2006 山日記



■2006山行記録■

真川本流 
  2006.8.27(日)晴れ 
 Ta氏から沢登りに誘われた。当初は毛勝の東又谷から三階棚滝あたりまでと言うことだったが、変更して真川からヤクシ谷に入り大滝を見て、下山路は林道を歩くルートとなり、そうめんを作ったり、岩魚釣りをしたりして夏の一日川遊びを楽しもうと相成った。
 メンバーは5人で、T氏の車に乗り込み6:00砺波を出発して有峰に向かった。
 新折立トンネルを貫け真川に架かる橋を渡り、すぐ右路肩にある駐車場に着き此処で渓流シューズに履き替え身支度をした。Ta氏は8/5日帰りで真川からヤクシ谷をつめ太郎山に登られていて、「今日は車が少ないので奥まで車で入ります。」と再度乗車を促され、未舗道をカタゴト行くと驚くほど広い駐車場に着き、県外ナンバーを含め車が3、4台停まっていた。
 準備を整え、7:50ゲートの横をぬけ河原に向かって歩き出した。道端には月見草の黄色い花が咲き、明るく見送ってくれた。
 8:00河原に着き、Ta氏(リーダー)を先頭に真川本流に入渓した。沢歩き初挑戦のTuriさんもシューズのまま、元気よく後を追った。川幅は広く明るく爽快で、石の上に乗ったり清流に入ったりしながら遡行すると渓流釣の人達がかなり入っていた。危険場所もなく1時間あまり歩いた岩魚がいそうなポイントで、さっそくリーダーがご自慢の竿を取り出し、岩虫を餌に水面に糸を流してみる。そう簡単に岩魚はだまされない。まさに人と岩魚の知恵比べ、Tも代わってもらい挑戦したがとうとう岩魚を手にすることは出来なかった。東京から来た二人の若者が「此処では釣れないからシンノ谷に行く」と言って追い越して行った。
     
 9:45ハゲ谷出合に着いた。谷も狭まり、岩や淵が多く見受けられるようになり、列の頭尾が大きく離れだし、先頭のリーダーが時間待ちで淵に入って、上ノ廊下の想定か、泳ぎの実験をしておられた。「リュックを担いでいるとなかなか進まないね」と言われ、Tもおもしろがって泳いでみた。やっぱりリュックは予想以上に抵抗が大きいことが分かった。曇り空になり、「雨に降られたら沢はすぐ増水して危険なので、なるべく早く支流まで行きましょう」と告げられ先を急がれ、後を追ったがすぐに姿は見えなくなった。
 10:40黄色のシャツの、にこやかなリーダーの顔が見え辿り着くとヤクシ谷出合だった。初挑戦のTuriさんは渓流靴ではないので、水中の苔石でよく滑り、苦労も多くさぞ疲れたことだろう。健闘を称えここで記念写真をとり、真川と別れヤクシ谷に入った。
     
 ここからが沢登りとなる。Turiさんはリーダーがサポートすることになり、Taka氏先頭で沢を登り,林道に架かる橋を目指した。危険な場所は無く11:15橋下に到着して、此処が本日の最終地点となった。
 さっそく傍らに流れる沢にビールを沈め、湯を沸かしそうめんを茹でた。清冽な冷たい沢水で〆たそうめんは格別美味しく、つるつるとあっという間に喉を素通りしていった。みんなが満足してお腹も満たされ、ゆったり至福の時を過ごしたあとは帰り支度。登山靴に履き替え急斜面の崖を登り橋上に出た。
     
 橋上は良いがそこに続く道はもう荒れ放題で自然に飲み込まれ、地図に描かれている林道とは無縁のものになっていた。木や草が生茂り、悲しいまでに凄まじい光景だった。当時をしのぶ橋の竣工年は昭和48年となっていたが、なんの目的でここに林道をつけたのか、またどうして消え去ってしまったのか首を傾げてしまった。
   
    12:45下山開始する。リーダーは「此処からは未知の世界です」と先頭を歩かれた。獣道のような踏み後はあるが、藪漕ぎ状態で跡形もなく林道は消え去っていた。時折草木の中から谷側にコンクリートで固めた壁が見て取れ、まぎれも無くここは林道だと確認することが出来た。Taka氏が「苦労してここで作業した人達がこの荒れ様を見たらさぞ悲しいだろうね」と言われ、同感の想いがした。
 標高1400m辺りの右上空に稜線が見え、あこが薬師岳の登山道の三角点あたりと教えてもらったが、あまりにも違いすぎる悪路と、人知れぬ場所にいることが愉快だった。全ての谷に橋が架かり竣工年を確かめながら下るのも結構楽しかった。駐車場に一番近い橋は昭和38年になっていたから10年間の歳月をかけてヤクシ谷まで行ったらしい。最後の橋を渡ると林道らしくなって、アサギマダラの大群が乱舞していた。南の島からこんなところまで飛んでくる逞しさと優雅な羽のもようを眺めながら、なにかほっと癒された。
 ぽつぽつ雨が落ちて心配したが、14:35駐車場に戻った。
 今日の真川はどこまでも透明な流れで、特にエメラルドグリーンの淵は神秘を漂わせ、本当に美しかった。しかし沢登りにはちょっと物足りなさを感じたが、久々の仲間との交流はとても楽しかった。また帰りの林道歩き(地図に騙されたら、いけません)は思い出に残りそうなくらい冒険心をくすぐった。でも私達夫婦2人だけで歩くのは御免こうむりたい。寂しい道は多人数がベストかな。
 
