■2005.5.7(土)晴れ
昨夕、車一台が奥の林道に入っていった。朝起きると車一台が停車していて、仲間がいると喜んだが、その車も奥の林道に入って行き、私達だけが残された。
「どうする?」と迷った。尾鈴山は尾鈴瀑布群と言われる大小30余の滝があり、周遊すると7時間必要となる。それは良いとして、この場所に降り着くので、出発時は此処から林道を4km、約1時間歩かなければ行けないのだ。だれも尾鈴瀑布群には行かないようだ。私達も、車を奥まで入れることにした。そしてピストンで尾鈴山に登り、明日予定している大崩山に今日中に宇土内川から最短で登ろうと決めた。
未舗道ですりかえも出来ないダートな道をゆっくり走り進むと三差路に着き、2台の車が停まっていた。その後ろに付け、準備をして7:00歩き出した。
登山口の甘茶滝 ハイノキの花 急登が続く
橋を渡り、川音を聞きながら戻るように進むと、左側に「尾鈴山まで1時間30分」と案内板が立ち登山口があった。
急登して20分位した時、浜松の男性がもう降ってこられ驚いた。「登山道はずっとこんなものです」と教えて頂き、1本調子の急斜面を気長に登った。白い小さな花が溢れるように落ち、絨毯のようになっていている。「なんと言う木だろう」「おしべがフワフワして、可愛いね」と心も和んだ。(下山途中で花好きの男性にハイノキと教えてもらった)次第に赤松やツガの木に変わり、登山道も緩やかになった。ヒメシャラの木が有り、火照った顔を押し当ては、冷たい幹で冷やし、「気持ちいい」と喜んだ。
8:25尾鈴山頂上に到着した。あと一人の男性は尾鈴瀑布群に行ったのか会わなかった。頂上は広場のような平坦なところで視界はない。アセビの木が多く、高木に梯子が掛けてあったので登って見たが、やはり視界はきかなかった。
三角点前の石を積み上げた傍らに座り、グレープフルーツを頬張る。「美味しい」と二人だけの頂上を楽しんだ。
梯子に登るがなにも見えない 尾鈴山頂上 山頂の少し下ったところにある尾鈴神社
8:40下山開始。もと来た登山道を降ると、多くの登山者が登って来て「もう登られたのですか?」と聞かれ、「はい」と挨拶しながら、9:35車のデポ地点に戻った。
尾鈴山は瀑布群を見ないと意味がない。今流行りの言葉でいえば、クラウンジュエリーという感で、王冠は手にしたが、王冠には宝石がついていないのだ。残念な限りだった。
■ 今から行く大崩山(おおくえやま)宇土内谷コースは所用時間3時間10分と最短で頂上を踏める、お手軽コースだ。
本来の計画では上祝子(かみほうり)から登る予定で、そちらの地図しか用意してなかったのでとても不安だった。坊主、湧塚コースの所用時間は8時間20分。幾つもの花崗岩の岩峰があり見所一杯で、是非登って見たいコースだったが、「鎖や梯子でかなり渋滞する」と祖母山登山時地元の人に聞き、それでは別府から乗るフェリーに間にあわなくなる可能性があると諦めたのだ。それ以後各地で本屋に立ち寄り地図を買い求めるが置いてなく、「宮崎の山」を立ち読みしただけだった。心もとない情報だったが、北方町の鹿川にナビを合わせ、上鹿川に急いだ。
高架の国道218道から下の県道214号に入ったら道は狭くなり、慎重に車を走らせる。突然凄い山が現われ、「凄いね。こんな格好良い山があるとは」と度肝を抜かされ驚いた。比叡山と矢筈岳だった。比叡山の駐車場には沢山車が停まっていた。ナビの情報では上鹿川までまだまだ距離があり、運転しながらよくもこんな所に生活があるものだと感心した。
ようやく上鹿川に入った。鹿川渓谷を見送り「大崩山」の案内板を見て比叡山林道に入る、林道はより狭くなり未舗装で凸凹だらけ。道の真中に大きな岩があったり、大きな穴ぼこがあったりと、道と言うものではなかった。それでも我慢して進むと「通行禁止」の立て札が立っていた。「違うのかな?」時刻も13時になろうとしていた。頭の中は真白になり途方にくれた。「こんな酷い道、違うね」「道じゃあないもん」「もう一度上鹿川の人に聞きに行こう」と悪路を慎重に舵取りしながら降った。
民家に入り「大崩山の登山口は何処ですか」と聞くと「この林道を30分行ったところです。」やっぱりあの道だ。今日はもう止めようと思ったらTが行こうという。あんな酷い道、また運転するのかと思うと気が重くなった。しかし行くより仕方が無い。今度は「通行禁止」を無視して5分ほど行くと車が6台ほどあり「漸く登山口に来たか」とほっとした。
13:40遅い時間の出発となった。登山道に入ると花崗岩の山らしく岩が崩れ白砂がこぼれていて、これは素適とワクワクした。踏みあとを辿り杉林に入る。入り口に水飲み場があり、喉を潤した。此処に来るまで心に余裕がなかったからか美味しいと思った。暫く登ると年配のご夫婦が降って来られ「ツツジが綺麗でしたよ」と声を掛けて下さった。登山道の両脇にはススダケのような背の高い笹が生茂り、太陽を遮断してくれ涼しく、快調に登れた。
アケボノツツジ満開 アケボノツツジが山を覆う ふわっと大きなアケボノツツジ
