた。
大日平小屋が見えてきた 大日平が眼下になる
小休して頂上に向け歩きだす。大日平は笹に覆われ花はなく色彩に乏しい。時折トンボが木道に止まって、愛嬌をふりまいてくれた。目標を水場、大岩、トラバース地と小分けにしてゆっくり登ると疲れも感じなく、大日平がみるみるうちに眼下になった。
トラバース地手前では、元気のよい単独女性に追いつかれ、先頭を譲った。
10:55コルに着くと、偉容な剱岳が目に飛び込み、写真などとって喜んだ。次第に霧に呑みこまれ姿は消えていった。
コルからの剱岳 頂上で御一緒した健脚のSiさん
頂上への稜線にはまだ雪があり、残雪を踏んで登ると登山道が現れた。そこをしばらく登り11:15頂上に着いた。
頂上からの立山 石祠と鍬崎山
先行の女性に「速いですね」と挨拶して、二人で頂上の時を過ごした。彼女は下山され、剱岳のお出ましを一人で待った。雲は流れ立山がすっきりとした姿を見せてくれ、大きな期待が持てた。しかし霧の幕は奥大日までしか開かず、ついに剱岳は隠れたままだった。夕刻から天気は下り坂 早めの行動を心掛け、諦めて11:40下山開始とした。
霧に浮かぶ大日小屋 見上げると大がかりな工事現場だった
下山途中では5組くらいの登山者にお会いした。大日平小屋で休憩をとり、慎重に牛ノ首を降って、番号杭に励まされ10番からはカウントダウンして15:05登山口に戻った。
称名ノ滝林道を颯爽と歩き降り、満車の駐車場に15:15着いた。
靴を脱ぎ汗だくの上着を着替え車に乗り込むと、待っていたように土砂ぶりの雨が降ってきた。計ったような出来事に驚き、感謝もした。「御褒美ですか?」と山の神様に聞きたい気分だった。しかし、今しがたすれ違った滝見物の小さい子供たちや多く方々を思うと胸は痛んだ。
芦峅寺に降ると何事もなかったように太陽が出ていた。山の天気は難しい。
白山以来、久し振りの長丁場の山登りで不安もあったが、登り終えることが出来き、満足のいく山行だった。
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木地屋谷
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2013.7.21(日)晴れ
会山行 Ho氏リーダーの木地屋谷に、Mだけ参加させて頂いた。
高岡Pに行くと懐かしい山友の顔、挨拶を交し6:30丹生川ダムに向け出発した。細入道の駅で一人と合流して、今日のメンバー9名(男3、女6)が揃った。
神岡をぬけ鼠餅に右折しようとしたら、橋の改修で通行止めになっていた。案内に従って下流に戻り、橋を渡って新田から沢川谷沿いの山間道を走行して、トヤ峠を目指した。
峠を下ると真新しい丹生川ダムが見え、ダムを渡って右折し9時過ぎ木地屋谷の入口に着いた。
「きじやおおはし」を渡ってすぐの場所にデポ 2分くらい歩いて入渓地点
期待を膨らませ渓流靴を履き準備を整えて、リーダー先頭の下9:15歩きだした。
2分程歩くとすぐ入渓地に着いた。順番に沢に降り、さあいよいよ沢登りだ。といってもやさしい滑床で緊張感はない。「なんと綺麗なんだろう」沢幅一杯に清流が流れ落ち、胸が弾む。
みんなが川床にそろって、いざ出発 楽しみましょう
水流の美景 果敢にシャワークライミングで登るKa氏
右に左に沢を行き来して、3m位の滝にでる。白い飛沫が跳ね美景だ。滝上もゴツゴツした岩床が続き、流水が跳ね沢は白く輝く。何回かここを訪れたHiさんが「今日は水量が多い」と言う。良かった少しの緊張感やスリルは沢登りには欠かせない。時折深淵がエメラルド色の神秘的な口を開け魅了したりもする。人間はこうも水に癒されるものなのか。この日の廻り合わせに喜びを感じた。
気持ちイイ! 平ナメが続く
沢幅一杯の水流が飛沫を上げる まるでレースのカーテンみたい
川底の石に足を取られたり、滑ったりして、水中に身体を沈めたりしたが、なお愉快になってくる。「暑い夏には持って来い」の遊びだろう。
滑らないように慎重に 沢の主に御挨拶
童心にかえって(長く入っていると結構寒い) 釜を抱く静かなたたずまいの滝
何度か休憩をいれ、いくつかの小滝を乗り越え12:20二俣に着いた。
まだまだ遡行は続く 二又の高台に小屋が見える
皆が揃ったところで、右俣に入って散策する。ここもナメ床であまり変化のない沢だった。急に沢は狭くなりその後は藪になると言う。引き返し、丸太の橋を渡って12:25小屋前に着いた。
右俣の入口 左俣の丸太橋を渡って小屋へ向かう
リーダーと感謝の握手を交わし、着替えを済ませ、ランチタイムとなった。Hiさんが用意して下さった焼肉を頂き、お腹を満たす。もちろん皆さん持参のごちそうも皆で頂き、和やかな時間が過ぎていった。
楽しい昼食会 焼肉も美味しい!