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苗場山(2145.3m)  
  ■2006.8.5(土)晴れ
 中央アルプスから帰ってから足のむくみが引かず、山に登る気持ちになれなかったが、5日の朝起きると足が幾分スマートになっている。朝からジリジリ太陽が温度を上げ、天気予報を見ると土日とも晴れマーク。来週再来週と山に行けない状況を思うと、じっとしていられなくなり、8:30Tに「野沢温泉外湯巡り経由、秋山郷から苗場山に行ってこよう」と持ちかけた。インターネットで地図を取ったり、野沢温泉の情報を取ったりして10:30家を出発した。
 13時過ぎに野沢温泉に着き、温泉街を走ってみるが駐車場はなく、少し戻り中央ターミナル(2時間200−)に車を駐車した。野沢温泉には共同浴場が13ヶ所もあり全てが無料でいつかは行きたいと思っていたが、近くに登りたい名山がなく機会を逸していたのだった。野沢温泉のシンボルである大湯まで歩いて3分間と聞き、タオル1つぶら下げ温泉街を歩き出した。
 大湯の前に立ち立派な建物を見上げ、カメラを持ってこなかったことを後悔したが仕方のない事、戸を開け中に入ると2つの浴槽があった。透明なのに深緑のように見え、どちらも超熱く足を入れる勇気がない。水蛇口を全開にして息を止めて入ってみたが本当に熱かった。その後は麻釜(おがま)を見物し、麻釜湯、上寺湯、熊の手洗湯(一番温度が低くつるつるした)と周り、充分な満足と幸せを感じつつ自然の恩恵に与かった。しかし、お土産屋さんのおじさんが言っておられたが、野沢温泉は若者のスキー離れが進み、お客が来なくなり不景気なのだそうだ。これだけの湯量があるのだから知恵をだし、なんとか成らないのかと将来の繁栄を祈りながら、温泉を後にして秋山郷に向かった。
 秋山郷も是非訪れたかったところだった。今年の豪雪で有名になった津南町から秋山郷に向かう405号線を走る。すりかえが出来ないくらい狭い道幅の個所もあり慎重に運転をして、さすが平家の落人の里、山深い辺境に根を下した生活があり、その逞しさを痛感した。
 小赤沢に着き、左に苗場山の矢印を確認して山道に入り、5:30広い広い三合目駐車場に着いた。車は15台ほど停まり、大半は不在だったが明日登る登山者も3組位はもう着いていた。夕食のあと今日巻機山に登って来られた名古屋のY氏と談話しながら日の暮れるのを待った。

■2006.8.6(日)晴れ
 環境が良いのになかなか眠れず、何度も窓から満天の星を仰いだ。明日はきっと快晴の天気が保証されているだろう。頭の中はからっぽなのに、山の時間はちっとも動こうとはしなかった。深夜に辿り着いた車も多く、朝には結構な台数になっていた。
       
 朝食を食べ準備を整え5:10登り始めた。青色のヤマアジサイが目に飛び込み朝の演出を盛り上げ清々しく、登山道には巨木が点在し根が縦横無尽に広がりその上を登る。最小限の整備に好感がもたれ楽しい登りだった。後ろを振り向くと鳥甲山が朝陽に照らされ赤く見え怪鳥のようだった。7合目で休もうと思っていたが、疲れも無く場所も狭く不安定で展望が利かない事から、休憩を取らずに登り続けた。次第に岩場の急斜となりそこを登ると、突然視界が開け頂上台地の湿原にでた。「わあい、きれい!」木道が延々とのび、空と湿原のコントラストがとてもきれいだった。池塘が点在しその回りにはワタスゲが咲き高層湿原の美しさを堪能し、あちこちとカメラを向け素適な風景を沢山収めた。
 7:00和山からの登山道と合流して、木道を行くとオオシラビソの林にはいり足場が悪くなったが、また視界が開け木道を歩く。見晴らしもよく一登りすると自然体験交流センター(苗場山山頂ヒュッテ)が見え、横を通り少し行くと遊仙閣のある頂上に7:30着いた。
       
 頂上は山名柱が立つだけで遊仙閣の裏庭という感じで見晴らしも悪く、山で求める非日常を味わうことが出来ない。少し移動して新潟県側の見晴らしの良いところで大休憩とした。「ここは天上の楽園か」と口について出るほど清々しく、広い見晴らしに心が解き放されていった。名古屋のY氏と千葉の男性と4人で話は盛り上がり、我夫婦には夢のまた夢のような体験談に聞入ったり、談笑などしているとあっという間に時間が経っていった。
       
 8:25下山開始とし、大小様々な池塘の織り成す風景を思い出に、登山道を下ると多くの登山者が登ってこられた。鎖場では譲り合い挨拶を交わしながら、10:05駐車場に着いた。
 苗場山は期待していた花々にはあえなかったが、山頂一帯の広大な高層湿原を楽しめ、下界の暑さを忘れる涼風の行き渡る天上の楽園だった。でも遠くまで来た割には簡単に登れ、すこし不完全燃焼の感が残った。
 早い下山時間に切明温泉の河原温泉に興味があったが、鳥甲山、佐武流山と次の機会に楽しみを残し、楽養館(300−)の赤湯にゆっくり浸かり、やさしい泉質に大満足した。
 