尾根に出て見晴らしが利くようになると、そこはアケボノツツジの世界だった。青空にあの優しいピンク色の花びらが咲き誇り、心を引き付け魅了し写真を撮らずにはいられなかった。「見事だね」大崩山のアケボノツツジはダントツだった。
穏やかな登山道から右方向に大崩山が見えて来て、笹を掻き分け15:15坊主尾根からの分岐に着いた。平坦な道を行くと岩場があり石塚があった。10人位のパーティーが休んでいたので此処が頂上かと思って「山名板はないのですか」と聞くと「頂上はもう少し奥10分位です」と教えてもらった。思ったより近く15:20頂上にたった。
祖母山をバックに(石塚で) 大崩山山頂 石塚で
こじんまりとした登山者を包み込むような雰囲気の所で、真中に三角点が在った。残念ながら期待した花崗岩の岩には1つも出会わなかったが、心の中で全ての11座に登った喜びを噛み締め、満たされ心地良かった。リュックに残る甘いものを食べ至福の時間を過ごした。
3:35頂上を後にする。石塚で懐かしい祖母山を遠望したり、岩上に立ったりと解放された心は空より広く感じた。アケボノツツジに別れを告げ、お嬢さま登山道を楽々降り、16:45登山口に着いた。2人で握手して健闘を称え全ての山に登れた喜びを共有した。
今日の温泉は日之影温泉。町に入り日帰り温泉の出来るところを聞くと、日之影温泉駅があると教えてもらった。食事も出来、ゆっくり21時まで休み、道の駅青雲橋で車中泊した。
■2005.5.8(日)晴れ
今日はフリータイム、是非入湯したかった別府温泉に向かう。道の駅青雲橋を出てナビに逆らい距離が短いからと高千穂方面に走り、竹田市に出ることにした。折角だからもう一度ラムネ温泉に入って帰ろう「昨日二座登ったご褒美や」と意見がまとまり、長湯温泉に向かった。見覚えのある道を進み8:30ラムネ温泉に着いた。
前回は多くの人が居たが、時間が早いので私一人だった。炭酸を減らさないようにパイプが水中に潜っている前で、身体に付く銀色の泡をながめては、さすがバブの12倍だと感激した。陽にかざせば小さい泡の赤ちゃんが水面にプチプチ跳ね面白かった。ゆっくり炭酸泉を楽しんだ後は別府温泉移動した。
鉄輪(かんなわ)温泉の風景
別府八湯巡りをしようと、鉄輪温泉の渋ノ湯(無料)、柴石温泉(210−)明礬温泉の鶴寿泉(無料)別府温泉の竹瓦温泉(100−)と仕事のように温泉に入ったが、別府の湯は概ね熱く憩うことは出来なかった。全て日程をこなし今回の九州山旅は終わった。
19:00の関西汽船フェリーサンフラワ(JAF会員割引で\29.430-)に乗り、翌朝大阪南港に6:20に着き、高速をひた走り11:30我が家に戻った。
坊主地獄 海地獄 血の地獄
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高千穂峰(1574m)
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2005.5.6(金)雨
今日は高千穂峰に登りたいのだが、願いも届かず大雨は止まなかった。目を覚まし、もう一度寝ようと努力しても寝付けないので、温泉に入ろうと露天風呂に行ってみた。湯が暗灰色の泥交じりで気持ちが悪く、おまけにぬるくなっていた。折角来たのだからと源泉の落ちるパイプの下に肩を当てじっと暖まろうとするが、寒くて長くは居られなかった。
早々に退散して部屋に戻り、山の資料を読んだり、朝食の用意をしたりして時間を潰した。温泉の回復を期待してTが「ゆっくり此処に居よう」と言ったが、源泉が冷たくなり、管理人の老人が「すいませんが、本日は温泉には入れません」と案内に来た。ここに居ても仕方が無いと判断し、少しでも登る時間を遅らせて、天気の回復を待つことにして、霧島温泉で温泉に入ってから、高千穂ビジターセンターに行くことに決めた。
霧島温泉には9:30ごろ着き、日帰り温泉の出来るところを聞いてみた。時間が早いので前田温泉(200−)だけが9:00から入湯可だった。銭湯のような簡単な造りでがっかりしたが、湯量はたっぷりの掛け流し、硫黄の臭いが鼻に突き嫌気がさしていたので単純泉の湯は大歓迎だった。すこし熱めだったが、気持ち良く暖まり、ホカホカと幸せだった。水と温泉(72度)を各2Lのペットボトルに貰い、高千穂河原に向かって車を走らせた。
11:00高千穂河原駐車場に着く。「なに、お金がいるの?」料金所の女性に「山に登るか否か今迷っています。」と言うと「此処でさえこれだけの風ですから、山上はもっとあると思います」と言われ「諦めるか」と長らく悩んだ。「諦めよう」と決心して県道480号を4km位降った。少し雨も弱まり風も弱まったようだ。「ね、登ろうか?」と覚悟を決めた。引き返し、高千穂河原駐車場に戻り400円払い準備をした。
雨具を着て11:40登り出す。トイレの横に高千穂峰と案内板があったので、ここの階段を登った。建物が建っていてそこで道が消えた。「おかしいね」少し進むと石を敷いた自然研究遊歩道がありそれに従って進んだが、濃霧の中、迷路のようで何処を歩いているのか全く分からなかった。時間だけが過ぎ体が火照り、雨具の上着を脱いた。12:10それでもなんとか高千穂峰入り口に着き一安心した。