13:20下山開始だ。帰路は林道歩きとなる。照りつける太陽に閉口しながら、木陰にくると元気も湧く。左に朝遡行した沢を眺めながら暫く歩くとゲートが道を塞いでいた。「ここまでやる?」と思うほど厳重に補充された柵に驚きながら、隙間からリュックを通しその後身体をすぐり抜けた。
林道を延々と歩く「暑い」 地面すれすれの柵棒に驚き
ゲートを過ぎて林道を歩くと、地元の方々が沢で泳いだりバーベキューをしたりして楽しまれていた。微笑ましく眺めながら、14:10車デポ地に着いた。
川床で楽しむ人々 荒城温泉 恵比寿之湯(泉質抜群お勧め)
木地屋谷は期待以上の素敵な場所だった。計画、先導、運転して下さったHo氏に感謝の念で一杯だ。またご一緒したメンバーにも恵まれ、楽しい素晴らしい一日になった。
帰りに荒城温泉恵比寿の湯(近年のなかでは群を抜いたNO1の温泉だ)であせと疲れをとり、またもや感激しながら帰路についた。
2台の車は途中ではぐれたが、無事細入の道の駅で落ち合い、17:40高岡Pに帰着した。
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材木坂 美女平 (977m)
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2013.7.10(水)小雨のち曇り
Tの鮎解禁や所用に追われ、暫く山には登っていない。体力低下も気になり、鍬崎山で試してみようと出かけた。
平日のゴンドラは8:30が始発だったが、8時と勘違いしていて、7:40には乗り場に着いてしまった。チケット売り場はシャッターが下り閑寂だ。
車中で時間待ちしていると、雨が降って来た。「予報では晴れのち曇りだったのに」急に士気が下がり、帰宅も考えた。それでもせめて温泉ぐらいは入りたいと願うが、入館時間には早すぎた。
雨が止み安堵するものの、雨雲が空を覆っていた。代替に八郎坂か、大日平に気持ちは動いたが、心は揺れ決めかねていた。立山駅まで来ると軽装の登山者が行きかい、車を止めボ〜と眺めていると、2000/6に登った材木坂を思い出し、提案するとまだ登ったことの無いTは、大いに乗ってきた。
早速 駅の駐車場に車を止め登山靴を履き、立山駅の裏にある登山口へ向かった。
8:30材木坂を登りだす。ケーブルカーを横目に樹林の急登を行くと、パラパラと音をたて、雨が降ってきた。しかし枝葉が傘代わり、濡れることなく登行できた。「ここが大正解だったね」と喜び合い、美女平へと歩を進めた。
ケーブルカーの横を登る 材木岩に近づくと岩の登山道
柱状節理の材木石 急斜を登る
途中、材木石を観察したり、変化に富んだ登山道を楽しんだり、溢れるグリンシャワーに癒されたりしながら9:45美女平に着いた。
親切にもハシゴが掛けられていた 閑散とした美女平駅
駅員さんに挨拶して、散策ガイド紙を貰い、明るく清らかな駅で休憩した。ガイドを見ながらコースを決め散策路へ向かった。
前に訪れた時は車道や森を散策したが結構平坦と記憶していたが、今は散策路が整備され充実していて、沢に掛かる小橋を渡ったり、登ったりとアップダウンが多い。散策路には真新しい間伐材のチップが敷かれ明るくテーマパークを歩いているような趣きがあった。
火炎杉 天涯杉
分岐の要所には案内地図が設置され、途中には森のミニ知識盤などがあり、ゆっくり楽しめる。そのうち巨木が現れ、その畏怖堂々とした巨体に感動する。他山に登っている時、時折立山杉の巨木に出会い感動する。しかしほとんどが過酷な環境の中で立っているので高さがない。美女平の巨木は背が高い。
清幽の森に感激
不老樹の前で祝杯
ハルゼミと小鳥のさえずりが森に響き降り注ぐ。誰も居ない浮世離れした空間はまるでおとぎの国、「こんな良い所が有ったのか」とTは大満足。「これじゃ屋久島に行く必要ない」とはしゃいでいた。不老樹の前でランチを食べ、幾世代を見守り生き続ける崇高さに一杯のエネルギーを貰い、散策を終わらせた。
11:50美女平駅を後にして、材木坂を下り12:45登山口に戻った。今日は気負って出かけて来たが、体力を充分使うことなく、山行は終わった。降りで足の疲れを感じたから、なまった身体には丁度よかったのかもしれない。
それよりも立山杉の巨木に会い、多くの感動を得たことが心を豊かにし、実りある一日となった。
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