木曽駒ヶ岳(2956m)  空木岳(2863.7m) 
  ■2006.7.31(月)晴れのち曇り
 土日に中央アルプスを計画していたが曇りの予報に嫌気がさし、先送りして日曜日午後から出発して駒ヶ根高原に入り、月火と木曽駒ヶ岳から空木岳に登ってきた。
 一日目は木曽駒ヶ岳、宝剣岳に登り、縦走して木曽殿小屋まで行きたいのでなんとしても朝一番のバスに乗りたく、バスターミナル前の駐車場(400−)で車中泊した。
 31日、朝食を済ませ準備を整え5時前からバス停にリュックを置き、6:12始発バスを待ったら次々に登山者が列をなし長蛇の列が出来上がった。幸い臨時バスが運行してくれ、20分間早い5:40が始発となった。
 しらびそ平からは高速ロープウェーに乗り換え、高度が上がるにつれ車窓から雲海の上に南アルプスの山々とその後ろに台形の富士山が望め、嬉しくなって黒く並ぶ山容に見入り、個々の山名を推し量った。
 6:40千畳敷に着き、屋外に出ると写真でよく見るあの有名な千畳敷カールが青空を背にそこにあった。思ったより小さく見えたが、写真を撮るとその大きさがよく分かった。宝剣岳の秀峰と伊那前山の鞍部、岩肌と高山直物のコントラストが美しく見惚れ、観光客のようにミイハーになり、記念写真を何枚も撮った。バス、ロープウェーとご一緒した所沢のSさんは三ツ沢岳に向かわれ、私達は反対の右に下り神社前でお別れをした。
       
 整備された登山道を歩くと野性の猿がカールの楽園で餌を食べ、子育てをしていて、微笑ましく、平和で平安な気持ちになった。ミヤマキンバイやハクサンイチゲの花々が咲き乱れる中、八丁坂を登り切り8:40乗越浄土に着いた。
 視界が大きく広がり宝剣山荘と中岳が目に飛び込んできて、宝剣山荘の前を通り穏やかに登り中岳山頂のお社に拝礼した。大きく下り右に山頂小屋やテンバを眺め、一登りすると呆気なく8:20木曽駒ヶ岳の山頂に着いた。
        
 2つのお社に柏手を打ち、今回の山行の安全祈願を念じ、これから行く長い長い縦走路を眺め意欲を高めた。栄養補給をして、折角登った100名山だからと頂上になるべく永く居たかったが、登山者が増えだし、宝剣岳の鎖場が渋滞するのではないかと心配になり8:40頂上をあとにした。中岳の巻き道を知らずまた登り返し9:00中岳頂上にたった。下り終えると右側から新潟の三人中高年男性が歩いて来られ、巻き道があったことに気が着いたが、あとの祭りだった。
       
 いよいよ宝剣山荘を通過して宝剣岳の登りに入る。幅広い登山道だったが、次第に一つになり木曽側を巻くようになると鎖や鉄杭が現れ、それを頼りに登ると9:25宝剣岳に着いた。頂上は狭くゴウロ岩で長くは居れそうになかった。証拠写真を撮って下りることにした。岩石のトンネルをくぐり岩場を慎重に下り、しばらく行くと三つ沢岳分岐に着いた。中央アルプスは初めてなので主脈縦走路にある山の名前しか知らなかったが、朝お会いしたSさんが登っておられることで興味が沸き、どんな山かと気になっていた。Sさん曰く「人に会わない大きくて立派な山で見たら登りたくなる山」と教えて貰ったがその通りだった。
       
 登山道は穏やかになり道にはイワツメクサやウスユキソウの高山植物が見られ、「幸せ、今中央アルプスの真っ只中だね」と二人で、豊かで静かな大自然の中にいる喜びをかみしめ、気分よく降って行くと10:05極楽平だった。
 P2858まで登り此処で休憩を取った。地図を出して見てみるとまだほとんど進んでいないことに気がつき驚いた。休憩もそこそこに腰をあげる。足場も悪くガレ場とアップダウンの繰り返しで11:20濁沢大峰に着いた。
 新潟の男性三人組も休んで居られ、朝から空木岳は始終ガスの中で熊沢岳を空木岳と思い込んで居た事に気がつき愕然とした。キツイアップダウンとゴウロ帯を何とかクリアして檜尾岳には12:45に着いた。
 先に着いていたTと新潟3人組が浮かない顔をしている。今出会った男性が「此処を甘くみてはいけない。この縦走路は駒ヶ岳や宝剣岳を登ってから来るところではない。普通は千畳敷からすぐ極楽平に出て縦走するのだそうだ。今の時間からだと4時には小屋に着かない。またこの縦走路は午後からいつも雷が鳴り、とても危険なのだ」と忠告されたのだと言う。確かにもう霧が立ち込め色彩が奪われていた。「でも檜尾岳まで来たのだからあと半分、これからは下山と考え、大きい登りは大滝山の60mと熊沢岳の120m、あとは短い登りだけ」と励まし、リラックスした。
 5人は一丸となって熊沢岳に向かった。岩場に着けられた消えかけの赤ペンキ印を注意深く確認し、鎖や鉄杭に導かれ14:10花崗岩の巨岩がある熊沢岳に着いた。岩には木曽殿小屋まで2時間と書かれ漸く到着時間がよめた。先に着いた4人は余裕の面持ちで、新潟の3人組みは先に発って行かれた。
       
 熊沢五峰と呼ばれる軽いアップダウンをやり過ごし、直登に近い岩場を登り15:30東川岳に着いた。「もう降りだけ」と木曽殿小屋に降りだすとガスが晴れだし、途方もつかない大きな空木岳が突然現れ、あまりの大きさに肝を潰され、それに立ち向かうように写真をとった。
 15:55、幸い雨にも雷にも遭わず無事に木曽殿小屋に到着した。予約が必要だったが、今日は宿泊者が少なく泊めてもらえることになった。しかしかなりきつくお叱りを受けた。もし満員だったら、この疲れた身体でどこに行けば良いのか、どうなっていたか、と想像しゾ〜とした。
 早い夕食を食べ、明日の飲み水確保のために義仲の力水を汲みに行き、この時期に布団一枚に一人とゆう贅沢なスペースをもらい、ゆったりと布団に寝そべりながら今日の行程を思い出し、満足した。