自然研究遊歩道は迷路のようだった アカガレを敷たようなの登山道 黒い溶岩の岩場が続く
右折して敷石の階段を登ると赤褐色のガレ場の登りとなり、やっと登山らしくなってきた。そこを過ぎると黒い溶岩の岩場が続き、赤い足跡が黒い岩場に付着して踏み後がよく分かった。高度を上げるに従ってガスの粒子も大きくなり小雨のようになり、右から強風が吹き荒れた。負けるものかと気合をいれ登り続け、12:40御鉢火口縁に着いた。
ホワイトアウトの状態でなにも見えない。「この岩をおぼえておこう」と帰りの岩を覚え、御鉢縁を強風に飛ばされないように慎重に進んだ。赤ザレが黒ザレに変わり、また赤ザレに変わった。高度計は1400m、風は益々力をつけ、方向を変え暴風となって今度は前から襲いかかる。よろめき動けなくなり、しゃがんだ。「危ない」「止めよう」御鉢縁は狭くて危険、「帰ろう」と決めた。二人は腕を組んで座りこみ暴風の過ぎるのを待った。2本のストックを支えに御鉢火口縁に戻ったときはほっとした。
御鉢火口縁 道幅が狭くなる御鉢縁 天孫降臨の霧島古宮址
溶岩の岩場を降ったら4人グループの登山者が登って来た。一人は経験者のようだったが、3人は初心者のようだった。「風が酷かったです」と挨拶して別れた。赤のガレ場に来たら風はなく穏やかになった。
13:20高千穂峰入り口に着いた。来た時の反対方向に高千穂河原と案内があったのでそちらに降りた。10分間で霧島古宮跡に着き、「天孫降臨」の前で写真を撮り、あっと言う間に駐車場に着いた。こちらが正しい登山道だったのだ。
ずぶ濡れになった衣服を上から下まで着替えサッパリして、明日登る尾鈴山にナビをあわせた。「やるだけのことはやったね。」「自然が相手だから仕方が無い」と心は爽やかだった。
野尻町あたりから日がさしお天気は回復した。西都市のスーパーで食料を買出しして6:00尾鈴キャンプ場入り口の駐車場に着いた。今日は此処で私達だけが車中泊だった。
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市房山(1720.8m) 韓国岳(1700.1m)
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■2005.5.5(木)晴れ
夜中、雨かと心配し何回も起きたが、朝起きて見ると沢音だった。暗がりの中では分からなかった駐車場も結構広く、居心地がいいところに見えた。熊本のスパーで買ったおにぎりやおかずを食べ、身支度を済ませて6:15市房山に向けて歩きだした。
木橋を渡り、薄暗い平坦な登山道を進むと黒のネットで囲いがしてあって、何か動物の被害でもあるのだろうかと考えながら歩み進むと、明るく広い参道と合流して大石の階段となった。杉の巨木達が目に飛び込み、「凄い、素晴らしい」とシャッターをきる。驚くばかリの太さとまっすぐに天を突く実直さに感動した。自然災害で倒れたのだろう、株だけが残された大杉が痛々しかったが、「もし生きていたら」と思うと惜しくてならなかった。
樹木の間から赤い建物が見えて来て、こんな山中に立派な神社があるものだと感心し中に入ってみると、床はコンクリートで味気がなく寂しさが漂っていた。鈴を振り鳴らし参拝し、「山に入らせて下さい」とお願いした。
大杉が続く参道 市房神社 仏岩
石段や階段が整備され、地域の人から大切にされている印象を強く受け、しっとりした良い山だと思った。この山にも小鳥が多く、高い声、低い声、大きい声、小さい声、おそいテンポ、早いテンポ、と囀りが止まない。「小鳥のシンフォニーだね」「合唱や」とその歌声に聞き惚れながら、ペースよく登ると「あゝ凄い」見上げると石のモニュメント仏岩がスックリと立っていた。仏石の下に行き、写真を取る。「高いね」と「不思議だね」と夢中になっていると「そこに道はありますか?こちらにありますが」と登山者が声を掛けてくださり登山道に戻った。
6合目では先行の3人が休んでいた。ここは馬の背と言うらしいが、知らずに通過してしまった。だんだん緩やかな登りになり1400mくらいから樹木も無く、バイケイソウのような新芽が春の訪れを告げていた。
もう少し、奥が市房山山頂 市房山山頂 心見の橋
新芽も持たない寂しい潅木地帯を進むと、正面に頂上が見えてきて「市房山まで5分」と案内板があった。登りつめると8:25頂上に立った。頂上は広く山並みが望めるが、知らない山ばかりで興味が湧かなかったが、水上村が良く見えた。「心見の橋3分と書いてあるから行ってみよう」とリュックを置き、山を降る。直ぐに着き石の上に登り、写真を写してもらって頂上に戻った。「明日は雨だから今日中に韓国岳に登ろうか」と決め、8:45下山開始することにした。
多くの登山者が登って来て「早いですね」と声を掛けて下さり「はい」と答えながら10:00登山口に着いた。
「昨日、湯山温泉元湯で会った久留米のご夫婦の推薦された温泉には入りたいね。」と意見が一致し、湯山温泉元湯に直行した。まろやかな優しい泉質に身体を沈め、一路えびの高原に向かった。
