2006.11.3(金)晴れ
連休を利用して東北の山4座に登ってきた。一日目は蔵王山と観光目的で山寺へ、二日目は早池峰と姫神山、三日目は岩手山と計画して、3日の早朝4時半家を出発した。
魚津まで一般道を走り、魚津ICから中条ICまで高速を走り、途中2回(TとMで)通勤割引を利用して、国道113号、13号と走り、蔵王エコーラインに乗り苅田駐車場に着いたのが11:15だった。
登山靴を履き、リュックを担ごうとリュックを探すが見当たらない。「なんで!!」多量の荷物をかき分け退かしてみてもやっぱり無く、頭が真っ白になり、血の気が引いた。なんのためにここまで7時間もかけてきたのかと、受け入れられない事実と信じられない現実に呆然として放心状態だった。
気分も落ち着き、幸い今日登る蔵王山はお手軽コースで暖かいフリースも持っている、バンダナを頭に巻けば何とかなる。下山後必要な物を買えばよいと考え、お姫様山行と決めこんだ。
11:30、リフト乗り場横にある登山道を登りだした。15分間で視界が広がる稜線に着き、観光客に混じりお釜を目指した。
砂礫を少し下ると、静かに佇むお釜がそこにあった。五色岳がパクッと切れ落ちエメラルド色の湖面は瞳のように神秘的で美しく、見惚れてしまった。東側は湖水が流れる谷で、地獄谷のように荒涼とした火山礫がダイナミックに広がり、いかにも対照的だった。
馬の背に戻り、最高峰である熊野岳に向かう。広い砂礫の登山道には等間隔に長い丸太のポールが立てられガイドのように避難小屋まで延びていた。吹雪や霧で行く手が判らなくなった時には頼もしく役に立つに違いない。今日も晴天で無風なのに耳や手が冷たく、気象変化の激しい山なのだと感じた。
熊野岳方向 熊野神社
避難小屋には行かず、ショートカットの登山道を登り12:25熊野岳頂上に到着した。頂上は平坦で広く石垣で囲われた熊野神社が建っていた。参詣した後、地蔵岳を眺めロープウェイからの登山道や巻き道を俯瞰したりして雄大な展望を楽しんだ。また石垣で囲われた熊野神社境内に入り、此処で腰を下ろし蔵王山に立てた喜びを噛み締めた。
熊野岳頂上のたたずまい 刈田岳方向
12:40頂上を後にする。お釜や苅田岳を眺めながら、駐車場に下る分岐にきた。苅田岳に登ろうと考えていたが、立派なコンクリートの階段や観光客がごった返し、Tが「苅田岳は山にあらず」と言うので、駐車場に降ることにした。
13:10駐車場に戻った。下山後の楽しみはなんと言っても温泉。湯量の多い蔵王温泉に入りたいと源七露天の湯(500−)にナビを合わせ、エコーラインを下った。
石鹸が使えない(泡立たない)ブルーホワイトの大露天風呂に身体を沈め、至福の時を刻み、心身とも旅情を楽しんだ。
大きな満足を得たあと、もう一つ行きたいところがある。芭蕉の句で有名な山寺だ。山用品を買っていると暗くなるので後回しにして、山寺に向かった。
多くのバスや乗用車が渋滞するなか、なんとか駐車場に車を停め、15:45山寺の登山口の石段を登りだす。根本中堂に参拝し、山門で入山料(300−)を払い、お山に入った。巨木と崖岩の間を薄くらい石段が続いている。岩崖には塔婆の印刻がされたり、胎内堂が崖岩に建ち修行の場となっていたり、後生車が置かれたりといかにも霊山の雰囲気だった。また危険を冒し崖岩に穴を掘り、信仰に身を奉げた人々の熱意などがおのずと伝わって来た。
しかし現在では、残念ながら芭蕉が詠んだ「閑さや 岩にしみ入る・・・・」の静けさはなく、死者の魂が集まる山という恭しさや幽玄さもなく、観光客の声が満ち溢れていた。1015段の石段を登り奥院で参拝し、五大堂で下界を眺望して、山寺をあとにした。
胎内堂 奥院の山は紅葉の見ごろ
この地方の日没は早く16:00過ぎると真っ暗になった。山寺に来る途中、見つけておいた山形北IC近くにあるスパー“ヨークべニマル”に立ち寄り、簡単なリュックを買った。他の物は併設されたダイソーで雨具上下、手袋、ニット帽子、シートを買い、〆て1500−也だった。こんなにわか用具でも必要な物が揃えば(播隆上人時代を思えば)心強さを感じ心の重荷が取れた。
明日は早池峰に登る。山形北ICから花巻IC(ここでも通勤割引2回適応ラッキー)まで高速を走り、ナビに案内され21:30道の駅“はやちね”に着き、此処で車中泊した。
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頚城駒ヶ岳(1487m)鬼ヶ面山(1591m)海谷渓谷
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2006.10.28(土)晴
U氏の自主山行に声を掛けてもらい、鬼ヶ面山経由海谷渓谷周回コースに行って来た。
このコースはかねてより登ってみたいと切望していたので、願ってもないタイミングと紅葉の時期が重なり喜びも期待も大きいものだった。
今日久しぶりにお会いするクラブの仲間は健脚揃いの4名で私達夫婦を合わせ6人はマイクロバスに乗り込み、4時に高岡Pを出発した。魚津ICから高速に入り、糸魚川の海谷三峡パークには6時過ぎに着いた。
駐車場には6台くらいの車が停まり、その周囲に10人位の人がテントを折りたたんだり、登山の仕度などして居られ、車のナンバーから千葉の方々だとわかった。6:20準備を整え一足先にU氏を先頭に駒ヶ岳に向かって歩き出した。