■2006.8.1(火)曇りのち晴れ 
 今日の日程は空木岳に登って、標高差1900mを降り菅の台に戻るだけ。暗がりの中、出発されるパーティーを布団の中で見送り、夜が明けるのを待った。寝付けない長い長い夜だった。漸く外も薄明るくなって来て、皆が起き出した。リュックのバッキングを済ませダラダラしていると女主人が「今日は午後から天気が崩れるようなので15分早く朝食にします。」と案内があった。昨夜の天気予報を聞いてのこと、登山客のことを思っているなと感心した。
       
 朝食を済ませ5:40小屋を出発した。空木岳までは360mの標高差があり、280m程登ると斜度は緩やかになり花崗岩の岩場となり雰囲気ががらりと変った。一瞬ガスが消え頂上が姿を現し、まだかなり遠いと分かった。花崗岩のゴロ岩を慎重に踏み進むと鎖や鉄杭が施され、此処でストックをしまった。そこを登ると砂礫の緩やかな斜面となり、7:00頂上に着いた。
       
   空木岳頂上       駒峰ヒュッテからの空木岳         

 ガスで何も見えなかったが、空木岳の頂上に立った喜びがにわかに溢れ、心地よかった。岩陰に座りおやつを食べ、同じような写真を撮っては頂上の雰囲気を楽しんだ。退屈になり下山しようとしたら、青空が広がり喜んだものの上空だけで景色は望めなかった。
 仕方なく諦め7:15下山することにした。ガスが流れ、駒峰ヒユッテが見えた。こちらの斜面は穏やかで、今登って来たあの荒々しさがうそのようで、その地形の違いに驚いた。
 駒峰ヒユッテに着き、テラスで管理人さんが、空木避難小屋のあたりが高山植物の見ごろと勧めて下さったが、昨日の縦走した山の尾を眺めながら中央アルプスにお別れしたい思いから尾根ルートを選択した。
       
   緩やかに下る尾根コース(駒石方面)      白砂とハイマツの登山道(奥は空木岳)        

 天気が快復して空一杯青空に包まれた。空木岳の頂上もすっきり見えたが、此処から見る空木岳は精悍さに欠け、やさしい姿をしていた。大自然に中で創り上げられた花崗岩のオブジェ群がつぎからつぎに目に入り心が弾み、登山道は白砂に覆われた庭園のようで美しく、ワクワク足取りも軽く、次の巨岩は何に見えるかと童心に返った。極めつけは駒石の大きさと形で、金峰山の五丈岩を彷彿させた。
       
 いつのまにか樹林帯に入り、8:10非難小屋の合流点に着いた。高度計を励みに降り、迷尾根の頭で一休みした。此処から小地獄大地獄を通過するのだが、鎖や梯子や鉄製の橋が掛けられ、どこが危険だったのか知らないうちに通過していた。
 池山小屋に入る道の少し下った池山分岐に、木をくり貫いた水槽と丸太を削った休憩用の長いベンチがあり、雰囲気もよく此処で大休憩をすることにした。お湯を沸かし紅茶をいれ、緑の森に溶け込んだ。「山の中でお茶を飲むと幸せだね」と時間が止まったように憩った。
 まだ此処から標高差800mの降りがある。休んだお陰でパワーが着いたが、登山道はハイキングコースとなり道幅も広く平坦で距離が長い割には高度を下げることが出来なかった。 地元の小中学生が池山登山をするために作られたような道だった。舗装道路に出て、最短で下れる登山道を選び、12:00スキー場横の登山口に着いた。
       
 舗装道路を少し行くとトイレの横に簡易洗面所があり、蛇口をひねって顔を洗らわせてもらったらさっぱりして生き返ったが、同時に欲望渦巻く文明社会にしっかり戻った気がした。
 12:15バスターミナル駐車場に着き、敷地内でお土産の桃を買い、早太郎温泉コマクサの湯(500−)に入り疲れと汗を流し、充実した山行は終わった。
 木曽駒ヶ岳はロープウエィーを利用すると簡単に登れる山だったが、空木岳への縦走路は10km以上もある長丁場でゴロ岩ゴロ石ハイマツ帯のアップダウンを繰り返すハードな気の抜けないものだった。また下山時の池山尾根も長く標高差もたっぷりあり、空木岳の花崗岩の造形も見飽きない、思い出に残る満足のいく、いい山だった。