■ えびの高原のホテル街は観光客で溢れかえり有料駐車場も満車だった。小林方面に車を走らせると、不動池の横に無料の駐車場があり、「登山口に近いし、尚よかったね」とここに駐車した。ここからの韓国岳と硫黄山のバランスがよく一幅の絵を見るようで、早く登りたいと気持ちも焦った。
12:45硫黄山登山口から登りだす。硫黄山の裾に広がる地獄と呼ばれる白石と黄色の硫黄地帯を直進し13:05韓国岳一合目に着いた。
ミヤマキリシマの木が繁茂して花もチラホラ咲いていた。登山道は広く丸太で階段状になり、観光客も含め多くの人が行き来して山を楽しんでいるようだった。
噴気帯を行く 韓国岳火口 山頂
13:30五合目に着く。広場には登り終えた多くの人が休み、ゆっくりと寛いでいる。私達は休まず先を急ぐ。眼下にはえびの高原や火口池が一望でき、もうこんなに登ったのかと驚いた。左に柵が見えて来て、覗くと大きな火口がすり鉢のようになり、底は広く水は全く無かった。頂上も見えて来て、黒い溶岩石を登り詰めると14:00頂上に立った。
高千穂峰と新燃岳 大浪池と桜島
素晴らしい眺めだ。三角の高千穂峰とその前に新燃岳が火口を広げ、うっとりするほど美しかった。桜島も見え「凄いね」とあちらこちらとカメラを向け、はしゃいだ。風が寒く感じられ岩陰に入り甘い物を食べ、ゆっくり景色を眺めていると心が癒された。
14:20下山開始、もうほとんど登って来る人は無く、山は静けさに包まれた。15:05
一合目に戻り、大きな満足感に包まれながら15:20不動池駐車場に戻った。
今日はえびの高原市営露天風呂の簡易宿泊施設(1850−)に泊まる。案内された部屋はかび臭く陰気で気が滅入ったが、白濁した源泉の湯量の多さに免じて我慢した。17:00頃から雨が降り出し、段々大降になり雷も伴った。こんな所でも屋根の下は有り難いと話しながら、ラジオに耳を傾け明日の天気を聞入ったが、何回聞いても期待できるものではなかった。
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普賢岳(1359.8m)
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2005.5.4(水)晴れ
三角〜島原行きのフェリー(4.080−)の始発が6:30なので、混んで、乗船出来なかったら困ると思い、4:30に道の駅不知火を出発した。三角港には30分間で着いたが、港はまだ眠りの中で夜は明けていなかった。道路に書かれた→に誘導され乗り場待ちレーンに行くと、もう5台位車が縦列していて私達もその後に付け、時間がくるのを待った。大型船は1時間前に乗り場に来るよう指示があったが、ここのフェリーは15分前にやっと乗船させてくれた。
6:30出港。ラウンジのような船室のソファーに座り、ゆっくり海を眺めクルージングを楽しんだ。島原が近づき、平成新山が荒々しく迫ってきて「かっこ良いね」と興奮した。
7:30に島原港に着き、普賢岳の登山口になる仁田峠に向かった。有料道路(770−)に入り、曲がりくねった道を走行し、仁田峠にある大駐車場に着いた。登山靴を履いていると警備員が来て、「登山の人は奥に止めて下さい。」と指示があり車を移動した。
準備を整えて8:40階段を登りだす。ロープウェー乗り場の前を見送り、奥横にある登山道に入った。入り口にある神社に参拝し、ゆったり気分で散策道を歩いた。ここも小鳥の楽園なのか色々な囀りが聞こえ、上部に目を向ければ岩山にはミヤマキリシマが咲き誇り、華やいで胸も弾んできた。
ミヤマキリシマが咲き誇る 普賢岳頂上 後ろは平成新山 国見岳登りから普賢岳を振り返る
緩やかに降り広場に出て、それから普賢岳への登りとなり、9:20紅葉茶屋(茶屋は無いが紅紅葉が素晴らしいことから付いたらしい)に到着した。右折し、急登して小岩の階段を登り詰めると祠があり、その後ろには平成新山が黒々と聳えていた。右の小高い岩山に登ると9:35普賢岳頂上に着いた。
ここからの平成新山は格好が良い。しかし、山は気まぐれで、ガスが湧き頂上を隠してしまう。シャッターチャンスを待ちながら、岩場に座り休憩をとった。すっきりせず、切りが無いので9:55下山開始とする。くだりは紅葉茶屋から100m登り、国見岳分岐を見送り妙見岳を通り、10:55駐車場に戻った。
反対コースで多くの登山者や学生が登って来てすれ違がったが、普賢岳まで行くのだったら、「折角登った山を100mも降り、その後160mも登らされるのは気分的に疲れるね」と、私達の選んだコースの方が良かったと二人で話し合った。
雲仙まで来たのだから、やはり雲仙温泉に入湯したい。新湯近くの有料駐車場(400−)に駐車して、新湯共同浴場(100−)に入った。豊富な湯とコップが置いてあるので飲んでみるとスポーツ飲料の味がして中々美味しく、身体もサッパリと気持ち良かった。折角だから、地獄めぐりに行こうと花園山、お糸地獄、清七地獄と周り、ゆで卵を買い、急いで島原港に向かった。