いつも2人で歩いていると自分のペースが出来上がり、今日のような健脚揃いとなると最初からトップペースのようでくるぶしのあたりが痛み、大丈夫だろうかと不安になった。“ロッヂこまがたけ”までは広い林道だが、その先の登山道はくさむらの狭い道となり、二番手で歩いていると露はらいの如く、ズボンの裾がずぶぬれになった。Uさんが「後の人は濡れないんだって」とまことしやかに言われるとそうかと納得してしまった。
このルートからも駒ケ岳に登っているので急登とは知っていたが、梯子、ロープの垂れる岩や道に積もる濡れ落葉が滑り易く、緊張を余儀なくされた。しかし振り返れば、きらら色の日本海が広がり、船の航行や糸魚川の町、紅葉が進む低山の山肌が見渡せ、大いに気休めになった。
駒ヶ岳へはかなりの急登 駒ヶ岳頂上で
急登が過ぎブナ林に入ったところで一休み。Aさんの美味しい梨に舌鼓を打ち、ひんやりとした空気に火照ったからだを浸しリフレッシュした。
葉を落としたブナ林を登り、低木の茂る尾根に出てしばらく歩くと根知からの分岐と合流し、8:25駒ヶ岳山頂に飛び出した。
先行の長野からの単独男性が居られ、我々と同コースを周回されるそうだ。頂上は360度の大展望で、青空にひと気は目を引く雪の白馬岳、逆光でちょっと冴えない雨飾山、端正な阿弥陀岳、鉢山、そしてこれから行くP1498と鬼ヶ面山、地図を見たり山々眺めたり、栄養補給をしたりと快晴の山頂は快いものだった。そして此処からどんな大冒険が始まるかと思うと好奇心と期待で胸が高鳴った。
鞍部から見たP1410 P1410から見た鬼ヶ面山
8:40駒ヶ岳を降る。味わったことの無い急降下で、一気に落ちるジェットコースターに乗ったよう気がして、あっという間に鞍部に着いた。P1498を見上げれば南側は三角形ですっぱり切れ、そのシャープな姿に驚いた。枝や根を掴みながら登りかえし9:05P1498に着くと穏やかな登山道が付いていて正面にはらくだの瘤のような鬼ヶ面山が見え、行き止まりになり先を歩く3人が待機していた。鬼ヶ面山への一番の難所の降りで、U氏の指示通り1人ずつ下降が終わるまで待っているのだった。上部からは良く見えなかったが順番がくるとその深さがよく判った。ロープと鎖が取り付けられ不安は無いが、高度感はかなりあるところだった。最後の所で足が届かなかったがなんとか掛かり、水平なバンドを伝って、皆の待つところに着いた。
P1410から降る難所(鎖、ロープはしっかりしている)
枝に捉まりながら特急で鞍部まで降り、鬼ヶ面山への登りとなる。手前ピークでエネルギー補給して北峰鬼ヶ面山を巻き、ロープに助けられ10:25南峰鬼ヶ面山に着いた。地図では北峰に登山道が付けられているが登山道はなく南峰のみとなっていた。
念願の鬼ヶ面山頂上に立つとうれしさが込み上げ、お山の大将になった気分だった。10人位立つと一杯になるこんな広さの頂上が一番好きだ。展望も最高で梶山新湯(雨飾温泉)を俯瞰したり、鋸山のルートを目で辿ったりとどれだけ居ても居たり無いほど眺めが良かった。
鬼ヶ面山頂上 渓谷に下る尾根から眺める海川
黒部の単独女性が着き、千葉の方々は海谷でテン泊する為、大きいリュックを背負っていたと聞かされ、ストックさえ引っかかる厳しい行程を思いだし、さぞ大変だろうと察した。その彼女もこんなところに一人で来るとはかなりの猛女であるはずだ。
10:55鬼ヶ面山を降り縦走路に出て、海谷渓谷に下る分岐に向かった。途中に雨飾温泉から鋸山を経て海谷三峡パークに行くという年配男女の4人グループに出会い凄い人達が居るものだと驚かされた。
11:30梶山と海谷の分岐に着き、尾根に降った。Uさんの先頭で急坂を駆け足のような速さに付いて行くのが大変だった。今日のような健脚揃いでは写真を撮っているとすぐ離される。ただただひたすら急斜面を替わる換わる枝を持ち替え、お猿になった気持ちで駆け降りた。次第に紅葉の木々の間から蛇行した海川が見え、瀬音が近づき12:40下降点に降立った。
「本流に行きましょう」とU氏の指示で10分間ほど河原を歩き、渡渉して休み場所を確保した。素晴らしい海谷の山懐に抱かれ、心身を癒す。美くしい両岸の山々、そして広い河原と清流、風も無くゆったり時間は流れていった。他愛の無い話、美味しいビール(Mは飲まないが)とつまみに笑顔がこぼれる。仲間が居ればこそ。本当に楽しかった。とU氏をはじめ皆さんに感謝した。
美しい海谷渓谷で憩う 海ガ平を独り占め
14:00そろそろ帰ろうと立ち上がり、“越後の上高地”を堪能しつつ大自然を我がものとして河原を歩き14:40取入口に着いた。此処で登山道がわからなくなり(両岸2つあった)時間をくったが、U氏の判断で小屋側を選び登山道に出て15:50海谷三峡パークに戻った。
展望台で千丈ヶ岳の岩壁や鉢山を眺めながら、ハードでおもしろかった一日を振り返り充実感と満足感に浸り、心地よく車へと戻った。
展望台に立ち千丈ヶ岳の絶壁や鉢山を眺める 駐車場脇には美味しい冷水が迸る
帰りはシーサイドバレー内にある塩の道温泉(400−)で汗を流し、越中境PAでそばを食べ7:50高岡Pに帰った。
■2006山行記録■
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