 
牛岳 (987m) 
  2006.7.22(土)曇り 
 梅雨が長引き山登りの機会を奪われていたが、土曜日はお日様が見えるらしい。前夜、習い事から帰った私にTが「白水湖から白山に行こう」と提案した。平瀬温泉に電話を入れ情報を取ると林道は通れると言う。しかし連日の降雨を思うとあの長い林道を車で行くのがはばかられ、「チブリ尾根から別山はどう?」と代替案をだし、10時過ぎに話がまとまった。 
 眠い目をこすりながら起床して4:00家を出発し一ノ瀬に向かった。石動あたりから雨が強く降り、重ねてカーラジオから聞こえてくるラジオ深夜便の身売りされたカンボジアの少女の行く末を思うと悲しく余計に気持ちも沈んでいった。 
 白峰に近づくが、後方から車がまったく追って来ない。「白山に登る人居ないのかね」と拍子抜けしていると次第に雨はやんで来た。R157を左折して白峰に入り御前荘を過ぎたところで驚いた。「ゲートが閉じている。」予想もしない通行止めに呆然とした。土木事務所に電話を入れ、天気の回復次第でゲートが開くか聞いてみることにしたが、「今日は天気の回復は有りえるが開けません」と返答があった。登山者の皆さんよく知っている、私達はリサーチが足りなかったようだ。此処までガソリン使って来たのだから、白峰温泉の旅館に頼み朝風呂でも入れてもらうかと引き返し、総湯前で車を停め地元の方に聞いてみたらたら「16日からゲートが閉まり登山客が来ないので、加熱が必要なためどこも沸かしていないだろう」と教えてくださった。 
 諦めは付かないが仕方がない家に戻ることにした。Tが一人で二上山に行くと言うが、多めに持っているおにぎりや買ったパンを思うとやっぱり空の下で食べたい。「此処から福光に出て牛岳にでも登ろう」とナビを合わせた。 
 角間の金沢大学までは広い道だったが、山間の狭い道を走り福光に出て、庄川の牛岳登山口についたのが8:25だった。 
 野鳥のさえずりを聞きながら、誰もいない山中で登山靴を履いた。Tはギャップの大きさから「長靴でいいのに」と不満そうだったが、致し方がない事。8:45歩きだした。 
      
 夏の牛岳に登るのは初めてだったが、雨上がりのしっとりとした森を歩くのは快かった。登山道もしっかり開き、淡い瑠璃色のガクアジサイがつゆに濡れ瑞々しく、目を楽しませてくれた。 後ろから鈴音が聞こえあっという間に二人の男性に追い越された。森は薄霧に包まれやさしくしっとりと良い感じで心も潤った。9:30ベンチに着き、ゆったりと穏やかな山道を歩いた。八合目辺りは草で覆われているのではと心配していたが、刈り込まれ歩き易くなっていた。分岐手前で先ほど追い越して行かれた男性がもう下山してこられた。なんとなくW氏ではないかと感じ、「速いですね。Wさんですか?」と聞くとやっぱりそうだった。日焼けをしたやさしい顔が印象的で会釈を交わし別れ、10:10頂上に着いた。 
        
 雲に隠れ景色は見えなかったが、それはそれなりに神聖な感じがして満足だった。休憩所には婦中のNさんが居られ、楽しく会話が弾んだ。1時間半弱の山登りだったが、少しは鈍った身体にはよい運動になったようだ。 
 雲の陰から白山も見えてきて、青空も出てきた。背の高いワラビが生えていたので見ていると蛇がいて驚き後ずさりをした。近くに虹色に変化するトカゲも居て、夏の低山はちょっと怖い。 
 11:00下山することにした。蛇が怖いのでTに先頭を任せた。「きゃ〜蛇!!」Tは目が悪く気が付かなかったので跨いで行ったが、登山道の真中に大きい蛇が居座って動かない。しばらく蛇が動いてくれるのを待ったら、ゆっくり谷の方に下りていった。 
 7合目あたりでTさんに会った。7月に全く登れなかったのでトレーニングだそうだ。「みんな頑張っているね」とTと感心して、ブクブク太る自分の不甲斐なさを反省した。 
12:05車に着いたが、なにか物足りず不完全燃焼のような感じだったが、和園でゆっくり寛ぎ夕刻帰宅した。 
 
白木峰 (1596m) 
  2006.7.8(土)曇り 
 町内の婦人会イベントで、白木峰を案内してきた。当初の計画では1170mから登るつもりで、登りと浮島周遊で3時間と書いたのがたたり参加者が集まらず、結局6名と子供1名の7名となった。大方は山登り初心者で期待と不安を胸に6:30出発して白木峰登山口に向かった。
 ニッコウキスゲの見頃にはまた早いのか、車は林道終点のトイレのある駐車場まで入ることができ、標高差150mの軽減は引率者としてラッキーだった。
 準備を済ませ8:30階段を登りだす。登り始めからの急登に驚いた様子だったが、汗を拭きながら懸命に登ると最初の林道に飛び出した。「もう登れない」と悲鳴が上がり、早々と休憩を取った。「次の林道までは今の二倍の距離だよ」と説明して、5歳のSちゃんの速さに合わせゆっくり登った。身体もなれ登山道も緩やかになり、少しの余裕が見られ、ニッコウキスゲもチラホラ咲き、避難小屋も見えて林道に出て、またまた一休み。
 急な階段に驚いた様子だったが「今度はすぐだよ」と教えてあげ登ると稜線に着き、笹で覆われた穏やかな風景が広がり、みんなの顔も和らいだ。曇りで遠望は出来ないが梅雨の最中にしては有り難いお天気だ。木道を左折して9:35白木峰頂上に着いた。
       
 5〜6人の男性が居られたが、頂上を譲られ私達だけになった。方位盤のテーブルを囲み、ゆっくり休み金剛堂山など眺め寛いだ後は浮島に向かった。
 心地よい木道を辿り、途中一の池では池畦に産み付けられたモリアオガエルの卵を観察したり水色のイトトンボの繊細さに驚いたりと楽しみながら広い草原を歩んだ。残念ながらニッコウキスゲは三分咲きでササユリもかたく蕾を閉じていた。
       
 10:15浮島に到着。美しい池に多くの人が集り憩っていた。私達も木道に座り込み静寂の池に目を向け、日頃の憂さを忘れゆったりとした時を刻んだ。「関本さん」と声がして振り向くと健脚のUさん。「どうしてUさんがこんなところに?」と驚くと単独で小白木峰から登って来たと話して下さり、さすがにと感心した。
       