島原から熊本行きのオーシャンアロー(4.380−)13:55発に乗りたいので1時間前には着かなくてはいけない。ゴールデンウィーク中なので心配したが、私達の3台後の車は次の便となり、本当に胸を撫で下ろした。
雲仙温泉 お糸地獄 熊本城 天守閣
熊本港から熊本城にナビを合わせ見物に出かける。思った以上に中心街が遠いと感じた。二の丸駐車場に車を止め、西大手櫓門を潜ると圧倒される広さ、「やっぱり凄いね」と天守閣を見上げた。天守閣に入るとなんと鉄骨とコンクリートのお城でがっかりした。階段を登りながら展示品を観覧するがあまり興味が持てず、やはり白鷺城、彦根城、松本城には到底かなわないとドッと疲れた。山登りは疲れないが、お城の階段と観光客には疲れ「熊本山に登った」と冗談を言って城を後にした。
明日は市房山に登る。御船ICに向かう途中、私達の車の10台前で車3台を巻き込んだ事故が発生した。驚きと巻き込まれなかったことに感謝して慎重運転になった。人吉ICまで高速で走り、市房山の麓にある湯山温泉に着いた。久留米のご夫婦が「富山からきたのですか?」と聞かれ「そうです」と言ったら、北アの話になり会話が弾み、夕闇が迫った。「最終林道の駐車場は狭いから、早く行ったほうが良い」と勧められ、暗闇の中、林道を走り、行き止まりまで入った。車が2台停まっていて、私達もここで車中泊した。
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祖母山(1756m)
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2005.5.3(火)快晴
道の駅原尻の滝を出て、祖母山の登山口尾平に向かう。曲がりくねった狭い道で、いつになったら着くのだろうと心配したが、6:20駐車場に着いた。駐車場はほぼ満車だったが、首尾よくスペースが空いていて停めることが出来た。なにかピリピリして様子がおかしい。
4月30日ツアーの大阪の女性が行方不明になっていて、自衛隊の車両や隊員が250人も山に入っているのだ。山岳関係者を入れると350人体制の捜索になるのだと横の車の男性が教えてくれた。
暗い気持ちで準備をして、登山届を書き6:35歩きだした。途中の草むらに自衛隊のジープがズラリと並び、若い隊員が仮眠を取っていた。「早く見つかりますように」と心で呟やき、登山道を進んだ。
吊橋があり、渡らず左の斜面に登山道が切られ「宮原、初心者の方はこちら」と書かれ、川横を直進すると黒金尾根となっていた。先行の男性6人グループが宮原経由を選んだので私達もそれに従い後に付いた。道を譲られ進むと沢に出て、対岸に渡った。尾根に取り付いたのか急登となり高度を稼ぐ。小鳥のさえずりに耳を傾けながら登るが、ヘリコプターの轟音が気になった。3合目あたりで男性の大声が聞こえ「大阪のおばちゃん」「大阪のおばちゃん」と声が近づいてくる。二人の男性が降って来られ、挨拶をして労をねぎらった。一人は祖母山の主のような人で、後ろに歩いているはずなのにいつのまにか前を歩かれ忍者のようだった。5合目まで一緒に歩き、山の話を聞かせて頂いた。
青空にアケボノツツジが優しいピンク色の花を咲かせ、コントラストが美しい。石楠花も咲き正面には祖母山が見えてきた。谷底では相変わらずヘリコプターが静止して浮かび、エンジン音を響かせていた。静かな山でヘリコプターの音は落ち着かないもので、情緒不安定になるが、ことがことだけに仕方の無いことだ。
アケボノツツジの中を歩く 馬の背 祖母山を背景に
馬の背を渡り、9:40祖母山九合目小屋に着いた。小屋の前広場では多くの人が休んでいた。私達も小屋の庇のベッチに座りパンを食べ一休み。「もう少しだ」と腰を上げ、一登りすると10:05祖母山頂上に着いた。
驚いたことに人で溢れかえっている。年配者やワンちゃんまでいるのには「それは無いでしょう。」と言いたくなった。標高差1170m登って来たのに、簡単に登れるコースがあるらしい。頂上には石祠があり拝礼して、これから降る天狗岩のよく見える場所に座り、稜線に続く道を目で追った。
頂上の祠に拝礼 頂上直下、崖のような岩場を降った 天狗岩
10:25下山開始。帰りは黒金尾根を降る。降るとすぐに絶崖のような1枚岩に鎖が落ちていた。垂直に降りることは出来ず、左に振りながら降るようになっているが、振る時に足をかけるスタンスがなく、非常に緊張した。あとはアルミの梯子がかけてあったが傷みが酷くスリル満点で、間違って初心者がここを降ったらどうなるのだろうと想像してしまった。
その後の登山道は笹を切ったままにしたお粗末な感じで、登ってくる登山者に「此処は黒金尾根に行きますよね」と何回も聞いてしまった。漸く登山道に土が見えるようになり安心して稜線歩きが楽しめた。天狗岩の岩峰が目を引き写真におさめ、やっぱりこのコースでよかったと思った。トンネルから登って来られた男性とすれ違い挨拶を交わしたら、ラジオで生死は分からないが大阪の女性が見つかったと教えてくれた。