 浮島には7人が長居できるスペースは無く非難小屋でランチをとる事にして、Uさんに別れを告げ、木道を引きかえすことにした。元気なSちゃんを先頭に11:15避難小屋に着いた。
 初めて見る避難小屋に不気味さを感じたのか外で食べようと意見がまとまり、裏山に登ってみたらちょうど良い場所がありここでレジャーシートを広げ大休憩とした。山で食べるお弁当やおにぎりは美味しく、会話も弾み、「ヤッホー」とはしゃぎ楽しい一時が流れていった。
 お腹一杯になり、下山は林道と登山道を降り13:15駐車場に戻った。山に登り慣れていない人には急斜面の下りはきつかったようでかなり疲れているようだったが、車に着くとほっとした様子で各自が満足そうだった。
 白木峰のニッコウキスゲは来週あたりが見ごろのようで少し早い感じがしたが、日頃運動不足の彼女たちは「山に登れ、ちょっと自信が付いた」と喜び「楽しかった」と感想を漏らしていた。
 帰り、八尾のゆうゆう館で疲れと汗を流し、さっぱりとして帰路についた。

医王山  豊吉川ダオ谷 
  2006.6.24(土)曇りのち晴れ 
 T氏に医王山豊吉川の沢登りに連れて行って貰った。今日のメンバーは去年笠ヶ岳でお会いし、沢登りの約束をしたIさんと私たち夫婦の四名で、砺波で待ち合わせてT氏の車に便乗し6:00国見平に向け出発した。
 304号線から医王山への林道に入り、走り進むと谷間からガスが湧き、対向の山が見え隠れして神秘的だ。しかし沢に入る身としてはいささか暗く寒そうで心はかげった。2箇所通行止め鉄パイプがあったが、横にずらして入れさせてもらい目的地へと向かった。無雪時に来たのは5年前、国見平までこんなに遠く距離があったのかと車窓から眺めていると見覚えのある建物が見え広場についた。もうガスは晴れ下界の景色が広がり、気分、気合とも高まってきた。
 国見平登山口の横にある駐車スペースに駐車し、準備を整えてリーダーT氏を先頭に7:00歩きだした。ひんやりとした空気が流れる静寂の森に 笛や鈴や大声を出して、熊に会わないよう注意を払いながら歩くと薄ピンクのササユリが3〜4輪のりっぱな花をつけ、清楚な姿で出迎えてくれ心が和らいだ。はしご坂の下りが始まり、やがて沢音が聞こえ、7:30豊吉川に着いた。
         
  入渓地で             ナメを歩く                グリーンシャワーの中を遡行            

 「今日の水量は少ないですね」とリーダーが言われ、穏やかな沢の様子にほっとして渓流シューズに履き替えた。今日のルートは二又で左俣のダオ谷に入り、次の二又で右俣に入り標高750mでまた右俣に入り、夕霧峠と白兀山の稜線にでることを確認して7:45いよいよ入渓した。
 水温は冷たさを感じず、ジャブジャブとリーダーの後を追い、ワクワク嬉しさが込み上げ胸が膨らんだ。拍子抜けするほど簡単であっという間に二又に着いた。「もう二又ですか」右俣に入ればナカオ谷、私達はすかさず左のダオ谷に入った。
  ダオ谷に入ると谷が狭まり、木々の緑が空を覆い岩や石には苔が生え、光に透ける葉が緑のクラデーションをかもし出しそれは美しかった。その中を小滝や大小の岩を登り越したり、淵をヘつったりと(私の結果は滑ってドボン)、緊張と水の爽快さが交差し楽しく笑みがこぼれた。二又では右俣に進路を取り、少し行くと8:45 12m位の滝が現れた。見上げるとスタンスや手がかりのないビロードのような苔が張り付いて、見ていても登れそうに無く、ここで滝を見ながら休憩を取った。
         
               

9:00少し戻り左岸を高巻きし、藪を漕ぎ滝の上に出た。しばらく沢を行くと谷が2つに分かれている。リーダーが右の滝を見て「これだったかな?」と迷われ地図で確認、IさんのGPSは樹林の中では作動せず、各自が高度計を見て答えるが750m前後だった。
 「ではここかな」と右の狭いナメ滝を登った。次々に現れるチョップストーンやナメ滝はかなり登り難そうで、リーダーは「前に来た時はこんな所は無かった」と言われ、間違った沢に入り込んだことに気がついた。「皆さんハーネスをつけて下さい」と指示を受けロープが落とされるのを待った。安全第一、確保してもらい乗り越し、その上のナメ床急斜は藪を漕ぎ上に出た。また谷が2つに分かれていて左の登り易い滝を登り、巻いて右の沢に戻った。やがて谷は途絶え藪漕ぎをして登るともう稜線が見えていて「どこにでるか?お楽しみ」と期待で一杯だった。
         
   間違って入った谷               ナメ滝の連続                             

 登り詰めるとがっくり、稜線と思い込んだところは緩斜面でその奥には高い山が聳えていて驚いた。地図を広げ高度計を見ると850mを示していた。3人の高度計はセットを怠り違っていたようだ。西に進路を取り、獣になったように藪の中を移動して這い上がり、「登山道に出たよ」のリーダー声にほっとし、後を追い握手を交わした。
 しかしここはどこ?瞬時に状況は掴めなかった。右は降りになっていて思い描いた白兀山はない。高場に登ろうと登山道を行くと三叉路に着き、標識と地図を見てナカオ尾根だったことが判った。右折して白兀山には11:10到着した。頂上にはファミリーの4人が休んで居られ、ヘルメットをした物々しい姿の私達に驚いた様子だった。展望を求め医王の里が望める場所に少し降り、ここでランチタイムになった。
         