天狗岩手前、黒金尾根分岐には11:20に着いた。「さあこれで降りだけ。」と意気揚々左折する。急斜のくだりが続き非常に疲れる。「此処を登らなくてよかったね。」と合図地をして、時折登って来る登山者の行程を思うと気の毒になった。
男性が二人休んでいる。天狗の水場だった。私達も冷たい水を飲み、喉を潤し、ペットボトルに水の補給をした。「降りですか」と聞くと「はい」と答えられ、お互いに宮原から登って正解だったとうなずきあった。今日は祖母山の山開きで11:30からバンダナが配られるのだと教えてもらい、それであんなに頂上に人が居たのかと納得した。
二人に別れを告げ、先を急ぐ。アケボノツツジが多く綺麗だが、ずっと続く急斜面は心を強張らせ、時折踏み後が不鮮明になり、迷った。二人でいるからいいようなものの、一人では心細くなる程薄暗く、霊気を感じる山道で、早く駐車場に着きたいと願った。
川音が聞こえ、川上渓谷に入った。岩や大石を縫うように流れる清流は見事で美しいが、戯れる心の余裕もなく、尾平と書かれた案内板を見逃さないように気を遣い、漸く吊橋に着いた。渡り終え川横を行くが上方に道があるので、引き返した。左に展望広場と書かれた階段があり、登ってみたらリボンが着いているのに行き止まり。もう一度川横を行ったら、見覚えのある吊橋に着き、尾平の矢印があった。
13:20駐車場に戻った。朝の物々しさは無く、自衛隊は退却して静まり返っている。着替えをして、お湯を沸かしカップ麺を食べ、ほっと心は開放された。
祖母山はお天気もよく、充実した山登りをしたはずなのに、満足感が湧かなかった。なぜだろう。黒金尾根では2回も道に迷い、不安を感じながら来たからだろうか。山の印象や達成感がまるで無いのだ。
明日は雲仙普賢岳に登る。行き道、天の岩戸神社と高千穂峡に立ち寄り、天の岩戸神社ではちょうどお祭りで、棒神楽の奉納をみることが出来た。そして宇城市の道の駅不知火内にある不知火温泉で疲れを取り、此処の駐車場で車中泊した。
天岩戸神社のお祭り 天岩戸神社の棒神楽 高千穂峡
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久住山(1786.9m) 高岳(1592m)
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■2005.5.2(月)濃霧のち晴れ
朝起きると小雨のような濃霧で視界もきかず、お天気の回復が期待できない。今日は久住山と阿蘇山の登頂予定と、警察に紛失届をださなければいけないので、早めの出発とした。
準備をして6:05団体さんを追い越しコンクリートの登山道を登りだした。階段が続き単調だが、沓掛山手前から岩場となり登山らしくなってきた。そこを過ぎ、標高1500m位までミヤマキリシマの樹木が茂り、開花時期はみごとだろうと想像し、寂しい色彩のない山道を登り進んだ。
登山口 西千里浜 黄色の印が頼もしい
久住分かれ 久住山頂上 久住山避難小屋
次第に緩い登り道となり、降りと登りの登山道が平行して続いている。ガスで何も見えず黙々と歩いたら、平坦で広い稜線に出て「こんなに楽でいいの」と拍子抜けした。濃霧で視界がきかないが、岩石が積み重なった登山道になり、黄色の○印が蛍のように賑やかにマーキングされ、こんなホワイトアウトの日は頼りになり有り難かった。登って下ると霧の中に久住避難小屋がぼんやり浮かび上がり、不気味な出現に驚いた。だれもいないのと登山道から外れ、何処に進むのか分からなくなった。地図とコンパスを出し東方向に登ると踏み後がみえ安心した。黄色の○印とトラロープの誘導で久住分かれに7:30着いた。ガレ場を登り中岳分岐を左に見送り、大きく右カーブに折れ、登り詰めると7:50久住山頂上に着いた。ホワイトアウトで視界0、残念だったが証拠写真を撮り下山することにした。
なんの印象も残らない山行だったが、晴れた日は素晴らしい風景を見せるのだろうと思いつつ、頂上に立てたことを素直に喜び、9:05牧ノ戸峠登山口に戻った。
この時間、売店は営業開始しているかと心配したが、開いていた。広い駐車場は満車で、その正面ど真ん中にパトカーが停車していた。「ラッキー。警察署まで行かなくてもよかった」と喜び、先ずは売店の女性にハンドバックがなかったか尋ねたら「知らない」と答えが返ってきた。奥にお巡りさんが座って居られたので、「すみませんが紛失届をお願いできませんか?」と言うと「名前は」と聞かれ「関本です」と答えたら「あなたを探していたのだ」とムットした顔で睨まれた。「何処に居たのですか?」「九重山に登って来ました。」お巡りさんは呆れていた。なにはともあれ、善意の人々に支えられハンドバックは我が手に戻ることになった。
■ 玖珠警察飯田駐在所で紛失届と受領手続きを済ませ、奥様にコーヒを頂き、心晴々とまた牧ノ戸峠を越え、阿蘇山の登山口である仙酔峡をめざした。
阿蘇山は現在ロープウェイーが故障中で運行していない。また、第一火口が火山灰を巻き上げ、1km以内立ち入り禁止になっている。今は通称バカ尾根を詰め高岳に登るコースが取られている。