   白兀山頂上        お疲れさまここで休もうか              トンビ岩のT氏                             

 靴を履き替えさっぱりして、ゆっくり腰を下し男性達は美酒を飲み交わし、女性は好物を食べお腹を満たし、穏やかな日差しに心身ともやさしく包まれ、癒された。
 12:35下山開始。帰りはトンビ尾根を下り、トンビ岩から豊吉川の入渓地に戻るルートを取った。色濃くなった緑の樹林をぬけ、岩場のトンビ岩に登り、カニの横ばいを通って豊吉川には13:55着いた。
 「一周して来ましたね」と今日の山行を振り返り、充実感で満たされた。14:00最後の180mの登りをこなし、ヤマボウシに見送られ14:35国見平登山口に着いた。
 今回の豊吉川は計画ルート通りとは行かなかったが、リーダーはルートファインディング、ロープを担ぎ危険場所でのビレー、手がかりの届かない所での補助と、私達は御気楽だったが、さぞお疲れになられたことだろう。お陰で充分沢登りの楽しさを味わい、常に危険と隣り合わせの緊張感とやり遂げた達成感が心に刻まれ、また何処かの沢に行きたくなるのであった。
 Iさんとは初めてご一緒したのだが、見事に打解け楽しい一時を過ごすことが出来た。赤木沢とは全く渓相の違う沢登りで驚かれただろうが、色々な沢登りの魅力にもはまっていかれることだろう。 
 終わりよければ全て良しと言うが、今日の反省点は登山口で高度計を合わせなかったことだった。
        


三ヶ辻山(1764m)  人形山(1726m) 
  2006.6.18(日)曇り時々晴れ 
 4週ぶりに山登りを楽しんで来た。Tは鮎解禁の為庄川へ、MはU氏リーダーのクラブ山行三ヶ辻山・人形山に参加した。
 今日の参加者は9名で4時集合だったが、高岡ICに家が近いこともあって4:10高速入り口で待たせてもらった。また薄暗い早朝、メンバーを乗せたマイクロバスが停まりドアが開き、大きな期待とリュックを抱え車に乗り込んだ。
 天気予報では明け方、所々で雨が降ると言っていたが、車窓から見る限り降る様子も無く「曇りで大結構、涼しくて登りやすいかも」と内心喜んだ。
 5:20登山口に着くと2台の車が停まり、3人が準備をされ一足先に登って行かれた。我々も準備を済ませスタンバイしているとポツリと雨粒が落ちた。「ええ雨・・・」とがっくり肩を落したが、大降りもしないだろうと5:35杉林をH氏先頭で登りはじめた。
 すぐにワラビが目に付き気になったが、Iさんはササユリが目に止まると言われ、よく見ると小さな緑の蕾をつけたササユリがあちらこちらに生え茂り、やさしいピンクの花が開花して登山者を癒してくれるのだろう日々を思うとそこはかとなく幸せな気分になった。
 小雨は降るが樹林帯の中ではさしたる苦痛も感じられず、四方山話を楽しみながら急登して、7:10第二ベンチに着いた。この頃には雨は止んだが、汗が噴き出てその臭いに虫が群がり、刺されるのではないかと不安を感じうんざりした。
 静寂の森に規則正しく「ワハハ ワハハ ワハハ」奇妙な声が響き、初めて聴く声に皆が興味を示したが、鳥だと意見は一致したものの姿形を見ることは出来なかった。道脇にはスバメオモトやサンカヨウの清楚な花が咲き、退屈することなく7:50宮屋敷に着いた。
 宮屋敷からは視界が広がる所だが人形山はおろか、なにも見えない。風景写真を諦め、鳥居を囲み皆で腰を下し、寛いだ。
             
  視界の無い宮屋敷で               山上のカエルの楽園  

 宮屋敷を下り、少し行くと先頭を歩いている人から「黄金ガエル」と奇声が上がった。「ゲロ ゲロ」と鳴き声が近づき、なにかと見てみると体長17〜18cmのカエルがブヨブヨの体をだらしなく腹ばいにして動かない。少し高場に池があり覗いてみると、重なりあった黄金ガエルペアが池から顔をだし、子孫繁栄の営みを神との約束事を果すかのように繰り返していた。
 雲が切れ三ヶ辻山が見えてきた。頂上では晴れるかもと期待しながらアップダウンをこなし、梯子坂を登り進め8:45三ヶ辻山分岐に着いた。
             
   ガスが晴れ三ヶ辻山が見えて来た                 分岐からの白山            三ヶ辻山  

 大きく白山連山が眺められ、見惚れていると虫が顔にぶつかって不快極まりなかったが、M氏がスプレーをかけて下さり、少しは気が休まった。みんなが揃い小休止した後、8:55三ヶ辻山に向けて出発した。
 幹の倒木を踏み枝々がストックに絡み登山道は荒れていて苦戦し、藪漕ぎのような悪路に体が押し戻され非常に疲れたが、9:25三ヶ辻山頂上に立った。Iさんが冷たいミニトマトを配って下さり「重かったでしょう。ありがとう」と感謝して渇ききった口に運んだ。火照った喉に冷たい果汁が流れ、トマト苦手の私がこんなにトマトが美味しいと思ったことはなかった。
 10:00分岐に戻り、またまた大休憩。人形山で冷たいビールを飲もうと立ち上がり10 :15頂上に向け歩きだした。ゆるやかなピークをいくつか越え雪田を横切り10:35人形山頂上に着いた。
 頂上ではガスがかかり、残念ながら白山は見えなくなっていた。宴会用にテーブルを設定して周りに座り込み、言い尽くせない充足感が身体を包んで心地よかった。みんなの持ち寄ったご馳走が並び、トビウオの刺身、干しふぐの焼き物、枝豆、いわしの甘露煮、などなど舌鼓を打ち、心身とも満たされていった。
             