11:30には駐車場に着いた。急いで準備を済ませ、11:35花酔い橋を渡る。階段を登るとミヤマキリシマが所々開花して華やかな彩りを添え心が和んだ。赤褐色の溶岩の岩場は接着剤で貼り付けたように結合して浮石もなく安心して登れ12:25には中間地点に着いた。
ガスが流れ消え青空も出てきて、益々快調に登り続けた。ダイナミックな阿蘇の光景が胸を透くように広がり、噴煙もみえる。斜めに走る溶岩の断層が地殻変動の凄さをものがたり、壮大な地球の営みを感じずには居られなかった。
急登の岩場を登っていると、昨日牧ノ戸峠売店で出会った長野のT夫妻が降って来られ「トヤマ」と声を掛けて頂いた。「ほんとうにご縁がありますね」と健闘を称え合い別れた。
ドイツ人のマークと日本人の彼女のペアーと、抜きつ抜かれつ仲良く登り、13:15稜線分岐に着いた。右の高岳方向に進むと小高い三角山が見え始め、頂上に小さく人影が見えた。「あそこだ」と気があせり足早になった。
13:25高岳頂上に到着。休憩をしているとガスが出て視界がきかなくなってきた。「景色も見えないのなら中岳に行っても意味がないね」と中岳は中止し、13:45下山開始した。
ミヤマキリシマ 溶岩の岩場を登る 虎ヶ峰と鷹ヶ峰
噴煙を上げる第一火口 稜線からの高岳 高岳頂上
降りの岩場に気を付けながら慎重に降り、大きな満足に包まれながら15:00駐車場に戻った。
阿蘇山は、溶岩と岩石の広大な世界。こんなダイナミックな光景は見たことがないので、興奮し、いつまでも心に残った。
本日の温泉は今回の旅行で一番楽しみにしていた長湯温泉。日本一の炭酸泉で是非入ってみたく道中からワクワクしていた。直入町に向い長湯温泉街に入る。黒川温泉と大違いで、ひなびた山間の小さな温泉地だった。先ずは天満の湯(100−)次が一番楽しみのラムネ温泉(100-) 名前の通り砂糖の入って無いラムネだ。入湯すると身体中に銀色の泡が付きそっと撫ぜるとブクブクと大きな泡になり水面をゆらす。こんな楽しい温泉は初めてと長い時間浸かって遊んだ。T曰く「九州の温泉は一番や」と呆れ「おそれいりました」と頭を下げた。河原の露天風呂のガニ
湯に足をつけ、御前の湯で休憩をして合計4つ温泉に浸かり、今日の宿泊場所、道の駅原尻の滝に向かった。
河原のガニ湯 新築中のため仮ピニールハウスで営業中のラムネ温泉
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黒川温泉
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■2005.5.1(日)雨
朝方、雨の音が聞こえる。冗談でしょうと車の外を見てみると結構強く降っていて、がっくり落胆した。
今日の予定は久住山と阿蘇山だがこの雨じゃ登れない。予備日が一日あるが「こんなに早い二日目に使ってしまったら」と気も滅入り動揺した。Tが決断をして、「靴を濡らかしてしまうのは嫌だ」と今日は山登りを中止して、黒川温泉に行くことに決定した。
明日の登山のため「牧ノ戸峠を見ておこう」とナビを合わせ目的地に行くが、益々雨は強くなり諦めも付いた。牧ノ戸峠の大きな駐車場はすっぽりとガスと雨で覆われ誰もいない。5m先も見えない山道を慎重に運転して黒川温泉に直行した。
黒川温泉の道は狭く情緒がある
黒川温泉は1200円で外湯巡りが3軒出来、全国から観光客が集まる人気スポットで、私達も早速木で造った手形を買い求め、外湯巡りの露天風呂を楽しんだ。
思考を凝らした個々の旅館の露天風呂は趣があり、団体客を断り続け個人を大切にする、熱意も伝わってきて大満足だった。ちなみに私達は地獄湯、岩戸風呂、奥の湯と入湯した。
15:50また牧ノ戸峠に戻りレストハウス(売店)で買い物をしていると登山者らしき人がストーブで暖を取っている。「九重山に登られたのですか?」と聞くと「気のおかしいのが3組ぐらいいました」と言われ、話は盛り上がり、長野県のT夫妻と山談議に花が咲いた。「明日は阿蘇山に登る」とのこと、別れを告げて車に戻った。
車の中で夕食を食べ、我が家に電話を入れようとおもったら、ハンドバックが無い。トイレに置き忘れたようだ。すぐに見に行ったがもう何も無く、売店も店じまいして誰もいなかった。「どうしょう?現金はあまり入って無かったが、携帯電話と車の免許証は痛い」これからどう旅を続ければ良いのか途方にくれた。
暗い沈黙の中、明日のレストハウスが開くまでは手立てが無いと割り切り眠りに着いた。
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英彦山 (1199.6m) 由布岳 (1583.3m)
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■2005.4.30(土)晴れ
ゴールデンウィークを利用して、開聞岳、桜島、宮之浦岳は次回(まだ、未定)に残し、後の九州100名山、200名山、11座に登って来た。