 11:40下山開始、稜線上にはまだ弱々しいが蕾をつけたニッコウキスゲが多く見受けられ、夏山の到来を待っているように思えた。12:00分岐を過ぎ、少し下ると「関本さん」と声がかかった。なんと"音楽と道楽人生巡礼"T氏のこぼれるような笑顔、予期せぬ出会いはうれしさ倍増「宴会楽しんで!」と声援を送り見送った。
 目まぐるしく変る大気の変化に呆れながら、宮屋敷で休憩をとり、登り時に目をつけておいたコシアブラを少し頂戴し、14:05登山口駐車場に戻った。
 今日の人形山は多くの登山者で賑わっていた。残雪もなくこれから多くの人々が花を愛でるため登られるのだろうが、防虫スプレーとお水は多めに持つ時期が来たかと1ヶ月ぶりの山不精で強く感じた。
 帰りは五箇山荘で汗を流し、五箇山豆腐屋さんに立ち寄り、久々に山仲間の方々との交流が楽しかった良き日となった。 

"Yahooフォート 人形山アルバム  "


金剛堂山  (1637.9m) 
  2006.5.21(日)晴れ
 金剛堂山に行って来た。昨夜会合から帰った私に、Tが「明日、山(東又から僧ヶ岳)に行く?」と聞いたが、精神的に参っていて、「この重い気分では滑落しそう」と断った。
 朝起きると好天で来週再来週と山に行けない状況を考えると、やっぱり落ち込んでいる時は山に癒してもらおうと気が変った。時計を見ると7:20「ねえ、やっぱり山に行く。金剛堂山はどう?」と聞くと「いいよ」と返事が返った。
 8:00家を出発して、コンビニでおにぎりやパンを買い、栃谷登山口には9:20に着いた。驚いたことに駐車場が満車で私達は手前の空き地に車を停めた。横には福野高校の先生3人と学生さん7〜8人が同時に準備を始めた。若い人が山登りをしてくれるのを見るのは嬉しいもので、「山が好きになってくれるといいな」と願った。
 9:30準備が整い一足先に出発した。百瀬川の鉄製の橋を渡り少し登ると、ニリンソウが咲き、その先にはかわいいピンクのカタバミが群生して目を楽しませてくれ、華やかな色彩が加わると山の空気までも晴れやかになるのが不思議だった。
 沢を渡り、登って行くと小鳥のさえずりが絶え間なく、耳をすましながら新緑の芽吹きに目を向け、足元にはイワウチワやショジョウバカマなど春を待ちわびた花々が咲き誇り、やっぱり来てよかったと喜びが込み上げた。
             
  かれんなカタバミ                新緑と残雪を楽しむ  

 1300mくらいから残雪があり、雪上を心地よく歩き10:50一服金剛(八折岳)に着いた。若葉の緑と残雪と淡い空色が織り成す、山の風景は心がときめき、爽やかこの上なかった。
 ぬかるんだ山道を降って、残雪の斜面を登っていると下山者と何人か出会った。この時期の苦労は雪解けの泥んこ道、小川のようになっている所もあり、足の置き場に苦慮しながら時には雪渓の上を歩いたりして辿ると次第に雪は無くなり、カタカゴやノウゴウイチゴの花が咲き11:55金剛堂山頂上に到着した。
              
  白山をバックに金剛堂山頂上で                ゆったりとした風衝地の風景(奥は金剛堂山)   

 頂上には高岡HCのHさんと会社の方3人 その内の一人jimbeiさんこと"今日の一枚"それとSさんが休憩して居られ、声を掛けて下さり「いい天気ですね」と喜びを分かち合い、白山をバックに写真を写した。金剛堂山には何回か登っているがいつも曇り空で、この眺望を期待していたのだった。名峰が並ぶ北アルプス、近くに見える白山山塊、素晴らしい景色に大満足だった。Tが中金剛歌碑に行くと言うので皆さんとお別れして風衝地に下った。
 雪原を横切り一登りすると12:10歌碑の広場に着いた。金沢HCの20人くらいのグループが奥金剛に向かって出発されるところだった。「え〜あの8kmの林道歩くのですか?」と聞くと「楽しんで来ます」と言われ、声援を送りお見送りしたら、私達二人だけの静かな山頂となった。
             
  歌碑の前で寛ぐ               キジムシロ  

 見飽きるくらい山を眺め、好物を食べコーヒーを飲む「ああ幸せ」。日差しもやさしく風も無い中ゆったりと休み、安らぎを身体一杯に感じつつ頂上をあとにした。
 13:00金剛堂山に戻ると頂上には高校生達が楽しそうにランチを食べ、山上の喜びに浸り寛いでいた。それを眺めながら下山開始とした。
 下山途中高岡HCのUさんに会い、懐かしさからひとしきり話が弾んだが、健脚の彼女とは言え登行中の身、別れを告げ見送り、花々を眺めながら14:40登山口に戻った。
 朝、急に決めた山行だったが、残雪を踏み 雪解け水のほとばしる流れ 春の喜びを歌うかわいい花々 若葉の芽吹き 鳥のさえずり 早春のシンフォニーを身体全体で感じる、心癒される良い山歩きとなった。