4/29 9:00家を出発して一路大阪南港に向け走行し、吹田JCTの渋滞を見込んで京滋バイパスを抜け、大阪南港に着いたのが14:00頃だった。17:40発 新門司行、名門大洋フェリーの乗船時間に余裕があり、ベイエリアの高層ビルや観光客がひしめき合うアジア大西洋トレードセンターを見物したりして時間調整して、1時間30分前にフェリーの乗リ場に戻った。
乗船後、甲板で景色を楽しんだり、ラウンジで寛いだりとこれから始まる九州旅行に大きな期待が膨らみ、心も弾んだ。暗闇迫る海を眺めたあとは、レストランで食事をし、風呂に入りと船旅を楽しみ「明日の朝はもう九州だね」と2等船室の寝床で眠りについた。
4/30 5:40新門司に到着。比較的早い下船順番だったので助かり、ナビを添田町英彦山に合わせ、早朝の清々しい中R322を走しり県道523と繋ぎ、別所の無料駐車場には7:20着いた。
準備を済ませ7:35歩き出す。10分間で鳥居に着き、歴史ある石段を踏み締めながら、両脇にある坊跡を眺め往時をしのんだ。7:55奉幣殿に着く。工事中で塀が廻らされ有り難さが薄らいだが拝礼して、なお石段を進んだ。信仰の山ゆえ誰でも登れるようにと石が敷きつめられて味気ないが、歴史のある敷石と小鳥の鳴き声が心地よく、9:05中岳英彦山神社に着いた。神社は木の覆いで閉ざされ、私達を拒んでいるように感じた。神社横には木の残骸が放置され殺伐として到底安らぎを得ることは無かった。少し休み南岳に向かう。後ろを振り返ると要塞のような神社が寂しく建ち、心寂しさを感じた。
参道の石段が続く 奉幣殿 中岳の英彦山神宮
中岳頂上 南岳登りからの中岳英彦山神宮 最高峰南岳頂上
9:20南岳に着く。祠と三角点と展望台があったが、誰もいない暗い雰囲気の山頂も長居は出来なかった。鬼杉方面に降り、鎖を下り少しは変化が出て楽しくなった。材木石が目に止まり写真を撮る。変化にとんだこのコースはお勧めかもしれない。若い学生がグループで何組か登って来て挨拶を交わし、華やかさが戻った。奉幣殿までは幾つも沢があり軽いアップダウンの連続で疲れ、長く感じたが、10:50奉幣殿に戻り着き、11:05別所の無料駐車場に着いた。
長い鎖場 安山岩の柱状節理 材木石
石段と石畳の正面コースは表玄関、下りに使った鬼杉コースは裏玄関というところ、断然裏玄関コースが面白い。また神域の森だから大きな杉が点在しその大きさにも驚かされた。
■ 英彦山を後にして由布岳を目指す。大分自動車道を走り、湯布院に近づくと双耳峰の雄大な由布岳が目前に迫り、心がときめいた。
インターを下りて温泉街を抜け、正面登山口に車を走らせる。県道216号を目印に走ると広大な緑の草原の裾野を広げた由布岳が息を呑む美しさで聳え「綺麗だ」と感嘆の声を上げた。ハイウェイはヘアビンカーブを描きながら高所へと伸びている。案内標識に[別府]の文字が見え、「立派なハイウェイだし別府に行ってしまうのかな?」と、間違ったのではないかと大いに焦った。高度計を見たらまだ770mに至らず、もう少し先に行ってみようと心を落ち着かせ車を走らせると峠に登山口があり一安心し、右側の無料駐車場に車を停めた。
高速道路からの由布岳 登高意欲を掻き立てる由布岳 マタエ
急いで準備を済ませ、13:20登り出す。こんな時間から登り出すのは私達だけで、次から次と登山者が降って来た。鉄製のゲートを開け中に入る。樹林の中を暫く登ると13:55合野越に着いた。広い休み場では多くの人が休憩していたが、私達にはそんな余裕は無く休みも取らずひたすら登り続けた。1200mあたりから視界が広がり湯布院の町や高速道路が箱庭のように見え、だいぶん高所に来たのだと気がまぎれたが、黒岩の頂上を眺めたらまだまだ高く、気が引き締まった。1500mあたりで最後の登山者と思われるグループの方が「今から頂上まで登られるのですか?」と声を掛けられ、悪いことをしているような気後れた声で「はい」と答えた
ジグザグの登山道が直登になった。こんな道のほうが時間を稼げるので有り難い。15:05マタエに着いた。此処から左に西峰へ、右に東峰へと分かれ、どちらも15分と書かれていた。迷わず最高峰で三角点のある西峰に登る。立ち入り禁止の注意書きを無視して岩を登り出す。鎖もあり三点確保をすれば問題は無いがトラバースぎみの岩は怖かった。
西峰を登る 由布岳頂上 由布岳頂上からの東峰
15:25西峰に到着。東峰や下界の景色を楽しみ、写真を撮り15:45マタエに戻った。Tは祝杯を上げ、私は栄養補給して軽く休憩をとった。時間が無いので東峰には登らず、15:55下山開始し、誰もいなくなった山道をひたすら下り17:10駐車場に戻った。
由布岳は豊後富士と呼ばれ端正な美しい山で登高意欲を掻き立てる魅力的な山だった。誰にでも登れる山と思っていたが、西峰は危険な岩場で登り終えると大きな満足が得られた。
今回の九州山旅のもう1つの楽しみは色々な温泉に入ること。今日の疲れは湯布院温泉に限ると温泉街に向い、ぬるかわ温泉の単純泉の優しいお湯に浸かって疲れを癒した。金隣湖を散策して、食事を済ませ、今日のお泊まり場所、道の駅ゆふいんに移動した。
■2005山行記録■
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